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『西方漫遊記演舞』
第1劇



昔々、まだ神族,魔族,人族の領域が別れていなかった頃のお話です。

神族に、ある変わった子どもが生まれました。

その形相は、髪の毛が炎のように赤く、目は蒼く澄んでおり今で言えば美人でしたが、
運の悪い事にこの時代では赤髪,蒼目はまだ西北の蛮族として悪い扱いでした。

何せ生まれたのが東方の神族では、災いをもたらす子として恐れられました。

しかし、この子は回りからの扱いにも負けない知性と岩のような頑固さを兼ね備えてい
ました。

その子の名前は、アスカと呼ばれました。

アスカは、幼いうちから仙術,神通力,格闘術等をマスターし、幼くして神童と呼ばれ
ました。

彼女の周りの神族は、煽てるように神童と呼んでいましたが、裏では赤毛サルと陰口を
叩いていました。

そんな周りへの対応として、彼女の心は、いつも冷たくさめており常に距離をおいてい
ました。



そして、アスカが成長したある日の事、神族対抗の親善武道会がありました。

もちろんアスカに敵う神族は誰もいません。つい調子に乗ったアスカは、周りの男の神
どもを挑発することを言いました。

「まったくだらしない男どもね、束になって掛かってきなさい。」

男の神は、真っ赤になって怒り、力自慢の神,武道の心得がある神が掛かっていきまし

それに対して、アスカは慌てずに髪の毛を10本程抜き フウ と息を掛けますと髪の毛
はアスカの分身になりました。
「さぁ、皆フォーメーション袋叩きよ!」
「「「「「「「「「「ラジャー!!」」」」」」」」」」

10人のアスカは、男の神を取り囲む様な陣形をとりました。

これを見た男の神は、おお慌てです。何せ1人でも手強いアスカが11人に増えて周り
から袋叩きにするのですからもう手も足もでません。

男の神達は、コテンパンになり中央に山積みにされました。

そして、追い討ちをかける様に11のアスカからの罵倒です。

「アイ アム チャンピオン」
「無様ね」
「アタシの相手は10年早いわ!」
「出直しておいで!」
    :
    :
「アンタバカ〜!!」

アスカのあまりの強さと我が侭ぶりに危機感を抱いた上級神族のユイ・イカリは、仲裁
に入りました。

「お止めなさいアスカ!! 分身をしまいなさい」

「はい、ユイ様」

アスカは、男の神達を熨していた分身を元の髪の毛に戻しました。

ユイ・イカリは、少し思案してからアスカを誉め称えました。

「アスカ、あなたの強さは解りました。
 ぜひ、その強さでわたし達の領域に攻め込んでくる魔族を入り口で撃退して下さい。
 お願いしますよ、戦いの女神アスカ。」

アスカは、ユイ・イカリに誉められて有頂天になりました。

「任せて下さいユイ様、
 このアスカ命に代えても神界を守ります。」

ユイ・イカリは、アスカに対して菩薩の顔を向けていました、
次に男の神達に般若の形相で申し放ちました。

「アスカに負けて腹をたてた男達よ。
 あなた達が負けたことは仕方ないとしても、その事に腹をたてるとは何事ですか。
 しばらく、下界にて反省しなさい。」

こうして、アスカより劣る男の神達は、人界へと追放の身になりました。
(この中には、アスカと同世代のトウジ入っていました。)

それを見ていたアスカは、小躍りしながら駆け出しいきました。

『やった! やった! アタシの、アタシのチカラが認められた。
 アタシは、今日から戦いの女神アスカよ!
 みんな、見て!アタシを見て!』


この事件以降、アスカは『戦いの女神』として崇められましたが、
なんだかんだ言って入り口の門番でした。
実際、魔族は人界へは、進出していましたが、同じ力(神通力vs魔力)を持つ神界と
は睨み合い状態でした。
つまりアスカの役職は、閑職として暇でしょうがありませんでした。

「ふぁ〜、暇ね。まったくこう暇では腕が鈍るわ。」

そこへ、前回の親友のトウジを下界に落とされ恨みを抱くケンスケが、アスカに余計な
事を吹き込みました。

「女神さま、女神さま」

ケンスケは、ゴマすり状態で門番で暇を潰しているアスカに言い寄ってきました。

アスカにしてみれば、いい暇つぶしがやってきたと思いましたが、素直には言えません


「アンタだれ?」

「私は、神界の情報通のケンスケです。」と、ケンスケは答えました。

「その情報通がアタシに何の用なの?」と、アスカは胡散臭いケンスケに尋ねました。

「前回の武道会で大活躍の女神アスカの噂を教えに来たんですよ。」

ケンスケは、ニヤリと口を綻ばせながら答えました。

「えっ! アタシの噂! 聞かせて、聞かせて」

アスカは、上気分でケンスケに続きを尋ねた。

「女神アスカは、武術は神界一、神通力は仙人並、強さは一騎当千といわれています。


「うん、うん、それから」

アスカは、目を輝かせてケンスケに続きを尋ねた。

ケンスケは、顔を曇らせながら続けた。

「ただ、その強さをユイ・イカリがやっかみ
 自分地位を脅かされない様、閑職の門番を申しつけたと....」

それを聞いたアスカは、怒りに肩を震わせながらケンスケを脅す様に聞いた。

「アンタ、神界でイ・チ・バ・ン・ツ・ヨ・イ・のは誰か知っている?」

ケンスケは、脅えながら答えた。

「ハ、ハイ。
 1番強いのユイ・イカリ様です。
 先の魔族との戦いでは、並み居るシト達を1人で倒したそうですよ。
 2番目に強いのは、ユイ・イカリの分身のレイだそうですよ。」

