きついようでしたら、やはりブラウザーの機能なりなんなり使って脱出かましてやってください。
「気持ち悪い。」
それが、戻って最初に言った言葉。
紅い荒野になった世界。
そこで彼女はそう言った。
その白い首に手をかけて絞めること。
それが戻って最初に行った彼の行動。
琥珀ににた色の海が押し寄せる。
そこで、彼はそうやった。
彼女の右手が彼の頬をなでたとき、彼は彼女に覆い被さって泣いた。
「シンジ。」
「…。」
「ここはあんたが望んだ世界?。」
「…。」
「答えなさいよ。」
「ちがう、と思う。」
「おはよう、アスカ」
「おはよう、ヒカリ。」
アスカは、無感情に答える。
ヒカリはそれでも、今迄と同じように話し掛けていた。
ただ、そこには踏み込んだ会話はない。
ただ、当りさわりのない会話。
それだけが、無意味に流れていた。
「と思うなんて、情けないこと極まりないわね。」
「そうだね。」
「おーっす、せんせ暗い顔してんな。」
「おはよう、トウジ。」
シンジは冷たく答える。
だが、そこからなにか起きるでもなく無意味な会話が続いている。
中身のない、空虚な会話。
そこにはそれしかなかった。
「傷つけられても、裏切られても、僕を見捨てても、それでも僕はもう一度ひとに会いたい。
そう思って僕はここで目がさめた。」
「…。」
「でも、ここにはアスカしかいなかった。
もしかしたら、僕はアスカしか望んでいなかったのかもしれない。」
「でも、アタシはヒカリの存在を感じる。
マヤたちの存在も感じる。」
「多分、これがLCLだからかも知れないね。」
ゼーレは自分達の望世界が完成したと思っていた。
だが、見せかけだけのここは虚構の世界。
触れることもできるし、話す事もできる。
そして、だれもが傷付け合う程までの接触をしない世界。
老人達は自分達が神の座に座る事ができたと思った。
海。
それは、まるで琥珀を溶かしたような色をしていた。
そらには、まだ輝くものが漂っている。
彼方には、綾波レイだった物がその巨大な残骸を晒している。
「こんな世界を望んだの?。」
「違う。」
「どんな世界を望んだの?。」
「わからない、今は、もう。」
「誰が望んだのか知らない。
でも、こんな世界アタシは絶対いや。」
「僕だっていやだよ。」
「元の世界に戻すわよ。」
「アスカは、碇君と来るでしょう?。」
ヒカリは嬉々として聞いた。
「さあ、わかんないわ。」
「だめよ、せっかくの新学期よ。」
アスカはその言葉をただ流れる風を聞くようにながしていた。
「でも、どうやって?。」
「これは、LCLの海よね。
なら、アタシたちはもしかしたら同調できるかもしれない。」
「そうだね、みんなの心を感じることができるから大丈夫かもしれない。」
二人は、夜のLCLの海を睨み付けながら話あう。
その時、足元の砂の上には紅いサングラスが砂に埋もれかけていた。
「でも、ただこの中に溶け込むだけじゃだめなんじゃないかなぁ。」
情けない声でシンジが疑問を口にする。
アスカは、答えを見つける事ができない。
「そうね、それだけじゃ駄目ね。」
「そうだよ、この中は僕のように傷つかないようにしてる世界みたいだし。」
アスカは、手元のヘッドセットインターフェースをもてあそびながら考えた。
「シンジ、アタシはあんたを憎むわ。」
夜が開けてアスカはシンジに伝えた。
「じゃあ、僕はアスカを憎もう。」
シンジは答えた。
二人は、手を繋ぎLCLの海に身を浸して行った。
「憎みあおうって言うのに手をつないでるっての、変だね。」
「そうね、でも、今ははぐれる訳にはいかないしね。」
二人は、海の底に横たわった。
「アスカ、なんで?、あんなになってまでなんで一緒に居るの?。」
ヒカリの悲痛な声が心に響く。
(ごめん、ヒカリ。)
海の底でアスカはつぶやく。
「いいんちょうが、死ぬ時にわしに宛てて書いた手紙や。」
トウジの憤りがシンジの耳を刺す。
(トウジ、ごめん。)
海の底でシンジは涙を流した。
