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「ほらバカシンジさっさと起きなさいよ」
清々しい朝に良く合う澄んだ声で晴れ渡った空と同じ色をした瞳を持つ少女はそこに寝ている少年の肩を揺り動かした。
「う・・・ん・・・ん」
「・・・早く起きて・・・遅刻するわ」
夕焼け色の瞳をした少女も少年にそう呼びかけた。
「う・・・・・・・ん・・もう・・・少し・・・寝かせ・・・て」
「甘えてんじゃないわよ!!!!このバカ!!さっさと起きろって言ってんのよ!!」
ゴス!!
「すぐつけ上がるのね・・・彼・・・・これでも食らえ・・・・・」
シュンシュンと沸騰しているやかんを手にしたレイが近寄ったところでシンジは慌てて起き出した。
「ああああああ危ないじゃないか!!」
「だって・・・・起きないから・・・・」
ネグリジェ姿のままのミサトがあくびをしながらシンジをなだめた。
「まあまあシンちゃん、レイも悪気が在った訳じゃないんだし」
レイは薄ら笑いを浮かべながらシンジにやかんを手渡す。
「お茶でも入れて・・・気が利かないのね・・・」
6畳一間の5号室。
そこはシンジの部屋だ。で、なぜ彼女達がこの部屋にいるかというと今日は平日であり、ミサトは出勤、アスカとレイは学校に行かなくてはならない。
その為に朝食を取るべくシンジの部屋にいるという訳だ。
更に説明するなら、アスカもレイも料理は出来るが
「あんたバカア?何でそんな面倒な事、このあ・た・しがしなきゃいけないのよ!!」
「自動調理器・・・ここにあるもの・・・」
「やあねえ、ついでよ、つ・い・で」
という事で自動調理器ことシンジは計四人分の朝食を作らされている訳だ。
「シンジ、作るなら早く作れ・・・・我々には時間がないのだ」
訂正、5人分らしい。
築何十年か不明の木造二階建ての下宿屋『ねるふ館』の責任者、赤木リツコさんのコメント。
「まあ、いつもの事ね。不様なのは」
*
市立第一高校まで徒歩30分ほどの道のりが彼らの通学路だ。その30分はシンジにとって大抵は辛く厳しい道のりであった。
二人の鞄を持ち二人の少女の後を追っていく。ほとんど丁稚奉公だが余所では下僕らしいので別に構わないだろう。
相変わらず喉が渇いただの歩くのが遅いだの言いたい放題の二人。
そんな二人をシンジは一生懸命追いかける。遅れると何をされるか分からないからだ。
「おはよう」
「おはよう」
アスカとレイはクラスの中でとっても人気がある。特に男子生徒には絶大な支持を得ている。
明るく朗らかなアスカ。
物静かでどこかミステリアスなレイ。
それがこの二人の外での評価だ。
「何が・・・・・・外面がいいだけじゃないか」
このクラス、この学校の男子生徒の中でシンジだけはその評価を下していない。
まあ、無理もない。
だがそれを口にすることはない。
「シンジ・・・・口は災いの元って知ってる?」
「・・・あなた・・・長生きしたいんでしょ・・・・」
と二人から優しく口止めされているからだ。
そんなシンジに友達はいない。
飲酒の罪で一ヶ月の停学処分を食らい初日から大きくつまずいたシンジ。まして現場写真まで張り出され言い訳など出来よう筈もない。
初日に行われた自己紹介にシンジは出る事が出来なかったので、すっかり教室から浮いてしまった。
まあ、そうでなくても掲示板に堂々と酒を飲んでいる写真を張り出される様な奴とは一線を引いておきたいと思うのが人情だろう。
誰だって巻き込まれたくない。
という訳でウォークマンを一人で聴いて一日を過ごす・・・。
そんなシンジだが、当然の様にアスカ、レイと一緒に登下校する姿に男子生徒の嫉妬は集中するのだ。
「シンジってアスカとレイとも仲がいいのか?」
仲がいいとか悪いとかではない、丁稚奉公だから
「でもいつも一緒に登校してくるぞ・・・・」
それは彼女達の鞄持ちをさせられているから。
「いつも一緒に帰ってるしな・・・・」
それは買い物につき合わされ荷物持ちをさせられるから。
「いつもよく一緒に話してるし・・・」
それは、グズ、バカ、ノロマ、等々文句を言われてるから。
