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[Y-MICK]の部屋に戻る
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「・・・・あ・・・・お兄ちゃん・・・」
「気がついたか?シャル」
「お兄ちゃん・・・お兄ちゃん・・・・お兄ちゃぁぁぁんっっ!!!」
戦いから1時間後。
シャルはようやく目覚めた。
起きるなり、俺に抱き着いてきて、何度も誤った。
「お兄ちゃん・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・・えぐっ・・・」
「誤ることはない。悪いのはシャルではないからな」
「でも・・・でも・・・」
「いいよ。さ、もう大丈夫だな?」
俺は出来うる限りの笑顔で、シャルの涙をぬぐった。
そう、俺ができる限りの・・・
シャルの中に巣くった13thは結局とり逃してしまった。
また近いうちに現れるだろう。
その時、再び俺が撃退できればいいのだが。
Neon Genesis Evangelion
Angels Battle Story
第4話 炎の少年
「で、この娘が家にくるというのね」
「あぁ、頼む」
俺の初めての願い。
俺はシャルを自分の身近に、ユイさん達の家に招いて欲しいと頼んだ。
「私は構わないわよ〜」
とユイさん。
「冗談じゃないわ、何でこいつがここに来なきゃいけないのよ!」
アスカは相変わらず、怒っている。
「所詮、人間の敵は人間だよ」
やっぱり訳分からんゲンドウ。
とにかく、シャルは一応俺の家、碇家に招かれることになった。
俺の妹として。
アスカが「妹としてならいいわよ」とあまりにしつこく言うもんだから、
アスカに押し切られる形でこうなった。
ともかく、今はこれでいい。
俺がシャルのそばにいるなら、組織にねらわれても助けることが出来るだろう。
そしてその夜、アスカが俺の部屋に入ってきた。
別段、こういうことは珍しくない。
現にアスカは俺の部屋で色々と話をしてきた。
俺も退屈ではなかったから、それを許していた。
そして今日、シャルが俺の妹として家に来た日。
やはりアスカは俺の部屋に入ってきた。
「シンジ・・・いいかな・・・」
「あぁ」
俺はベッドに横たわりながら、S−DATを聞いていた。
そのため、アスカにはけだるそうな返事をしてしまった。
「よ・・・っと」
俺はS−DATをはずし、ベッドに腰掛けた。
そうすることによって、俺の隣にアスカが座る。
いつものことではあるのだが・・・
「何だ?まぁ大体予想は出来るが」
「えぇ、あの娘のこと。何でシンジがあの娘のことをあんなに可愛がるのか・・・気になって」
「そうだな・・・妹・・・だからかな」
正直に答える。
「妹?でも血はつながっていないんでしょ?」
「あぁ。血はつながっていない。しかし俺はシャルを妹としてみてきたし、
シャルも俺を兄としてみている」
事実、組織内でも俺とシャルは兄妹同然にすごしてきた。
それを今更変えることなど出来はしない。
「そう・・・・ならいいわ。シンジにとってあの娘は妹なのね?」
「あぁ、それ以上でもそれ以下でもない」
「ん」
アスカは俺に微笑みかけると、一言「お休み」といって俺の部屋を後にした。
それにしてもアスカは最近は俺の部屋によく来る。
何故なのだろう。
「おはよ、お兄ちゃん」
「あぁ、おはよう」
碇の家では毎朝の食事は、常に和食である。
俺は組織内では朝食は毎日出たが、味気ないコーンフレークなどであった。
だからなのだろうか、こういうのも最近はいいと思うようになってきた。
「ユイさん、醤油お願い」
「はい」
「ユイ、茶をくれないか?」
「はい、あなた」
「ユイかーさん、おかわり」
「はい、シャルちゃん」
朝食の席でのユイさんの働きはすごい。
