TOP 】 / 【 めぞん 】 / [風奈]の部屋 / NEXT

めぞんEVA600000hit記念SS
Wedding Reception
Presented By 風奈


「シンジー、レイからビデオ届いたわよ。」
「ホント?早く見ようよ。」

 アタシは封筒に入っていたDVDをコンポのスロットに差し入れる。自動再生機能でコ
ンポの電源が入り、ディスプレイに映像が表示される。それはアタシとシンジが新婚旅行
中に行われたレイとカオルの結婚式の様子を収めたDVDだ。直接電話で聞いたところに
よると、「できちゃった結婚」だとかで、結婚式と籍を入れるのだけをとりあえず急いで
行ったみたいなの。あの二人にしては間が抜けているというか何というか。
 アタシとシンジは先週末に新婚旅行から帰ってきて、今は家でゆっくりとしていたとこ
ろ。こういう点では、会社員とかで無かったのが良かったのかもしれない。もっとも、来
週からはトレーニングが待っているんだけどね。
 すでに第三新東京市は春めいた雰囲気が漂い始めている。新婚旅行に出発したのは12
月24日。明日からは4月なのだ。都合、3ヶ月の新婚旅行と言うことになる。
 なんだかんだ言っても、3ヶ月に及ぶ新婚旅行というのはあまり考えられないことだと
思う。アタシはシンジにヨーロッパ旅行、とだけしか聞いていなかったのに、本当はドイ
ツで1ヶ月、フランスで1ヶ月、イギリスで1ヶ月という長旅なんだから。1ヶ月、コン
ドミニアムを借りて住み、そこから各地を回って歩いたのだった。
 アタシがソファに座ってその様子を見ていると、台所から戻ってきたシンジがアタシの
隣に座る。ティーカップを両手に持っていて、片方をアタシに差し出してくれる。香りか
ら察するに、アールグレイだろう。旅行先で買ってきたロイヤルコペンハーゲンのかな?
一口飲むと、その予想が正しかったことが分かる。

「そうそう、一緒に披露宴の招待状が来てるのよ。」
「いつなの?」
「6月だって。ジューンブライド気取りなのかしらね。」
「レイはそう言う気分かも。」

 アタシとシンジの披露宴は最初は静かに行われていたのだが、途中からひどく騒がしい
ものになってしまった。特に司会進行があるわけでもなく、立食パーティという形で行わ
れたせいなのだろうか、途中でミサトがお酒を飲み過ぎて暴れ出し、それを抑えるはずの
加持さんまでノックアウトされたからもう、大変。おばさま、あ、違った、お母様が止め
るまでその酒乱はとどまることを知らなかったわ。あれを思い出すと今でも頭が痛くなっ
てくるわ。今度もそういうことが起こるのかしら?

「司会はケンスケがやるみたい。仲人は、ミサトさんと加持さん?何か不安だなぁ。」
「普通の披露宴の形式なのね。いいんじゃない、ミサトの酒乱が抑えられるもの。」
「そうだね。」

 シンジも同感らしく、頷いてくれる。
 そういえば、周りに挨拶しに行ってなかったわね。シンジと行かなきゃ。旅行のおみや
げもあることだし。

「シンジ、ビデオ見終わったら、周りに挨拶しに行きましょ。」
「うん。最初は父さんと母さんのところかな。」
「そうね。」

 レイとカオルの結婚式のビデオはそう長いものではなかった。まぁ、結婚式自体、長っ
たらしいものであるわけはない。キャプションも加えられているわけでもなく、淡々とそ
の風景を捉えているだけである。式に出られなかったアタシ達にとってはそっちの方が見
やすくてよかった。
 シンジは見終わると、ティーカップを片づける。アタシは着替えるために部屋に戻る。
結婚しても、アタシ達はそれぞれの部屋はそのまま使うことにしていた。個人としての自
由を持ちたい、というのが理由である。第一、仕事も生活も全部一緒で片時も離れられな
い、というのは愛し合っていても、精神疲労が激しいの。一日の中で少しのプライベート
タイムがあるから、いつまでも仲良くしてられるのよ。どうせ、寝るのは一緒の部屋だし
ね。何か、恥ずかしい。
 アタシはイギリスで買ったスーツを着ることにした。深紅、というのではなく、朱色に
近い感じの色で、今のアタシのお気に入り。これにパンプスを履くのが新婚旅行中に普通
になった服の着方だったりする。ハイヒールは、体に良くない、ってシンジに言われてか
ら履くのをやめた。まぁ、ハイヒールを履くのを止めてから、よく眠れるし、それが本当
だったんだ、と思う。別にシンジの言うこと、信じてなかったわけじゃないのよ。

