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光、光、光・・・
青い光、赤い光、白い光・・・
大きな光、小さな光、強い光、かぼそい光・・・
幾千ものの光が、あたかも命を持つもののように蠢き揺らめいている。
見渡す限り光に満ちたその空間の中、一人の少年が立ちつくしていた。
ふいに、天空から声が響いた──”いま、すべてを一つに・・・・・”
少年はその言葉に微かに頷くと目を閉じた──少年の身体が光を放ち始めた。
その光はまたたくまにその空間に広がりそのすべてを呑み込んでゆく。
すべての光は少年の発する光に取り込まれもはや個別に識別することは出来なくなった。
突然、少年の発光が止んだ。
先ほどの無数の光は最早どこにも存在してはいなかった。
絶対の闇だけが残った。
【2・YEARS・AFTER】 第拾八回
作・H.AYANAMI
──”外側”
少年の横たわる寝台を白衣を着た男たちが取り囲んでいた。
シンジの体の各所から延びる各種センサーからの情報を示すモニターに向かっていた男の一人が言った。
「・・・おかしいですね。彼の自我がこれほど強固なものとは・・・事前の調査報告では自我意識の希薄な、どちらかと言えば御しやすい対象とのことでしたが・・・」
責任者らしい男がそれに答えた。
「我々は彼を個であること、いや人であることから脱却させようとしているのだ。それが容易で無いことは最初から解かっている・・・血中のエンドルフィン濃度を増加させて更に深層への干渉を進めたまえ。先ずは彼の意識を快楽の奈落へと沈めるのだ」
男の言葉に部下たちが動いた。シンジの腕に差し込まれた注射器に延びるチューブには黄色の液体が流れ込み、A10神経に接続されたコードには電気パルスが送り込まれた。
シンジの体が僅かに痙攣した・・・。
──”内側”
突然、彼は自分の体が際限の無い深い海に投げ込まれたように感じた。泳げない彼は、しかし何の不安も感じない。水中を漂いながら彼の快感はどこまでも、どこまでも上昇して行く・・・・・遂に絶頂が来た。彼は持てる生気のすべてを放出する。完全なる脱力、死の予感・・・それでも彼にとっては無上の瞬間だった。
彼の意識は途絶した。
・・・・・・・
・・・・・
・・・
声がした。
”目覚めよ”
「誰?」
シンジは声の主に尋ねた。目を開けて声のした方 ──彼の頭上を見ようとした。しかし何も見出すことも出来なかった。
再び声がした。
”目覚めよ”
シンジは気づく。声は彼の外からでは無く、内側から発せられていることに。
「貴方は?・・・僕の”中”の貴方は誰ですか?」
声が答えた。
”私は君だ。・・・君の中の、もう一人の君だ”
「もう一人の僕!?」
”そうだ・・・”
シンジは混乱する。まったく訳が分からないでいる。
だが声──シンジの中の──はシンジの混乱などお構いなしに続けた。
”目覚めの時は来たのだ。君は目覚めなければならない”
「・・・目覚めの時って!?・・・僕はちゃんと起きてるじゃないか!?」
僅かに苛立ちを含んだシンジの声。だが声はあくまで静かに続けた。
”君は特別な存在なのだ・・・君には力がある。その力を目覚めさせる、その時が来たのだ”
シンジは意味が理解できない・・・・・だが・・・・・
(前にも同じ様なことを言われた気がする)
ふとそんな思いがシンジの脳裏をよぎった。それを見透かしたのかように、声が畳みかける。
”目覚めの時は来たのだ・・・すべての人々の為に、君はその力を使わねばならない”
シンジの脳裏にその言葉は強く響いた。
(すべての人々の為に・・・目覚めの時・・・力・・・すべての人々の為に使われる)
思考は停止し、ただその言葉がリフレインされた。
──”外側”
「・・・拒否を示す反応は微弱です。誘導波に素直に順応しています」
責任者の男が応える。
「そうか・・・例の特殊波形は現れているのか?」