ほとんど取り仕切っているといってもいいだろう。
シャルもユイさんのことは「ユイかーさん」と呼び、
いかにもこの家にいたかのごとく振る舞っている。
本当は昨日来たばかりだというのに。
「お兄ちゃん、早く早く」
「急がせるな」
俺とアスカ、シャルは学校へ行く。
結局シャルも俺と同じ学校、クラスに通う羽目になってしまった。
もちろん、年は少し誤魔化しているらしいが。
とにかくも、平和と呼べる日々がしばらく続くことに放った。
そう、本当にしばらくのことであったが・・・
新世紀エヴァンゲリオン
天使戦記
No.04 Fire Boy
『なるほど・・・あれが「エヴァ」・・・』
シンジ達のいる学校の上空。
はるか雲の上。
一人の女性がそこに浮いていた。
『今は力を感じない・・・出していないのね』
年の頃は、15,6。
褐色の肌を持った短髪の美少女である。
『へぇ・・・4thも一緒なんだ』
彼女は組織の一人。
シンジのように名前はない。
だがこう呼ばれている。
「8th」
と。
『ふぅん・・・話には聞いていたけど・・・結構可愛い子ね』
シンジの容姿を見て、8thはいう。
『でもあの子に絡んでいる女の子・・・・・・・なるほど・・・・』
一見してシンジとアスカのことを見抜いてしまう。
『あの子も巻き添えにしとけば1stも簡単に倒せるでしょ』
口元がにやりと笑う。
『ふふふ・・・・・楽しみだわ・・・あの子が私の人形になるんですものね』
8th・・・「サンダルフォン」のエンジェルの能力を持つ女。
一方、自分の気に入った男を人形にして収集するという性癖も持ち合わせていた。
『うふふふふ・・・思わず笑みがこぼれちゃうわね。やっぱり人形になる瞬間を考えると』
一瞬、8thは危ない目つきになると、音も立てずにその場から消えた。
見られて・・・・いる?
俺は直感的にそう思った。
何か得体の知れないものが俺を見ているような感覚。
エンジェルの力なしでも感じるような感覚。
・・・悪寒が走るな・・・・
見られていると同時に何か悪寒が走る。
殺気とは違う、何か別の悪寒。
何だ?今まで感じたことが無いぞ、この感覚・・・
「シンジ、どうしたの?青い顔して」
俺が悪寒を感じていると、アスカが俺の顔を覗き込んできた。
「何か顔色悪いけど・・・・どっか痛いとか?」
「ん・・・いや、何でもない・・・・なんでも無いんだ・・・」
俺を見ていたのはおそらく組織の連中。
そうなるとアスカを巻き込むわけにはいかない。
俺は自然とアスカをこの話題から遠ざける。
「心配するな。どこか悪いわけじゃ無い」
「そう?ならいいんだけど」
一応俺の言葉を納得したらしい。
何とかその場は平穏になった。
しかし俺を見ていたあの目・・・・気持ち悪いくらいの悪寒・・・
嫌なことが・・・・起きるかもしれ無いな・・
ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・
「お話があります」
「何だ」
「例の・・・プロトタイプが目覚めかけております」
「そうか・・・洗脳の方はどうだ?」
「順調とは言いかねます。かなり自我が残ってしまい、思う通りに結果を見せません。
何か別のものを考えた方がよろしいかと思います」
「ふむ・・・お前に考えはあるのか?」
「一応・・・媒体を介しての洗脳が考えられます。「バルディエル」を利用し、
外界からのコントロールがいいかと思われます。もっともその結果、
被験者の脳機能に何らかの障害が残ることも考えられますが」
「構わん。1stさえ落とせればこちらのものだ。後はどうとでもなる」
「かしこまりました。そのように取り計らいます」
「頼んだぞ」
「はっ、では失礼します」
暗い部屋での・・・・会話・・・・・・・・・・・・・・・・
時間的に・・・・そろそろか・・・
だが・・・・今はまずいな、アスカがいる・・・
