TOP 】 / 【 めぞん 】 / [綾波 光]の部屋/ NEXT


 かって人類が宇宙に進出する以前、地球は未だ統一された政府と言うものを持たず、いくつもの国家によって分割されていた。

 その中の一つにUSAと言う国があった。その国において今日では考えられない法律が施行されていたことが、最近の古文書の解読によって判明した。

 その法律の名は「禁酒法」−その名の通り、あらゆるアルコール飲料が、個人そして社会にとって害悪を及ぼすものとして、禁止されたのだった。

 今日、銀河連邦にこれに類する法律は無い。社会システムに害悪を及ぼすのは、いわばその社会を構成する人間そのものの在りようなのであって、”外部”にその要因を求めることには何の意味も無いと言う考え方が”一般常識”となっているからだ。
 従って、およそ個人が自分で責任を持つことができ、かつ他人に迷惑をかけないでいる限り、ありとあらゆるモノが許容されていた。

 ・・・そう、他人に迷惑をかけないでいる限りは・・・だが、例外は常に存在する・・・・・。

 


【宇宙刑事シンジ】episode-03/無法地帯?


作・H.AYANAMI 


 −地球圏・火星上空・巨大人工衛星ジオフロント

 

 シンジの歓迎パーティーの場所、それはミサトの私室である。さすがに刑事課長の部屋らしくキッチン・リビングは広く、10人あまりの人間が居ても狭さを感じることはないほどだ。

 そして今、そこで意識を保っている者はほとんどいなかった。全員がミサトの度重なる酒の強要によって既に酔いつぶれていた。

 ミサトの愛飲する酒ーそれはグラス1杯で象をも眠らすと言われるほどのものだったから、それも当然であった・・・・・。

 

 ミサトから言い遣った”おつかい”−それはミサトが”私の栄養源”と言って憚らないもの−乃ち酒だった。

 3時間ほど前、シンジ達はペンペンに誘導されて火星のとある地点に降り立っていた。

 そこは既に遺棄されたはずの街だった。少なくとも公式には人が住んでは居ないはずの場所だった。
 ペンペンはエヴァンゲリオン号をその街を見下ろす丘に着陸させた。

 シンジは信じられない思いで、艦のメインスクリーンに映し出されている街−エデンの様子を眺めていた。
 おそらく、その街の建物はすべて金属で造られているのだろう。すべてが赤さび、あたかも開発が進む前の火星の表面を思わせる光景だった。

 「碇刑事、着替えて下さい」

 ペンペンのその言葉にシンジは我に還った。
 「何だって?ペンペン。着替える?」

 「そうです。この街ではNERVの制服は目立ちすぎますから」

 シンジには理由が分からなかった。
 「なんで着替えなきゃいけないんだい?」

 それに対する答えは、ペンペンからではなく、レイから発せられた。

 『ここがアウターリミッツの街だから・・・』

 「な、何だって!?」

 シンジは”先輩”レイに対していることも忘れ、思わず叫んでいた。声を上ずらせながら続ける。
 「ア、アウターリミッツって言ったら・・・ボ、僕らの敵じゃあないか!?」

 レイはこともなげに答える。
 『そうよ・・・』

 「・・・!?・・・」
 シンジは絶句した。だがシンジを驚かしたのはそれだけでは無かった。

 こともあろうに、レイはシンジの目の前で服を脱ぎだしていたのだ。

 (えっ、・・・まさか!?」

 シンジの期待と興奮?、をよそに、レイは次々と着ているものを脱いでいった。

 最初に対レーザー用のプロテクターを兼ねるアウタージャケットを脱ぎ捨て、次にアウターパンツを脱いだ。更にごく薄い素材ながら、大気圏外活動服にも匹敵する機密性を誇る、上下一体のインナースーツを脱ぎだしている。

 (そ、その下は・・・もう!?)