 トントン

 誰かがアタシの部屋のドアをノックする。誰か、ってシンジしかいないんだけどね。

「なぁにぃ?」
「準備できたんだけど、アスカは?」
「うん、あと髪をセットするだけ。ちょっと待ってて。」
「リビングで待ってるから。」

 シンジはそう言うと、階段を降りていく。
 アタシも急いで髪をセットしなくちゃ。旅行中に髪を切ったりしたんだけど、帰ってき
たときには前と変わらない髪型に戻っているし、そう長くかかるものじゃない。ポニーテ
ールとかにしてもいいんだけど、スーツにはあまり似合わないので、ストレートで背中に
流す、という形。見た目にはOLっぽく見えるようにする。この年で人妻というのもなん
だか恥ずかしいしね。シンジの服装も似たようなものだし。
 さて、と。準備完了。小物はポーチに入れてあるし、後は出るだけ。

「お待たせ、シンジ。」

 シンジは居間でメールのチェックをしていた。結婚して以来、個人的なメール以外にも
いろいろと増えて、結構処理に面倒なの。友達からのメール、仕事関連のメールはまだし
も、ダイレクトメール、ファンからのメール、週刊誌からの取材のメールとかは応対が面
倒。今は振り分け用のプログラムを作ってもらったから、今は大分楽になったんだけどね。

「メールは2通。洞木さんからと、リツコさんから。リツコさんからのはエヴァの改装が
終わったって。」
「ふーん、ヒカリからのは・・・あ、今日の夕食、一緒にどうかだって。別に良いわよね?」
「うん。」
「じゃあ、返事出すわね。」

 アタシは簡単な返事を書くと、メールを送る。詳しいことはヒカリが考えてくれるだろ
うし、連絡は携帯電話で受ければいいことだから。メールを出し終わり、アタシとシンジ
は家を出る。車庫にはイギリスで購入した車が入っている。アタシはドイツの車がいいっ
てシンジに言ったんだけど、シンジはイギリスの車にしたんだ。理由は聞いてないけど、
車を見たら、別に聞かなくてもいいかな?なんて思った。車の名前はアストンマーチンD
B7、日本の一般公道を走るのにはオーバースペックだけど、乗ること自体が楽しく感じ
られる。そういえば、アストンマーチンって、「007」シリーズの4代目までのボンド
カーを作ったメーカーなのよね。5代目はBMWだったらしいけど。それ以降は知らない。
 シンジがエンジンを始動させ、静かに発進させる。シンジは危険な事には手を出さない
主義だから、急発進なんかはしない。こういう性格なのに、レースだとアタシ以上にギリ
ギリの走りをするんだから、不思議よねぇ。

「お母様に連絡したの?」
「うん・・・レイとカオル君も来てるんだって。新婚旅行は1週間ほどで帰ってきたって
言ってたけど。」

 そっか。レイとカオルもお母様の所に行ってるんだ。かえって都合がいいかもしれない
わね。何の?いいじゃない。こっちの都合よ。
 シンジの運転するDB7はお母様、ネルフ会長兼ネルフ・ワークスオーナー、碇ユイの
家にもうじきたどり着く。普通なら、夫の碇ゲンドウ宅ともいうべきなのだろうけど、現
状を見る限り、そうは言えないわ。尻に敷かれているのがすぐに分かっちゃうんだもん。
お父様は確かに素晴らしい技術者なんだけど、お母様、何か言いにくいわね、ユイさんっ
て呼ぶことにするわ、ユイさんとの力関係を見ると、ねぇ。シンジも力関係がわかってい
るのか、重要な話はまず、ユイさんに話すことにしているみたい。シンジの場合はお父様
とは話しづらい、というのもあるかもしれないけどさ。
 あ、家についたわ。ユイさんの家は第三新東京市の郊外にある。なだらかな山の中腹に
建てられた別荘という感じの建物がそう。建てられたのは丁度3年前。アタシ達が大学に
入って、ワークスとして本格的に参戦し始めた時だったわ。ワークスの合宿場所として、
しょっちゅう、泊まっていたわね。今後もそうなると思うけど。

「いらっしゃい、アスカちゃん、シンジ。新婚旅行は楽しかった?」
「はい。レイも来ているんでしょ?」
「そうよ、まず入って。」

 ユイさんの言葉に従って、アタシ達は家の中に入る。靴を脱ぐと向き直り、きちんと靴
を揃える。以前だったら、脱ぎ散らかして、シンジに揃えさせてたんだろうけど、結婚し
た今は違うわ。
 リビングに通されると、そこには、お父様とレイ、カオルがソファに座って談笑してい
た。お父様とカオルの手にワイングラスがあるということは、昼間から飲んでるのね。休
みだから別に構わないけどさ。レイはアタシの姿を見ると手を振る。アタシも手を振り返
す。シンジもリビングに入ってきたのを確認すると挨拶をする。

「お久しぶりです、お母様、お父様。」
「これ、旅行のおみやげ。まぁ、大した物じゃ無いけど。」

 アタシが型どおりの挨拶をするのに比べ、シンジは気楽に持ってきたおみやげを差し出
す。ユイさんは受け取ると、目配せで開けて良い?と聞いてくるので、頷くと丁寧に開け
始める。その間に、レイとカオルに宛てたおみやげを渡しておく。よく見ると、カオルは
いつもの黒のスーツ姿で変わらないけど、レイはいつものタイトな服装でなくてゆったり
とした服装になってる。さすがに7ヶ月になるんだもんね。

