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NEW TYPE EVANGELION
第八話
灼熱の中で芽生えたもの


場所は、とあるビルのとある暗い小部屋。
五人の男が再びそこに”いる”。
だがその”いる”ものに当然、生命の息吹は感じられない。
男たちは実際にはその場所に”いる”のではない。
男たちと認識させているものは最新の技術を使ったCGに他ならない。

E-SEELE-01「我らの手持ちの『16体』の内すでに7体までが奴の手によって破壊された」
E-SEELE-03「我らの計算が間違っていたのだ。あの裏切り者に力がありすぎた」
E-SEELE-02「左様、あの裏切り者、碇ゲンドウに力が集まりすぎた」
E-SEELE-01「おまえが碇を抑えておくのではなかったのか?そのために我らの兵器を与えたのだぞ」
E-SEELE-05「分かっております、ですがあの黒い兵器、あれが誤算でした」
E-SEELE-04「我らの盟主の希望を叶えるため、我らに選択の余地はないのだ」
E-SEELE-01「盟主のため、裏切り者を始末せねばなるまい」
E-SEELE  「「我らが盟主のため、裏切り者、碇ゲンドウに死の鉄槌を」」

一つのものを残して全てが消えた。

E-SEELE-01「碇よ、裏切った罪は大きかったな」

一つのものはそういい残すと消えていった。
 
 
 



 
 

にぎやかな声が聞こえる。

ここは第三新東京市でも特ににぎやかなところ。
一組の男女が腕を組んで歩いていた。
いや、腕を組んでいるというよりも、女のほうが男の腕にしがみついているといった方がいいかもしれない。

「嬉しいな、山崎さんとこうして一緒に買い物できるなんて」
「はは、暇だったからね」

女のほうは綾波レイ。
休日を利用して1週間後に行く修学旅行のための買い物に来ていた。
男のほうは山崎キトである。
休日中にレイに呼び出されたのである。

「だって山崎さん、いつも忙しいんだもん。こういう日でないと一緒に来てくれないでしょ」
「そうだな、BH機関の方が完成間近だからな」

BH機関の完成は間近だった。
元々あった稼働時間が2分という欠点を克服しつつあるのである。
 
 
 

「山崎さん、これなんかどうかな」

レイは修学旅行で使う水着を買いに来ていた。
まずレイが持ってきたのは・・・・・・・・・白のビキニだった。

「おいおい・・・・・・中学生にはそれははやいんじゃないか?」
「えーーー、そんなことないと思うけどなぁ」
「俺は別のものがいいと思うが」
「うーーーーん、山崎さんが言うんだから別のものにしてみる」

そう言うとレイは別の水着を持ってきた。
その水着は・・・・・・・・・・・・

「おいおい・・・・・・・・・なんでそうなるんだ?」

レイが持ってきた水着は・・・・・・・・・”ヒモ”だった。

「え?ダメ?」
「ダメとかそう言う問題以前だと思うぞ」
「うーーーん、これで男子を悩殺するのもいいと思ったんだけどなぁ」
「こらこら・・・・・・・・・」
「それじゃぁ別のにする」
「そうした方がいいな」

キトに言われるとレイはまた別の水着をあさっていた。

「ねぇねぇ山崎さん、これは?」

今度持ってきたのは普通の白の水着であった。(TVでやってたあれね)

「まぁそれなら問題ないだろう」
「うん!それじゃぁこれ買ってくるね」
「ああ」

そう言うが早くレイはレジへと走った。
 
 
 

「修学旅行ってどこに行くんだい?レイちゃん」
「うーーんとね、沖縄。それでね、スクーバダイビングもあるんだ。
 私やったことないからすごく楽しみなの」
「それは良かったな」
「山崎さんは修学旅行はどこ行ったの?」
「俺か?俺は東京だ」
「え?東京って?」
「旧東京のことだよ、俺は中学の頃は旧名古屋の方に住んでいたんでね」
「そうなんだ。あ、そういえば山崎さんって39歳だったっけ」
「歳のことは勘弁してくれないかな」
「ふふふふふふふ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

レイとキトはカフェテリアで歓談していた。
キトは現在25歳に見えるため、端から見れば仲の良い兄妹のように見えていた。

「うふふふふ・・・・・・・・・楽しみだなぁ」

キトはレイのことはやはり妹のように見ていた。
だがレイは違っていたのかもしれない。
 
 
 



