豊かな水と肥沃な土に恵まれた、まさに祝福の大地に根を下ろしたネルフ王国。
かの国は、リリス王国をその傘下に加え、名実共にガイナ大陸で最大の王国となった。
そのネルフの中心である、「麗しの王都」を目指して、一台の馬車が走る。
中には、ネルフの王妃にして、リリス王家最後の直系・レイとその侍女、アスカ・ソウリュウが乗っている。二人とも、どこか表情を曇らせていた。時折、レイの儚げな小さい肩が軽く揺れて、ため息が聞こえる。
レイは今だ、兄の死という呪縛から抜け出せなかった。
アスカももちろん、リリス王の死を悲しんでいたが、彼女はもう一つの心配事を抱えている。そのお陰で、先刻まで全く口を開かないほど落ち込んでいた。行方不明になってしまったあの若き銃士見習いのシンジ・イカリという青年。結局お礼も言えずにいる。加えて、今となっては生きているのかも分からない。別に特別な感情を抱いている訳ではない、と自分では思いこんでいるが、これが今生の別れであると思うと、目頭が熱くなって、不覚にも涙を流してしまいそうになっていた。
しかし、アスカはある言葉を思いだし、すぐにそんな自分をぬぐい去った。
『アスカちゃん、あなたはこれからレイ姫の侍女として・・・何があっても姫をお世話し、ときにはお助けするのよ』
大好きだった、母キョウコ・ソウリュウの遺言だ。
早くに母を流行病で亡くしてからというもの、彼女は遺言を頑なに守りリリスの侍女として、常にレイの側にいた。彼女の母もまた、レイの世話役であった。とても才知に恵まれ、レイの父親の信頼も厚く、教育係も命じられていた母は、アスカの誇りである。
その言葉がいつもくじけそうになるアスカを立ち直らせる。そして今も。
彼女はまず自分が落ち込むよりも、レイを元気づけることをえらんだ。
「ね、レイ」
「何?」
「・・・あなたがいくら悲しんでも、亡くなった陛下は戻ってこないわ。もう3ヶ月になるのよ。しっかりしなさいいよ。あなたはネルフの王妃でもあるんだから」
アスカも辛くないわけではないのだ。長年、レイの側にいて、彼の兄はもう彼女の兄でもあった。それに、彼女の前から突如姿を消してしまった、シンジ・イカリが深い山の中で姿を消したことも、少なからず彼女の心に加重を与えていた。
が、それ以上に、彼女の「侍女」としての使命感が、レイを励ますことを優先させる。
「ありがとう、アスカ。私・・・いつもあなたに助けてもらってる」
「いいのよ。レイだって忘れたワケじゃないでしょ?侍女である前に、親友なんだってこと。
ね、カヲル陛下が残念がるわよ。レイの笑顔が見られないと」
「うん」
うつむきながら、本当に軽く頷くレイ。まだ完全にではないが、それでも確実に元気を取り戻しただろう。アスカは安心して、窓にかかるカーテンを開いて、外を見る。東から流れる大きな黒雲がまるでネルフを包むようにして迫っていた。
「雲行きが怪しいわね。ちょっと!少し急いでくれない?」
「はい!」
王都の方角に、黒い雲が集まりつつある。それはこれからのことを象徴させるに相応しかった。
舗装された道を、リリス王家の馬車が進んでゆく。
王都はもう目の前にある。
エヴァ三銃士
第九章 「混迷の、ネルフ王国」
カーテン越しに見える景色には、三ヶ月前にそこにあった「麗しの王都」がなかった。