 そうなのだ。通常の場合、インナースーツの下にはもう何も着けていないのが当たり前のなのだ。

 レイの手が胸元のジッパーを下ろし、その白い胸が見え始めたとき、シンジは思わず”ごくりと”唾を飲み込んでいた。既にレイの身体から目を離せなくなっていた。

 「碇刑事、あなたも早く着替えて下さい。さもないと、今のことをミサト部長に報告しますよ」

 突然の”天の声”にシンジは我に還った。天井に向かい顔を向けて言う。
 「ぺ、ペンペン!、な、何を報告するって言うんだい?・・・ぼ、僕は何も悪いことなんて・・・」

 「良いんですか? 碇刑事が綾波刑事の裸体をじっと見つめていたと報告しても」

 「な、何を言うんだ!。こ、これは綾波刑事が勝手に・・・」
 シンジがそう言いながら、横目でレイの方を見た。残念なことに?レイは既にほぼ着替えを終えていた。
 その服はどこかの貿易船のクルーが着用するような、ごくありきたりのユニフォームに見えた。

 レイが言った。
 『貴方も早く着替えて』

 「は、はい」

 シンジはそう返事をしたものの、レイがシンジの方をじっと見つめているので、着替えることが出来ない。

 「あ、あの綾波刑事・・・僕が着替える間、向こうを向いていてくれませんか?」

 『・・・どうして?』
 レイは不思議そうにシンジの顔を見つめている。

 「ど、どうしてって!?・・・」

 シンジにはその理由を説明することが出来なかった。確かにレイはシンジが見ているのも構わずに着替えた。シンジがレイが見ていることを理由に着替えが出来ないと言うのは、”理屈に合わない”ことだった。

 顔を赤くしながらも、シンジはようやく言った。

 「あ、綾波刑事。お待たせして申し訳ありませんが、先に地表に降りて下さいませんか?」
 「・・・僕も着替えたら、すぐに後を追いますから」

 『・・・・・』
 レイは黙ったままシンジの顔をしばらく見つめていたが、やがて
 『・・・分かったわ』
 短く答えると、ひとりエアロックの方へ歩いていった。

 レイを見送った後、シンジはあわてて着替え始める。なぜそうしなければならないのかはまだ分からなかったが、少なくともレイがすることである。それが”必要なこと”であることは何となく納得できたからだ。

 シンジが着替え終わり、ガンベルトを腰に着けようとしたとき、ペンペンがそれを制止した。
 「碇刑事、ガンベルトは置いていって下さい」

 シンジは驚きを隠さない。
 「何故だい、ペンペン。あそこはアウターリミッツの街なんだろ!?レイガンも無しでなんて危険すぎるじゃないか!!」

 「アウターリミッツの街、だからこそです。あそこには絶対の不文律があります。”武器を持つ者は、いつ撃たれ、殺されても文句は言えない”と言う・・・逆に、丸腰でいる限り、やたら撃たれたりすることはありません。アウターリミッツ達にとって、あの街は正に”楽園”なのです」

 シンジは、俄に信じられないようなペンペンの説明を、それでも何となく納得できた。

 (たとえ、殺戮と略奪を恣にするアウターリミッツといえども、あくまで人間だからな。ときには真に安らぎたいこともあるのだろう・・・)

 「・・・分かったよ、ペンペン」

 シンジは自分の武器をブリッジ内の保管庫にしまい込むとエアロックへと降りていった。

 

 

 シンジが丘を駆け下っていくと、麓−と言うよりそこは谷底と言った方が適切な場所だったが−でレイが待っていてくれた。

 「お待たせしました、綾波刑事」

 シンジの、詫びの言葉にレイは小さく頷く。

 『・・・行きましょう』
 そう言って、先に立って歩き出した。

 シンジは後を追いながら、先ほどから疑問に思っていたことを口にする。
 「綾波刑事・・・ミサト部長は何故、アウターリミッツの街なんかで酒を買うんですか?酒だったら他にいくらでも買えると思うのですが・・・」 

