いままでと変わらないいつもの風景、僕を毎日起こす奇麗な女性。
それはこれからも変わらない光景。
「ふわぁあ、アスカおはよう。」
「おはようシンジ・・・じゃなくって折角の日曜日なんだから出かけましょうよ。」
「アスカぁ、どうでもいいけどいつまでも『シンジ』はないだろー。」
「いいじゃないの別に、この呼び方が慣れてるんだし。」
「だって結婚してるんだから『貴方』とか、『旦那様』とかあるじゃない。」
そう僕たちは5年前に結婚した、今は二人とも今年で27になる。
大学を卒業してすぐ結婚した、もちろん式は6月しかも僕の誕生日。
子供も二人いる、最近輪をかけてやんちゃになってきた。
おかげで記念日は忘れた事はない。
「ねぇ、なんで変えないの?」
もう一度聞き返す、たぶん答えは解っている。
「恥かしいからよ。」
「えっ?」
たまには意地悪もしてみたくなる、いつもやられてばかりだから。
「恥かしいからって言ってるでしょ!」
そう言うとアスカは顔を真っ赤にしてしまった。
くすっ、ほんとこういうアスカって可愛いな。
「パパ、ママ、ごはんはー?。」
「おなかへったー。」
「はいはい解ったから、シンジも早く着替えてきなさいよ。」
「解ったよ、ほら秀真も真秀もアスカに付いていって。」」
『はーい。』
あの二人、生まれた時はそっくりだったけど今はそれほどでもないかな。
秀真はどっちかっていうと僕や母さん似かな?
真秀はアスカかな髪の色も似てるし、瞳も茶色っぽくないし。
おっと早く着替えなきゃアスカに何を言われるか。
「ねぇシンジ、どこ行くの?」
「そうだね、子供たちはどっか行きたいところはある?」
「わたし、おはなみいきたーい。」
「ぼくもー。」
ははーん、アスカが根回ししたな…僕が子供達に聞く事をみこして。
「アスカ、お花見に行きたいならそう言えばいいじゃない。」
「な、何いってんのよ、この子達が言ったじゃない。」
「子供がそんな事考える訳ないだろ、僕が子供達に甘いのを知って言わせたんだろ?」
「いいじゃないお花見ぐらい、今年はまだ行ってないし・・・」
「うーん、お花見か、そう言えば今年はまだだね。」
「パパー、わたしさくらがみてみたーい。」
「パパのおべんとうたべたいなー。」
「そうそう私もシンジの作ったお弁当食べたいなー。」
「しょうがないなー。」
『やったー。』
はぁー、結局僕に決定権はないんだよな。
「まぁ、お花見も悪くないかな。」
「シンジっ、美味しいお弁当期待してるからね。」
「うん、アスカは子供達と自分の支度をしといて。」
「OK。」
「さて、何作ろうかな?」
−子供部屋−
「ほら秀真、バンザイして着替えるから。」
「キャッキャッ。」
「もう!言う事聞きなさい・・・こら真秀そこで遊ばない!」
「ぶー。」
「まったく手間のかかる子達だわ・・誰に似たのかしら?」
アスカだと思うよ・・・・
「ほら、着替えないとパパのお弁当食べれないわよ。」
「えー、ぼくきがえる。」
「わたしもー。」
「シンジのお弁当は効果絶大ね、早く私も支度しないと。」
−リビング−
「ふー、こんなもんかな。」
おにぎりに卵焼き、から揚げにミニハンバーグあとサラダが少し。
そういえばアスカ、お酒飲むのかな、あんまり飲んで欲しくないなぁ。
「シンジ、お弁当出来た?」
「うん、出来たから支度してくるね。」
「早くしてね−。」
『パパ、はやくねー』
「解ってるよ。」
「えーと、シートと一応子供達の着替えも持ってかないとね。」
ガサガサ、ゴソゴソ
「こんなもんかな。」
「じゃ、行きましょうか。」
「しゅっぱーつ。」
「しんこうー。」
「玄関で待ってて。」
−車内−
「ねぇシンジ、どこの公園に行くの?」