路地には闇市が建ち並び、襤褸をきた王都住人たちが生きる希望も失ったような目で、うつろに虚空を見つめていた。
それほど華美ではないにしろ、それなりの装飾が施されたこの馬車を見つけ、多くの人がにらみつけてくる。
・・・まるで侵略者でも見るかのように。
あまりの形相に、さすがのアスカも視線を背けた。
「ここはどこ?」
アスカは呟くが誰もその問いかけに答えられなかった。
常に活気に溢れ、人々の笑顔が絶えなかった王都は、まるで毒にでも犯されたように反面の姿へと変わってしまっていた。
ちらりとレイを盗み見るアスカ。
彼女も信じられないといった様子だ。そして馬車が急に止まる。
「ちょっとっ!!どうしたのよっ!!」
思わずアスカが乗りだし、運転手の横に顔を出した。
「アスカ様、危険です!レイ様と馬車の真ん中あたりに伏せていて下さい!!」
彼はまさにレイのお抱え運転手と言っていい。忠実で、たしなみ程度だが護身術も身につけている。
その男が険しい表情で、あたりに視線を配り全身を硬直させているのだ。その非常事態ぶりが一目瞭然だ。
そしてアスカはそこに恐ろしい光景を見る事になる。
ゾンビのような人々が王城に入る道を、人垣で塞ぎ先ほどの形相で、全員が馬車を睨んでいる。一様に武器を持っていた。
感じられるのは、ぎらつく殺意。
それはまさに彼女にとっては、全身の血の気を引かせる恐怖だった。
「ど、どうしたって言うのよっ?」
「わかりません。気がついたら人垣ができてました」
「そこにはレイ王妃が乗っているな!?」
会話を遮るように、人垣の中央にいる男が叫ぶ。
「あんた達王族の所為で、あたしらの暮らしは悪くなる一方だよ!!」
大柄の女性が声を張り上げた。
「何言ってんのよ!ワケ分かんないわ!!」
「変わったんだよ、ナギサ国王は!!今じゃただの暴君だっ!」
そこでレイが馬車の戸を開けようとしたので、慌ててアスカが制止する。
「レイ!ダメよ」
「でも・・・どういうことなの?」
不安げに呟くレイ。
「ともかく今は状況を教えてくれそうな雰囲気じゃあ、ありませんね」
手綱を強く握り、鞭を構える運転手。
「逃げられそう?」
「正直、不安です。この数では・・・」
その時。
バーン!
銃声だった。
十戒のように人垣が割れ、信じられないほど大柄な黒馬に跨った兵士が現れた。
「立ち去れ、ネルフの民よ!!レイ王妃の馬車に触れる者は死罪に処す!」
男は叫び、抜剣する。
動かない人垣。だが、黒馬が猛りそして石畳を蹄で叩くと、四散して行った。
「王妃様、無事でありますか」
男は三つの目がデザインされた気味の悪い衣服を身に纏っていた。
「あなたは?」
馬から軽く下りて、クビをもたげる男。
「申し遅れました。私は、キール枢機卿護衛隊隊長、カイン・サハクィエルです」
すぐにまた馬に跨り直す。身のこなしも常人的ではない。
「王妃様、私枢機卿より城内までの護衛を仰せつかっております。ご安心下さい」
「・・・ありがとう、カイン殿」
どうも納得のいかない様子のまま、カインに先導され城内へと進んだ。
門をくぐり、まず二人は目を白黒させる結果になった。
あきらかに前居たときと内装が豪華絢爛になっている。
「お、おかしいわ!!どしたって言うの?これは」
アスカが叫ぶ。
「陛下・・・」
膝の上で握られた両手を見つめて、前にも増して、彼女の顔は不安に彩られた。