常に真実は知られる事はない。
愚か者達にはシンジがまるで二人に好かれている様に見えるのだ。それ故シンジは常に迫害の対象とされてしまう。
ああシンジ・・・・君は何処へ行く・・・・
*
とその頃・・・
ねるふ館責任者、赤木リツコさんはその職務を全うすべく老朽化した建物の修復に追われていた。
「あら嫌ねえ、こんな所まで腐ってる。壊しちゃった方が早いのに・・・全く冬月のじじいは本当にせこいんだから」
リツコさんはキリのない仕事をさっさと切り上げるとコーヒーを入れて一休みする事にしたようだ。
広いだけの庭では夜店で買った使徒達がワヤワヤと戯れていた。
「ほらアラエル通り掛かりの人を照らすんじゃないの。こらラミエル!駄目でしょあっちこっち撃っちゃ・・・・しょうがないんだから」
ちなみに池の中でも何やら飼っているらしい。全部で14匹飼っている。
あちこちで黒い煙と炎が上がり、目の前の坂道には幾人もの人たちが頭を抱え泣き叫んでいたがそんな事は何処でもよくある光景だ。
「シンジ君学校うまくやってるかしら・・・・・」
休養で田舎に帰っていたリツコさんが帰ってくるとシンジは高校には受かったが飲酒で停学になった事を知りかなり荒れ狂った。
「あの連中、何処逃げやがった!!殲滅してやるから出て来やがれ!!」
しばらくの間、ポジトロンライフルとN2爆雷を抱え、13匹の使徒と共に辺りを探し回る彼女の微笑ましいお姿が見られた。
それはそれとしてシンジの学校での様子が少し気になる優しいリツコさん。
「それにしても暖かくなったわね。アラ、桜・・・何処から来たのかしら」
リツコさんの足下に風の宅急便で運ばれた花びら一枚が届けられた。
「もう春ね・・・・」
足下にすり寄って甘える使徒達の頭を優しく撫でながら丘の上を眺めていた。
*
「シンジ、お弁当早くよこしなさいよ」
「早くして・・・お腹空いてるの」
シンジは自分の鞄から彼女達の弁当を渡した。
「たまには自分で作ればいいじゃないか・・・」
「あーーーら、偉くなったわねええええ。どうしたらそんな口聞けるのかしら」
アスカはシンジの頬を摘み上げる。
「どうしてそんなに偉そうなの・・・・・」
レイがシンジの頭をごりごり拳で締め付ける。
そんな光景すら他の生徒達には羨ましく映るのだ。
「弁当なんか渡してゴマスリ野郎!!」
「あの野郎!!ほっぺなんか触ってもらいやがって!!」
「ちくしょう!!レイちゃんに頭撫でて貰ってやがる!!」
万事こんな調子だ。
外では桜が咲いているほどのどかだと言うのにこの教室はまるで北極のような冷たさの戦場にいるようだ。
だから一日が終わるとシンジはすっかり疲れ果ててしまうのだった・・・・。
*
「あ、リツコさん、ただいま」
「お帰りなさい、どう、学校は。楽しかった?」
シンジは足下にまとわりつく使徒達の頭を撫でながら力無く笑っていた。
「ええ・・・・」
「そう、良かったわね。さっきミサトから連絡あったんだけど明日お花見やるんだって。シンジ君も行かない?」
「お花見ですか・・・・いいです。行きません」
シンジはもうこりごりだった。これ以上彼女達に関わりたくない、そう心から思っている。
「大丈夫よ、今度はお花見なんだからシンジ君を苛めたりしないわよ。それにあたしも行くんだから」
・・・花見か・・・昔母さんと一緒に行ったな・・・楽しかったな・・・あの頃・・・
「リツコさんも行くんですか・・・・・・・・じゃあ、行こうかな」
「気分転換にいいわよ、きっと」
ニコッと微笑むリツコさんの顔にシンジは全面的な信頼を置くことにした。
「僕・・・行きます」
ねるふ館5号室 シンジの部屋
「何、あんたも行くの?」
「そう、さみしいのね・・・」
夕飯をたかりに来たアスカとレイがシンジを睨む。
「何だよ・・・行っちゃ駄目なの・・・」
「いいけど、あんた手ぶらで来るんじゃないでしょうね・・・」
「フフフフフフ・・・・そんな事無いわ・・・ねえ・・・」
アスカとレイは意地悪そうな顔をしながらシンジを見つめた。
それにしてもこの二人性根が腐ってやがる。