「あら?ティーカップとソーサーのセットね。随分といいものじゃない。こっちは、ネク
タイとベルトね。はい、あなたのよ、着ること少ないでしょうけど。」

 ユイさんってばかなりキツイこと言うわね。でも、お父様も文句言えないみたい。事実
だということもあるんだろうけど、力関係なのかな。ユイさんとお父様に買ってきたおみ
やげは他に4点。定番物が多くなってるのはちょっと反省。ゾーリンゲンのキッチンナイ
フセットとフランスのどっかのブランドのスカーフのセット、イギリスで買った、ティー
サーバーのセット、後一つはなんだっけ?シンジが買ったのよね。

「最後は、時計ね。ローレックスみたいだけど、飾り立てたのじゃないのね。飾り立てた
のは嫌いだから丁度いいわね。ペアになってるからあなたにも丁度いいわね。」

 時計か。シンジも無難なところで落ち着いたみたいね。レイとカオルへのおみやげも似
たようなものだし、って、全部似たような物なのよね。意外とおみやげって選びづらいの
よ、自分たちで使う物を買うのには困らないのにね。
 アタシ達の旅行話と、レイとカオルの結婚の話がずっと続いてる中で、アタシの携帯電
話がメロディで着信を知らせる。アタシは話に夢中だったのでシンジに携帯電話を渡すと、
話に復帰する。シンジは困ったような表情だったけど、応対に出る。

「はい。あ、洞木さん。うん・・・、住所のほう、端末に送っておいてくれる?車のなん
だけど、IDはね・・・。」

 ヒカリか。食事の電話ね。住所を送るとか言ってるから、心配しなくていいみたい。時
間はどうなのかしら?まだ夕食には時間があるけど。

「でね。カオルってば慌ててさぁ・・・」
「ちょっと、レイ、それは言わない・・・・・・」

 レイの所もカオルが尻に敷かれるのね。碇家って全部こうなのかしら。何か、男は情け
ない一族かもしれないわ。

「アスカ、洞木さんが、5時に待ち合わせってことで、こっちを4時半に出れば間に合う
から。」
「分かった。今が3時だから、まだ時間があるわね。」
「あら?夕食食べていかないの?」
「ヒカリと先約があるの。また、今度にしてくれます?」
「いいわよ。ところで、今年の計画なんだけど。レイちゃんがこうなったから、マスコッ
トガールがマナちゃんだけなのよね。マユミちゃんがやってくれるみたいだから、それは
構わないけど。問題はレギュレーション変更でパイロットが3人体制なのよ。」
「あ、アタシ後半戦はだめだと思う。理由はレイと一緒。」

 アタシの用意した爆弾発言にその場の雰囲気は固まる。してやったり、ってところね。
これはシンジにも内緒にしてたとっておきなんだから。

「ホントなの?」
「うん。昨日病院行って来たもん。3ヶ月だって。とゆーことで、シンジとカオル、後一
人は頑張って探さなくちゃね。」
「あぁ、そういうことなら大丈夫よ。長門ユカさんって知ってる?」
「知ってるも何も、最終戦で僕と争った人じゃないか。」
「その長門さんが移籍してうちに来るのよ。それを伝えておかなきゃ、って言うのを忘れ
てたのよね。後は、カオル君に人事は任せるわ。」

 やられた。アタシの爆弾発言にもユイさんは予防策を考えていたらしい。むー、やっぱ
り勝てないわね。まぁ、アタシの妊娠は相当ショックみたいだけど。その後、アタシの妊
娠話でその場は盛り上がる。こういう話にはシンジもカオルもついていけないみたい。普
通、そうなんだけどね。お父様は無言だから全然変わってないように見える。けど、冷や
汗を流してたのをアタシは見逃さないわ。
 長門ユカさんは今、26歳。10代からレースに出ていて、天才と呼ばれてた人。一時
期相手になるレーサーがいないために引退してたけど、去年、突然の復帰で最終戦ではシ
ンジと最後まで優勝を争ったのよね。ハンドルコントロールでは誰もかなわないと思うわ。
アタシだろうが、カオルだろうがね。そんな人が入るのはすごいことだと思う。他のチー
ムもスカウトしに来てたんじゃないかな。
 結局、ネルフ・ワークスはシンジ、カオル、長門ユカさんというパイロット陣になり、
メカニックはお父様、リツコ、マヤ、監督はカオルで秘書ということでレイ、マスコット
ガールはマナとマユミで、途中まではアタシもマスコットガールをすることとなった。う
ちのマスコットガールの制服は体のラインをそんなに強調する物じゃないから、気になら
ないけどね。広報はミサトとケンスケ、ここは変わらないわね。加持さんは情報収集で変
わりなし、ヒカリ、トウジも変わってない。あと、日向マコトって人と、青葉シゲルって
人がオペレーションで新しく入ることになったんだって。問題の「エヴァ」自体はシンジ
の初号機は変わらないけど、長門ユカさんは参号機に乗ることになったみたい。カオルは
肆号機を完全に改造して乗るってさ。予備の機体が無いけど、どうするのかしらね。アタ
シは知ーらないっ。弐号機は絶対に渡すつもりないしね。
 あら?話してるうちにもう時間だわ。ゆとりをもって行動しないとね。

