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[ＳＬ＆秀真]の部屋
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−西暦２０１５年−
海上を飛行するＵＮのヘリ。
その真下を巨大な人型の物体が潜航している・・・。
あちこちに沈んだビルの間を縫うように、巨大な物体は陸を目指して進んで行く。
その物体の予想上陸地点には、恐らくは数個師団はあるであろう戦車隊が配置されている。
静寂を打ち破るかのように、水柱が上がった。
辺りにアナウンスが鳴り響いている。
『緊急警報をお知らせします。
本日１２時３０分、東海地方を中心とした関東中部全域に特別非常事態宣言が発令されました。
住民の方々は速やかに指定のシェルターに避難してください。』
辺りに人影などすでにない。
すでに列車も全線不通となっている。
その中で、一人の少年が電話をかけていた。
『特別非常事態宣言発令のため、現在通常回線は全て不通となっております。』
「やはりダメか…」
少年は受話器を置いた。
手に持っている写真を見る。
その写真には一人の女性が写っている。矢印で『胸の谷間に注目（はぁと）』と書かれている所からこの女性の性格がうかがえる。
「この人、父さんの愛人かな？」
少年の呟きとともに、すさまじい轟音が辺りに響いた。
少年は思わず音がしたと思われる方を向く。
見ると山の方から戦闘機がじりじりと後退していた。
その後から巨大な人型の物体がゆっくりと姿を見せる。
「サキエル、か…」
少年は悲しげにそう呟いた。
−とある作戦本部−
オペレーターの声が響いている。
『正体不明の物体は依然本所に向かって進行中。』
『目標を映像で確認、主モニターに回します。』
大きなモニターに映し出される巨大な物体。
それを見た初老の男が言う。
「１５年ぶりだな。」
サングラスの男が答える。
「ああ、間違いない。使徒だ。」
少年の上を通り抜けて、使徒と呼ばれた巨大な物体を目指して飛んでいくいく巡航ミサイル。
だが、使徒は無傷だった。
「…あんなものではかすり傷一つ付けられ無いだろうな。」
少年は呟く。
使徒は腕から伸ばした光のようなもので、戦闘機の一機を打ち落とした。
その戦闘機は少年のすぐ近くに墜落する。
そして、使徒はその戦闘機を踏み潰した。
爆発が起こり、少年にも爆風が襲う。
すると、一瞬にして少年の背中から光り輝く１２枚の翼が出現した。
その翼で全身を包むようにガードする。
爆風が収まった時にはもう、少年の背に翼はなかった。
「やれやれ…しょうがない奴だな。」
そう呟いて、使徒を見上げようとした時に青い車が少年の前に飛び込んできた。
中から一人の女性が顔を出す。
「ごめんね〜。お待たせ。」
サングラスをしているが、写真の女性のようだ。
少年は車に乗り込んだ。
女性は華麗なハンドルさばきで車をスピンターンさせる。
今まで停車していた所にはすでに使徒の足があった。
ＵＮの攻撃はなおも続く。
作戦本部でその様子を見ている３人の軍人にオペレーターから報告が届く。
『目標は依然健在。第三新東京市に向かい進行中。』
『航空隊の戦力では、足止めできません。』
「総力戦だ。厚木と入間も全部上げろ。」
「出し惜しみは無しだ。何としてでも目標を潰せ！！」
軍人の一人は鉛筆をへし折った。
さらに攻撃は続く。
しかし、効果は無いに等しく、使徒は平然としていた。
「なんだと！？直撃のはずだ！」
「戦車隊は壊滅…誘導兵器、砲爆撃も効果が無い…」
「駄目だ！この程度の火力では埒があかん！」
