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「やはり忌むべきは1st」
「左様、彼奴のエヴァは強力だ」
「エヴァにはエヴァで対抗するしかないぞ」
「だが我らのエヴァはまだ目覚めてはいない」
「そうだ、我らのエヴァが目覚めるには幾ばくかの時間が必要だ」
「ふむ・・・では1stをどうやって押さえる?彼奴のエンジェルが回復すれば我らには打つ手が無いぞ」
一時の沈黙が流れる。
「僕が何とかしましょうか?」
「お前は・・・・17th・・・」
銀髪の少年・・・赤い瞳をもった・・・・・
「お前が何とかすると言ったのか?」
「えぇ、僕が言いました。エヴァを・・・1stのエヴァを押さえつけると」
「出来るのか?貴様に」
「出来ます・・・どんな能力であろうと、使う人間が壊れてしまえばただのものですから・・・」
ニヤリとした笑い。
冷たい空気のみを残す微笑み。
「分かった・・・貴様に一任しよう・・・期待しているぞ」
「はい・・・・」
「失敗はすぐに分かる。我らにヤーヴェの目がある限りな」
「心得ておきます」
そして銀髪の少年はフッっと姿を消す。
先ほどまであったものと同時に。
残された空間には闇と無機質な香りのみを残していた。
Neon Genesis Evangelion
Angels Battle Story
第6話 強き魂を失った少年
俺は先日の6thの言葉を思い出していた。
『プロトが目覚める』
プロトタイプエヴァンゲリオン・・・すべての母たる存在・・・
俺のエヴァの源。
すべてのエンジェルの源・・・。
プロトは南極で発見されたと聞いた。
発見したのは当時学会でセンセーショナルな出来事を起こした葛城博士。
S2理論で有名な人だ。
その葛城博士が独自で研究し、発見に至ったもの。
それがエヴァ。
しかしそれを悪用したいと考える人間はごまんといる。
事実、それは俺のいた組織に奪われ、実用にいたった。
そう、俺のように・・・
「渚・・・カヲルです・・・」
俺のクラスに再び転入生がやってきた。
一瞬、刺客かと思ったが、どうやらその反応はない。
普通の転校生のようだ。
「え〜っと、渚君はハーフだそうです。ま、仲良くしてあげてください。
それで席なんですが・・・・碇君の辺りが変に空いていますから、好きに座ってください」
「分かりました・・・・」
カヲルと言う男は俺の後ろの席に座る。
そして開口一番、
「よろしくね、碇君」
「こちらこそ、俺のことはシンジで良い」
「じゃあ僕もカヲルでいいよ」
「そうか・・・カヲル」
そういってカヲルは俺に微笑みかける。
だが、その笑顔には感情が無いことを俺は感じることは出来なかった。
「シ〜ンジッ!」
俺が屋上でボーッとしているとアスカが来た。
俺がアスカを見上げると・・・・
キラキラキラキラキラキラ・・・・・・・・・・・
アスカの髪が太陽光に反射して、金色に輝いていた。
「あぁ・・・どうした?アスカ」
「んっ・・・なんでもない・・・・なんでもないわ・・・」
アスカはそう言って俺の横に座り込む。
頭を俺の肩にかけ、一人つぶやいた。
「あったかい・・・・・・・わね・・・・・」
「・・・・あぁ・・・・」
暑くもなく、まぶしすぎることもなく・・・
まさに春の陽気と秋の涼しさが同居したような陽の中・・・
俺達二人は学校で一番日の当たる場所でくつろいでいた・・・・
そう、時が過ぎるのも忘れてしまうほどに・・・・
新世紀エヴァンゲリオン
天使戦記
No.06 Boy losts Heard Soul
「そういえば転校してきた奴、変だったわね」
転校してきた奴とは渚カヲルのこと。
俺の近くに座り、いきなり眠り始めた。
教師がいくら注意しても聞きはしない。
終いには起こそうとした教師を殴り掛かろうとしたほどだ。
無論、俺達が止めたことは言うまでもない。
「しかしいくらなんでも寝ることはないよね〜」
シャルまでもが認識をしていた。
「だが悪い人間には見えなかったな」
「そうそう、それが不思議なのよ・・・アイツを見ると悪いことっていうのが思い浮かばないのよね」
「アスカ・・・何か企んでいたのか?」
「まさか・・・アンタの考えすぎよ」
「そうか?ならいいんだが・・・」
渚カヲル・・・・不思議の多い奴だ・・・
普段の授業中は大抵寝ている。
だがいざ小テストなどとなると、間違うことはない。
そして始終女の子に追い掛け回されている。
刺客の感じも無い・・・・・・・・・
「なぜだ?本当に刺客ではないのか?」
俺は考えに考えた。
渚カヲルは本当に刺客なのかと。
