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KISS! KISS! KISS!






シンジとキスした

シンジと教室でキスした

シンジとみんなの前でキスした





昼食後の気怠い時間

いつも通りの昼休み

いつも通りのはずだった昼休み



アタシはいきなりシンジを抱き寄せて、有無を言わさず唇を重ねた

シンジはちょっとビクッとして

突き飛ばされるかな? とも一瞬思ったけど

何も言わずにアタシを受け止めてくれた

……口を塞いでたんだから、何も言えるワケないか





唇を合わせながら、そっとシンジの背に手を回す

するとシンジも、アタシを両腕でそっと包んでくれた





騒がしかった教室が、一気に静まりかえるのが解る

教室中の注目が、アタシ達に集まってくるのが解る





ふふん

どう、アタシ達?

解る、みんな?



シンジはアタシのモノなの

アタシはシンジのモノなの

理解した?

ちゃんと覚えておきなさい



特別サービスよ

アタシ達のキスシーン、かぶりつきで見せてあげる

ナマのキスシーンなんて、見たことないヤツも多いんじゃない?





あの転校生

今、どんな顔をしているかしら?

身の程知らずにも、シンジにちょっかいかけちゃって

これで諦めるわね

ま、アタシと張り合おうなんてのが、そもそも間違ってんのよ





そっと、薄目を開けてみる

目の前に広がるシンジの顔

ちょっと、ドキン!

と、当然よね、キスしてんだから





視線を横にずらしてみる

ふふん、みんなアタシ達を見つめてる

ちょっと顔を赤くして、呆然とこっちを見ている

ヒカリなんか耳まで真っ赤

ごめんね、見せつけちゃって





さて、あの女はどこかしら

……いたいた、ヒカリのすぐ隣

ま、さっきまで、ヒカリと3人で話してたんだから当然か

ふふん、ビックリしてる

鳩が豆鉄砲くらったような顔しちゃって

……鳩が豆鉄砲くらった所なんか見たことないけど



解ったでしょ?

アタシとシンジの間に、アンタの入り込む隙間なんてないの

傷付く前に、潔く身を引きなさい

アタシって優しいわねぇ

ふふん



とか考えてたら、あの女の顔色がいきなり変わった

アタシが見ていたコトに気付いたみたい

アタシよりは落ちるけど、可愛い顔を歪ませちゃって、睨み付けてくる

ふふん、駄目よ、そんな顔しても、シンジはあげない

シンジ以外なら、誰でも好きなのあげるから

アンタはそれで我慢なさい





アタシは再び目を閉じると、シンジの背に回した手に力を込めた

強く強く、シンジの躰を引き寄せる

するとシンジも、強く強く抱き返してくれた

もっと見なさい、級友共

アタシとシンジは、こんなにこんなに近くにいるの





鈴原、鼻血吹いてない?

相田、ちゃんと写真撮ってる?

後でアタシに回しなさいよ

パネル仕立ての観賞用と、ポケットサイズの常備用ね





不意に、アタシの唇を何かが割る

シンジの舌先がアタシの口内に進入してくる



ワァオ!!



やるじゃない、シンジ!

アンタの方から舌を入れてくるなんて!

アンタにしちゃ上出来よ!

ちょっと見直したぞ、シンジ!



アタシはシンジの舌先に、ちょんと自分の舌先を当てて

それから、今度は本格的に舌を絡める





大人のキスになっちゃった

ごめんね、クラスメート諸君

中学生には、ちょっと刺激が強いかな?

解る? アタシ達、今、互いの舌を舐め合ってんのよ



……鶏の唐揚げの味がするけどね





あん

ちょっと声がもれちゃった

みんな、どう思ったかしら?

……ま、いいか



ちゅぷちゅぷちゅぷちゅぷ音がする

ギャラリー達にも聞こえているの?

……別にいいけどね



唇の端から流れるモノ

シンジの唾液?

アタシの唾液?