敵の襲来が近いことは察知していた。
殺気から悪寒が収まらないからだ。
だが今戦うとアスカを巻き込むことになる。
いくら俺のエンジェルを一度見られているとはいえ、
あの時のアスカはほとんど気絶状態だったから覚えていないだろう。
現に俺の身のうちに関してはあれっきりアスカは聞いてこない。
さて・・・・どうする・・・
俺が思案に暮れていると、やはり敵は現れた。
『う〜ん・・・やっぱりいいわね、あなた』
「何のようだ」
『決まってんじゃ無い、あなたを殺しに来たのよ』
「やはりか、だが俺は死ぬ訳にはいかん。ついてこい、広い所でやりあおうじゃないか」
『いや。ここがいいの。それにもう逃げることも出来ないわよ』
「なに?」
俺が辺りを見回してみると・・・そこはいつのまには炎で囲まれていた。
俺と女はともかく・・・・アスカも一緒に。
「巻き込んだのかっ!貴様!」
『その方が何かと都合がいいしね。だから彼女も巻き込ませてもらうわよ』
「くっ!」
アスカを巻き込む・・それは命の危険にさらすだけでなく、俺の本当の姿を見せることにもなる。
今見せていいのだろうか・・・・俺の力を・・・エンジェルを・・・・
『色々考えている暇はないよ、そぉら』
ドォォォン!!!!!
女の手のひらから火球が出現し、それを俺達に投げつけた。
俺とアスカは何とかそれを回避する。
「ちっ・・」
俺はアスカをかばって何とか回避しつづけている。
無論、エンジェルの力は使わずに。
「ねぇシンジ!何なの?これ!?」
「気にするな、俺を信じていろ」
「信じるも何も訳わかんないじゃない。一体何なのよ!」
「・・・・・・」
無言。
当然話す訳にはいかない。
「もう教えてくれてもいいじゃない、シンジの心配をするのはいやなのよぉ・・・」
ぽたっ・・・・
水・・・いや、涙・・・・ないているのか・・・・アスカ・・・・・
俺は・・・・こんな時は・・・・・アスカ・・・・
言うしか・・・ないのか?
俺が言えばアスカが巻き込まれる。
だがすでにアスカは戦いに巻き込まれている。
言ってしまった方が・・・いいんだろうな。
なぁ・・・・2nd・・・・・
「アスカ、よく聞け」
「ぐすっ・・・うん」
「俺が今からすること・・・覚えておけっ!!」
俺はアスカに一瞥くれて、戦いの場に躍り出た。
『やっとやる気になったのかい?』
「あぁ、貴様と決着をつけてやるよ」
『そう来なくっちゃ。これで私の人形も増えるってもんさ』
「人形・・・・だと?」
『そうだよ、あんた可愛いからねぇ・・・私のコレクションの一部に加えてあげるよ』
「俺は貴様の人形になるつもりはない。死んでもな」
『心配しなくてもいいよ。私が集めているのは生き人形だからね』
「生き人形だと?」
『そうさ、生きている人間の脳をちょっと私の炎で焼いて、その後に私特製の人工脳をつける。
これで人形の出来上がり。分かった?』
下衆・・・
俺の心にそう浮かんだ。
そして今まで感じてきた悪寒の正体も分かった。
だが・・・俺は人形になどなるつもりは毛頭無い。
すまないが・・・・倒させてもらう。
「いくぞ・・・・「ガギエル」!!!」
「ガギエル」・・・水を操ることが出来るエンジェルの能力。
俺は火に対して水で攻める。
常套手段だ。
しかし・・・
じゅ・・・・
「なに・・・・」
『無駄だよ、あんたの力じゃ私の炎は消せないよ。素直に私の人形になるんだね』
「御免被る」
俺は再び「ガギエル」の力を使う。
だが一向に奴の炎は消えない。
やはり無理なのか。
『はははっ!どうした?エヴァ。早く私に一矢むくいなよ』
「く・・・くそぉぉぉ!!」
自暴自棄になってしまった。
この時ばかりは、この俺も少し腹が立った。
そのせいで、奴と同じ能力「サンダルフォン」を開放してしまう。
結果、無力なものだと分かってはいたが。
ヒュン・・ヒュン・・ヒュン・・・
