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[03;プリーチャー]の部屋
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第壱話 「最低だ・・・俺って」
バン!
教室に大きな音が響いた。
「フン、フッフー」
その音を立てた当事者、碇新司は上機嫌に鼻歌など歌いながら、蹴り倒した椅子
を拾い上げた。
「うっせえぞこのぶぁか!」
「相変わらず個性のないセリフだね、生徒A」
いつもなら絶対考えられない行動をとった少年は、いつもなら絶対考えられない
発言でこたえた。
「んだとお・・てめえなめてんのか!」
「馬鹿じゃないの、君? 一回でも君たちが敬意を払うに値することをした?」
あの明日香と一緒に暮らしていれば、嫌でもこれくらいは言えるようになる。
大体こんなガキがいくらすごんで見せても、明日香の崖っぷちに追い込まれた手
負いの獣のような気迫にはとうてい及ばない。
しかしどうやらこのガキには、こんな皮肉と言うにはあまりにストレートなこと
さえ理解できなかったらしい。
「訳のわかんねえこと言ってんじゃねえよ!」
「ほんっきで馬鹿なんだね、君は」
いつもなら無抵抗に椅子の画鋲や机の落書きを掃除していた少年とは思えない態
度だった。
それを不気味に思ったが、相手が少女じみた華奢な少年だと言う事を思い出した
のか、席を立つと肩を怒らせ歩き出した。
この生意気なガキに、身の程という物を思い知らせてやるつもりだった。
「言葉で勝てないと実力行使? まったく馬鹿だね、馬鹿以外も何者でもない」
「うるせえ!」
怒声とともに襟首をつかんだが、ひるむ気配もない。
一瞬の停滞の後、さらに増した怒りと共に、鉄拳を叩きつけようとした所に教師
が入ってきた。
「なにやってるの!」
叫ぶ教師。
「なにもしてませんよ、あそんでやっていただけです」
「うっそでーすよぉ」
おどけた口調で茶々を入れる新司。
「彼がいきなり脅して来たんですよ」
「嘘です、碇君が椅子を蹴倒したから、うるさいって注意したのに喧嘩ふっかけて
きたんですよ」
教室の後方から援護射撃が入った。
けれど新司はあわてる気配もなく言う。
「画鋲を除けただけですよ」
「画鋲?」
空席の目立つ教室の中程にいくつもの金色の金属片が落ちていた。
おちつかなげに黙る悪童共は、誰もがこの突然の不運に関わり合いにならずにや
り過ごそうとしていた。
教師は事を荒立て無くなかった。
お互いの利害が一致し、この件は闇に葬られる。
「碇君、それに清水君! その画鋲を片づけなさい!」
「へーい」
生徒Aはじろ、と新司を睨んでから渋々片づける振りをし始めた。
「片づけるって、どこにです? ここでは未だに画鋲なんて使ってたんですか?」
嫌みったらしい表情でそう言う新司には、そんな事なかれ主義を許すつもりはな
い様だった。
「悪戯のためにこんな物を買うなんて、馬鹿な奴もいるもんですね。そいつ等にや
らせればいい、僕は知りません」
大人しく手のかからない少年と思っていた生徒の突然の反抗に、教師はひどく気
分を害した様子だった。
「それはそうだけど現実的じゃないわ。誰がやったのかなんて調べようがないし、
あんな危ないものほっとくわけにも行かないでしょう?」
「やれやれ、こんな大人を見て育つから、あんな馬鹿になるんだよなー」
しんじは肩をすくめて言い放つと、そのまま席に戻った。
この突然のトラブルは渡辺教諭のストレスをいや増した。
ただでさえ、今日から問題をおこしそうな転校生が入るということで、気が重か
ったというのに。
まだ若いはずなのに、熱意も何も感じられない態度でホームルームを始める。
最近の教師はこんな物だ。
出席をとると、やはり欠席者が多い。
最近の生徒もこんな物だった。
それにしても空席が欠席者の数よりも大幅に多い。
これは転入生に備えてのことである。
逆に言えば、現状においては一クラス当たりの生徒の数は少なく、教師と生徒の
コミュニケーションがより良くとれる環境であるはずなのだが・・・・