「そうだね、芦ノ湖の公園なんてどう?」
「そうね、あそこならアスレチックもあるし大人もゆっくりできるし良いんじゃない。」
「さくらー。」
「大丈夫だよ真秀、ちゃんと桜は咲いてるよ。」
「今ごろは、ちょうど満開なんじゃないかしら?」
「きっと奇麗だと思うよ。」
「わーい。」
「シンジっ、お酒は持ってきたんでしょうね?」
やっぱり飲む気なんだアスカ、たのむから僕に絡んできませんように。
「ほどほどにして、まわりに迷惑をかけない程度にね。」
「わかってるわよっ。(はぁと)」
ほんとに解ってるのかなぁ・・・心配だ。
「パパ、まだつかないのー。」
「もうすぐだよ、秀真。」
「それにしても、ここも便利になったもんねー。」
「あの頃は都市としての機能よりも迎撃する事に力を注いでいたからね。」
僕がそう言うとアスカは申し分けなさそうな顔で僕を見る。
そんな顔しなくていいよアスカ。
「ごめんね・・・・シンジ。」
「大丈夫だよ・・・もう昔の事だから・・・」
それっきり僕たちの中を静寂が支配する。
「どうしたの?パパたちなんかへんだよ。」
「ん?ちょっと昔の事を思い出してただけだよ秀真。」
こういう時子供の言葉には救われるかな。
その後はまた楽しい一時が戻り着くまで会話がはずんだ。
−公園−
「ほんと桜が満開ねー。」
公園にはたくさんの桜が咲き乱れている、ほんとに奇麗だ。
「わぁいさくらださくらだ。」
「真秀はやっぱり女の子だね。」
「当ったり前じゃない、私の子なんだから。」
「なにそれ?・・・秀真も奇麗だと思うだろ?」
「うん、きれいだよ。」
「それにしても酔っ払いの親父どもが目立つわね。」
その中にきっとアスカも入るんだろうな・・・こわい。
「あなたぁ(はぁと)、何か言いたそうね?」
「そ、そんな事ないよ。」
「ふぅん、そういう事にしといてあげる。」
僕の心の中が解るんならもうちょっと自重してよ・・・
「シンジ。」
「は、はい。」
「なにかしこまってんのよ、場所取りしなくちゃ。」
「え、あぁそうだね。」
「まったく、あんたは一家の主なんだからいつまでもボケボケしてないでよね。」
「ママのほうがいっかのあるじじゃないのぉ?」
「ママのほうがつよいもんねー。」
うんうん、子供達は正直だね。
「ちょっとアンタ達、それはどういう事!」
「えー、だってぇ。」
「きんじょのひともそうおもってるよ。」
「シンジ、黙ってないでアンタからも何か言いなさいよ。」
「別に言う事は無いけど・・・事実だし。」
「はぁー、アンタに聞いたあたしが馬鹿だった・・・」
「そんな事より早く場所取らないとどんどん人が来るよ。」
場所を探す事数十分。
中々アスカのOKが取れなかったのは言うまでもない。
「ここなら申し分ないわね。」
「つかれたぁ、なんでママってあんなにガンコなのぉ。」
「失礼ね、こだわりと言って欲しいわ。」
「ぼく、どっちもいっしょだとおもう。」
「アンタ達はお子様だから解んないのよ!」
「まぁまぁアスカ、子供達に力説しても始まらないよ。」
「まったく、こんなに奇麗な桜が見れるのに。」
アスカはそう言うと舞い散る桜の花びらの中でくるくると廻った。
アスカがやるとなんでも絵になるな、ほんとに奇麗だ。
カメラ持ってくればよかった・・・
「どうしたの、がっかりした顔して。」
「いや、アスカがあんまりにも奇麗だったからカメラで写しておきたかったなぁっと。」
「な、何言ってんのよ子供達の前で。」
「パパはママにらぶらぶだもんねぇ。」
「そうそう。」
「アンタ達いいかげんにしなさい!」
「パパぁ、ママこわいよぉ。」
「アスカ、怒った顔も素敵だよ。」
「だよ。」
「シーンージー。」
そろそろ潮時かな。
「ここらへんにしとこうか二人とも」