先ほどの初老の男が軍人たちの後ろで言う。
「やはり、ＡＴフィールドか？」
「ああ、使徒に対して通常兵器は役に立たんよ。」
再びサングラスの男が答える。
軍人たちに電話がかかる。
「…了解しました。予定どうり発動いたします。」
−戦場から離れた小高い丘−
双眼鏡で、戦いの様子を見ている女性。
少し離れた所で同じように見ている少年。
戦闘機がクモの子を散らしたように、使徒から離れていく。それを見て、
「ちょっと…まさかＮ２地雷を使う訳ぇ！？」
少年に向かって叫ぶ。
「伏せて！！」
女性は丘の影に伏せたが少年は伏せようとしない。
同時に起こる大爆発。
爆炎が空まで膨れ上がり、一瞬遅れて衝撃波が２人を襲う。
少年は先ほどの翼で、身を守っていた。
女性は伏せている為に、少年の背にある翼は見えない。
車は横に吹き飛ばされた。
−作戦本部−
「やった！！」
軍人の一人が立ち上がって叫ぶ。
「わははは…」
『衝撃波、来ます。』
センサーと主モニターの映像が消える。
初老の男とサングラスの男を見ながら言う。
「見たかね！！これが我々のＮ２地雷の威力だよ。これで君の新兵器の出番は無くなったと言う訳だ。」
『電波障害の為、目標確認まで今しばらくお待ちください。』
軍人の一人が自慢げに言う。
「あの爆発だ、ケリはついてる。」
『センサー、回復します。』
『爆心地に、エネルギー反応！！』
「なんだと！？」
軍人の一人が立ち上がって叫ぶ。
『映像回復します』
モニターにはほとんど原形を保ったままの使徒が映し出される。
顔らしきものが一つ増えている。
立ち上がって驚愕する軍人たち。
「我々の切り札が・・・」
「町を一つ犠牲にしたんだぞ！！」
「なんて奴だ…」
「化け物め…」
軍人たちは力無く椅子に座り込んだ。
「大丈夫だった？」
女性が少年に聞く。
「ええ。なんともありませんよ。」
「そう…（伏せた様子はないのに何故この子は無傷なのかしら？…何かあるわね）じゃ、行きましょう。」
横倒しになった車にもたれて女性が言う。
「ああ、僕がやりますよ。」
「二人でやった方がいいわよ。」
「大丈夫ですよ。」
「そう？」
少年は軽く車を押した。
少なくとも女性にはそう見えた。
しかし、横倒しになった車はいとも簡単に元に戻った。
「ありがとう。意外に力あるのね。よろしく、碇シンジ君。」
「こちらこそ。葛城さん。」
「ミサト、でいいわよ。」
ミサトと名乗った女性はサングラスを外した。
−作戦本部−
サングラスの男と初老の男が軍人たちの前に立っている。
「碇君。今から本作戦の指揮権は君に移った。お手並みを拝見させてもらおう。」
「我々国連軍が目標に対し無力だった事は素直に認めよう。だが、君なら勝てるのかね？」
碇と呼ばれたサングラスの男が答える。
「ご心配なく。そのためのネルフです。」
碇は確信を持って言った。
『ドアが閉まります。ご注意ください』
「特務機関ネルフ？」
「そ。国連直属の非公開組織…」
「父のいる所ですね。」
「そう。お父さんの事知ってる？」
「ええ、大体は…ね。」
「ま、いいわ。あ、そうだ。お父さんからＩＤもらってない？」
「ああ。これですね。」
シンジは『こい ゲンドウ』とだけ書かれた紙とともにＩＤを差し出した。
「ありがとう。」
そう言って、ミサトは受け取った。
「じゃ、これ読んどいてね。」
『ようこそ、ＮＥＲＶ江』と書かれた小冊子をシンジに手渡した。
「…ミサトさん。」
「なに？」
「父は僕にさっきの奴と戦わせるつもりですね？」
「………」
ミサトは答えない。
「やはりそうですか…。父さんのやりそうな事だ…」
「そっか。苦手なのね。お父さんの事が。」