実際にはホームルームは出席だけで終わるのが常であった。
今朝も渡辺教諭は、午後から転校生が来るなど、必要なことを伝えるとさっさと
教室を出ていこうとしたが、そうはいかなかった。
「その転校生は、女子ですか、男子ですか?」
どのクラスにもこういう質問をする奴はいるものだ。
「女子よ、良かったわね男子諸君」
それだけ言うと今度こそさっさと出ていった。
あとにはどよめく男子たちが残された。
この教室には女子が少ないのである。
元々この学年は5クラスだった、それが2年の途中、急に7クラスに増やされた。
理由は第三東京市からの大量の疎開者たちだった。
偶然にもこの学区、この学年に来た中学生たちは、男子が圧倒的多数を占めたと
いうわけだ。
そして彼らよそ者は、古くからの生徒の中にうまくとけ込めなかった。
まして新司は、疎開が進んだときに第三新東京市にやってきて、疎開が完全に終
わった後にその忌まわしい都市を離れた。
彼は原住民とも移民者ともうまくやってゆけなかったのだ。
教室がどよめいている隙に、彼はひっそりと教室を出た。
「今日じゃないのか。母さんも、いつ来るのかぐらい教えてくれてもいいのに」
「薫君が生き返ったって? 本当に?」
「ええ、弐号機にの同調していたためでしょうね。弐号機の中の明日香ちゃんのお
母さんをサルベージしようと思ったのだけど、その時に彼の魂も見つけたの」
「でも、薫君は・・・・・」
「もう使徒とは言えないわ、理由は、言えないけど・・・」
そして彼が新司と同じ学校に転校してくること、可能ならば、そしてネルフとゼ
ーレの力ならそんなことは簡単なのだが、新司と同じクラスに入れることを唯は約
束した。
ただ、いつになるかは教えてくれなかった。
「ぬか喜びしちゃったな・・・早く会いたいよ・・・」
誰が見ても今の彼は、想い人を待っているとしか思えないだろう。
厳道は、唯は、何を思い十七番目の天使を復活させようというのか。
たとえ「やさい畑」の世界に走ろうとも、立ち直ってさえくれるなら、それでも
良いというのだろうか?
1限目が始まるまで、まだ10分近く時間があった。
いくらホームルームを長く取ったところで、教師の質が下がり切っていては意味
がないだろうに・・・。
今教室に戻っても、うっとうしい奴らと顔を合わせることになる。
昨日まではどうでも良かったが、人間、欲が出てくると保身を考え始める。
少し考えていた新司はあることを思い出した。
「確かFだったな・・・」
彼はそう呟いくと、吹き抜けをはさんだ自分の教室の反対側に歩いていった。
その教室の前に来ると中の様子に耳をそばだてる。
思った通り、教師はすでに去った後のようだ。
扉に手をかけ、そこで動きが止まる。
会って大丈夫なのだろうか。
ただ教室に居辛いから逃げてきた僕を、果たして受け入れてくれるのか?
冬児の事を話されたらどうする? その覚悟があるのか?
「どうしよう・・・」
思わず以前のように思考のループにはまってしまった新司。
やはり本質的なところは以前と変わっていないようだ。
明日香の事を話されたらどうする?
「どうしよう・・・」
もはや思考のループはメビウスの輪と化してしまった様だ。
ひょっとしたらクラインの壺かも知れない。
新司は廊下に立ちつくし、延々と悩み続けた。
「碇君?」
「うわあ!?」
いきなり背後からかかった声に悲鳴を上げる。
「ご、ごめん、おどかしちゃった?」
「い、委員長、その、あ、えっと・・・」
なにを言えばいいのか分かれずうろたえる新司。
らしくもなくうつむいて話しづらそうなひかり。
その様子を見て、ひかりと一緒にいた女の子たちは完全に誤解したようだ。
「あ、あたしたちお邪魔みたいだから・・・」
「がんばってください・・・」
ごにょごにょと言うと、そそくさと教室に入ってしまう。
「ちっ違うって、ちょっと和美! ナミ!」
焦る委員長、いや、この白中では違うのかも知れない。
はたして、「委員長」と呼びかける新司に、違う、と彼女は答える。
「私ここでは保健委員なの」
しかし、やっぱり何かしらの役にはついている様だ。
ひょっとして、ただ単に仕事を押しつけられやすいタイプなのかな?
