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[ＳＬ＆秀真]の部屋
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−（久しぶりだね、母さん。・・必ず助け出してみせるよ、必ず！）
シンジは心の中でつぶやき射出口を昇っていく初号機の中で思考にふけっていた。
そして・・・使徒と射出口から出てきた初号機が初めて遭いまみえる。
（サキエル．．．君と戦うことになるとは思ってもみなかったよ。）
（これも全ては僕が悪いのかな、過去の過ちは簡単には償えないということか・・・）
シンジが躊躇いにも諦めとも思える事を考えていた頃、サキエルは初号機に迫りつつあった。
「シンジ君！」
「えっミサトさん？｝
「立ち止まっているのは危ないわ、早くそこから移動してシンジ君！」
初号機の中からモニター越しに正面を見るとサキエルが目前まで迫っていた。
「はい、わかりました。」
そう言うとシンジはいとも簡単に初号機を操りその場から移動する。
−作戦本部−
「うそ！なんであんな簡単にエヴァを操れるわけ？」
ミサトは驚愕の表情で隣にいるリツコに質問した。
「あのシンクロ率からみれば当然のことじゃない。」
リツコも驚きを隠せないが極めて冷静に言うと黙ってモニターを見つめていた。
「リツコ・・・」
ミサトはその後の言葉を続けることはできなかった。
（レイでさえエヴァとシンクロするのに７ヶ月かかったのに、彼は一体何者なの？）
一方・・・シンジは初号機を操りながらもいまだサキエルとは距離を取り戦おうとはしなかった。
（戦わなければいけないのか過去の同胞と僕は・・）
一瞬の躊躇いが隙を生む。
サキエルの放ったビームが初号機の左腕を貫通する。
「くっ、（やはり僕のことはわからないのか・・）」
−作戦本部−
「左腕破損、回路断線。」
「パイロットには支障ありません。」
オペレーターが初号機の被害報告をする。
「シンジ君大丈夫なの？」
『だっ、大丈夫です、僕はまだ戦えます。』
モニターに映るシンジの顔は痛みをこらえているという事が誰にでもわかる表情をしている。
「何とかしてよっリツコ！」
「あれだけシンクロ率が高ければ神経回路のフィードバックはかなりのものになるはずね。」
「はずね・・って、解説はいいからどうにかしてよ。」
『大丈夫ですよミサトさん・・・僕はもう迷いませんから。』
「迷うって何を？シンジ君！シンジ君？」
（そう・・もう迷う事も躊躇う事もできない。過去に戻ることは叶わないことだから・・・）
シンジの思考を遮るようにサキエルが攻撃を仕掛ける。
ガキッ・・・サキエルが初号機をつかむ、そして空いたもう片方の腕から光の槍が伸びる。
「くそっ、やるしかないのか？」
シンジはプログナイフを使ってサキエルを攻撃する。
しかし、その攻撃はサキエルのＡＴフィールドによって阻まれる。
「ＡＴフィールドか、これはまた厄介なものを使うな。」
初号機の攻撃を防いだサキエルはお返しとばかりに光の槍で攻撃する。
「もう君の攻撃を受けるわけにはいかないよ。」
そう言うとシンジは自らもＡＴフィールドを張りサキエルの攻撃を防いだ。
（せめてもの情け・・いや自分で自分を正当化させているだけだな。）
（でも操られ続けるのは君の本望じゃないだろう。だから・・・）
「一撃で決めさせてもらう！」
そう言うと初号機はサキエルを蹴りで突き飛ばし距離をあけた。
おもむろに右腕を振りあげるその周りの空間が徐々に歪む。
初号機は振りあげた腕をおもいっきり振り下ろした。
ズバッ・・・そんな音が形容するかのごとくサキエルの体は真っ二つになっていた。
まさに一瞬の出来事である。そしてその瞬間使徒はこの世から消滅していた。
爆炎を背景に初号機は歩いてくる。シンジは悲しみを抱えて・・・
−作戦本部−
シンジの前にミサトとリツコが詰め寄っている。
「シ、シンジ君、最期のあれ一体何したの？」
ミサトは先の戦闘の疑問をシンジにぶつけた。
「あれはＡＴフィールドを武器にしただけですよ。」
簡単な事をしたとばかりに冷然とした顔でシンジは質問に答える。
「｢ＡＴフィールドを武器にって！？｣｣
二人の声が奇麗にそろう。ミサトが横を見ればリツコが驚いた顔している。
「僕、父さんの所に用があるので失礼します。」
そう言うとシンジはすたすたと廊下を歩いていった。
「ちょっとリツコ、エヴァがＡＴフィールドを作れるのも驚いたけど武器になんてできんの？」
「ＡＴフィールドを作れればそれも可能だわ。」
「でもたった数時間前はエヴァも知らなかったのよ、そんな子にできるの？」
「さぁ・・・彼は何者かしら？」
「そんなこと私が知りたいくらいよ。」
−司令室−