「はっ、はい・・・γ-φ波徐々に増加中です。まだ安定しませんが・・・いえ急速に上昇中、まもなく臨海点を突破します・・・後0.5・・・0.3・・・今突破しました」
──”内側”
「えっ!?・・・」
シンジは突然自分の身体の感覚が変化したのに気づいた。その変化は、彼自身、言葉にするのは難しかった。彼の体は空間に同一化し、否、空間そのものが彼自身になったと感じられていた。
彼は解き放たれていた、すべてから。彼は自分自身からさえ自由であると自覚する。
そうした感覚は彼をして全能者であるという自覚を生んだ。
(僕には何でもできる。超人だ・・・いや僕は神になったんだ・・・)
普通の人間ならば、自身の精神の異常を疑うべき感慨だった。だがシンジの心に少しの疑念も生じてはいなかった。
ふいに、彼の内部に一つの言葉が浮かび上がってきた。
”人類のすべての欲望を受容し昇華せよ”
シンジは、何故かその言葉を素直に受け入れることが出来た。
(そうだ!僕が人々を救うんだ。そのために僕は存在しているんだ)
不思議な高揚感がシンジの心を支配した。彼の肉体――空間は光を帯び始め、それは次第に膨れ上がっていった。
──”外側”
計器をモニターしていた男が興奮した声を上げた。
「γ-φ波極大化!いえゲージを振り切りました。尚も上昇中と推測されます!」
シンジの肉体は光を帯び始めていた。
「いかん、メタモルフォーゼが始まっているぞ。強制睡眠剤の投与を急げ!」
「はっ、はい」
男の一人があわてて薬液の入った瓶を取り出すと、シンジの腕に連なるチューブにそれを装着した。
まもなく、シンジの意識状態は仮死ともいえるほどに低下していった。それにつれてシンジの肉体も平常に戻った。
責任者の男は嘆息した。
「ふっ・・・どうやら間に合ったようだな」
最も若い男が呆然とシンジの体を見つめながら呟くように尋ねた。
「・・・今のは・・・・一体何なんですか?」
責任者の男がやや落ち着きを取り戻して答える。
「・・・人の形は誰しもその者の意識がそれを決めていると言うことだ。彼の場合はやや唐突な変化だったが、いずれにしろ、これで赤木博士の理論は証明された訳だ。
・・・我々の任務は成功だ、このことを閣下に報告したまえ」
「・・・了解しました」
若い男は指示に従い、壁の電話機に向かった。
──大深度施設内
狭いエアダクトの闇の中を、二人の青年と一人の少女、そして一人の女が這い進んでいた。もとより灯りとなるものなどは無く、彼等自身が装備する特殊な暗視ゴーグルがかろうじて彼等に”視界”を与えていた。
『だめ!碇君』
小さな叫び声を上げ、少女が突然に動きを止めた。
後に連なっていた女の注意は彼女自身の内面に向けられていた為にそれに気づくの遅れた。少女の履く靴を掴みかけてそれをさけようとして咄嗟に手を動かしたためにバランスを失ってその場にのめりかける。
「ああっー」
その叫び声に先行していた男たちが振り返った。
マコトが声をかける。
「どうしたんです!?ミサトさん」
だが、ミサトはそれには答えず、少女に向かって尋ねていた。
「どうしたの?レイ、急に立ち止まったりして・・・」
レイはその問いにぽつりと答える。
『いま、碇君を感じたんです』
二人の男、マコトとシゲルは不思議なものを見るようにレイを見た。だがミサトの反応は二人とは違っていた。
レイに尋ねる。
「それで、シンジ君はどこにいるの?」
『ここよりもずっと下のほうです・・・』
その言葉にミサトは大きく頷いた。
「わかったわ・・・ここから下層へ降りるにはどうしたら良いの?マコトくん」
記憶の中の”図面”を参照しつつ、マコトはその問いに返答する。
「・・・あと50メートルほどでこの施設を縦貫する中央給排気シャフトに出ます。それを使って下降すれば良いと・・・」
「で、どれくらい下りる訳?」
「・・・はい、最深部までですとおよそ1000メートルです・・・」
「・・・・・・」
ミサトは絶句した。ゴーグルが視界与えてくれているとはいえ、闇の中に彼女はもう十分以上に滞在していた。彼女にとって暗く狭いこのような所に長くいることはあまりにも苦痛だった。