と、失礼なことを考える新司。
「えっと、その・・・」
「あの・・・明日香のことなんだけど・・・」
冬児の事ではなかったが、やはり新司にとってはきつい話題である。
「明日香はどうしてるの? 葛城さんに聞いてみても答えてくれなくって・・・」
「あ、明日香は・・・まだ弐号機は残ってるから・・・」
とっさにウソをついてしまう。
明日香のことも、何もかも捨てて逃げ出して来た事を知られたくないから。
「そうなんだ・・・じゃあ碇君のえっと、それは壊れちゃったの?」
気をつかってか、エヴァの名前は出さないひかり。
確かに、4つほど扉の影で盗み聞きしている気配がある。
「うん。よく覚えていないんだけどね」
「暴走したんだ・・・」
冬児の時と同じね。
声にされなかったその言葉に、新司は気後れしてしまう。
「あ、それじゃそろそろ授業があるから・・・」
そう言って去っていく新司の背中にに光の声が当たる。
「あのっ! 冬児の事なんだけど・・・」
ぎくり、と立ち止まる新司。
「気にするなって・・・言ってたから」
「・・・うん」
しばらく新司の体が揺れていたが、ためらいがちに自分に教室に戻っていった。
午前中は何事もなく過ぎた。
音楽や化学など、教室の移動を伴う授業が多かったのが幸いしてか、級友たちも
こちらにかまってはこなかった。
そして昼休みに突入する。
この時間帯、購買及び学食は戦場と化す。
弁当持参の碇少年は醜い争いに関わることもなく、一人静かに箸の往復運動を続
ける。
一緒に食べる友人など、当然のことながら存在しない。
けれど、それもあと少し。
そう思うといつもと変わらない弁当も、すこしばかり旨く感じられた。
考えて見れば、折角おばあさんが作ってくれたお弁当も、今までは機械的に食べ
ていただけだった。
悪いことをしてしまったな・・・などと反省する新司。
そんな彼の思いには関わりなく、屋上のさらに上、給水タンクに寄りかかって見
渡す町並みは、今日も人々の営みにざわめき、そんなことは知らぬとばかりに空は
青い。
平和だ・・・・と新司は思う。
使徒との戦いで多くの人が傷つき、いまだ立ち直ることの出来ない人が多いと言
う事も、まるで遠い世界の出来事のように思える。
それを無責任な感じ方だという人もいるだろう。
けれど若干15歳の、義務教育さえ終えていない少年には、それは重すぎる荷物。
この少年が他者の悲しみ、苦しみを思い、自身の非力に傷つかねばならない理由
が何処にあるのだろうか。
少なくとも碇新司は、みずからの悲しみでさえ背負い切れていない。
むしろ恥じるべきは、彼らチルドレンにすがりついていた大人たちだろう。
重い荷物を背負うのは年長者たちのつとめなのだから。
無論、彼らとて好きこのんですがっていたわけではあるまい。
子供達を戦場に追いやることに罪の意識を抱き、代わってやれたらと思わなかっ
た者はいないだろう。
けれど、彼らはあまりにも傲慢だった。
その思いやりも結局の所、自己満足の、偽善の域を出る物ではなかった。
「しかたない」、「他に方法がない」と言う言葉を免罪符にして、あまつさえ彼
らのことを思いやっている素振りさえして見せた。
逆に彼らが、その職分においてさえ、子供達に支えられていたというのに。
新司は思った。
今となってはもうどうでもいい事だと。
もう全て終わった事なのだと、そう思いこもうとした。
けれど、今朝話した委員長・・・元委員長の言葉がそうさせてはくれない。
「冬児の事なんだけど」「気にするなって・・・言ってたから」
自らの非力のために、片腕片足を失わせてしまった冬児。
それを責める事もなく、逆にこちらを気遣っている。
昨日まで、自分自身の不幸に押しつぶされ、思い出す事も無かった友人達。
あの町を離れようと、自分には関係の無い事だと全てを投げ出したとき、思いと
どまらせてくれたのは彼らだった。
どうしようもなかった自分を受け入れてくれた友人達。
変わり者であっても、かけがえのない友人だった。
新司が夜の山をさまよっていた時、健介は食料を分けてくれた。
一人分しかなかった食料をためらう様子もなく、当然のことだという態度で。
「三馬鹿トリオ」そう呼んだのはもう一人のチルドレン。
昨日まで、自分自身の不幸に押しつぶされ、思い出す事も無かった同居人。
彼女もまた、重すぎる荷物を自ら背負い込み、押し潰されてしまった。