「弁当作ればいいんだろ・・・分かってるよ・・・」
全く何処までも気の弱いシンジ。だからこの二人がつけ上がるのだ。
「花見か、反対する理由はない。やりたまえ」
いきなり壁の穴からゲンドウが湧いて出てきた。全くゴキブリのような奴だ。
彼も夕飯をたかるつもりなのか自前の箸がしっかり握られている。
「たっだいまー、シンちゃん、今日の夕飯なーに?」
こいつは既にシンジが夕飯を用意してくれると決めつけているらしい・・・。
朝、昼、晩三食常にたかられるシンジ・・・悲しすぎる・・・。
*
そんでもって日曜日。
「そんじゃあ、いっくわよー!!」
目的地はこの高台の上にある公園、通称『ゴルゴダの丘』と呼ばれる花見の名所だ。
まあ名所と言ってもこの付近の住人位しか知らないのでどちらかと言えば『隠れた名所』だ。
その『隠れた名所』に7人の男女がそれぞれの思惑を胸に秘め『ゴルゴダの丘』へと足取りも軽く、大量のアルコール類とこれまた大量のおつまみと共に向かっていった。
「ところで席は取ってあるんでしょうね」
ミサトの心配も尤もだった。何しろ花見と言えば徹夜で席取りする者も居るくらいだ。
席が取れなければ花見がおじゃんだ。
その心配は他の三人にとっても同様だ。
「心配ないわよ、彼らに任せてあるから」
彼らの前に徐々に桜が姿を現し始めた。
丘を上がりきると淡い桃色の世界が広がって彼らを待っていた。
「うわあ、すごいや」
「すっごーい」
「うむ・・・」
視界の中には桜しか映らない。まさしく満開だ。
「うんと・・・・あそこよ」
リツコさんの指先には一際巨大な桜の木がそびえている。おそらくこの丘で尤も大きく、尤も美しいであろう。
「へえ、あんな所良くとれたじゃない」
アスカが感心するのも無理はない。そのほかの場所はすべて人で埋め尽くされているのだ。
もはや隠れた名所でも何でもない。
「彼らに任せたから」
「かれら?」
リツコさんが任せたのは使徒だった。3匹の使徒がリツコさんを呼んでいた。
「ご苦労様。シャムシエル、イスラフェル、ゼルエル。いい場所とれたわね」
ピーピーとリツコさんに甘える彼らは、武闘派だ。
いい場所と言ったがもちろん先客はいた。だが・・・・・まあそう言うことだ。
「さあ、支度しましょ。ござ広げて」
こうして宴会の準備は着々と進んでいったのだった。
*
「そんじゃあ・・・・かんっぱああああああああい!!」
「かんぱあい!!」
グビグビグビグビグビグビグビグビグビグビ
プッファアアアアアアアアアアアアアアアア
「んっまい!!」
そして花見が始まった。
「あらシンちゃんどうしたの?飲んでないじゃない。ん、コーラ?駄目よこんな物飲んでちゃ!!」
「いいんです!!また停学になっちゃうよ」
シンジは二度とアルコールは口にしないと心に誓った。まあ高校生の言う台詞じゃないんだが。
「何よ、つまんない男ねえ」
「そうね、芸もできない役立たずね・・・・ふふふ」
それでもシンジの作った弁当は食べるところが図々しい。
「シンジ、芸をしろ」
「そんなあ、何で僕じゃなきゃいけないの」
「お前しかいないからな・・・オモチャになるのは」
そう、別名『ねるふ館の楽しいオモチャ』・・・・。
そんな彼にミサトは優しく元気付けた。
「悔しくないの、男の子でしょ。逃げちゃ駄目・・・」
はっきり言って余計なお世話だ。が、うつむいたシンジなどあっという間に放り出され宴会は進んでいった。
「シンジ、旨そうだな。ワシにもよこせ・・・」
「あ、駄目ですよ。それ僕のですよ!!」
ゲンドウから自分のために作ったお弁当をなんとか取り返した。自分の好物だけで構成された大事な弁当だ。易々と渡すわけには行かない。
「何だ、随分冷たいじゃないか。さんざん弄んだ癖に・・・」
「?・・・何のことです?」
ゲンドウはこの陽気に詰め襟の制服を着込んでいるが、その懐からマイクを取り出した。
「あ・・・テス、テス・・・・コンコン・・・ああ」
何を始めるかと思えばマイク片手に色々喋りだしたのだ。
「あの晩お前はこのワシを弄んだ!!」
一斉に周囲の目がシンジに向けられる。