 
 

翌日・・・・・・・・・・・・・・・NERVのブリーフィングルーム。
ミサトがエヴァパイロットを集めていた。
もちろんキトは別である。
キトはエヴァパイロットと言うよりも博士という立場の方が多かった。
そのため、たいていは赤木リツコと伊吹マヤと一緒にいる方が多かった。
BH機関の研究のためである。

「えーーーーー!修学旅行は無しぃ!」

この声を上げたのはアスカではない。
レイである。

「そ、無し」
「なんで?」
「使徒が来たら困るでしょ」
「そんなぁ、シンちゃんはどうなの?修学旅行行きたいわよね?」
「僕?僕はこうなることは母さんから聞いて知っていたから。」
「えーーー!、アスカは?」
「アタシはシンジから聞いたわ」
「私だけ仲間外れ?そんなぁ、せっかく準備してたのに」

レイは不満をぶちまけていた。
もっとも楽しみにしていたのが急に無しといわれては仕方がない。

「でもこの機会を利用してやってほしいことがあるんだけどな」
「なんですか、ミサトさん」
「決まってるでしょ、お勉強。私はこれでもあなた達の担任よん。成績くらい分かるわよ」

Y-MICK自身も少し忘れていたのだが、葛城ミサトはシンジ達の担任である。
当然、シンジ達の成績などおみとうしである。

「シンジ君とアスカはいいんだけどレイはねぇ」

アスカの成績はたいてい学年で1位である。
シンジもアスカのおかげもあって常に10位以内をキープしている。
レイはというと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ここでは言えなかった。
無理もない、転校してきて環境には慣れても勉強の方はそう簡単にはついていけないからだ。
ちなみに洞木ヒカリはたいてい30位以内、鈴原トウジは最近はヒカリのおかげで何とか50位以内、
相田ケンスケはレイより下である。
脇役の悲しさかな・・・・・・・・・・・。
 
 
 

カタカタカタ・・・・・・・・・・・・・・

「はははは、シンジ、何やってんのよ」
「待ってよ、アスカぁ」

カタカタカタカタ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ようやく捕まえた、アスカ」
「あーあ、捕まっちゃった」
「アスカっていい匂いがするね」
「な、何言ってんのよ・・・・・・・・・、バカ

カタカタカタカタ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・プチ

やってられない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・やってられないのよ!そんなとこでいちゃいちゃされちゃ!」

ここはNERVのプール。
シンジとアスカは成績がいいのでミサトから課題を与えられず、
ここで遊んでいた。
一方、レイはというと、成績は良くない。
よってミサトから課題を与えられ、一人でやってるのは寂しいからシンジ達がいるこのプールのサイドで
やっていた。
が、シンジ達はそんなレイにはめもくれず遊んでばかりいた。
そんなことをしていてはレイは切れるに決まっている。
案の定、レイは切れていた。

「もうやってられないわ!私も泳ぐ!」

決断力だけは人一倍のレイである。
すぐに着ていた服を脱ぎだした。

「あ、綾波・・・・・こ、ここで・・・・・・・脱がれたら・・・・・・・」
「何言ってんの?シンちゃん。水着着て来たに決まってるじゃない」

いくらアスカとラヴラヴな事になれてきたシンジとはいえ、やはりまだシンジはシンジであった。

レイは着ていた服を脱ぐと、そこには先日買ってきた白い水着が現れた。
そしてすぐさまプールに飛び込む。
 

ざばーーーーーーん!
 

