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Pure





「先輩はいない・・・・・葛城さんも、シンジ君達も・・・誰も・・・」




荒廃した、誰もいない世界


サード・インパクト・・・・・チルドレンによって引き起こされた惨劇


一人だけの世界・・・・そこにネルフのオペレータ、マヤがいた



「誰か・・・誰でも良いから・・・・居ないかしら・・・・・」



孤独感・・・マヤの心を支配しているのはもはやこの言葉しかなかった。











「シンジ君・・・・もしかして・・・・・」



孤独感にさいなまれている中、ふと考えがよぎる



「シンジ君・・・この孤独から逃げ出したかったんじゃあ・・・・・」



そんなことを考えながら、マヤは一人、歩く。

傍らには誰もいない・・・頼りたい人も今は・・・・いない。





「先輩・・・・・・・・シンジ君・・・・・・・・」



ふと名前が出てくる。



彼女が気にかけた人・・・・・・



赤木リツコ・・・・・碇シンジ・・・・・・





彼女は想う・・・・・両親や兄弟ではなく・・・・・


彼女が気にかけた人を・・・・・・・・・・












にゃ〜〜〜


音がする・・・・・・


生ある者が発する音・・・・




「・・・・猫?」



まさしく猫の鳴き声・・・・

この地獄の中で、マヤが聞いた初めての声・・・・・・




にゃ〜〜〜



駆け寄る。


音のする方向・・・


猫がいると思われる方向に・・・・・










にゃ・・・


そして・・・・見つける。

抱き寄せる。

マヤはその小さな生き物を抱き寄せた。




「私・・・・・一人っきりじゃなかった・・・・・・」




マヤは孤独感から開放される・・・・・


それが人間ではなくとも・・・・である。







マヤは猫をしげしげと見る・・・・




「オス・・・・・・・」



マヤは何故か顔を赤らめた。


一方、猫の方も恥ずかしそうな表情をした。




「あなた・・・男の子なのね・・・」



にゃ〜



反応する。



マヤにとっては、これだけでうれしいことだった。







「名前・・・・・そう、名前ね・・・・・」



既に飼うことにしているマヤ。

この地獄の中で見つけた希望なのだから仕方あるまい。



「あら・・・・この子、十字架をつけているわ・・・・・・どこかで見たことあるような・・・・」


猫は銀色の十字架をつけていた。


「そう・・・・葛城さんがつけていたものに似ている・・・・・」




生前、葛城ミサトがつけていた十字架・・・・


ミサトが亡き父親より譲り受けたもの・・・・・・


そして・・・・・・・・ミサトがシンジに託したもの・・・・・・・・


死ぬ前に・・・・・・・・・・・




「葛城さんがつけていたものをもっているってことは・・・・・・
 ひょっとしてあなた・・・・シンジ君?」


みゃん




うなずく猫。





「シンジ君・・・・・・シンジ君なのね・・・・・・」


ぽろぽろ・・・・・・・・・・・・


みゃ〜



涙を流すマヤ。

その涙は猫にかかる。

そして猫は困ったような表情を見せる。




「シンジ君・・・・・・・」



顔を赤くして猫を見るマヤ。


以前・・・・こういうことがあった。










Start Her Recollection−−−


「すいません、押しかけちゃって」

「別に構わないわよ」



今、シンジ君が私の家にいる。

シンジ君が私に新しい料理を教えて欲しいと頼んできたんです。

私はレシピをあげるといったのに、シンジ君は実際に見てみたいということで

私はシンジ君を家に呼んだの。

で、今私はシンジ君のとなりで目的の料理を作っているというわけ。


シンジ君は一生懸命メモを取りながら私の料理を見ている。

時々からだがくっついて私がどきっとするくらい真剣。





「で、これで完成よ」


しばらくして料理が完成。


「へぇ・・・おいしそうですね・・・これなら僕も出来そうだし・・・」

「それじゃあ試食しましょうか?シンジ君」

「あ、はい。そうしましょう」


私たちはテーブルに料理を運んで、試食会を開始したの。

シンジ君は「おいしいっ」っていいながら食べてくれていた。

なんか・・・・ふふふ・・・・・





「ご馳走様でした。マヤさん」

「はい。それとシンジ君。料理のこと、聞きたかったらいつでも聞きにきてね」

「あ、はい。ありがとうございます」

「うん、それじゃあ帰り、気をつけてね」

「マヤさん、本当にありがとうございました」


シンジ君はそういって極上の笑顔を私に見せてくれた・・・と思うの。

だって・・・私はその場に1時間は立ち尽くし、結局その日は眠れなかったんですから・・・



「シンジ君・・・・・・」


って時々つぶやいてる自分を見たときは、本当に恥ずかしかった・・・・・



Finish Her Recollection−−−










「シンジ君・・・」


にゃあ・・・・・












この猫がシンジ君なら・・・・・・


私は・・・・・・やっていけるかもしれない・・・・・

この孤独の世界を・・・・・・生きていけると思う。


猫だけど・・・・シンジ君が居るから・・・・





そう・・・・・・孤独でないと分かったから・・・・・













だから・・・・私は生きていく。










ver.-1.00 
ご意見・ご感想・「分からないねぇ・・・・」等は y-mick@japan-net.ne.jpまで!!
あとがき

うみゅ・・・・・・・

自分でなにを書いたのか分からん(爆)

気がつけば・・・・こうなっていた(^^;;;

確か・・・書き始めたきっかけは、LAS人であり、マヤちゃんな人であることを認識させようと・・・
たぶんこう思ったから・・・だと思う(^^;;;

ずっとLASを書いてきたから・・・ま、気分転換でもあるんでしょうねぇ・・・
ま、たまにと言うことで御了承を・・・(^^;;;











あ、ホントに気分転換ですよ。
めぞんでのこういった小説に関しては・・・・・ね(ニヤリ)




 Y-MICKさんの『Pure』、公開です。



 マヤちゃんの望はそうだったのね。


 シンジくんと。で。

 猫と。で。


 ・・・


 ふへ☆




 猫になってマヤさんに飼われる。


 シンジくんの望はそうだったのね(爆)





 さあ、訪問者の皆さん。
 分からなくなっちゃているY-MICKさんへお便りしましょ!






>あ、ホントに気分転換ですよ。

>めぞんでのこういった小説に関しては・・・・・ね(ニヤリ)


  ??

 またなんか、どっかで、あるの?


 どおでもいいけどぉ(キャベツ)




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