(もう遠い昔のことなのに・・・なぜ克服できないのかしら)
レイがぽつりと、しかしはっきりと言った。
『早く碇君のところへ』
「・・・そ、そうだったわね」
ミサトはようやく我に返った。自らを励ますように言った。
「急ぎましょう」
4人は再び這い進み始めた。
──大深度施設・橋元リュウイチロウの休息する部屋
束の間の睡眠を享受していた老人は、二つの報告を受けるためにその眠りを中断されていた。
一つは待望していた知らせであり、そしてもう一つは望んではいないものだった。老人は一瞬の沈黙の後、はっきりとした声で告げた。
「・・・抵抗するようなら殺せ」
「はっ」
老人の部下は指示を伝えるためにその部屋を辞す。
あとを追うように老人も寝台から身を起こすと、傍らに置かれた杖を手にとって立ち上がった。
老人は一人呟く。
「・・・少し余裕を持ちすぎた、か・・・やはりすぐ始末すべきだったかな」
老人は一瞬だけ顔をしかめたがすぐに元の無表情に戻ると、その部屋を出てシンジのいる部屋に向かった。既に彼の表情にその思考を伺わせる何物も現れてはいなかったが、しかしその眼光は強く、鋭かった。
──施設内通路
今や施設内のすべての通路は明るく照明されていた。陰となり得る場所は無くなり、従って隠れる場所も無かった。
加古にはその白昼にも等しい通路に長くとどまっていることが、捕獲されることを望んでいるのと等しいことが分かっていた。彼は通路を走りながら忙しく目を両側の壁に走らせていた。
「!」
加古は遂に目的のものを見つけた。それは通信ケーブル用のパイプスペースへのアクセスドアである。彼の記憶通りならば、中にはメインテナンス要員の為の通路があり、しかもそこには監視用のカメラは設置されてはいないはずだった。
彼はすぐに立ち止まると、握っている拳銃をその扉に銃口を向けた。
「パーン」
弾丸は狙い通りに扉のロック機構を貫いた。しかし銃声と時を同じくして声が聞こえた。
「いたぞ!!」
同時に加古の背後に近づく兵士たちの足音が響いた。
「動くな!!」
だが彼は振り向きもせず間髪を入れず扉に手をかけるとそれを引き開け中へと飛び込んだ。
──監視ルーム
加古の行動は監視カメラによって逐一把握されていた。仮眠室からようやく起き出してきた当直の警備責任者─―波勝大尉は、賢明にも現場に到着した兵士に闇雲に加古の後を追わせる事なく、先ずオペレーターにパイプスペースの図面のCRTへの表示を指示していた。
彼は表示された画面を一瞥し思わず歯噛みしていた。
「畜生・・・」
自然、悪態が口を吐いた。元々急速整備されたこの施設には警備上の穴が多い、と彼は感じていたのだが、加古が潜り込んだこのパイプスペースがその最たるものであることが、画面を見るなり一目で判ったからだ。
パイプスペースはその名の通り、各種のライフラインに沿って網の目のように施設内を走っており、しかもそこには監視カメラも赤外線その他のセンサーも全くと言って良いほど設置されてはいなかった。これでは今後の加古の動きをつかむことほとんどできない。
(奴がここへ入り込んだのは偶然か!?いや、奴は俺以上にこの施設のことを知り抜いているに違いない・・・手持ちの兵の数ではここから奴を狩り出すのは容易ではない)
そんな、諦めにも似た感慨が波勝の意識に一瞬生じた。だが彼も長年警備を担当してきた士官である。すぐに思い直す。
(奴は外部への脱出を試みるはずだ・・・だとすれば・・・)
既に外部に通じるエレベータや非常用のシャフトは押さえてあった。彼はもう一度、今度はじっくりとCRTを見つめた。
「判った!」
彼は声に出してそう言うと、インターフォンを手に取り次のように命じた。
「予備の警備兵はすべて中央LST(ライフサポートチューブ)室へ急行させろ、逃亡者はいずれそこから外部への脱出を計るはずだ。追尾中の各兵員は念のためパイプスペース結合点の各アクセスドアに配置・・・