アスカは、蒼い目を光らせて呟いた。

「そ.う. ユイ・イカリなの
 じゃあ、ユイ・イカリを倒せば名実と伴にアタシがイチバンじゃない。」

ケンスケの思惑では、アスカの鼻っ柱を折れば十分だったんですが、アスカがユイ・イ
カリ様の所に殴り込みに行きそうなので慌てて止めました。

「ま、待って下さい女神アスカ!
 まさかユイ様の所に殴り込みするつもりじゃないでしょうね。」

「ふっ、そのまさかよ」

もう、アスカの目は、座っています。
そして、すくっと立ち上がるとユイ・イカリの霊山めがけて駆け出して行こうとするの
をケンスケは抱きついて止め様としました。
ケンスケにしてみれば、これから始まる騒動の原因が自分にあるのが直ぐユイ・イカリ
の千里眼で見破られバツせられてしまうと思って必死で止めていました。
ただ、抱き着いたのが運悪くアスカのお尻だったため、

「こぉのぉスケベ〜!!
 あたたたたたたたたたた」

と、あすかの渾身の10連コンボをくらい人界へ落ちていきました。

そして、アスカは、ずんずん と足音(地震)をたてながらユイ・イカリ神の霊山に殴
り込んで行きました。

もちろん、霊山には門番も家来もたくさんいましたが、全員アスカの前に沈みました。

「あちょ!」
「あた!」
「うおたたた!」
「あた!あた!」
   :
   :

アスカが通ってきた道は、死屍累々の山でした。

ユイ・イカリは、殴り込んできたアスカを呆れてしまい尋ねました。

「アスカ、あなたは何でそんなに暴れているのですか。」

「よくもアタシの事を赤毛ザルと言ってくれたわね。(誰も言っていません)
 アタシは、陰口が一番アタマにくるの。
 さあ、アタシと勝負しなさい。どちらが1番強いか解らせてあげるわ。」

ユイ・イカリは、やれやれとため息をつきながら戦いに応じた。

「まったく、血の気の多い子ね。」

「うぉ〜、問答無用!」

アスカは、叫びながらユイ・イカリに戦いを挑みましたが、ユイ・イカリの前には、自
慢の分身の術を初めとする神通力も仙術も効きません。
おまけに動きを封じられ指1本触れることができません。
ユイ・イカリは微笑みながらアスカに教えた。

「これが心の壁よ、アスカ。
 つぎは、こちらから行くわね。
 少し、痛いけど我慢しなさい。授業料よ。」

「こんなの勝負じゃないわ。ねぇ、止めてよお願い。許してユイ様」

ユイ・イカリは微笑みながら首を振りアスカに答えた。

「だめ、悪い子にはお仕置きよ、アスカちゃん。」

「う〜サド、エゴイスト、変態、」

アスカは、手も足も出ない(口だけはでてます)まま、海千山千の強さを持つユイ・イ
カリのお仕置きの前に屈しました。

アスカは、仙術を封じられたまま、人界の洞窟に追放になりました。

ユイ・イカリは、アスカに諭しました。

「アスカちゃん、あなたの心はすさんでいます。
 心の修行を積みなさい。
 そうすれば、あなたが封じられている洞窟の前を私の血縁の者が通ります。
 その者の従者として私の所まで修行の旅をしなさい。」

それに対するアスカの返事は、

「覚えてなさい。
 アタシは、必ず帰ってきて今日の仕返しをしてやるから。
 ついでにあなたの血縁の者とやらを下僕として連れて来てやるわ。
 覚えてろ〜〜」

こうして、戦いの女神アスカは、シナの国の山奥に封じ込められました。


アスカを助けてくれる予定のシンジ・イカリは、今は修行中でまだ自分を待ち受ける困
難を知りませんでした。


【続劇】




NEXT
ver.-1.00 1998+04/21 公開
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後書きのようなもの

先日入居したNASAという者です。
前回は、後書きを忘れてすみませんでした。
それなのに丁寧に後書きを大家さんからつけてもらい感謝感激です。
短編を一つ投稿してこの部屋に入居し、2日たってカウンタが1200をオーバーしそ
うなので急遽この
SSを書いています。このSSはこの段階ではわからないと思いますが、EVA+西遊
記演舞です。
EVAのキャラクターと西遊記のキャラクターがなぜか一致してしまい書き始めました


最初は、コメディーを書くつもりが段々暗くなってしまいました。

次回は、明るく書くつもりです。



 NASAさんの『西方漫遊記演舞』第1劇』、公開です。




 猿・・・

 赤毛ざる・・・


 爆笑


 爆笑した自分にイエローカード(^^;



 不安定なとことか、

 そんな感じですね。



 さあ、訪問者の皆さん。
 設定集も読んで感想メールを送りましょう!



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