もちろん、シャルにも聞いた。
が、返ってきた答えは期待に添えるものではなかった。
「私はお兄ちゃんと別れさせられてから一人ぼっちだったから誰がいるのかとかいうのは分からない」
シャルに聞いても返ってくる答えはこれだけ。
俺は渚カヲルの正体をつかめないまま、数日が過ぎた。
その間、何事も無かった。
カヲルの転入から一週間が過ぎた。
俺達はその間、平穏に過ごした。
いや、平穏に過ごさせてもらったといってもいいだろう。
渚カヲルが牙をむいてきた。
「僕が刺客だということには気づかなかったみたいだね」
カヲルは守秘会話ではなく、通常会話で話してくる。
「貴様・・・刺客・・・だったのか・・・」
「そう、僕は刺客だよ。それに気づかないなんて・・・本当に君がエヴァかい?」
カヲルは秘密を平然としゃべってくる。
そう、俺の隣にはアスカとシャルがいる。
そんな中で俺の秘密をべらべらと話してくる。
やはり癇に障る奴だ・・・
「で、その刺客が俺に何のようだ?」
「やだなぁ・・・分かってるくせに・・・」
「やはり・・・俺を殺しにか?」
「もちろんだよ、僕はあのお方達から君を殺してこいと命令を受けてきたからね」
「そうか・・・だが俺は簡単に殺されはしない・・・殺されるわけにはいかないのだ!」
俺は気合をはく。
辺りには一陣の風が舞った。
俺の闘気の風が・・・
そして・・・・・俺は「ゼルエル」を開放した・・・・
「はあぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」
力を司るエンジェル「ゼルエル」
俺の使える最強のエンジェル。
「へぇ・・・『ゼルエル』が使えるまで回復していたんだ・・・なら僕も・・・開放しようかな」
俺が「ゼルエル」を開放し、力をためているとき、カヲルの方もエンジェルを解放し始めた。
「行くよ・・・僕のエンジェル・・・『タブリス』・・・」
「タブリス」とは・・・確かタブリスの能力は・・・・・
絶対的なATフィールド・・・・・・・・・
強力とはいわず、狂力というべきATフィールド・・・・
それが『タブリス』・・・・・・・・
対面する二人の瞳が赤く輝く・・・・・・
二人の中間にATフィールドの干渉による火花が散る・・・・・・
俺が必死でATフィールドを張っているのに対して、カヲルは平然とATフィールドを張っている。
ATフィールドの威力の差は歴然だ・・・・・
「くっ・・・・・」
「ふふふ・・・・・なかなかいいATフィールドを張るじゃないか・・・・でもね・・・・・」
カヲルが一言はなった瞬間、俺はATフィールドをといた。
いや、とかれた・・・・
俺の左腕が・・・・・・・・・なくなっていた。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」
血が吹き出す。
血が滴り落ちる。
血の色が辺りを覆う。
シンジの腕をATフィールドで切り落とした後、駆け寄ってきたアスカとシャルのことを
カヲルは傍観していた。
いや、機をうかがっていたといって良い。
『さて・・・1stの気力を失わせるのは完了した・・・・後は・・・・・』
カヲルは右手をシンジの方に向ける。
その右手はわずかに輝いていた。
『「アダム」よ・・・・覚醒せよ・・・・・』
カヲルは念を入れ、ATフィールドを利用してシンジの能力に干渉した。
シンジのエンジェルのうち、禁断の能力である能力の一つ、「アダム」
その能力は・・・・・・・・すべての破壊・・・・・・・・・
「アダム」が発動したが最後、半径100kmは塵も残さないほど爆発する。
これが第一次覚醒。
最終的な覚醒にいたるとき、地球そのものがなくなるとまでいわれている。
カヲルはそれを省みず、シンジのエンジェルに干渉し、「アダム」を覚醒させた。
自ら無へと還元したいがために・・・・
ビクンッッ!!
シンジの体が跳ねる。
シンジの意識は出血多量のため、もはや無い。
当然、切り落とされた腕は既に色を失い、回復不可能になっている。
シンジの顔も、色を失いつつあった。
そして辺りには絶叫も木霊する。
「いやぁぁっ!!シンジッ!シンジィッ!!」
「お兄ちゃんっ!!お兄ちゃぁぁんっっ!!」
アスカとシャルの泣き叫ぶ声。
しかしシンジにはその声は聞こえない。
カヲルはその光景をにやにやしながら見ている。
『さて・・・きっかけは与えた・・・・これからどうなるかな・・・・』
カヲルは傍観を決め込んだ。
ビクンッ!ビクンッ!
シンジの体はいまだ跳ねている。
いつしかアスカとシャルがそれを押さえつけるという構図が出来上がっていた。
ビクッ!