なに!?地上(うえ)からの増員!?・・・今は無理だ、重要貨物警備の為とかでポートの方に取られている。とにかく現状の人員で対処しろ、既に射殺は容認されている。抵抗するようなら構わないから発砲しろ、但しパイプ類を破損しないよう留意せよ」
彼はそう命じ終わると、自らも中央LST室へ向かうべく監視ルームを後にした。
──小部屋
灯りの乏しい部屋だった。部屋の中央にはシンジ達がここへ連れ込まれてきた際に入れられていたコンテナが一つおかれている。
シンジはそのコンテナに再び収容されていた。老人の指示である。
コンテナには窓は無くシンジの姿を直接見ることはできなかった。
それを前にいまその部屋にいるのは、老人とそして”洗脳チーム”の責任者の男――吾野の二人だけだった。
先ほどから吾野は老人に説明を続けている。
「・・・彼の意識はすでに卑小な個人であることから脱却しているものと思われます。彼の意識は拡大し・・・それに伴って肉体の拘束をも超越してしまうものと考えられます・・・」
「それはつまり・・・この子の肉体は?・・・」
老人の身近にいる者ならその曖昧な言い様に違和感を覚えたことだろう・・・老人は確かに言い淀んでいた、あたかも問いに対する答えを怖れているかのように。
しかし吾野はそれに気づかなかった。こともなげに答える。
「はい、彼の肉体は意識の拡大と共に、細胞或いはそれ以下の単位で分離拡散、消滅すると考えられます」
老人は微かに頷いて了解を示した。が、それは既存の知識を確認したに過ぎなかった。そのまま二人の間には沈黙が訪れた。
ややあって老人が命じた。
「・・・これを下へ運んでおいてくれ・・・間もなく赤木博士も到着する」
「はい、了解しました」
吾野がそう答えたとき、老人は既にきびすを返し、その部屋の扉に向かいつつあった。
──地上
丘陵に囲まれた僅かな平地。周囲の峰々は東に向かうに従って高くなっている。それ故に曙光は未だ届いておらず、そこは暗闇の中に沈んでいた。
突然、闇が盛り上がったように見えた。点滅する赤い衝突防止灯をその頂点に内蔵したポールが幾つも地表から現れたのだ。ポールは直径100メートル余りの円を成して規則的に並んでいた。更にその内側にはヘリの降着場所を示す白色灯が幾つかのブロックに分かれて点灯した。
闇は一瞬にしてその静寂を失っていた。周辺の数カ所から、誘導の地上員そして小銃を構えた警備兵が飛び出してきた。ほぼ時を同じくして上空から爆音が響いてきた。
間もなく横一列になったヘリの一団が現れた。その細身のシルエットからそれが戦略自衛隊の誇る戦闘ヘリコプターであることが見て取れた。その数6機。
ポート上空で一団は編隊を解いた。それは着陸の為とも思われたが、そうではなかった。6機は編隊を組み替えたのだ。互いの後を追うようにしてポート上空を周回し始めた。
数分の後、今度は更に重々しい爆音が接近してきた。それは世界最大の有償荷重を誇る大型輸送ヘリ3機の編隊だった。ややゆっくりと、それでもその夜目にも巨大なシルエットは見る間に接近してきた。見馴れているはずの地上員たちさえその壮観さにしばし見入った。
間もなく3機は逆V字型の編隊を保ったまま着地点に達するとゆっくりと降下し始めた。
輸送ヘリの各パイロットはいずれも抜群の技量の持ち主だった。彼等は寸分の狂いもなく白色の灯火に区画されたエプロンに着地した。地上員がタイダウンの為に駆け寄る。ほぼ同時にローターへの動力の伝達が切られた。間もなくその巨大な5枚のローターブレードは折り畳まれ機体の上に平行にまとめられた。
着地から2分を経ずにすべての”準備”が整った。地上員たちが機体から離れると3機はその乗せられた台ごと降下し始めた。エプロンはそのまま地下へ下りるエレベーターだったのだ。
輸送ヘリが地下に姿を消すと同時にすべて灯火が消された。それを合図にして上空の戦闘ヘリは新たに横一列の編隊を組み直すと何処かへと飛び去っていった。
空は東から徐々に明るみを取り戻しつつあったが、丘陵に囲まれたその場所には元の闇が甦っていた。
──大深度施設内”最”最深部