「それじゃあ、そろそろ待ち合わせの時間なんで。」
「また来るよ、母さん、父さん。」
「ああ。」
「大事にするのよ。」
「はい。レイ、カオル、またねぇ。」

 アタシとシンジは外に出た。シンジはエンジンをかけ、助手席のドアを開いてくれる。
急にやさしくなっちゃったりして、妊娠したことをそんなに気にかけてるのかしら。言葉
に出さずに行動で示してくれるのはすごくうれしい。ついでに言葉でもちょこっと言って
くれるともっとうれしいんだけどね。
 環状線を走って市街地に向かう途中でアタシの携帯電話が鳴る。アタシは液晶に表示さ
れる名前を見て、あちゃあ、って思う。電話をかけてきたのはマナだったから。

「はい、アスカよ。マナ、どうしたのよ。」
「おひさぁ。夕食、ヒカリ達と食べるんでしょ?アタシも行っていい?」
「いいけど、アンタまた一人じゃないの?」
「それはお楽しみ、ってことよ。じゃあ、OKね。待ってるから。」

 マナは一方的に電話を切る。まあ、いつものことだから気にしないけど。この様子だと、
ヒカリにはもう話をつけてあったみたいね。
 待ち合わせは夕食を食べる場所とはちょっと違う場所らしく、駅前の駐車場に車を入れ
る。立体駐車場だから雨が降っても大丈夫。二人で駐車場を出て、待ち合わせ場所の公園
噴水前に行く。そこにはヒカリとトウジ、マユミとケンスケ、マナが待っていた。

「おまたせ。」
「久しぶりね。」

 アタシとシンジが合流したところで、移動を開始する。アタシはマナから、今年は芸能
界に復帰することを聞いた。5年ぶりの復帰になるんだけど、テレビ画面にはずっと出て
たりしてたわけだから、違和感がないんじゃないかな。ところで、お楽しみって何のこと
かしら?

「ところで、マナ。お楽しみって?」
「うーん、別に無いのよね。言ってみただけなのよ。」

 マナったら適当ねぇ。まぁ、そういうのもマナらしくていいけど。あ、お店に着いたみ
たい。このお店は・・・中華だったよね、前に一回来たことあるもの。ヒカリが予約して
たみたいで、すぐにVIPルームに通される。アタシ達は有名人であることは間違いない
わけだし、下手に問題を起こしてはまずいと思うから、当然のことよね。席につくとすぐ
にウェイトレスが水とおしぼりを置きに来る。メニューは無い。こういう時はお任せにす
るのがアタシ達が食べに来るときの常識。飲み物は後で好きな物を頼むからそれはそれ。

「とりあえず、ただいま、かしら?」
「そうだね。」
「しかし、3ヶ月なんてようやるわ。」

 トウジは呆れた表情で水の入ったコップを一気に飲み干す。

「しかし、今期はどうするんだい?」

 ケンスケはそう言いながらも、手に持っているビデオカメラを回している。その途中で、
シンジの様子だけが若干違うことに気づいたようね。妙にアタシを気遣っているもの。

「シンジ、何かしたのかい?」
「うん・・・実は・・・」
「アタシ達の子供のことでビクビクしてんのよ。まだ心配するような時期じゃないのにね。」

 アタシの言葉でシンジは顔を真っ赤にし、他の全員はあっけにとられた表情でいる。そ
の中でも平静さを失わない方であるマナは気を取り直すと、アタシに聞いてくる。

「おめでと、で何ヶ月?」
「3ヶ月よ。計算するとねぇ・・・初夜のが大当たりってことね。」

 アタシの答えにシンジは呆然とし、マナはアタシの答えが面白かったらしく、こみ上げ
てくる笑いを抑えきれないようね。ヒカリは顔を真っ赤にしつつも、アタシに、

「おめでとう。でも、碇君が心配するから体に気をつけてよ。」

 忠告まじりの祝福の言葉をくれる。アタシがアタシだけの為に体に気を付けろ、と言わ
れても言うことをきかない、ってのをよく分かっているヒカリならではの言葉ね。

「ま、そういうことで、ネルフ・ワークスの時陣容が変わったの。後で連絡が来ると思う
けど、簡単に教えておくわね。」

 アタシはユイさんのところで聞いた陣容を簡単に教える。アタシが飛ばしたところは、
シンジが補ってくれてる。内部での人事異動はともかく、新しく入るパイロット、長門ユ
カさんについては、結構な驚きがあるみたい。