『はーい。』
「はぁー、もういいわ。」
「じゃ、お弁当にしようか。」
「おべんとうー。」
「そうね。」
「わたし、たまごやきがたべたぁい。」
「はいはい、たくさんあるからね。」
・
・
・
・
「あ、それぼくんだぞ。」
「ママがあたしのハンバーグとったぁ。」
「ふっ、食事に親も子もないわ。」
「親子で何やってんだか。」
「シンジー、お・さ・け・は?」
つっ、ついにきたお花見の最大の修羅場が。
神様・・・はいないか。
「ぼくアスレチックのほうであそんでるね。」
「あ、わたしもぉ。」
「・・・そのほうがいいね。」
しょうがないな被害は最小限に抑えた方がいいし。
−30分後−
「シンジぃ、アンタは幸せ物ねぇこんな美人にお酌をしてもらえるなんて。」
「はい、そのとおりです。」
こうなったら早く酔いつぶれるのを持つだけだな。
「なによぉ、不満があるってぇの?」
「ぜ、ぜんぜんありません。」
「シンジはあたしの事なんか愛してないのね!」
「そんな訳ないだろ。」
ミサトさんより厄介だなこれは。
「ほんと?」
「ほんとだよ。」
「ほんとのほんと?」
「うん。」
「じゃあ信じてあげる。」
たのむからこれ以上絡みが過激になりませんように。
「シンジぃ。」
ぽてっ。
ん、あれアスカ?ってなんで膝の上に頭があるの。
「んーむにゃむにゃ。」
「ふぅー、これで開放されたかな。」
「パパぁ、ただいまぁ。」
「もうおわったの?」
「お帰り、今寝たとこだよ。」
「パパもたいへんねぇ、まほがおっきくなったらママとかわってあげるねぇー。」
「ばーか。」
「フフっ、ありがとう。」
「そろそろかえろうよ。」
「そうだね、アスカが起きる前には家に着かなくっちゃ。」
−車内−
「三人ともぐっすり寝てるなー。」
去年もたしかこんな感じだったような気が・・・
来年も・・・
「はぁー。」
「シンジィー。」
やれやれ、この寝顔にだまされたかな?
「アスカ、来年こそはお酒はほどほどにね。」
秀真:やっちまった・・・
うんうん。
秀真:本編もそんなに進んでないのにいいのかな・・・・
いいんじゃない。
秀真:悪魔の囁きが聞こえる・・・
きゃはははは。
秀真:人生諦めが肝心やね、やっちまったもんはしょうがないさ・・・
秀真:ちなみに相方は短編には登場しませんので、「素」で書きます。
秀真:本編じゃこういう話は書けないので書いてしまいました。
秀真:ちなみに相方はアヤナミストなので彼もそういう短編を書くので待ちましょう。
秀真:ふぅー、それにしても本編は最近書く量が少なくなってきてるっていうのに。
秀真:短編のほうが本編よりもたくさん書いてしまった。
どげぇしぃ
秀真:いたい・・・
アスカ:そうかしら。
秀真:なんで君が・・・
アスカ:ちょっとアンタ、なんでこういう設定な訳?
秀真:それは裏設定がアレでコレな訳で・・・
アスカ:どういう設定な訳?
秀真:それは×××が×××××で×××が××××だからこうなるの。
アスカ:そ、そうだったの!?
秀真:そうなの。
アスカ:話は納得してあげる、でも子供の名前がなんであんたなの!
秀真:いや、それはその、ね?
アスカ:なによ、白状しなさい。
秀真:それは「秀真」って言葉が好きだから。
アスカ:好きだからってあんたねぇ。
秀真:んでオイラも双子の男の子と女の子がいたら「秀真」とそれをひっくり返して・・・
アスカ:ひっくり返して?
秀真:「真秀」になる。
アスカ:アンタ馬鹿ァ!?
秀真:悪かったね、これはオイラのささやかな夢さ・・・(本当です!by相方)
アスカ:なに黄昏てんのよ。
秀真:さて、ここいらでお暇するかのぅ。
アスカ:それじゃあまた・・・逢えるのかしら?