「うわ!」
「きゃ!」

レイが飛び込んだことにより、シンジとアスカはそのしぶきの餌食になっていた。

「ぷはーーーー、やっぱり気持ちいいわぁ!」
「綾波ぃ、いいのかい、勉強の方は?」
「そうよ、アンタ勉強しなきゃいけないんでしょ」
「いーの、やってもわかんないから」
「わかんないってどの辺がわかんないの?僕で良ければ教えるけど」
「うーんとね、確か熱膨張」
「アンタそんなのがわかんないの?とどのつまり、モノってのは暖めれば膨らみ、冷やせば縮むって事じゃない」
「ふーん」
「アタシの胸も暖めれば大きくなるのかな?」
「シンちゃんに?」
「あ、アンタねぇ!」

アスカはレイを追っかけていた。
真っ赤になりながら。
シンジはというと、こっちも真っ赤になってはいた。
だが・・・・・・・・・・・・プールからあがれなくなっていた。
若いねぇ。
 
 
 



 
 

NERVにある暗い一室。

「これか、報告があったのは」
「はい、浅間山地震観測所からの報告です」
「だがこのデータだけでは断定はできんな」
「MAGIの判断はフィフティ・フィフティです」
「現地での詳しい観測が必要だな」
「そう思われまして、すでに碇ユイ少佐と葛城ミサト准佐が現地に向かっております」
「ユイ君もか」
「はい、何でも近くにいい温泉があるから・・・その・・・・ついでだそうです」
「ユイ君らしいといえばユイ君らしいのだが・・・・・・・・」

現在の状態での最高責任者の冬月コウゾウは心底疲れていた。
NERV司令の碇ゲンドウは実はNERVにはいなかった。
ユイさんとともに温泉に行っていたからだ。

「全く・・・・・・・・・あの夫婦はワシに苦労を押しつけおって・・・」
 
 
 

「200・・・250・・・300・・・400・・・」

浅間山地震観測所。
今回、浅間山に使徒らしきものが発見されたとして、葛城ミサトはここに来ていた。
ユイさんはというと、ミサトに全てを押しつけて温泉に入っていた。
もちろん、ゲンドウも一緒である。

「葛城さん!もう持ちませんよ!」
「いいえ、まだいけます。あと500お願いします」

「1000・・・各部に亀裂発生」

「葛城さん!」

観測所の所員は使徒よりも装置がNERVによって使われ、壊されることに危惧を抱いていた。

「壊れたらNERVで弁償します、再度沈降よろしく」

NERVの存在は秘密裏ではあったが、いろいろなところにパイプを持っているため、
資金には困らなかった。

「モニターに反応あり、解析します」

モニターでの反応を見て、日向マコト少尉はすぐさまデータをNERVのMAGIに転送、
解析をはじめた。

「探査機、圧壊」

すさまじい圧力と熱により、探査機は圧壊してしまった。

「日向君、間に合った?」
「ぎりぎり間に合いましたね、パターン青、使徒です」

使徒と断定されたことにより、観測所は警報に包まれた。

「これより当観測所はNERVの管轄となります。以後一切の出入りを禁じた上、
 前後三時間の事象は全て部外秘とします」

ミサトのかけ声と共に全てのデータは極秘となった。
日本政府へもそれなりの権限を持つNERVなら出来ることである。
 
 
 

「ええ、使徒と断定されたわ」

『では・・・・・・』

「今回は使徒の捕獲を目標とするわ」

『了解しました。こちらも準備に入ります』

「お願い」

ミサトは使徒が幼体であると判断し、これを捕獲するという作戦を発動した。
もちろん危険はついてくる。
だが、メリットも大きかった。
 
 
 

今回はミサトが浅間山に行ってしまっているため、リツコが変わりにエヴァパイロットを集めていた。

「これが使徒ですか?」
「ええ、幼体と考えられるわ」
「それで今回の作戦は何?」
「今回は捕獲を目的とします」
「今回の作戦担当は誰?またシンジじゃぁないでしょうね、リツコ」
「今回はレイにやってもらうわ」
「え?私ですか?」
「ええ、装備が零号機にしかあわないの」
 
 
 

レイは更衣室に来ていた。
エヴァでマグマに潜り、使徒を捕獲するためである。
当然、パイロットに対する負担も大きい。
それを軽減するためのプラグスーツに着替えるためである。

ぷしゅぅぅぅぅぅぅ

「ふーん、あんまりかわんないわね」
「右側のボタンを押してみて」

リツコに言われたとうり、レイはプラグスーツの右腕の方のボタンを押してみた。

ぷくぷくぷくぅ!