 レイが答える。
 『・・・葛城部長の欲しいものはここでしか手に入らないわ・・・』

 「・・・そうなんですか・・・」
 シンジは一応納得する。元来、ほとんど酒を飲まないシンジには具体的にその特別な酒がどんな種類のものかよく分からないのだった。話題を変えることにした。それも何となく気になっていたことだった。
 「あのォ・・・綾波刑事は、何故刑事になったのですか?」

 シンジにはレイの、どちらかと言えば華奢な体つきから、何となく刑事と言う職種がレイにはそぐわない気がしていた。

 レイはしばらくの間、その問いに答えなかった。黙ってまま歩き続けていた。だが、やがてポツリと
 『私は育てられたの・・・刑事になるために』
 それだけ言った。

 シンジはやや呆然とした。
 (まるで大昔みたいな話だな・・・)

 シンジの”思い”通り、数百年前まで、地球連邦ではそのようなことが行われていた。
 子供は幼い頃から、何度も各種の能力テストが行われ、その適性によってほぼ将来が決定していた。10歳の時に行われるテストによってほほその子の適性は最終決定が為され、その後はその適性に合わせた教育が施された。
 それは確かに合理的な方法だった。その時代、人類は現在ほど豊かでは無かった。貴重な資材をより効率的に使用するためには、それを使う人間自体が、より効率的であることが必要とされたからだった・・・。
 現代においてそのような養育の在り方はほぼ全否定されていた。子供達はその望むままに職業を選択できる時代である。脳科学の発達によって各種の技術が開発され、それぞれが自分の必要とする能力を獲得することができるようになったからである。

 シンジが人類の遠い過去に思いを馳せて黙っていると、突然レイが言った。
 『貴方は何故?・・・』

 シンジはそれを聞いていなかった、あわてて尋ね返す

 「す、すいません。今なんておっしゃったんですか?」

 レイは無表情にシンジを見つめた。僅かの沈黙の後、質問を繰り返す。
 『貴方は何故、刑事になったの?』

 その問いに、何故かシンジは言い淀む。少しの間をおきとってつけたような理由を言った。
 「・・・えーと、それは・・・・・何となくカッコ良いと思ったから、です・・・」

 『・・・そう』

 それっきり、二人の間に沈黙が訪れた。

 

 

 街はそのうらぶれた外観とは裏腹にたくさんの人々で賑わっていた。アウターリミッツの街と言うからには、通りを歩く人々の大部分が日の当たる場所を堂々と歩けるような身分ではないはずである。だがその表情には屈託は無く、どこか安らいだ様子だった。

 シンジはそれらの人々を不思議な思いで眺めていた。
 (ここではみんな幸せそうに見える・・・何故だろう?)

 『ここよ・・・』

 レイの言葉にシンジは立ち止まった。見ればそこは超古代のガンファイト映画に出てくるようなスウィングドアを持つ店だった。中からはまだ昼間だと言うのに、酔客たちの甲高い声が聞こえている。

 レイは扉を開けると、店内に入っていった。

 シンジはすぐ後を追った。だがレイが店に入った途端に扉から手を離したため、スプリングによって戻ってきた扉は諸にシンジの胸を襲った。

 「うっ・・」
 シンジはそれきり絶句した。と言うより、あまりの衝撃に息を詰まらせていた。

 そのままシンジは崩れ落ちるかに見えた。だがようやくのことで扉に掴まり堪えた。

 「はあ、はあ、はあ・・・・・」
 荒い息を吐きながら、シンジは思う。
 (ひ、酷いや・・・)

 レイの”心ない”行為に、心の内で悪態をつきながら、よろよろと店内に入っていった。

 

 店内ではレイが既に注文を始めていた。
 『マルス・ウィスキーのエクストラヴィンテージを3ガロン』

 店員らしい若い男−薄い色のサングラスをかけ、顔にはニキビの痕が残っている−が呆れたようにレイを見た。
 「あの純度の高いマルス・ウィスキーを3ガロン!?。馬にでも飲ますんですか?」