俺の放った火球は、奴の炎に次々と取り込まれていく。
だが、俺は何度も、何度も火球を放っていった。
「くそぉぉ!!しねぇぇっ!!」
ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン・・・・・・・
次々と火球を打ち出す。
だがそれも効果はまったく無い。
そして・・・・
エンジェルの力も使い果たした。
「シンジ・・・・・」
「ふふふ・・・もう終わりかい?ならあなたを人形にしようかな』
奴は俺の頭に手を触れる。
その時すでに、俺の意識はなかった。
力の使い過ぎによる意識喪失である。
「シンジぃ・・・」
『さ、私の人形になりな、エヴァ』
「ぐぁ・・・・ぐぁ・・・・ぐぁ・・・・」
『??なんだい?このうめき声は』
「グワァァァァァッッッ!!!」
『何だ?この力・・・すさまじい・・・・』
「シンジ?金色に・・・・・光って・・・・・・・翼?」
「ガァァァ・・・・・・・ガァッ!!!」
『ATフィールド?・・・・きゃあっ!!』
「グワ・・・グワ・・・・グワ・・・」
『3rdの見方に間違いはなかったみたいだね、これがエヴァか・・・・くらえっ!!!』
ドォン!ドォン!ドォォォンッ!!
「グワッ!・・・ガァァァ・・・・・・ガアッッ!!」
『かはっ・・・・まさか私の炎に絶えなおかつ攻撃をしてくる・・・・強い・・』
「ガァッ!!!!」
『あぐっ・・・・・・まさか・・・私まで・・・・・3rdがやられたのもうなづける・・・・かはっ・・・』
「シンジ?倒した・・・・の?大丈夫?シンジ・・・・」
黄色い液体。
くすぶりつづける炎。
安らかな寝息を立てている・・・・少年。
その傍らで少女は少年の顔をずっと見続けた。
金色に光り、翼をもった少年を。
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ver.-1.00 1998-08/27
ご意見・ご感想・「はははっ!ここまでやると敬意にすら値するよ」等は
y-mick@japan-net.ne.jp
まで!!
次回予告
アスカは何故かシンジを海へと誘い出した。
単に海水浴を楽しみ、水着を見てもらいたかったのだが、
組織はそれを許さない。
次回
Neon Genesis Evangelion Angels Battle Story
第6話 水と水着と少年
あとがき
にゃん。Y-MICKです。
第4話をお送りします。
始めに断っておきますが、某安田さんのサイトにある兄妹とは何の関係もありません(爆)
あっちの兄妹と、この小説の兄妹は何の関わり合いも無いのでよろしく(^^;
今回は炎を的に絞った戦闘を繰り広げました。
ですが、どうも戦闘シーンは思ったことの70%も書けません。
なんででせう(^^;
一応がんばってはみますが、戦闘シーンは苦手になりつつあるようです。
次回・・・・アスカちゃんの水着・・・・・
さて・・・・・どんなのにしようかなぁ・・・
ワンピースは当たり前。ビキニも・・・ねぇ・・・・
思い切ってハイレグとか・・・(爆)
さらに・・・・・・・・スケスケ・・・・はうっ(N2爆)
Y-MICKさんの『Neon Genesis Evangelion Angels Battle Story』第4話、公開です。
人形コレクション・・・
なんて怖恐ろしい趣味の持ち主なんだろう・・・
でも、すっごくいい女だったら、
人形になりたいとかって。
言わん言わん(笑)
今回の敵も無事クリア〜
次々と来る刺客を倒していくシンジ。
頼りになりますね。
苦難は続くでしょうが、
この調子で−−
さあ、訪問者の皆さん。
妄想に沈んだ(笑)Y-MICKさんに感想メールを送りましょう!
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