ボタンを押すと、プラグスーツは見事にまんまるになっていった。

「やーん!こんなのやだぁ」
「文句言わないで、そうしないとあなたの負担が大きくなるのよ」
「でもぉ」
「でももストライキもないわ、我慢してちょうだい」

レイは渋々納得した。
本当に渋々である。
 
 
 

「・・・・・・・ぷぷぷぷぷ・・・・・・・・・・・・・」
「あははははははは・・・・・・・、何?そのかっこ。あははははは・・・・・・」
「う、うるさいわよぉ!私だってこんなかっこやだよぉ。だからシンちゃん、変わって」

そこへ・・・・・・・・・。

「残念だなぁ、レイちゃんが活躍するところを見ようと思っていたのだがな」

そこに現れたのは山崎キトであった。
レイがやりたくないと駄々をこねだしたため、リツコがマヤに頼んでキトに来てもらったのだ。
キトが来たことにより、レイの機嫌が直りだしてきた。

「でも山崎さんに私のこんな変な格好見られたくないなぁ」
「変と思うから変なんだろ。作戦を成功させるために仕方のないことじゃないかな」
「うーーーーーー、山崎さんが言うなら我慢して、やる」

レイは今度こそ本当に納得した。
 
 
 



 
 

エヴァンゲリオン零号機と初号機は浅間山に来ていた。
弐号機はというと、NERVで留守番である。

「センサー投下して、そしてエヴァの準備も早くして」

『綾波をつけて』

「だいじょうぶ、じょぶ!私に任せなさいって」

エヴァ零号機は耐核耐熱耐圧防護装備、通称D型装備をつけていた。
レイはこの装備を見て再びいやになったのは言うまでもない。

「ねえねえ、ミサトさん、山崎さんは?」

レイはエヴァのモニターにキトの姿がないのを気にしてミサトに問いただした。

「山崎博士は何でもBH機関の凄いことを思いついたって言うんでマヤを連れて行っちゃったわ。
 マヤはこの作戦に必要だって言うのに」
「ふーん、ま、いいわ、シンちゃんいるし」

用は誰でもいいのである。
 
 
 

「エヴァ零号機、発進して」
「了解」

ミサトのかけ声と共にエヴァ零号機がマグマの中へと入っていく。
さながらスクーバダイビングといった様相だ。

そして零号機はマグマの中へと消えていった。

「レイ、そっちはどう?」
「凄く熱い」
「文句言わないで、志願したんでしょ」
「分かっているわよ、もう後には引けないでしょ」
「なら作戦を成功させることだけに集中して、終わったら温泉につれてってあげるから」
「温泉!私頑張る!」

結構現金なもんである。
 
 
 

「400・・・500・・・・・・・・・1050、安全深度です」
「レイ、何か見える?」
「何もいないわ」
「おそらく対流に流されているのね、再計算急いで」
「了解」

マグマの対流のせいで、使徒は流されていた。
いや、むしろ流されたと言うよりも、沈んだと言った方がいいかもしれない。
現に使徒は予定深度よりもかなり深いところにいた。

「1400・・・限界深度です」
「レイ」
「何も見えないわ、ほんとに使徒がいるのかしら」
「MAGIはそう判断しているわ、もっと潜ってみて」
「はい」

「+50・・・プログナイフ損失」

マグマによる、熱、及び圧力により、零号機はプログナイフを損失してしまった。
これで零号機は事実上、武器を失ったことになる。

「1750・・・修正目標深度です」

修正された深度の所に目標のもの・・・使徒の幼体があった。
形状はまるで卵のようだった。
これは幼体と言うよりもむしろ卵の状態といった方がいい。
とにかく、零号機は行動を開始した。

「軸線上に乗ったわ、いけます」

沈黙が流れた。

「キャッチャー展開・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・捕獲完了。浮上します」

完了という言葉と共に、全体に安堵の息が漏れた。

「お疲れさま、レイ」
「ふー、さすがに疲れたわ」

『綾波、大丈夫?』

「平気よ、シンちゃん」

シンジは本当に心配していた。
アスカという人がいながらである。
シンジはシンジということか・・・。
 
 
 

引き上げ作業は順調であった。
何事もなくだんだん引き上げられていく。

だが!

「え?何?」

使徒をつかんでいたキャッチャーから突然動きが見られた。
もちろん、このようなことは想定されていない。
皆、驚きを隠せないでいた。
 

グオオオオオオオオオオオオオ!!!!!
 