最後かと思えるものが通り過ぎた頃・・・・・・・
ドクン・・・・・ドクン・・・・・ドクン・・・・・
今度はシンジの体が熱を帯びてきた。
それに伴い、シャルの顔色が急変する。
「え・・・お兄ちゃん・・・・・・・・・・・もしかしてっ!!!」
シャルは思い出し、気づいた。
「アダム」の覚醒。
「お兄ちゃん・・・・駄目だわ・・・もう解除は出来ない・・・」
シャルは組織から一通りの「アダム」の知識は受けている。
「せめてお兄ちゃんが気づいてくれたら・・・・・・」
「アダム」はシンジによって押さえつけられていた。
そしてカヲルにより、その枷が外された。
今、「アダム」は覚醒しようとしている。
「何とか押さえないと・・・・でも私のATフィールドでは・・・でも迷っている暇はないわ・・・・」
シャルの瞳が赤く輝く。
そしてシャルはシンジをATフィールドで包み出した。
「アスカお姉ちゃん・・・・・お兄ちゃんを・・・・お兄ちゃんを呼びかけて・・・」
「え・・・なに・・・・・なにを・・・・」
涙声でシャルに話し掛けるアスカ。
「お願い・・・私のいうことを聞いて・・・・このままじゃお兄ちゃんが・・・・お兄ちゃんでなくなっちゃう・・・」
「どういうこと・・・・・説明して・・・・・」
「お兄ちゃんは今別のものに支配されつつあるの・・・私は今それを食い止めてる・・・
だからお姉ちゃんは・・・お兄ちゃんを呼びかけて・・・」
「でも・・・・・・・・」
「お姉ちゃんなら出来るよ・・・お兄ちゃんが好きなお姉ちゃんなら・・・」
アスカはシャルの言葉に、顔を輝かせる。
「うん・・・・分かった・・・・やってみる・・・・」
再びアスカはシンジの手を取り、祈り始めた。
「シンジ・・・シンジ・・・・シンジ・・・・シンジ・・・シンジ・・・シンジ・・・シンジ・・・・シンジ・・・」
アスカは祈りつづけた・・・・ずっと・・・・
アスカとシャルの行動を傍観していた人物、渚カヲルはまだたたずんでいた。
『へぇ・・・・面白くなってきたなぁ・・・・』
もとよりカヲルはシンジを殺したいわけではない。
ただ面白いからやっている・・・・
質は悪いが、それだけであった。
『さて・・・これからどうなるかな?』
そしてカヲルは再び傍観に入った。
「ここは・・・どこだ・・・」
「ここは君の世界だよ、シンジ君」
「誰だ?貴様」
「僕はシンジ、碇シンジ。君がエヴァと呼んでいるシンジだよ」
「エヴァと呼んでいるシンジ?何の事か・・・・・」
「君はエンジェルとエヴァの二つの力が使える。ならば二つの人格があっておかしくないでしょ?」
「確かに・・・・だが何故今ごろ・・・」
「君が死んだからだよ、エンジェルであるシンジがね」
「俺が死んだ?俺は生きているぞ、こうして・・・」
「でも駄目。君は『僕』が望んだときしかもう外に出ることは出来ないんだ」
「何・・・・それは駄目だ。俺にはやりたいことが・・・・」
「それは『僕』が受け継ぐよ、ばいばい、エンジェルであるシンジ君」
「それは・・・駄目だっ!!俺を元に戻せっ!!・・・・・助けてくれ・・・・・・・ぁっ!!!」
「シンジ・・・シンジ・・・・シンジ・・・・」
「お兄ちゃん・・・・お兄ちゃん・・・お兄ちゃん・・・」
シンジの顔色は悪くなる一方。
すでに動きすらなかった。
『失敗・・・・かな?まぁいいや、これはこれでいいだろ』
足早にカヲルは消える。
そこにはカヲルというものはいなかったかのように・・・・
「シンジ・・・シンジぃ・・・」
「おにいちゃん・・・おにい・・・・・・ちゃ・・・・・・・・・」
「シンジ?しん・・・・・じ・・・・・・・・・・・・」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
シンジの心臓は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
停止していた。
次回予告
自暴自棄になるアスカ。
自閉症となるシャル。
悲しみに明け暮れる碇家。
シンジの魂は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次回
Neon Genesis Evangelion Angels Battle Story
第7話 弱き魂を得た少年
あとがき
ども、Y-MICKです。
えと・・・・・・・何も申すまい(笑)
次回予告を見て妄想を広げてください(爆)
では(N2爆)
Y-MICKさんの『Neon Genesis Evangelion Angels Battle Story』第6話、公開です。
カヲル君のとの戦いで、
あぁぁっ
シンジ君が死んじゃった?!
これは一大事!
さあさあさあの
一大事ですよねっ
こうなっちゃったら、心配なのは、
シンジ君本人だけでなく、
アスカちゃんや
シャルちゃん。
予告で見ると−−−
うわぁぁの一大事っ
カヲルはどうするのかな??
ゼーレは??
きびしし
さあ、訪問者のみなさん。
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