「いや、ただ道具としてしか見られてないだけですよ…」
「………」
ミサトは言葉を失った。
やがて、カートレインは長いトンネルを抜けてジオフロントへ出た。
「黒き月…やはりここを使ったか…」
「ん？何か言った？」
「いいえ。」
「そう…（やっぱりこの子には何かあるわね）」
「おっかしいなぁ…確かにこの道の筈よねぇ…」
移動廊下でミサトは一人呟いた。
シンジは側で先ほどの小冊子を読んでいる。
「ごめんね。まだ慣れてなくて…」
「さっき通りましたよ、ここ。」
「………」
しばらく歩いて不意に後ろから声がかかる。
「どこへ行くの？２人とも。」
２人が同時に振り向く。
そこには白衣を着た金髪の女性が立っていた。
「遅かったわね。葛城一尉。」
「ゴミン！」
ミサトが顔の前で手を合わせて謝る。
「その子ね。例のサードチルドレンって。」
「始めまして。碇シンジです。よろしく。」
「あたしは技術一課Ｅ計画担当博士赤木リツコ。よろしく。」
−作戦本部−
「冬月…後を頼む。」
「ああ。」
碇が初老の男、冬月に言い、エレベーターに乗り込んだ。
（３年ぶりの息子との対面か…）
「副詞令。目標が再び移動を開始しました。」
「よし。総員第一種戦闘配置だ。」
『総員第一種戦闘配置。繰り返す、総員第一種戦闘配置。』
「ですって。」
「一大事ね。」
ミサトとリツコの会話。
シンジは前方の暗闇の奥を見つめていた。小冊子はもう読んでない。
「初号機はどう？」
「起動確率は０．００００００００１％Ｏ９システムとはよく言ったものだわ。」
「それって動かないって事？」
「あら失礼ね。０ではなくってよ。」
「数字の上ではね。でも、どのみち動きませんでした。じゃもうすまされないわ。」
シンジはミサトとリツコにある部屋に連れてこられた。
ミサトが入り口を閉めると真っ暗になった。
シンジはさして気にするでもなくある一点を見つめていた。
リツコがスイッチを押す。
ライトがつき、シンジの目の前に巨大な顔がある。
（母さん…）
「汎用人型決戦兵器。人造人間エヴァンゲリオン。その初号機よ。」
「福音…ですか。」
「あら、物知りなのね。」
リツコが感心した目でシンジを見る。
だが、シンジはエヴァの頭上の方を見ている。
「久しぶりだね。父さん。」
「………」
ゲンドウは何も答えない。
ミサトとリツコは驚きを隠せない。
（何故分かったの？この子は？）
「…出撃。」
ゲンドウが呟く。
「出撃！？ 零号機は凍結中でしょ！？まさか、初号機を使うつもりなの！？」
「他に方法はないわ。」
リツコに食ってかかるミサト。それを冷静に受け流す。
「だってレイは動かせないでしょ？」
ミサトはシンジをチラッと見る。
「パイロットがいないわよ。」
「さっき届いたわ。」
「…マジなの？」
リツコはミサトからシンジに視線を移す。
「碇シンジ君。あなたが乗るのよ。」
少しの沈黙の後、シンジが答える。
「…父さん、いくつか条件がある。それを飲んでくれたら乗るよ。」
「いいだろう、条件は何だ？」
「詳しい話は後で。それにここでは言えないしね。」
「…よかろう。後で司令室へこい。」
「赤木博士。操縦法を教えてもらえますか？」
「…ええ、それじゃこっちへ。」
リツコが搭乗口へとシンジを誘う。
「シンジ君。」
「大丈夫ですよ。ミサトさん。」
シンジはミサトに笑顔を見せる。
その笑顔を見て、ミサトは何も言えなくなってしまった。
発令所にミサトとリツコが戻ると発進準備が進められた。
「停止信号プラグ。排出終了。」
「了解。エントリープラグ挿入。」
「第一次接続開始。」
「エントリープラグ、注水。」
エントリープラグ内を黄色い液体が満たされていく。