キャッチャーからは羽化した使徒が今まさに飛びださんとしていた。

「キャッチャー放棄!」

レイは冷静につかんでいたキャッチャーを捨てた。
捕獲は無理と判断したからである。
捕獲が無理と分かった以上、使徒の殲滅へと移行する。
そして零号機はプログナイフを取ろうとした。

ガシガシ

「しまったぁ、プログナイフないんだっけ」

沈降の時にプログナイフは損失してしまっていた。
つまり、今の零号機は丸腰である。
 

グオオオオオ!!!
 

完全に羽化した使徒は零号機めがけて突進してきた。
使徒は動いているものを目標にしていた。

「バラスト放出!」

レイはまたも機転により零号機に着いていたおもりを放出した。
その結果、間一髪で使徒の突進を回避した。
だが、おもりを放出してしまったことにより、安定性が失われていた。
このような場合はすぐ引き上げる必要がある。
だが、使徒は待ってはくれない。

「レイ!初号機のナイフを投下するわ、受け取って!」
「了解!」

『てやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』

初号機は思いっきりナイフを投げおろした。
いくらエヴァが力があるといっても簡単にナイフが零号機に届くわけではない。
マグマの粘性により、幾分か遅れて落ちるのである。

「早く来てよぉーーーー!」

レイはここでは焦っていた。
使徒を見失っているからである。
目標が見えているときは回避することも可能だが、見えないのであればそうはいかない。

そこへ使徒は姿を現し、零号機に突進してきた。
 

グワァァァァァァァァ!!!!
 

使徒は信じられないことに『くち』を開いた。
この極限状態の中でである。

「うそぉ!使徒っていったいなんなのぉ!」

レイは迫り来る敵とまだ落ちてこないナイフのせいでいらだっていた。
そしてまさに使徒が零号機をくわんとするとき。

ガシッ!

間一髪でナイフが零号機の元に届いた。
そしてすぐさまナイフを使徒に突き立てる。
 

キィィィィィィィィィィィィィィィン!!!
 

零号機は使徒にナイフを突き立てていた。
だが、今回の使徒は貫けなかった。

「この極限状態の中にいるのよ!プログナイフなんかではダメだわ!」

「ならどーすれば・・・・・・・・・・・・・そーだ!」

レイは思い立ったが早く、冷却液を流し込んでいるパイプを一つ、
プログナイフで切り、切ったパイプをを使徒の口につっこんだ。

「熱膨張ね!」

プールでの勉強がここで役に立ったというわけである。

「冷却液を3番に集中させて!」

レイの言ったことをすぐさまミサトは行動に移した。
そして冷却液はスイッチ一つですぐに3番へと集中する。

使徒は冷却液を流されたことにより、熱膨張によって体が持たなくなってきていた。
そこへすぐさまレイはプログナイフを突き立てる。
今回は易々と貫けた。
そして使徒は体を崩壊させていった。
だが、使徒は自分の体が崩壊する直前に零号機の命綱に切れ目を入れていった。
つまり道連れにしようとしたわけである。

使徒の入れていった命綱の切れ目はどんどん深くなっていった。
 
 
 

そして全て切れた。
 
 
 

「あーあ、私もここまでかぁ。残念だなぁ。」

落ちていく零号機と共に、レイは最後とも言える言葉を発していた。
 
 
 

ガシッ!
 
 
 

零号機の沈降は突然停止した。
そしてそこにはD型装備のない初号機がいた。

「シン・・・・・ちゃん・・・・・・・・・・無理・・・・・・・・・しちゃって・・・・・・・・バカ」

零号機のエントリープラグ内には笑みがあふれていた。
 
 
 



 
 

ぴちゃーーーーーん

「風呂はいいな、ユイ」
「そうですね、あなた」

ここはゲンドウ達がいる温泉。
NERVの面々もこの温泉に来ていた。
当然、シンジとレイもである。
ちなみにアスカはあとから来る予定であった。
そしてシンジ達は来るが早く、温泉に浸かっていた。
ゲンドウ達はいわゆる家族風呂という奴に入っていたが、
シンジ達は普通の露天風呂に入っていた。