 レイはそれには答えず、容器の注文を出した。
 『1.5ガロンのボトル二つに分けてください』

 シンジがようやくレイの所にやってきた。レイの注文を聞きその意図を察する。
 「大丈夫ですよ、綾波け、いえ綾波さん・・・3ガロンぐらい一人で持てます」

 レイが振り返った。”刑事”と言いかけたことを責めているような視線をシンジに送った。

 その時だった。店の奧からレイに呼びかける声がした。
 「レイさん、ここなら大丈夫・・・他の客はみな酔っぱらうためにここに来ている。君達のことなど誰も気にしちゃいないさ」

 シンジもレイも、そしてサングラスの店員も声の方を振り返った。店の奧から銀髪の男が出てきた。シンジの方に向かい挨拶する。

 「初めまして、僕はここのマネージャーの渚カヲルです。君はレイさんのご同僚ですか?」

 シンジはカヲルの容貌に目を見張っていた。レイと同様の青銀色の髪、赤みがかった瞳の色、そして何より人形のように整った顔立ち。一瞬シンジは二人が兄妹なのかと誤解する。・・・ようやくシンジは挨拶を返すべきことに気づく。
 「こ、こんにちわ、渚さん・・・僕は、綾波さんと、同じ職場の、碇シンジです」

 周囲に対して視線を送りながらシンジはカヲルに向かって挨拶を返した。

 「僕のことはカヲルで良いよ・・・そう、それならミサトさんの新しい部下なんだね?」

 シンジ達の正体をカヲルは十分に知っていることがそれで分かった。シンジは黙って頷きを返す。

 カヲルも頷きを返しながら、今度はサングラスの男に向かって言った。
 「ケンスケ君、奧からご注文の品を持ってきてくれないか?シンジ君の言うように3ガロンのボトルで・・・」

 「分かりました」

 ケンスケと呼ばれたその男は奧に引っ込んだ。

 カヲルはレイの方を向いた。
 「まだ、代金を戴いてはいないね・・・今は品薄で大分高くなっているんだが、構わないよね?」

 レイが答える。
 『いくらなの?』

 「1ガロンあたり150G。もちろんリアルマネーで御願いするよ」

 『・・・随分、高いのね・・・』

 「・・・悪いね。その代わり特別のおまけを付けるよ。ミサトさんはきっと喜んでくれるはずだよ」
 そう言いながら、カヲルはポケットから小さなチップを取り出した。それは人差し指の先に乗るくらいの小さな物だった。

 シンジはそれを汎用のデータチップだと見当をつけた。多分1GBほどの小容量タイプだろう。

 レイはカヲルからそれを受け取ると、腰に付けたケースに大事そうにしまう。代わりに中から数枚のリアルマネーを取り出し、カヲルに渡した。

 カヲルもまた、受け取ったリアルマネーを大事そうにポケットに納めた。

 シンジは驚きの目でその”取引”を見守っていた。いまや一般人にとってリアルマネーを見る機会などほとんど無かった。法的には現用の通貨でありながら、それを見ることができるのは博物館ぐらいだと言われているほどの物だった。

 (アウターリミッツの世界でのみリアルマネーが流通していると言うのは本当のことだったんだ・・・)

 警察学校での講義をシンジは思い出していた。更にシンジの思いは、あの”チップ”にも及んだ。

 (ミサト部長がこの店で酒を買うのは、酒が特別のものだから、だけでは無いな。多分”情報”をも買っているんだ・・・)

 シンジのこの思いを見透かしたよぅに、にっこりと微笑んで、カヲルが言った。

 「シンジ君、僕とミサトさんは仲良く必要なものを交換しているんですよ。古代語の”ギブ&テイク”の関係です」

 カヲルの言葉にシンジは黙って頷いた。

 店の奧から、ケンスケが両手で巨大なボトルを運び出してきた。どさっ、と音を立ててシンジの前においた。

 シンジもまた、両手でそれを持ち上げる。重さを確かめると、それを胸の前で抱え込んだ。

 カヲルがシンジに向かい、意味ありげな視線を送った。
 「それではね、シンジ君。今度は一人で来て欲しいな。ゆっくりと話したいから」

 シンジは何故か顔を赤らめて、それに応じる。
 「は、はい・・・また」

 カヲルはレイの方を向いた。
 「レイさんも元気でね。ミサトさんに宜しく伝えて下さいよ」

 『・・・さよなら』
 そっけなく言って、レイはきびすを返した。シンジもその後に続いた。

 