「これはこれはレイ王妃。よくお戻りになられました。陛下並びに枢機卿が広間にてお待ちです」
アスカは突然現れたその黒づくめの男を激しく睨んだ。
シャノン・サキエル。どことなく腹黒い印象が拭えないシャノンが、アスカは嫌いだった。対してレイは、そのシャノンに目を向けることもなく、広間に向かう。慌ててアスカも後を追う。
「何しに来た?シャノン」
「それはこちらの台詞だ、カイン」
カイン。そして仁王立ちするシャノン。
「私は卿の命に従って、王妃をお守りしたまでだ。手抜かりばかりの貴様が、のこのこしゃしゃり出てくるな」
一瞥してカインはさっていく。シャノンは彼の背中を舌打ちして見続けていた。
広間についた二人は、さらに驚いた。金の装飾を施された大理石の柱。そして王座には絹の織物がかぶせてある。
「レイ・・・。よく帰って来たね。・・・リリス王のこと非常に遺憾に思うよ。けどこれからは二人でネルフとリリス、両方を治めていこう」
やおらに彼女を抱きしめたのは、紛れもなくこの国の最高権力者である、カヲル・ナギサ十三世である。
「陛・・・下?」
こんなことをする男ではなかった。レイの心中は混乱の度合いを増す。
「どうしたんだい?レイ」
穏やかな笑みで見つめるカヲル。
違う。明らかに何かが違う。
「あなた・・・ダレ?」
一瞬、彼の顔に怒りと困惑の色が見えたが、まさにほんの一瞬だった。
「何をいうんだい?レイ。あまりの悲しみにボクのことを忘れてしまったのかい?」
「陛下。王妃はお疲れなのでしょう。連日の激務に加え、リリスからの長旅です。お休みになられた方がよろしいかと」
横から割ってはいるように、声を上げたのは、キール・ローレンツ枢機卿である。
「そうだね。ゆっくり休むといい。アスカ君、レイを部屋に連れていっておくれ」
「は、はい」
アスカはレイの手を引いて、彼女の私室に向かおうとしたが、レイはその紅の瞳でカヲルを睨み続けていた。そして、広間から二人が退席したあと、よろよろとカヲルは王座に腰をかけ、右手で額を押さえた。
「どうなさいました、陛下?」
「枢機卿殿・・・。あの娘気がついたのではないか?」
弱々しげに呟くカヲル。
「・・・それはまだお前がカヲルに成り切れていないということだ!いいか、立ち居振る舞いもカヲルのようにしろ。いいな」
キールは王座に近づき、表情もその会話の内容も、彼だけに伝わるようにする。
「ああ」
醜悪に、憎悪の念を向けてキールを睨むカヲル。
「それでは陛下、これより政務会議がございます。円卓の間に向かいましょう」
「あ、ああ。分かったよ枢機卿」
肩を落として、円卓の間に向かうカヲルを見ながら、キールはこみ上げる笑いを押さえきれずにいた。
部屋に戻ったレイは、開いていた窓を締め、廊下を往来する人間がいないことを確認して部屋に籠もる。
「どうしたの?」
「え・・・ええ」
「さっき、どうして陛下にあんなこと言ったのよ?」
「違うの」
「何が?」
「あれはカヲルじゃない」
真摯な瞳だった。
「陛下じゃないって・・・」
「外見や振る舞い方は誤魔化せても、心までは誤魔化せないわ。私には分かる」
「レイ・・・あなた」
「アスカ、あなたに頼みがあるの」
「何でも言って」
「このことを三銃士に伝えて。たぶん枢機卿が何らかの陰謀を仕掛けてるって」