「個人で表彰台を独占しなきゃ、手抜きって言われる布陣だよな。」
「ようわからんけど、そんなにすごいのか?」

 トウジは運ばれてきた料理をほおばりながら言う。相変わらずの食べ方よね。中学校の
時から全然変わってない。ある意味貴重だと思う。

「そりゃあ、ねぇ。ここ2年の個人ポイントで、1位のシンジに3位のカオル、去年だけ
だけど2位の長門ユカとくればね。」

 ケンスケはそう答えると、隣のマユミから料理を取った小皿を受け取る。マユミもヒカ
リと一緒ね、甲斐甲斐しく世話なんかしちゃったりして。アタシ?シンジが取ってくれて
るわ。アタシの好物をちゃんと押さえているけど、嫌いなものも入ってる。体のことを気
遣っての行動でうれしいんだけど、嫌いな物は食べたくないのよね。まあ、アタシだけの
問題じゃなくなるから、この場は従っておこう。

「でも、あのなんだっけ?農協みたいな名前の・・・」
「JA−01のこと?」

 農協?随分と古い言葉覚えているのね。アタシ達が生まれたときにはすでにJAという
呼び方しか無かったのに。ユイさんがたまに言うのを聞いたことがあるけど、それを覚え
ていたのかしら?

「うん。あれは結構速いよ。エヴァともいい勝負すると思うけど?」
「むー、あれはやっかいかもね。」
「確か、時田とかって人が個人的に運営しているワークスですよね?」

 マユミがJAのチームのことを教えてくれる。へぇ、個人運営なんだ。よっぽどのお金
持ちが道楽でやっているようなものよね。でも、そういうワークスがあれだけのスペック
を持ったマシンを持っているなんてちょっと意外。加持さんが詳しい調査をしてると思う
んだけど。
 結局、話しながら、食べ終わったのは3時間後の午後8時。ゆっくりと食べたのもある
し、話が長くなっちゃったから、まぁ、予想範囲の時間ではある。支払いは割り勘、って
ことだったけど、シンジがカードで一括で払っちゃったみたい。ヒカリとマユミは申し訳
なさそうな顔をしてるわ。気にしなくてもいいのに。それに比べて、トウジとケンスケっ
たら、ただ喜んでいるだけ。何だかなぁ。

「ヒカリ、マユミも、気にしなくていいわよ。賞金が余ってるんだから、シンジの口座は。」
「でも、私が誘ったのに。」
「今度おごってくれればいいわよ。ねぇ、シンジ?」
「うん、そうだね。」

 シンジも頷くので二人はやっと納得したみたい。まじめすぎるのよね、こーゆー時ぐら
い気楽にすればいいのよ。
 店を出ると、辺りは真っ暗。当然なんだけど、入ったときとの差が少し驚きになる。

「さて、と。私たちは帰るけれど、アスカは?」
「そりゃあ、帰るわよ。」

 アタシ達はここでヒカリ達と分かれて、帰途についた。お酒が入ってなかったので全然
問題は無いし、飲んでいたとしても、オートクルージング機能を付けてあるから気にしな
くても構わない。駅前からは10分ほどの距離にある我が家にアタシ達は帰り着く。

「ただいまぁ。」

 アタシはリビングの照明を付けて、ソファにゴロッと寝っ転がる。正直、食べ過ぎたか
もしれない。スーツのおなかがちょっとキツイ。着替えてこようかな。あれ?シンジは部
屋に戻ったみたいね。着替えてるのかな。アタシも着替えよっと。
 部屋に向かうところでシンジとすれちがう。トレーナーにジーンズで、まぁラフな格好
といえるもの。

「お茶の準備しておくね。」
「うん。」

 アタシとシンジはお茶を飲みながら、テレビを見たり、音楽を聴いたりして寝るまでの
時間を過ごす。お風呂とかはすでに掃除が終わっているから、オートで入れるようになっ
ているわ。時間をみて、入ることにしているの。あ、二人で入る、っていうことはないか
らね、そんなの恥ずかしくて嫌だもん。寝るのだって、同じベッドだけど必ずしてるわけ
じゃないもの。一緒に寝てる、って安心感があればそれでいいし。

「それじゃ、寝ようかな。」
「アタシも眠くなっちゃった。」

 結局、寝たのは午前2時くらい。明日は午後からトレーニングだから、ゆっくりしてら
れるんだけどね。

 それから4月、5月と順調に過ぎていき、ワークスの方も順調に勝っていったわ。2ヶ
月の間に行われたレースは4つ。ユカさんは優勝と2位、3位がそれぞれ1回。カオルも
同じ結果ね。シンジは優勝2回に2位が2回。結局、今までは表彰台をほぼ独占してきた
わ。JAは3位が2回と結構不気味かもしれないわ。
 そして6月は時期の関係で3回レースがあるの。すでに2回は終わってカオルが優勝1
回、ユカさんも優勝1回、シンジは2位が2回という結果。エヴァの調子があまりよくな
かったというのもあるけどよくやったほうよね。
 そして第七戦、6月20日。レイの出産予定日でもある。前日の予選ではカオルがコー
スレコードを叩き出して、ポールポジションを取った。ユカさんが2位でシンジは3位。
カオルってば、柄にもなく優勝して子供が生まれる記念にしようと思っているのね。それ
に、来週は二人の披露宴だし。
 マナとマユミがマスコットガールをしてるから、アタシは一人でレイに付き添うことに
したわ。ワークスの中で自由に行動を取れるのはアタシだけだし、レイも安心しやすいだ
ろうしね。ユイさんはカオルがレースに出てるから代理監督をしてる。レイもわざわざ、
コース近接の病院に入院してるからいつでも連絡は取れる。
 レイが分娩台に入ったときとほぼ同時にレースは始まった。
 アタシは出産に付き合い、レースの様子はよくわからなかったけど、生まれたらすぐに
連絡することになっていた。