そこにはゲンドウと冬月。そしてさっき訪れたばかりのシンジ達の三人しかいない。
沈黙が場を支配する・・・・
その雰囲気を壊すようにシンジが口を開く。
「父さん、盗聴されている心配は？」
「問題ない、シンジ条件を聞こう。」
「まず一つ、僕の過去を抹消してほしい。」
「何故だ？」
「他人に詮索されるのは好きじゃないんでね。」
「わかった。」
「それともう一つ、父さんの考えてる計画を教えてほしい。」
「それは言えん。」
「どうしてさ？］
「教える理由がない。」
「そう・・・じゃあ言い方を変えるよ、母さんのサルベージ計画を発案したい。」
「シンジ、ユイはもう死んでいる。」
「父さん、つまらない冗談はあまり好みじゃないよ僕は。」
シンジは冷たい視線を父であるゲンドウに送った。
「お前は知っていると言うのか？」
この言葉にはさすがにゲンドウといえど驚きを隠せない。
今まで沈黙を保っていた冬月は小声でゲンドウに話し掛けてきた。
「（どうする碇？これは俺のシナリオにはないぞ。）」
「（あぁ、わかっている・・・）」
「（彼はどこまで知っているのかね？）」
「（それはこれからシンジに聞いてみるまでだ。）」
ゲンドウはいつもの冷静さを取り戻し落ち着いてシンジに質問する。
「シンジ、思い出したのか。あの時の事を・・・」
「母さんがエヴァンゲリオン初号機に取り込まれたこと？」
「そうだ・・・ユイは現在初号機に取り込まれている。」
「どうするの、父さん？」
「ユイは必ず助け出す、だが今はその時ではない。」
「そうなのだよシンジ君、我々にはあの力が必要なのだ。」
「（力か・・・人にはすぎた代物だね、あの力もそして僕の力も。）」
シンジはそう呟くと右手を軽く握りしめた。
「ユイのサルベージ計画は我々しか知らん、この事は他言するな。」
「わかったよ父さん。（いざとなったら自力でやるしかないな。）」
「あと、もう一つ僕に護衛はいらないよ。」
「何故だね？シンジ君。」
「自分の身くらい自分で護れますよ。」
「しかし、お前はまだ子供だ。」
「エヴァのパイロットは世界中の人間が狙っているのだよシンジ君解ってくれたまえ。」
「なら僕を銃で撃ってみてください。」
「しかし、シンジ君それはあまりにも無茶というものだよ。」
さすがに驚きを隠せない冬月。
傍目には驚いた様子を微塵にも感じさせないゲンドウ・・・内心は・・・
「大丈夫です、いいから撃ってください。」
「本当にいいんだな？」
そう言いながら机の引き出しからおもむろにワルサーＰＰＫを取りだす。
弾丸が装填されているのを確認し照準をシンジに合わせる。
「撃つぞ。」
「いつでもいいですよ、僕は。」
そして、司令室には一つの銃声が響いた。
ｂｙ秀真
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あとがき
秀真：むぅずぅいぃ・・・はぁ・・・書けないナリよ。
ＳＬ：どぉだ、俺の苦労の１／１０でも実感したか？
秀真：・・・ほとんど原作に近いからアンタは苦労してないナリよ
ＳＬ：な、なにぉう！？設定は俺だぞ、それだけはホントだぞ。
秀真：・・・ほとんどオイラに考えさせたくせに・・・ぶつぶつ
ＳＬ：ん？なんか言いたい事でもあるのか？（にっこり）
秀真：・・・問題ない・・・
ＳＬ：最初っからそう言やいいんだ。それに、こんな格言知らない？
秀真：何のことナリ？
ＳＬ：『立ってるものは親でも使え』ってやつ。
秀真：そんなの知らないナリ！
ＳＬ：覚えとくよーに。
秀真：畜生・・・オイラはどうせ汚れ役さ・・・
ＳＬ：今ごろ解ったの？
秀真：ふん、次回はアンタが苦労するナリよ・・・
ＳＬ：じゃ、そゆことで。バイバイ
秀真：ちなみにこの作品？は二人で交互に書いてるナリ。
・
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秀真：奴は消えたナリね、くっくっく・・・
秀真：死ね！・・・ポチっとな・・・
・・・・ボカーン・・・・
秀真：これで奴は執筆が遅くなるはずナリ。
秀真：その間オイラは都合のいい設定を考えるナリ・・・ニヤリ
秀真：それは勿論シンジがアレでコレしてナニして、グヒヒヒヒ・・・ナリ。
秀真：では次回で会いましょう？
ＳＬ＆秀真さんの『Ｓｅｒａｐｈｉｃ fｅａｔｈｅｒ』第二話、公開です。
きちんと事情を掴んでいるのはシンジだけ。
こんな状況じゃ
ミサトさんもリツコさんも訳が分からないよね。
私？
そりゃ、リツコさんサイド(^^;
シンジくんも力を持っているのは分かるけど、
もったいぶりすぎ、
回りくどいよ〜（爆）
さあ、訪問者の皆さん。
感想を書いて送っちゃいましょう！ ドーンと(^^)
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