橋元リュウイチロウが現政府を動かして、秘密裏にエヴァンゲリオン初号期並びに弐号機の残骸をここに保管させた際の名分は、この国の防衛上その存在が必要欠くべからざるものであると言うことだった。エヴァの保有はそれ自体がかっての熱核兵器の保有と同等の抑止力と成り得ると言うのがその論拠であった。
勿論公式には両機はNERV消滅の際に完全に破壊、残骸は戦略自衛隊の手で処分されたことなっており、国連にもそのように報告されていた。しかしこの国が密かにエヴァを再生し保有していると言う噂は国際社会の間で囁かれ続けていた。
だが実際にはエヴァの修復はほとんど行われてはいなかった。初号機と弐号機の残された生体部品を合体させれば少なくとも一体は復元させることは可能だったにもかかわらず。
これもまた老人の意向だった。エヴァは、それが存在する可能性だけで十分抑止力と成り得るのであり、貴重な国家予算を費やしてまで修復する必要など無いと言うのがその言い分だった。
しかし、老人の真意は別の所にあった。
老人の野望にとって入用なのはエヴァのコア部分のみであり、万が一にもエヴァが修復されて正規の兵器として”活用”されるようなことが無いようにする必要があったのだ。
いま、シンジは例のコンテナに入れられたまま二体のエヴァを収めた巨大なケージに隣接する小部屋に安置されていた。扉の外で警戒に当たっているのは橋元の側近である黒服の男一人だけだった。本来なら当然正規の戦略自衛隊員が警備に付くべきところだったが、今はMAGI搬入に伴う警備と加古追跡に人員を取られているために老人がそう命じたのだった。
だが、ここは地上から2キロあまりの深さの場所である。外部の人間が容易に近づける場所では無い。既に上部へ通じるすべての隔壁は閉鎖されていたから加古が潜り込んだパイプスペースからの侵入も考えられなかった。
それゆえ男はゆったりと構えていた。彼自身の経歴からくる自身への信頼と、橋元という、常に 緊張を強いられる存在がいまはここにいないことで、彼を常よりむしろリラックスさせていた。
彼は吸いかけの煙草を口に運んだ。が、ふと天井を見上げた。何かの気配を感じたからだ。しかし何も見出せなかった。
男は反射的に腰の拳銃を握った手を戻すと、咥えていた煙草を口から放し煙を天井に向けて吐き出した。空調の機能が制限されている為、煙は男の頭上をいつまでも漂っていた。
小部屋の中、コンテナの中でシンジは深く眠っていた。だがその意識に中に別の何者かの意思が流れ込んでいた。
やがてそれはシンジに語りかけた。
”久しぶりだね。シンジ君・・・”
つづく ver.-1.00 1998+ 04/19
ご意見・感想・誤字情報などは iihito@gol.com まで。
【ご挨拶を・・・】
最後までお読みいただいて誠に有り難うございました。
長らく「更新」を滞らせてしまい誠に申し訳ありませんでした。作者自身早く「更新」しなければと焦っている内に・・・・・ディスクを破損してデータを失ったり、怪我をしたりで・・・・・時日を費やしてしまいました。
・・・・・しかしながら、作者の筆を本当に鈍らせていたのは、自分自身の構築した「世界」を表現するのに必要な「筆力」がまったく備わっていないことが自覚したこと・・・でした。
このようなことは前から言い続けてきたこと(苦笑)なのですが、今回は随分と「重傷」でした・・・。
どうも昨年来、作者の「ツキ」は過去最低水準ぐらいに落ち込んでいたらしく、大小様々なトラブルに気分も滅入っていたので、日頃の「弱気」が更に深化してしまったようでした。
今はどうかと言えば、まだ肉体的・精神的なリハビリの段階で正直自分の作品と言うものに全く自身が持てないままです。
しかし待っていて下さる方がいる以上、作者を書かねばなりません。もうこれは悲壮な覚悟と言えるぐらいのものです(笑)。
・・・・・と言うわけで(何が?)、とにもかくにも第拾八回をお送り致します。ご意見ご感想の程を宜しくお願い致します。