シンジは不快感を示したが、リツコが念のため言った。
「大丈夫。肺がＬＣＬで満たされれば直接血液に酸素を取り込んでくれるわ。 すぐに慣れるから。」
作業は続く。
「Ａ１０神経接続開始。」
「思考形態は日本語を基礎原則としてフィックス。」
「初期コンタクト問題なし。」
「シンクロ率…え？」
オペレーターの一人、伊吹マヤが目を疑う。
「どうしたの？」
「あ、すいません。シンクロ率、８９．７％」
「なんですって！？」
リツコが驚愕する。
「計測器は？」
「全て正常です。」
「…すごいわね。」
「ハーモニクス、全て正常位置。暴走、ありません。」
「いけるわ。」
「発進準備！！」
ミサトの号令が響く。
「発進準備！」
「第一ロックボルト外せ。」
「アンビリカルブリッジ、移動開始。」
「第２ロックボルト外せ。」
「第１拘束具を除去。」
「同じく第二拘束具を除去。」
「１番から１５番までの安全装置を解除。」
「内部用電源充電完了。」
「電源用コンセント異常なし。」
「了解。エヴァ初号機射出口へ！」
射出口へ移動していく初号機。
「進路クリア。オールグリーン。」
「発進準備完了。」
「了解。」
ミサトはゲンドウの方を向く。
「かまいませんね。」
「もちろんだ。使徒を倒さぬ限り我々に未来はない。」
無言でうなずくミサト。
「発進！！」
すさまじいスピードで打ち上げられる初号機。
その初号機の射出される場所をわかっていたかのように、使徒が現れる。
（シンジ君。死なないでよ。）
ミサトが心の中でつぶやいた。
ｂｙＳＬ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−後書きという名の言い訳
ＳＬ：いやはや、ついに書いちゃったねぇ・・・。
秀真：うおー続きが気になるナリ・・・
ＳＬ：フッフッフ・・・、実は俺も知らない。
秀真：じゃあ、誰が書くナリ？
ＳＬ：君だよ。（と言って秀真を指差す）
秀真：へっ？なんでそうなるナリ？
ＳＬ：フッ・・・、問題無い。
秀真：そうくるナリか・・・
ＳＬ：まあ、設定くらいは教えるから書いてみない？
秀真：問題あるナリ！
ＳＬ：（聞いてない）じゃ、これが設定書いた資料集だから、これ見て書いてね！
秀真：なにこれ？（資料集をみる。）
秀真：白紙じゃんこれ。もしかして勢いで書いたな？
秀真：どういう事ナリか？・・・あれ？
きょろきょろきょろと辺りを見回す。
秀真：逃げたナリね、こうなったら自分で創るナリ。
この後電話で抗議があった事は神のみぞ知る・・・
本日最後の御入居者、
今回募集の・・・えっと、１３人目
ぐげ。
確か予定では「５人ほど」だったはずだ(^^;
「誕生日だし〜今日いっぱい募集を続けよ〜っと」
そんなお気楽な決定が、
案の定自分の首を絞めています(^^;；；；；；
最終的に新規募集凍結解除（←長い）に踏み切った最大要因は
「最近（３．４月）は投稿がとても少ないな」だったんですが・・
これは”年度末”だったからみたいで−−−あぅ
話を元に戻して、
めぞん通算１２７人目の新住人 ＳＬ＆秀真 さん、ようこそーー！
合作なんですね(^^)
１２７組目といった方が良いかな。
第１作『Ｓｅｒａｐｈｉｃ fｅａｔｈｅｒ』第一話、公開です。
なにやら謎がありそうなシンジ、
冷静で自信を持っていますね。
あっさり９０％近いシンクロ率を叩き出して、
このままあっさり使徒を倒すのかな？
もう一波乱？
どうなるのかなぁ
さあ、訪問者の皆さん。
本日の締め、ＳＬ＆秀真さんに感想メールを送りましょう！
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