 レイの出産は初めてだっていうのに特に時間もかからないで終わってしまった。時間に
して、1時間ぐらい。へその緒を切って、赤ちゃんの体を軽く洗ったあとにレイが赤ちゃ
んを抱いている。その姿がなんだか、お母さんを思い出させた。レイは今が一番きれいな
のかもしれない。赤ちゃんはレイとカオルによく似ている。ちなみに性別は女の子よ。
 アタシはレイに、

「おめでと。カオルに急いで伝えてくるわ。」

 と病室から駆け出す。レイは軽い笑みを浮かべて見送ってくれた。

「カオルっ、生まれたわよ。女の子だからねっ。」

 アタシはオペレーターのヘッドセットマイクをぶん取ると大声で叫ぶ。ちょうどその時
にカオルはコントロールラインを通過していった。その時に、左手を軽く上げて、アタシ
の声に返事をする。

「OK。ありがとう、アスカ。」

 カオルの声が聞こえた瞬間、カオルの肆号機は低い唸り声のような音を発して、急激に
加速していく。もう一人のオペレーター、青葉シゲルが表示されるパラメーターに驚いて
る。

「肆号機のシンクロレート、100%を突破っ。進行方向にフィールドを形成し更に加速
します。」
「ATフィールド?形まで見えるなんてすごいわね。」

 カオルは本気を出したみたい。生まれてこのかた本気なんて出したことがないくせにね。
今の順位は、2位か。1位は・・・シンジね。まぁ、気のいいシンジだもん。優勝は譲る
んじゃないかな。

「覚醒はカオルクンが先だったようね。」
「ふっ、問題ない。」

 後ろでリツコとお父様が話してる。またエヴァに変な機能を取り付けたみたいね。いく
らレギュレーション範囲内だからってむちゃくちゃよね。
 カオルはシンジとの差を急激に詰めて、最終周回に突入した。シンジは相変わらずの堅
実な走りでカオルもなかなか付けこむ隙を見つけられないでいる。シンジはあくまで正々
堂々と勝負するつもりね。まぁ、カオルもそうでないと勝つ意味がないかも。
 最終コーナーに入る瞬間、カオルが一気にシンジと並ぶ。最後の直線勝負に持ち込んだ
わ。こうなると・・・やっぱり、フィールド展開しているカオルのほうが圧倒的に速い。
シンジを引き離すとそのままチェッカーフラッグを受ける。ちょっと遅れてシンジ、3位
にユカさんが入ってきた。

 表彰式も終わり、ワークスメンバーは病院へと向かう。一応、身だしなみには気を遣っ
て、シャワーとか浴びて、着替えて行く。
 レイはすでに病室に戻っていて、赤ちゃんを抱いていた。カオルは近づいて行くけど、
アタシたちはそっと見守る。少し話したあとに赤ちゃんを抱き上げたカオルの表情はアタ
シが見たカオルの笑顔でも一番のものだった。よっぽど嬉しかったんだな、って思うし、
アタシも嬉しい。
 あ、アタシってすでに伯母さんって呼ばれるわけ?なんだかそれは許せないものがある
わねぇ。お姉さんって呼ばせよう、うん。レイはお姉ちゃんって呼んでくれないし、それ
が一番いいかもしんない。でも、シンジはおじさんって呼ばれるわね、たぶん。行動がジ
ジくさいし。

「みんな揃ってきたんだ。」
「当然でしょ。で、どうするの?名前は。」

 マナがレイに答えて、逆に聞くと、レイとカオルは頭を悩ませていたけど、

「ゆっくり考えるさ。」

 とカオルが答えて、その場は納得するみたい。でも、名前が決まらないと呼びにくいわ
よね。どうするのかしら。アタシの時は、シンジに考えてもらおう。きっといい名前を考
えてくれるわ。

「さて、披露宴はどうするの?あと10日しか無いわよ、6月は。」
「来週、第三新東京で行うわよ。予定通りにね。」

 レイの返答通り、6月27日、披露宴は第三新東京で行われたわ。会場はネルフの子会
社のレセプションホール。収容人員は多いけど、今回の出席者は全部で500名前後。一
般人にしては随分と多いと思う。でも、カオルとレイの結婚がマスコミで取り沙汰された
こともあって、今回もマスコミの取材が入ってたりする。芸能人の出席者はマナだけなん
だけどさ。レース関係者が多いのでそれなりに話題になってたりするのよ。アタシ達を除
いても、レースの世界では有名な人がほとんど出席してたりする。
 親族関係は控え室にいた。アタシはチハヤ、レイとカオルの子供をあやしている。結局、
カオルが付けた名前だけど、いい名前だと思う。漢字で「千早」って書くのよね。このチ
ハヤが人見知りが激しいもんだから、レイとカオル、アタシとシンジ、ユイさんにしかな
つかないのよ。ユイさんは花嫁の親、ってこともあって余裕ないし、アタシがあやすこと
になったわけ。レイは元気なものでウェディングドレスを着て、マナとかとはしゃいでた
りするのよ、まぁマスコミへの対応もあってマナといるんだけどね。
 チハヤはアタシの姪、ってことになる。今はすやすやと眠っているからいいようなもの
だけど、起きたらすごいことになると思うわ。披露宴までの間、アタシ達の家に泊まって
たからいいようなものの、夜泣きでレイとカオルはげっそりしてたもの。