……どっちでも、いっか



なんか、考えるのが面倒くさくなってきちゃった

頭の中がポワ〜んとしてきて

何だかとってもいい気分



シンジの唇は柔らかくて

シンジの舌は優しくて

シンジの躰は暖かくて

何だかとってもいい気分




















ここ、どこだっけ?

アタシ、さっきまで何やってたんだっけ?

……ま、いっかあ

だって、とってもとっても幸せな気分




















どちらからともなく、そっと唇を離す

ちょっと、名残惜しいけど

そっと、瞼を開けば、シンジの潤んだ瞳が目に入る

たぶん、アタシも同じような目をしてシンジを見てるんだろうな

口を半開きにして

口の端からは涎垂らして

たぶん、かなり間抜けな顔だけど



……仕方ないじゃない、気持ちいいんだもん



























「……終わったぁ? アスカ、シンジ君?」

 ビクゥ!!

 突然耳元で聞こえた声に、アタシとシンジは抱き合ったまま、3メートルは飛び上がった。

「ミ、ミサト!」
「ミサト先生! な、何で……」

 葛城ミサト。
 アタシ達の担任。
 美貌とダイナマイツなバディを誇る女教師。
 そして、美女であることが、男運と結婚運に結びつかないコトを身を持って証明し続ける30目前の嫁き遅れ。

「……何でって、授業始まってんだけどねぇ。ベル聞こえなかった?」

 聞こえなかった…………

「で、ベルの音も聞こえない程、何をそんなに夢中になっていたのかなぁ?」

 ヤバい! 目が据わってる!
 本気で怒ってるみたい。
 お子様共よりも、欲求不満の独身女の方を刺激しちゃったみたい!

「教えてくれる? 何をやっていたのか凄ぉく気になるのよねぇ」

 ……ぬけぬけと。
 ああ、でも、こめかみに青筋が浮いてる。本気でヤバいわ!!

「シンジ、逃げるわよ!」
「え、あ、アスカ、授業は?」
「サボる!!!」

 アタシは抱きしめ合ったままだったシンジから躰を離すと、シンジの手を掴み、脱兎の如く、教室から駆け出した。

「ちょ、ちょっと、何処いくの、アンタら!!」

 背後でミサトがなんか叫んでる。
 アタシは完全無視して、授業中の校舎をシンジを引き連れて駆け走る。

「ア、アスカ! 何処いくの?」

 走りながら、聞いてくるシンジ。

「そうね……」

 アタシはちょっと考えて。

「とりあえず、さっきの続きの出来るトコ」













だって、すごくすごく気持ち良かったんだもん









おしまい






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ver.-1.00 1998+06/08 公開
感想・苦情・カミソリなどは こちらまで!

 ども、ザクレロです。
 たまにはこういうのも・・・ダメかな、やっぱり?

 実は『めぞんEVA』公開10作目を記念して、何かやろうかと思ってたんですが、あまりいいのが思いつきませんでした。
 で、大したものじゃないんですが、書きかけのボツSS、書き出すまでに行かなかったボツネタ等がいくつかあるんですが、コレ、読みたいとかいう、奇特な方がおりましたら、配布します。「ボツモノよこせ」とメール下さい。
 ただ、なにぶん、ボツモノですので、はっきり言ってロクなのがないです。
 ・・・普通いらねえよな、こんなの。






 ザクレロさんの『KISS! KISS! KISS!』、公開です。




 ここでも、ミサトさんが・・・
 学園EVAの世界でも、ミサトさんが・・・



 だんだんマジに可哀想になってきた、ミサトさんが(笑)




 見せつけられる。
 嘆く。
 苛立つ。


 あぁミサトさんに幸あれ    (^^;



 欠点も多いけど、
 それさえも魅力だと思うんだけどなぁ

 なんでこんな目にあうんだろ・・・

 星。なのかも




 アスカちゃんもシンジくんも、
 あんまりいじめちゃダメだよ(^^)


 そういうことはミサトさんの目に付かないところでね♪





 さあ、訪問者の皆さん。
 短編10作を達成したザクレロさんに感想&お祝いメールを送りましょう!




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