「ふー、極楽極楽」

なんか年寄り臭い言葉を発したのはシンジである。

「風呂がこんなに気持ちいいものだったなんで、知らなかったな」

『シンちゃーん、ボディシャンプー取ってくれない?こっち切れちゃったから』

隣は当然、女湯である。
女湯の方にはミサトとレイが入っていた。

「あ、今投げるよ、綾波。・・・・それっ!」

ぽにゅっ

『やだぁ、シンちゃんどこ投げてるのぉ』
『どれどれ?へぇーレイって結構いい形してんのね』
『ちょっとやめてくださいよぉ、ミサトさぁん』
『いいじゃないのぉ、減るもんじゃないでしょぉ』
『あん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もう、やめてくださいよぉ
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、そこだめぇ』
 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

シンジはレイ達の会話を聞き入ってしまっていた。
まぁ14歳なんだから仕方あるまい。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

シンジの身に何か起きたようだ。
どうも『はぁぁぁぁぁぁ』と言った感じがある。
 
 
 
 
 
 
 

「膨張して・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・縮んでしまった。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 情けない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ただいまの記録、20秒25。
若いねぇ、シンジ君。
 
 
 

シンジは処理したあと、少しのぼせたくらいで風呂をあがった。
風呂場から出ると、そこには一人の少女がいた。

「綾波・・・・・」

レイの顔は少しばかり赤らんでいた。
風呂のせいだけではなく・・・。

「シンちゃん・・・・・・・・・助けてくれて・・・・・・・ありがと」
「何言ってるんだよ、綾波。助けるのは当然だろ」
「うん、それでね・・・・・・・・・・シンちゃんに・・・・・・・・お礼・・・・・・したいんだけど」
「そんな・・・・・・いいよ、僕は別にそんなつもりで・・・・・・・・・・!!

シンジは全ての言葉を言いきる前に言葉をふさがれていた。
前のアスカの時と同じように・・・・・・・・・・。

「お礼・・・・・・・・・・・・・・私の・・・・・・・・・・・・・ファーストキスだから・・・・・・・・」

レイは恥ずかしさのあまりその場から駆け出していってしまった。
そしてシンジは何があったのかも分からないまま、ただ呆然とそこに立ちつくしていた。
 
 
 

「対抗馬が増えてしまったな」
「てっきり私はアスカちゃんが私たちの娘になるものだとばかり思っていたんですけどね」
「それにしてもシンジの奴・・・・・・・・・・私に似てもてるな」
「あーら、そうかしらねぇ(怒)」
「す、すまんユイ・・・・・私にはユイだけだぞ・・・・・・本当に・・・」
「そうかしらねぇ・・・・・。」

そこには何とも言いようがない空気だけが残っていた。


NEXT
ver.-1.10 1998-04/12訂正
ver.-1.01 1998-01/23誤字修正
ver.-1.00 1997-12/05公開
ご意見・ご感想・アスカちゃんはどーした!y-mick@japan-net.ne.jpまで!! 

次回予告

アメリカで建造されていた参号機があの男と共にやってくる。そして迫り来る複数の敵。
このとき二つの力が現れる。

次回、
NEW TYPE EVANGELION 第九話 新しき二つの力

次回もさーびす、さーびすぅ。



あとがき

LAS人失格のY-MICKです。

今回はLRSになってしまいました。

でもLRS人なったわけではないのでご安心を。(って誰にだ?)
まだまだ私はLAS人です。

今回の話はあの『マグマダイバー』からです。
ですが、いかんせんへっぽこです。
どーも最近調子が良くなくて・・・。
LRSのとこにしてもなんだか・・・。
今回はこんなんで勘弁してください。

次回はとりあえず先に参号機を出してしまいます。
ちなみにこれが新しい力の一つです。
もう一つは・・・次回のお楽しみということで。

ではまた次回お会いしましょう。(^^)/~~


 Y-MICKさんの『NEW TYPE EVANGELION』第八話、公開です。
 

 アスカちゃんに強力ライバル登場!?
 

 一途なアスカに対して、
 ここのレイちゃんはちょっと気が多いようですから・・

 大丈夫でしょう(爆)
 

 どこに行ってもシンジくんはもてますね(^^)
 

 今日の様に決めるときに決めるから
 もてるのかな。
 

 さあ、訪問者の皆さん。
 Y-MICKさんに感想メールを送りましょうね!


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