「もうじき始まるよ。先に会場に入らないと。」

 シンジが控え室に入ってきて言う。アタシは頷くと、チハヤを抱いたまま、披露宴会場
に入る。チハヤはまだ首が据わってないから、レイが抱いて、披露宴を行うにはちょっと
無理がある。アタシ達が席につき、しばらくすると司会が披露宴の開幕を告げた。マスコ
ミの取材が入っているので、多少なりともおおげさになっているのはしょうがない。

 レイは純白のウェディングドレス、カオルは白いタキシード、スタンダードな服装だけ
ど、こういう場には一番あっているのかもしれない。二人が会場の一番奥にたどりつき、
席につくと、司会が進行を始める。

「ミサト、酒は禁止だからね。」
「わーってるわよ、ジュースで我慢すればいいんでしょ。」

 今回、ミサトを押さえるのは加持さんとリツコみたい。このコンビだと結構期待できる、
と思う。マヤがミサトの回りに酒を近づけないようにいろいろ動いているしね。アタシの
時のような披露宴にはしたくないもの。

「アスカちゃんが抱いてると、アスカちゃんの子供かと思っちゃったわ。」
「ユカさんってば、何言うんですか、もう。アタシはあと4ヶ月後ですよ。」
「そうだったわね。アスカちゃんは来年は復帰するの?」
「まだ分かりません。子供の世話をしたいですし。」
「そうね、ゆっくり考えるといいわ。」

 ユカさんがアタシ達の席に来て話していった。実際のところ、アタシはレース復帰は考
えてなかったりする。まだ保留、という形だけどね。
 シンジは動けないアタシの代わりにいろいろと動いて回ってる。ユイさんとお父様も一
緒。アタシのテーブルには結局、アタシとチハヤだけがいる。ヒカリやマユミも回りとの
応対が忙しいし、マナは唯一の芸能人だから余計に忙しい。ワークスのメンバーはアタシ
のそばに人が来ないようにしてくれてる。それでも、マスコミの取材はやってきたりする
もの。

「碇夫人、披露宴の感想は?」
「いいんじゃない。立派だしね。」
「そのお子さんは?」
「レイとカオルのよ。そういや、マスコミ発表してなかったっけ?」
「ええ。」
「この子はチハヤって言うの。漢字で「千早」。分かった?」
「はぁ、ところで来期はレースに復帰とのうわさがありますが?」
「さぁてね、シーズン終了後に分かるんじゃない?」

 アタシはそう答えると、席を立つ。哺乳瓶の中が空になっちゃったから入れに行くだけ。
ついでにおもらししてないかのチェックもあるけどね。うん、予行演習になってていいも
のよね。控え室に行くと、チハヤをテーブルの上に寝かせて、オムツを外す。うん、なん
ともないわね。起きてるけど、静かだし。哺乳瓶にミルクを入れると、チハヤを抱き上げ
て会場に戻る。進行は進んでて、友人とかの挨拶になっているわ。といっても、共通の友
人ばかりなのよね。挨拶をするのもワークス関連がほとんど。
 アタシは本当は挨拶をする予定だったんだけど、チハヤを預かっているから挨拶は無く
なったの。今はマナが挨拶してるわね。一応挨拶はして、その後一曲歌うとか言ってたけ
ど。

「それでは、一曲歌わせてもらうわね。古典的だけど、テントウ虫のサンバね。アスカァ、
一緒に歌おう。」

 え?マナったら何を言い出すのかと思ったら。しょうがないわねぇ。歌ってあげるとし
ましょうか。アタシはチハヤを抱いたまま、マイクスタンドの所まで歩いて行く。丁度、
スタンドの前に立ったときに曲のイントロが流れ出す。アタシとマナは目配せして、歌い
始める。高校生活でカラオケを二人で歌ってたりしてたから、息はピッタリ合っていて、
我ながら完璧、と思うハーモニーになってたと思う。歌い切った時には、会場からは拍手
喝采だし、レイなんて涙ぐんでる。意外とこういうのに弱いのよね。あら?チハヤってば
ニコニコ笑っちゃって、可愛いものよね。アタシのお腹の子もこういう可愛い表情をする
のかしら?
 アタシとマナは席に戻る。席にはユイさんが戻ってきていて、ワインを飲んでいるわ。