「えっ?」
それはレイの側を離れなければならない頼みだった。アスカはとまどう。
「でも、レイが」
「私は大丈夫。何を言っても殺されはしないと、思う。枢機卿に私を殺してもなんのメリットもないはずよ」
「レイ」
「分かって、アスカ。これはあなたにしか頼めないの」
レイはアスカの腕を掴んで、すがるように言う。長い沈黙の後、うつむいたままでアスカはこう呟いた。
「わかった。アタシやるわ」
「ありがと。アスカ・・・」
泣き崩れるレイの頭を、彼女は優しく撫でてやった。
「まさか、あのレイが気がつくとはな。誤算だった」
キールは自室で猫の頭を撫でながら言う。
「いかが致しましょう?」
と、シャノン。
「まぁいい。彼女はこのまま籠の中の鳥だ。城から一歩も出さねばよい。それよりも」
「三銃士のことでございますか?」
カインが言う。
「察しがいいな、カイン。
そうだ。そろそろ目の上の瘤を取り除くに相応しい時期だ。カイン、人選はお前に任せよう。リリスで消息を断った奴らを探しだし、始末せよ」
「仰せの通りに」
部屋をさっていくカイン。シャノンの横を通り過ぎる瞬間、彼は嘲笑を称えた。
「案ずるな、シャノン。お前にはもっと重要な仕事をしてもらう」
「何でありましょう?」
「この女を探せ」
渡されたのは、一枚の似顔絵だった。
「ミサト・カツラギ。今後我々が動くのにどうしても必要なカギとなる。
おそらくは辺境の伯爵邸にまだいるはずだ。今夜、地下の密室へ連れてこい」
いけ、シャノン」
「はっ」
「さぁ、いよいよ私の時代が始まるのだ」
高笑いをしながら、キールはバルコニーへと歩いていった。
アスカは晩餐のあと、リリスで使っていた男物の衣服を開いていた地下牢に隠して、誰にも気づかれることなくレイの元に向かった。
枢機卿は、警護という名目でレイの寝所付近に配下の兵隊を配置していた。あわよくば彼女も連れだそうという計画もこれでは実行不可能だろう。
「レイ・・・」
「アスカ」
レイはアスカに飛びつくと、強く抱きしめた。
「これが・・・今生の別れになるかも知れないわね」
「な、何を言うの!ちゃんと帰ってきて。危なくなったら素直に捕まること。あなたの命には返られないもの・・・」
「わかったわ。じゃあ・・・しばらく一人で頑張って」
「ええ」
まだ数刻前の会話を、アスカはもう何度も反芻していた。だが、思い出に浸っている時間もそれほどある訳ではない。早々に地下牢から延びる下水道を通り、王都を脱出しなければならない。
小走り程度のスピードで地下牢へ行くと、思惑通り門番は座って船こぎ状態でうたた寝していた。
ゆっくりと音をたてないように近づき、あらかじめ準備しておいた合い鍵を使い中に入る。
そして内側からカギを閉めた。
地下牢の中で着替えると、彼女は長い髪をコンパクトにまとめて、帽子の下に隠す。
「これでいいかしら?」
真っ先に下水道へ抜ける道に進もうとしたが、反対側の道から、個室へ向かうようにして光が近づいているのが見えた。
(まずい)
アスカは咄嗟に柱の影に隠れる。
(あれは・・・シャノン・サキエル?それにあれは誰なの?)
黒いマントを頭からすっぽりと被った人物。そして、炎の光が照らす先にキール枢機卿が居た。
「ご苦労、シャノン。下がってよいぞ」
(フン、ネルフの悪役が雁首揃えて何やってんのよっ!)