「ち、違うよ、そんな事ある訳無いだろ・・・・酔ってるんだよ」
「そう、この間もワシが酔ったのをいい事に・・・・あんな事まで」
シンジの顔が面白いくらい青くなっていく。周りで聞いている人達の囁きが聞こえてきた。
・・・あんな子がねえ・・・ヒソヒソ・・・そう言う趣味なのかしら・・・・ヒソヒソ・・・
・・・見かけによらないわねえ・・・あの子、近所のシンジ君よやあねえ・・・
「それだけじゃないぞ。・・・もう口に出せないくらい・・・・嫌って言ったのに・・・」
シンジはもう気を失いそうになる。もちろん彼は無実だ。だがそんな事は関係ないと言わんばかりに続けるゲンドウ。
「最後にはあろう事かワシを縛り上げ・・・・くうっ・・・一生の不覚!!」
「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!何でたらめ言ってるんですか!!」
そこでアスカが口を挟む。やはりマイクを掴んだ。
「あの時は非道かったわ・・・彼、泣きながら私の部屋に入ってきてシンジにやられたって・・・・」
「そう、可哀想だったわ」
観客(!!)のシンジを見る目が刻々と変わっていくのが分かる。
「そ、そんな目で見ないでよ・・・嘘に決まってるだろ」
更にアスカとレイは続けた。
「その後シンジが“ゲンドウは何処だ!!まだまだこれからやで!”って怒鳴り込んできて・・・」
「彼は押入で震えていたわ・・・・」
もう既に周囲の人達の目は非難する目つきに変わっていた。
・・・なんて子かしら!!・・・エンガチョ!!・・・近寄っちゃ駄目よ・・・
「嘘だ!!嘘だ!!嘘だ!!嘘だ!!嘘だ!!嘘だ!!」
「ワシの心はふかあああああく傷ついたのだああああああ!!」
最後の魂の叫び声のような訴えは人々の心を打った。
「こら、いつまでやってるのよ、本当に・・・いい加減にしなさいよ」
リツコさんがさすがに止めにはいる。調子に乗るとこの連中は歯止めが利かないのだ。
まさしく暴走状態になってしまう。
「ほらシンジ君も泣かないの、ね」
「ういっくういっく・・・リツコさあん」
「はいはい」
ああ、なんて優しいリツコさん。だがそんな彼女を苦々しく見つめる一人の女がいた。
「何あのショタコンババア。ったく年考えろっていうのよ。けっ」
そんなこんなで宴会は進む。無論それに応じて酒の空き瓶も加速度的に増える。
「ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャ」
「あたしを見てーーーほうら桜の神様よーーーあたしをみてーーー」
アスカは桜の木によじ登ると桜に枝を頭にくくりつけ嬉しそうに喚いていた。
「フフフあたしは誰?ウフフあたしは蛙じゃないわ。フフフ、あたしは妖精さんだわ」
両手に桜の枝を持ち笑いながらあちこち「妖精さんよお」とわめきながら飛び回っているレイ。
一方リツコさんはご機嫌が90度ほど斜めだった。向かいの席の親父達がカラオケを始めたのだ。下品な物が嫌いなリツコさんはその下品きわまりない歌声を聞くのに耐えられない。
「煩いわねえ・・・デラックの海にでも放り込んでやろうかしら・・・」
だがそんなことぐらいでは機嫌が直りそうもない。
「サハクィエル!!おやり!!」
そう言うとリツコさんに忠実な使徒はいったん成層圏まで飛び上がると・・・一気に落ちた。
そしてそこは静かになった。
「やっと落ち着いて飲めるわね」
その向こうでゲンドウは何やら公園に置いてある象の形の置物に話しかけた。
「ユイ、頼む、帰ってきてくれ・・・・ほんの出来心なんだ。あんなバーさん本気で相手するわけ無いじゃないか・・・うう、ユイイイ!カンバックウウウ!!!」
そしてゾウさんを引き抜くと強く抱きしめた。相変わらず楽しそうだ。
「そこの中学生、あんた適性があるわ。お姉さんの所いらっしゃい。怖くないから」
真性ショタコンのミサトは手当たり次第に近くの男の子に『チルドレンになれるわよおおん』などと迫っている。
そんな中シンジは一人で寂しくコーラを飲んでいた。
「みんな・・・楽しそうだな・・・」
楽しそうって・・・・そうか?