「これ以上かかわって、止められなかったら傷付くのは自分だものね。」
マヤは呟き、トレーラーを走らせる。
そして、荷台にはN2爆弾が2つ、不気味にゆれていた。
(こんな、上辺だけの世界の為にあなた達は命をかけたわけじゃないわよね。)
マヤはこの世界ではもう生きていない、シンジ、アスカ、レイの3人に話かけた。
(そうね、マヤ)
マヤは、そのN2爆弾の爆発の光に包まれる瞬間三面の巨人が微笑んだように見えた。
(間違っていないわね。)
マヤは、満足感を感じて光の中に消えていった。
その、LCLの海の中央付近に閃光が走っていた。
そして、波が周囲の岸に押し寄せる。
「マ、ヤ。」
「マ、ヤ、さ、ん」
呼びかける声にマヤは目を開くと、そこにはシンジとアスカが立っていた。
二人並んで。
「二人とも…。」
マヤはそこから言葉が続かなかった。
昔のままの顔をしたシンジとアスカ。
「ごめんなさい、マヤさん。」
「いろいろ嫌な思いしたかもしれないわね。」
「いいのよ、判ったから。」
「ありがとう、マヤさん。」
「ありがとう、マヤ。」
二人がそう言うとまたマヤの目の前の景色が揺らいで行く。
「また、後でね。」
確信をもってマヤは、虚空に叫んだ。
「お疲れ様、僕の心。」
「ありがとう、私の気持ち。」
海の底から、澱の様にたまっていた物が湧き出してくるのを見ながら二人は最後に登ってきた光る物、
それを、それぞれ優しく受け止めると愛おしそうに抱きかかえた。
マヤは、目を覚ますとそこは自分の部屋の中であった。
周囲をみまわしてから、深く深呼吸をして、窓のカーテンを開ける。
「あん、残念。」
外は、まだ曇り空であった。
「!。」
ヒカリは目をさました。
いやな夢を、とてもながい悪夢を見ていたような気がする。
あいにくと、空は曇っている。
泣いた後のある顔をみて少し微笑んで見る。
トウジは、自分の義足が壊れていないことに安堵を感じた。
だが、心は重い。
空も、どんよりとしている。
「いや、しゃーないな。」
そう景気づけに大きく言う。
そして、みんながそれぞれの場所で目を覚ます。
「おはよう、アスカ。」
「おはよう、シンジ。」
空は、曇っているがそれでも晴れ晴れとした顔でみんながドアを開けた。
「なんで、アスカは碇君と一緒にいるの?。」
ヒカリはアスカに聞いた。
「なんでって、それはね、…。」
「碇先輩、惣流先輩とは。」
シンジは屋上で後輩の女子に聞かれた
「別に、そんな深い関係では無いけど、…。」
「シンちゃーん、まったくお姉さんが大人のキスの続きをしてあげるって言うのにぃ。」
ミサトがシンジにちょっかいをだしている。
「良いですよ、ミサトさん。」
赤くなって逃げる。
「ふぅん、やっぱアスカの方がいいのね。」
「そんなんじゃないわよ!、ミサトもまったく。」
「なーんか二人へんよねー。」
「別にへんでもないですよ、ミサトさん。」
「そうよ、ただ…。」
「憎ったらしいし、鬱陶しいし、おおよそすきになれるとこなんてないけど、でもね。」
「ただ、それでも好きだと感じた事は嘘じゃないから。」
うーん、どうしてくれよう。
どうしたのアスカ、なんか不機嫌。
シンジ、これの前のバージョンよ。
うーん。
あのー、二人ともなに考えてるの?。
あんた、これも一回書き上げてから変更してるわね。
ええ、気に入らないっすか?。
どうしようか、なんか月並みな話だしねー。
でもSOUさん、なんでこのバージョンにかえたんです?。
基本的には変わって無いはずなんですけどー。
っていやね、これマヤちょん編と一緒で14日いついうっかり某怪獣映画みてきてその後、とある人物のお話を
聞いてですね、思わずかきかえてしまった。
だれよ、その人物って?。
えーとね、ないしょ。
…(じと目)
ヒントはですね、えーと20代後半から40代前半までの人の憧れ。
大家さんは判るかもしれないけど、師匠はわかんないだろうし、特別思い入れもないでしょう。
って感じ。<アスカさんと同じ紅い戦士なんですよねー。>
まあ、いいわこれでも。一応暗くないし。