 

 

 ジオフロントに帰るとシンジはすぐにミサトも尋ねた。
 「ミサトさん・・・何故NERVは、あのエデンの存在を看過しているんですか?」

 ミサトはゆったりとした微笑みを浮かべて答えた。
 「シンジ君、貴方が言いたいのは、アウターリミッツと知りながら、なぜ私がそれを潰さないでいるかってことでしょう?」

 やや遠慮がちにシンジは答える。
 「ええ・・・そうなんです」

 ミサトをこともなげに答えた。
 「それは今日、貴方が見てきた通りよ。・・・一つ付け加えておけば、あそこには人類に失われたものがあるからよ」

 「人類に失われたもの・・・?」
 シンジは不思議そうにミサトの顔を見た。

 今度はにっこりと笑ってミサトは答えた。
 「そうよ・・・そんなことより、いまは貴方の歓迎パーティーが先よ!!」

 ミサトはシンジの手を引き、自分の部屋に連れ込んだ。

 

 ・・・あとはもう滅茶苦茶だった。乾杯の時こそ、ミサトはまともな挨拶ーそれはシンジを改めて歓迎する言葉だったーをしたが、それが済むと”無礼講”となった。飲み進む内には、スーツを脱いで裸踊りを始める者もいて・・・。

 「ちょっとぉー、そんな”粗末な物”を私の前に出さないでよ!!」
 そう言いながらミサトは立ち上がり、その男を叩こうとした。ミサトが足を滑らせた。ミサトの振り上げた手は、そのまま・・・・・男は”大切な所”をミサトに強打されて悶絶し・・・そのまま床に沈み動かなくなった。

 シンジが覚えているのはそこまでだった。それまでにシンジはマルス・ウィスキー3杯を飲まされていた。そして4杯目も無理矢理口に運ばれた途中で意識を失っていた・・・。

 

 ミサトは自分の周囲を見回していた。すでに意識のある者は居ない・・・そう思いながら頭を巡らすと、ふいに視線が交錯した。じっとミサトを見つめるその瞳に、およそ酔っている様子は見られなかった。

 「わらっ?ヘイにゃりゃいの?わらしのはおがろうかひた?」
 ろれつの回らない口調でミサトは尋ねる。

 レイは自分の座っていた場所から、すっくと立つと、ずかずかと意識不明者を踏み越えてミサトに近づいた。

 『葛城部長、先ほどお届けした情報ですが、どのようなものでしたか?』

 「ふぁーはれ?わら見てりゃいけど・・・どうせ、またろっかりゃくしょうの密輸グループかなんかの情報でひょ」

 『渚カヲルは特別な情報だと言ってました・・・気になります』

 「あかったわ・・・」
 ミサトは気怠そうにそう言うと、ポケットから先ほどレイから渡されたチップを取り出した。

 「ふぁるいけど、中身をうぉんで頂戴」

 『分かりました』
 レイはミサトからチップを受け取ると、ミサトの寝室に入り、そこに置かれたポータブル・リーダーにチップをセットして内容を読んだ・・・。

 

 『これは・・・』
 いつも冷静なレイが思わず声を上げていた。次の瞬間、レイはリーダーを手にしたままミサトの元に駆け戻った。
 (注:その際に再びレイの可憐な”おみ足”に踏まれると言う名誉に何人かが浴したのは言うまでもない)