初めてのキスの相手も、彼女だった。
だのに今日も、別の友人との再開の期待に胸をふくらませて、毛ほどの関心も抱
いていなかった。
ふう、とため息をつく。
「最低だ・・・俺って」
結局、新司が教室に戻ったのは、5時間目の開始のチャイムが全校に鳴り響いて
いる、まさにその最中だった。
そして彼は窓際の席を見て、思わず入り口で立ちすくむ。
思いがけない色彩がそこにあった。
かつて見慣れた顔がそこにあった。
得体の知れぬモノがそこにあった。
ふと気づけば他の生徒たちもまた、何とも言えない、居心地の悪そうな視線を向
けている。
それはそうだろう。
水色の頭髪に赤い光彩、まっとうな人間のものではあり得ない。
彼女はまっすぐな視線をこちらに向けていた。
そして、その顔には穏やかな、けれど仮面じみた笑みが浮かんでいた。
呆然としている新司に、背後から声がかけられた。
「あー、すまないけど、席に着いてくれませんかね。もうチャイムだって鳴ってる
からね」
あわてて振り向くと、もう怒鳴ることさえ億劫そうな英語読解担当の老教師がそ
こにいた。
「すみません、うっかりしていました」
そう言って席に戻った新司だったが、その後の態度は老教師を嘆かせるのに十分
な物だったろう。
綾波のことが気になって、授業どころではなかったのだ。
尤もそれは他の生徒にしても同じ事だったが。
綾波麗。
得体の知れない「モノ」。
かつて淡い思いを抱いていた綾波と同じ人物。
かつて淡い思いを抱いていた綾波と別の物体。
目の前で崩れていったいくつものヒトガタが脳裏に焼き付いている。
「エーそれでは11行目から次のページの3行目までを、転校生のきみ、やってみ
て下さい」
教師の指名に答えて英文と、その和訳を読み上げる麗。
役ごとに声色など使ってみせて、なかなかの演技力だと言えた。
その朗読を聞いている内に、新司は彼女が随分と豊かなパーソナリティーを備え
ていることに気づかされた。
唯の影響だろうか、それとも環境の変化か、いずれにせよかつての、二人目の麗
とは別人だった。
悲しかった・・・・
麗が自爆した時でさえこうも悲しくはなかった。
麗の正体を知ったときでさえ、真実として受け入れるには異様すぎて、理解でき
なくて、リアリティーがなかった。
けれど、ここにいるのは麗ではないのだと、あの麗はいなくなってしまったのだ
と実感した瞬間、悲しさがあふれてきた。
「きみ、どうかしたのかね?」
ふと気づくと老教師がこちらを見ている。
どうやら自分は泣いていたようだ、と視界が歪んでいる事から気づいた。
「何でもありません、気にしないで下さい」
声はしゃくり上げる事もなく、平然と、と言うより冷然とした口調で出た。
目は涙を流しているのに、鼓動も、呼吸も正常に働いている。
心はこんなに痛むのに、体はまるで人事のように動く。
僕は・・・・壊れて・・・・狂ってしまったのか・・・・・
もうあれに乗る必要なんか無いのに・・・戦わなくていいのに・・・
「なあに泣いてやがんだよ、おい」
「はっずかしーやろー!」
5時間目が終わると、さっそく馬鹿が二匹ほどやってきた。
確か岡田とか言ったはずだ。
もう一人は、さて何という名前だったか。
「君達には関係ないことだよ」
本当なら関係無くなど無いのである。
新司は、彼らを含めた人類を守るために戦ったのだから。
そして、その中で心を壊していったのだから。
しかし、当の碇新司少年にはその自覚は全くなかった。
父との絆や友人達の命を守るため、というならならともかく、世界なんて理解の
範疇を越えていた。
大体、使徒が人類を滅ぼすというのも理解できていたのかどうか、怪しいものだ。
だから彼自身のの主観としては、関係ないのである。
「んだとぉ、手前ちょっとちょーしにのってんじゃん、ええ?」
「何様のつもりなんだよ、おい」
別にすごんで見せても怖くも何ともない。
殴られたところで、心の痛みに比べれば、体の痛みで耐えられない物などない。
ただ、こんな馬鹿にしつこくつきまとわれるのは、はっきりいって鬱陶しい。
「聞いててんのかよ!」
襟首をつかんで立たされる。
さてどうしようか、と考えていると、意外な人物が乱入してきた。
「手を離しなさい」
「綾波・・・」
「何言ってんだこいつ?」
「ばっかじゃねーの」
「知性も個性も感じられない・・わね、君たちには存在意義が見あたらないっ!