「上手だったわね。」
「高校のときにさんざん歌いましたから。」
「マスコミが二人でCD出さないか?とかって言ってたわよ。」

 へぇ、そんなこと言ってるんだ。芸能活動をしなくていいんだったら、曲を出してもい
いかもしれないわね。ま、やらないとは思うけど。

「シンジはどうしてます?」
「さっきから席を回ってるわ。新婦の兄だから、挨拶回りね。」

 まじめにやってるのね。まぁ、それがシンジの性分だからしょうがないけど。ちょっと
遠くで、ビール瓶を持ってお勺をしているシンジの姿が見える。うちの男はよく働くから、
楽なものよねぇ。あれ?お父様はどこにいったんだろう。辺りを見回していると、遠くで
冬月さんと話しているわね。また怪しげな笑みを浮かべたりしちゃって。娘が結婚したん
だから、嬉しそうな顔をしてもいいのにさ。

 まぁ、チハヤの面倒を見ていたアタシにとっては、やや退屈な時間も過ぎて、披露宴は
終わりを告げようとしている。終わり際になって、チハヤが泣き出したので、湿っぽい雰
囲気も関係無く対応に終われちゃったけどね。レイは心配そうな顔をしてたけど、ちょっ
と話して安心させる。アタシは控え室で披露宴の終わりを迎えることになった。アタシだ
けじゃなくて、シンジも付き合ってくれたけど。

「もう、チハヤってばこういう時に泣き出しちゃって。」
「しょうがないじゃないか、レイと離れ離れになっているんだし。」
「やっぱり親子の絆ってあるのかしら。」
「あると思うよ、」

 やけにはっきり言ってくれるじゃない。でもシンジがこう言ってくれて、安心できる。
アタシとシンジの子とも、絆ができるといいな、と思う。
 チハヤをあやしているうちに、お客さんが全部帰ったみたいね。控え室にレイが駆け込
んでくる。

「チハヤは?」
「今、丁度寝たところよ。」

 アタシはチハヤをレイに返す。レイはチハヤを抱きながら少し遅れてきたカオルと話し
ている。その様子を見ていて、親子なんだな、って見ていて感じたわ。
 ネルフのワークスメンバーが控え室に集まると、移動することになったわ。理由は言わ
ずと知れた二次会のため。幹事はミサトでなくて、ヒカリだから安心できる。移動先は披
露宴会場からそれほど離れていない、小料理屋。何度か行ったことがあるけど、本当にお
いしいのよね。ケンスケやらトウジはうまいものが食べれるって浮かれてるわ。まぁ、披
露宴では周りの目も気になったからそんなに食べれなかったんだろうけど。

「さて、と。行くわよ。」

 ヒカリの号令のもと、アタシ達は控え室を出る。

 今日は随分と遅くなりそう。騒がしい披露宴の二次会が始まるもの。

 結局。ミサトは溜まっていた鬱憤(もちろん、飲めなかったこと)を吐き出すかのよう
にして飲みまくり、いつもの打ち上げと変わらない様相を呈しちゃったわ。レイとカオル
はチハヤがいるから、それほど飲まなかったし、アタシも最近はお酒を控えているもの。
でも、ミサトが最後まで飲みつづけたわけじゃないのよね。ユイさんとの飲み比べに負け
て、撃墜されちゃったわ。

「やっぱり、アスカが産むときはお兄ちゃんも優勝しなくちゃね。」
「そうよ、分かった?シンジ。」
「うん・・・頑張るよ。」

 さて、シンジの頑張る、というのはどうなるか楽しみだわ。

To it continues "Named ???".


NEXT
ver.-1.00 1998+03/18 公開
感想・質問・誤字情報などは こちら まで! 

後書き
 BGM:加糖隼戦闘隊(笑)

 タイトルの内容が非常に少ないという、困った状態です(^^;
 BGMに関してはレイとカオルの子供の名前を付ける時に
 資料を漁っていたところ、軍歌のCDが出てきたので聞いてました。
 名前は、千早、旧日本軍水上機母艦ですな。
 長門に関しても、旧日本軍戦艦ですから。
 エヴァの名前は旧日本軍艦艇を由来とするのが多いので、そこから
 取ってみました。
 実際には文句を付けたいところがあるんですがね。
 まぁ、いいや(笑)

 アスカの視点で書いてみましたが、疲れました。
 でも慣れると書きやすいかも?と思ってしまうのが一人称かなぁ。
 次の外伝はどうなるかわかりませんが、
 とりあえず、タイトルだけ決めました。
 Named ???です。

 さて、と。第玖話を書かなくちゃ。





 風奈さんの『Declination below adolescence!』外伝2、公開です。




 ミサトが仲人・・・世も末だ(^^;


 さすがのミサトも
  かしこまった席の
  お堅い場所の
  大事に立場では
 おとなしくするだろし・・・いい手かも(爆)


 こういう風に3つも条件が重なったら、
 さすがに、さすがに、ね。

 2つくらいなら分からないけど・・・はは




 チハヤちゃん、
 アスカを「おばさん」なんて読んじゃダメだよ〜



 さあ、訪問者の皆さん。
 60万を祝ってくれた風奈さんに感想メールを送りましょう!


TOP 】 / 【 めぞん 】 / [風奈]の部屋