 『部長、これを見てください』

 「うん!?・・・」
 レイに言われるままに、リーダーのスクリーンに目を落とす。

 「大変!!こりは大変な情報らわ」

 酔ってはいても、やはり刑事部長だけのことはある。ミサトは情報の意味をすぐに悟った。すぐさま命令を発する。

 「へイ、ふぐにシンちゃんをほこして・・・どっかその辺で”寝てる”筈らから、ほにかく地球へ出動よ」

 それだけ言うとミサトは突然テーブルに突っ伏した。既に一人で半ガロンものマルス・ウィスキーを摂取していたのだから、それも当然だった。

 『了解しました』
 レイはその場で敬礼をした。周囲を見回す。だがシンジの姿は無かった。

 ふと思いつき、レイはテーブルの下をのぞき込んだ。

 案の定、シンジはそこで安らかな寝息を立てていた。

 『碇刑事!』
 レイはシンジの名を呼んだ。しかし返事は無かった。

 彼女は思いきってシンジの顔を軽く叩いた。

 「パシッ

 「ふへっ!?」
 ようやくシンジは意識を取り戻す。

 『碇刑事、起きて。緊急任務よ!』

 シンジは酔いに曇った目でレイの顔を見上げた。やがてニヤリとした。
 「はやなみけいひ・・・もう、らまされませんよ・・・おやひゅみなさい・・・」

 「バシッ!!」

 夢の世界に戻ろうとするシンジの頬を、再びレイが叩いた。今度は”本気”だった。

 「い、痛い!!・・・何をするんです!!」
 シンジの意識は一気に現世に引き戻された。

 レイはシンジの顔をのぞき込むと、言った。

 『私は葛城部長とは違う。・・・情報が入ったのよ・・・大物の情報が』

 シンジもまた、レイの瞳を見つめ返す。

 「・・・了解しました」

 『すぐに出動よ』

 「・・・はい」
 シンジはテーブルの下から這い出した。

 いち早くエヴァンゲリオン号に向かうレイの後を、シンジはふらつきながら追っていった。

 

 間もなくエヴァンゲリオン号は地球へ向けて発進した・・・。

 



つづく ver.-1.00 1997- 11/28

ご意見・感想・誤字情報などは iihito@gol.com まで。


 【懺悔の部屋】

 今日もまた、作者は教会(ゾロアスター教寺院・非合法)を訪れています。

 「神父様、おらぁ、また読者様を裏切ってしまいましただあ・・・」

 「・・・どうして?」

 「・・・アスカとトウジの会談も、シンジとレイのラブラブも書けんがっただす・・・」

 「・・・それで?」

 「・・・ケンスケとカヲルもうまく描写でけんかったし・・・」

 「・・・何が言いたいの?」

 「・・・おらぁホントは、読者様をクスリとさせるものを書きていだけんども・・・」

 「・・・駄目なの?」

 「・・・才能が無えらすくて・・・そんでもやはりおらあ・・・おもしれい話ば書きていだ・・・」

 「・・・なら、そうすれば?」

 

 ・・・と言うわけで(^^;)、読者の皆様の顰蹙を承知の上で、今少し「この路線」で書かせていただきたく、ここに御願い申し上げる次第です(m Q m)。

 次回では「きっちりと」アスカとトウジの会談と、「ひょっとしたら」シンジとレイのラブラブを書けると思います(あんまり期待しないで下さい)。

 どうぞ今後とも宜しく御願いします。出来れば「こうしたら笑える」と言うご意見を頂戴出来れば思っております。皆様の忌憚無きご意見をお待ち致しております。


 綾波さんの【宇宙刑事シンジ】episode-03、公開です。
 

 酒が絡むとやっぱりこうなんですよね(^^;
 

 1人落ちるだけでなく、
 沢山の人を道連れに・・
 

 はた迷惑きわまりない飲み方で
 警察署の機能も低下したかもしれないぞ。
 

 うわばみミサトは酩酊状態からでも仕事をしていましたね、立派!
 他人も同じだと考えたのか、マグロを量産したね、ばかぁ!(^^;
 

 さあ、訪問者の皆さん。
 ギャグを書きたい綾波さんに感想メールを送って下さい!


TOP 】 / 【 めぞん 】 / [綾波 光]の部屋