新司君を侮辱するというのならぼっ、私が、許さないわ!」
きっぱりと言い放つが、新司にはどこか不自然な話し方だと感じられた。
仮面じみた微笑みのせいもあって、どこか芝居がかかっているような気がする。
「許さなきゃどうすんだよ!」
そう言って彼女を突き飛ばそうと突き出した手が、急に止まる。
まるでガラスの壁でもあったかの様に。
事実、壁があった証拠に、彼の指先は不自然に曲がった。
「いってえ!」
突き指でもしたのか、右手の指先を押さえて悲鳴を上げる。
「ATフィールド・・・」
呆然としている新司の前で、喜劇としか言い様の無い光景が展開された。
人差し指を立てると、それで相手をつつく少女。
そして、それを本気で痛がる男子生徒が二人。
人間離れしたカラーリング、青い髪と赤い光彩が、非常識さに拍車をかける。
出来の悪いコントのような光景に、他の生徒達は唖然としている。
やがて、それが別の反応に変わり始めた。
くすくすと押し殺した笑い声が漏れる。
先程の新司の落涙など比較にならないほど派手で、滑稽極まりない醜態だった。
這々の体で二人が逃げ出す頃には、忍び笑いはが遠慮容赦ない爆笑になっていた。
昨日まで彼らとつるんでいた者達までも、少なくとも男子の半数以上と少なから
ぬ女子から成るグループだったはずなのに、誰も助けようとはしなかった。
随分と希薄な人間関係だな、と新司は思う。
これなら、はみ出し者同士の3馬鹿トリオの方がまだましだった。
少数精鋭という奴だ。
「いつも、あんな風だったの・・」
憂いを含んだ、それでも笑みを絶やさない表情で問うて来る彼女に、新司の反応
は素っ気ないのもいいところだった。
「うん、でも気にしなくていいよ、綾波まで仲間外れになっちゃうよ」
「ありがとう」とさえ言おうとしない。
そんな新司の反応に不満げな様子で何か言いかけたが、鳴り響くチャイムが6時
間目の始まりを告げ、無情にもそれを遮った。
「本気なのかね?」
それを聞いたとき冬月は思わずそう言った。
彼女が本気なのはわかり切っている。
それにしてもこの夫婦は、いつまでたっても私を驚かせてくれるな。
「ええ、このままでは彼女が可哀想です」
「しかし、いいのかね? 麗は君のクローンなんだぞ?」
04「やばいんじゃない?」
03「何がですか?」
04「あんたすっかり忘れてるみたいだけど、ここの管理人って確かLASじゃなかった?」
03「あ」
こ、困りましたねえ。
このお話、アヤナミスト向けではない割に、アスカの待遇も良くはありませんからねえ。
まあ出来るだけフォローを入れて行くとしましょうか。
さて、前回管理人さんからご質問のあったキャラの漢字表記についてです。
まず冬児についてですが、これはもう思いきり単純に、冬生まれだから冬児です。
セカンドインパクト後と言っても暦の上では冬ですし、上の世代にとっては郷愁を誘う言葉でしょうから。
ひかりは新幹線から。
きっと彼女のご両親は鉄道マニア、だから上から順にこだま、ひかり、のぞみ、こまち。
明日香は、まさか飛鳥ではないでしょう。(たぶんこの子が一番適当)
薫は、僕が小学校の頃に読んだ「薫は少女」と言うたぶんノンフィクションの物語から。
若くして亡くなった妹の事をお姉さんが書いた本だったと思います。
麗はちょっと色々ありました。
まず、零と唯では「ハイスクール! 奇面組」になってしまいます。
麗は画数が多すぎるので却下。
書き始めた時点では玲になっていました。
ですがある時、戦慄すべき事実を知ってしまったのです。
思わず「うぎゃあ」と悲鳴を上げてしまったその事実とは!
以下次号!
………ああっ石を投げないで! 敬具 03;プリーチャー
03;プリーチャーさんの『シ者 再来』第壱話、公開です。
(^^;
第零話と同時にこの第壱話を公開しちゃっていました m(__)m
第零話にある私のコメントは
第零話と第壱話を読んでのコメントです。
・・・だから・・・
手抜きかなぁ(^^;
今度は間違えないようにします m(__)m
さあ、訪問者の皆さん。
貴方の感想を03;プリーチャーさんへ!
[大家からの質問こーな〜]
かわったペンネームですけど、
由来は?
勝手にコーナーを作って。。。(^^;
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[03;プリーチャー]の部屋