しかしシンジにもやがて楽しい時間がやってくる。
公園の桜の枝を折り、ゾウさんを引き抜き、使徒を降らせ、男子中学生に迫る。
これだけやれば黙っていない組織がある。
お巡りさん達だ。
坂を上がってくるパトライトの光にシンジを除く全員が気づく。
「シンジ、これあげるわ」
「・・・これもあげる・・・」
「シンジ、良くやったな。これはご褒美だ・・・」
「シンちゃん、はい、この子達はお友達よ」
そしてねるふ館の住人達は風のように去っていった。
訳の分からないシンジの周りには大量の桜の枝と、引き抜かれたゾウの置物、紐で縛られた男子中学生が転がっていた。
「なに・・・・これ?」
「ちょっと君・・・」
「はい?」
「どういうつもりかね」
数人の警察官に囲まれ、いまだに事態を理解していないシンジ。
「・・・・・・!!、僕じゃないですよ!!これは、あの、とにかく僕じゃ・・・」
「全くやっていい事と悪い事もわからんのかね!!」
「違いますよ!!僕じゃ・・・・」
・・・あの子でしょ、中年男性を襲ったの・・・・
・・・そうそう、紐で縛り上げさんざんシタらしいわよ・・・
・・・中学生まで襲ったみたいね・・・
・・・ゾウさんもよ・・見境無いのね、あの子・・・
・・・おおヤダヤダ・・・
囁きが警官の耳にも入る。
「ちょっと来て貰おうか」
「そんなあ・・・・・嫌だああああああああああああああああああああああああああ」
シンジの楽しい時間はこれからだった・・・・・・。
*
シンジがねるふ館5号室に入ったのは夜中の二時を回っていた。身元引受人はさっきの騒ぎの時、運良くトイレに行っていたリツコさんだった。
シンジの部屋には誰もいない。シンジは電気もつけずに机の前に座った。
そこには母のくれたお守りと優しく微笑む写真が置いてある。
・・・母さん、今日お花見に行ったんだ・・・とても楽しかったよ。このアパートの人達みんないい人ばっかりで優しくしてくれるんだ・・・
母の写真に今日の報告をしていた。
・・・それに今日はお巡りさんにも誉められちゃった・・・・・
「フフフフフフ楽しかったな・・・・ふふ・・・うっうっ・・・・くっ・ううっ」
シンジが机を涙でぬらしている頃・・・・
「ちょっとミサト、もうビール無いの」
「あによ、あたしにまでたかんないでよ」
「全くけちくさいんだから・・・・だからいつまで経っても独りなのよ」
「そう・・・行かず後家とも言うわね」
「うっさいわねえ」
それぞれが勝手なことを言いながら一つの思いを胸にしまい込んだ。
ミサト「あー終わった終わった。今回ちょっちつかれたわねー」
全員
リツコ「これからも作者をがんばらせますので・・・・ええ、鞭打ってでも・・・・・」
作者「今回もお読みいただき有り難うございました。次回3万人記念でお逢いしましょう」
全員&作者
アスカ「これ4回ぐらい書き直してるんでしょ。バッカみたい」
レイ 「そうね。でも仕方ないわ作者が作者だもの」
ミサト「まあね・・・あれ?シンジ君は?」
シンジ「なんです、ミサトさん」
アスカ「意外と元気じゃない。もっと落ち込んでるかと思った」
シンジ「心配してくれたんだ」
アスカ「バ、バカ言わない出よ!!何であんたなんか・・・」
ミサト「まあまあ。それより何でリツコだけさん付けなのよ?」
リツコ「それはやっぱりあなた達より頼りになるからよ」
ミサト「へ、何言ってんだか・・・・」
レイ 「作者・・・趣味悪いわね・・・」
リツコ「分解するわよ・・・ったく。ほら挨拶挨拶」
「今回もお付き合いいただき有り難うございました。まあ、相変わらずの出来ですがお読み下さって感謝の言葉もございません。」
ミサト「甘いわよ、逆さ吊りよ!!」
全員
「今後も『めぞんねるふ』『26からのストーリー』どうかよろしくお願いいたします。
お読みいただき誠に有り難うございました」
「管理人さん並びに入居者の皆様、2万HIT・・・・」
ディオネアm(__)m
ディオネアさんの『めぞんねるふ!!!』「明日はどっちだの巻き」発表です!!
もうすっかりカウント記念小説はディオネアさんに頼ってしまっている私です(汗)
読んでとにかく迫ってくるのが「レイの怖さ」ですね、
あの顔でボソボソ言う台詞・・・・止めてくれ−−−!!(笑)
ここまでシンジがいい目にあえないギャグEVAはないでしょうね、
ディオネアさん、もっと「ネルフ館」のシンジに試練を!
「EVA館」のシンジにはその分幸せになってもらいますので。(爆)
読者の皆さんもディオネアさんとシンジ君にエールを送って下さいね!
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