部屋に消える黒ずくめの人物と、キール。そしてシャノンはやってきた方向へ消えて行った。アスカは十分注意を払いながら部屋の方へ近づく。
そして小窓から中の様子を伺った。
中は、枢機卿好みに装飾が施されており、テーブルや椅子も高価なものだというのが、彼女にもわかった。
「久しぶりだな、ミサト」
キールがそう言うと、彼女はフードを被った顔をだす。豊かな長い髪がフードから落ちる。
「お久しぶりですね。枢機卿」
アスカは一瞬、その人物の姿に目を奪われた。同性でも分かる美しさが彼女にはあった。
「相変わらず美しいな。その美しさに何人の男が路頭に迷ったろうな」
「さぁ?いちいち酒のサカナにした男のことなど覚えていませんわ」
含み笑いをして、妖艶な瞳を上げた。思わずアスカは生唾を飲み込んでしまう。
「悪女ぶりも相変わらずという訳か。そのヒトを惑わす手腕を借りたい」
「はい」
「この書状をラングラン王国のカークス・ヴァルハレビア大将軍に届けてほしい」
枢機卿の印が施された華美な封筒が、彼女に手渡される。
「カヲル十三世の悪政に苦しむネルフを、偉大なるラングランの力により救い出してほしいと書かれている。その書状を見たラングランは必ずや大船団を率いて、ネルフを救いだそうと画策するだろう。倒されたカヲルに変わり、この私が正しきネルフの王となるのだ。
・・・いいな。誰にも見つかることなくラングランに向かえ。ギレンに船を準備してある。常に夜の闇に紛れて行動しろ。それだけだ」
「手綱を握っているのはキール枢機卿・・・いえ、キール教皇の思いのままというわけですね」
「そうだ」
「一つお聞きしていいですか?」
「なにか?」
「ネルフ王のあの変わり様、いかに枢機卿の策とはいえ、どうなさったというのです?」
そこでキールは高らかに笑った。
「・・・カヲルには双子の兄がいたのだ。名をカオルという。こやつは祈祷士に災いをもたらす赤子と言われ、人知れず仮面をかぶせられたまま、山中の独房に入れられていたのだ」
大業に大手を振る。
「それを私がお救いし、育ててやったのだ。今やネルフ王国への復讐と、私への服従心しか持たぬ操り人形として王座に座っている」
「なるほど。ところで・・・その葡萄酒、瓶ごと頂いてよろしいかしら?」
「好きにしろ」
小窓から、ゆっくりと離れるアスカ。
(冗談じゃないわよ!じゃぁレイはどうなるっての?・・・急がなきゃ)
足音を立てずに下水道へ向かう。
かなり走ったところで、彼女は使われていないはずの牢獄に人がいるのを発見した。
追っ手が来ている様子はない。彼女は目を凝らし、牢獄の奥に襤褸を来た囚人を見た。
「・・・だ、誰?」
好奇心だった。見え隠れする何かを発見したときに人が感じる、本能的な好奇心で、彼女はそう聴いてしまった。
「その声・・・聞き間違いでなければ・・・愛しい我が妻の侍女、アスカ君だね?」
弱々しい声だったが、あたりの静けさでよく聞こえた。
「我が・・・妻?」
「忘れたのかい?ボクのことを・・・この国の・・・王の声を」
明るみに現れたその人物は、鉄の仮面で顔を覆っていた。だが、その赤い瞳はその仮面でも隠せない。
「カヲル陛下ですね!」
「・・・アスカ君、頼みがある。・・・ネルフを救ってくれないかい?」
「そのつもりです。王妃様は今の国王が陛下でないことをお察ししております」
「そうかい。・・・さぁ早く行くんだ。そろそろキールがここへ来る」
「えっ?」
「早く逃げるんだ。君はまだ死すべき存在ではない」
足音が聞こえてくる。
「分かりました。陛下もどうかご無事で!」
走り出したアスカは、まっしぐらに下水道の通路を抜ける。そしてそのまま市街地を目指してわき目もふらずに進む。
ネルフ最後の希望の光として。
月刊作家(笑)平岡誠一です。
このペースはたぶん維持できないでしょう(爆)
さて、第九章。まさにアスカ主導のお話が始まった、という感じですね。一体何処に三銃士が出てくるのやら・・・。
今回から映画「仮面の男」と映画「三銃士」の内容を微妙におり混ぜつつ進んでいきます。
既に大家さんをはじめ、チャーリー・シーンら出演の三銃士をご覧の方にはおわかりかと思いますが、
しばらく本編のダルタニアン的役割をアスカが果たしていく訳です。
そのため、前回ちらりと出したミサトも登場させました。
相変わらず酒好きですが(笑)
次回は、逃亡するアスカと、発見され追われる三銃士のお話です。
明け方には既にアスカがいないことに不振を抱いたキールが王都に追っ手を放っています。
そんなアスカを助け出すのは一体誰でしょう?
それでは第十章「追われる人々」(仮題)でお会いしましょう。