つよいぞ!シンジ君!!戦慄のネルフ編
「ホーント悪いわよ。でもいいわ。それより時間はどれくらい掛かるの?」
アスカは五月蝿く文句を言うだろう、と思っていたリツコは少し驚いた。
「あらアスカ、どうしたの?もっと文句言われると思ってたのに」
「えへへへへ、テストが終わったらね、シンジとデートするの」
エレベーターの一件が余程嬉しいらしい。
「あらそう。良かったわね、アスカ」
「うん!」
リツコはアスカの意外な一面を見たような気がした。
いや、これが本当のアスカなのだろう、とリツコは思った。
「シンジ君のお陰?そんなに素直になれたのは?」
悪戯っぽく微笑んで口撃してくるリツコに顔を赤くして応戦するアスカ。
(リツコさんってこんな風に笑えるんだ)
シンジもリツコの意外な一面を見て少し驚いた。
少し苦手だったリツコが身近に感じられて、つい笑顔になってしまう。
「あら、シンジ君どうしたの?」
「いえ、何だか二人を見てたら楽しくて」
「もう、言うようになったわね、シンジ君も」
リツコも楽しそうに答えを返す。
「そ、それより問題がずれてるわよ。どれくらい掛かるの?」
ようやく話を戻す事に成功するアスカ。
「えーと、時間だったかしら?そうね、今日はデータを取るだけだから・・・」
と、頭の中で予測するリツコ。
「・・・そうね、遅くても2時間くらいね」
「2時間か。充分時間が余るわね。
「ところで、何をするんですか?リツコさん」
時間の事しか頭に無かったアスカの変わりにシンジが聞く。
「ああ、まだ言ってなかったわね。
科学者の顔に戻るリツコ。
「憶えてるでしょ?あなた達が初めて逢った時の事」
「・・・はい・・・」
忘れる筈が無い。
あの時はお互いにこれと言う感情は無かった。
そんな二人を優しい目で見ているリツコ。
「実はね、あの時に記録されたシンクロ率がとても高い数値だったの」
そう言うと、何かを思い付いたように口を開く。
「まあ今にして思えば二人の相性の良さを示していたのね」
と、再び悪戯っぽく微笑んで言う。
「「・・・・・・・・・・・・」」
二人とも顔を赤くするが、無意識の内に嬉しそうな顔をしてしまう。
「そういう事で、今回は二人でエントリーした場合のシンクロ率の計測。
「はい」
少しまだ照れている二人であった。
「じゃあ早速始めるわよ。いいわね?二人とも」
そして、シンジ、アスカはテストプラグの中へ乗り込んだ。
が、
「リツコさん、あの、シートが一つしかないんですけど・・・」
「あっ、忘れてた」
リツコはそこまでは考えてなかった。
「じゃ、じゃあシンジ君が座ってその上にアスカが座ればいいのよ」
「えっ!?ちょっとそんな」
アスカは真っ赤になった。(毎度の事だが)
「そ、それしか方法が無いのよ、うん」
リツコは取って付けた様に二人に言った。
「でも・・・・・」
アスカがそう言いシンジをシートに座らせる。
「えっ?ちょっとアスカ?」
そしてシンジの上に座る。
「ちょ、ちょっとアスカ?」
アスカは何も言わずシンジに寄りかかる。
「・・・なんだか落ち着くな、シンジといると・・・」
そんなアスカを見て、さっきまでの自分が恥ずかしくなるシンジ。
「・・・・・そうだね。恥ずかしがる事じゃないよね」
そう言いアスカの腰に腕を回し、そっと抱きしめる。
アスカは自分のお腹の上で組まれたシンジの手に自分の手を重ねる。
「うん、そうだよ。恥ずかしい事じゃないよ。これが自然なんだから、アタシ達は」
いつものように二人の世界にトリップする二人。
「エントリースタートして」
リツコの声でオペレーター達の手が動きだす。
マヤはお休みのようだ。(額の”中”が消えてないから)
そしてモニターにデータが映し出される。
「・・・凄いわ、これは・・・」
どうやらいい数字が出てるようである。
しかし、今の二人にはどうでもいい事だった。
シンジは最初からシンクロ率に興味が無い。
アスカも、エヴァのパイロットじゃない自分を認められる今では些細な事だった。
自分の大切な人達を守るのに、シンクロ率の高さなど関係ないから。
二人のそんな思いが、逆にいい結果に繋がったのも事実だが。
こんな事が言えるのも上手くいっている証拠だろう。
「ホント?ねえ、これってアタシとシンジの仲が良ければいいんでしょ?」
「まあ簡単に言えばそうなるわね」
「よし。シンジぃ好き好きぃ大好きぃぃ!!」
ここぞとばかりに普段言えない?事を言い、シンジに抱き着くアスカ。
「ねえ、シンジはどうなの?ねえシンジぃ」
シンジの顔にキスしまくるアスカ。
「な、何言ってるんだよ。好きに決まってるじゃないか、アスカ」
アスカのキスに、キスで答えるシンジ。(書いてて痒くなってきたぞ、俺は)
もう誰にも止められない。
シンクロ率は急上昇だ。
「やれっ!もっとやりなさい!!私が許可します!!!」
リツコは、貴重なデータが沢山取れるので浮かれていた。
作者は、何だかよく解らないが狂いだしてきた。
(作者はクラッシュしました。アスカ×シンジ派の方、転がって下さい)
「アスカの事誰にも渡したくないんだ。好きだ、誰よりも。アスカだけを」
抱き合い、キスしまくる二人。
「嬉しいよぉ!アタシはシンジだけのモノだから。シンジだけのアタシなの!」
「アスカ、可愛いアスカ。僕の大切なアスカ。大好きだよ」
キスの回数は三桁に突入していた。
「シンジの側にいたい。ずっとずっと大好きなシンジと一緒にいたい」
「離さない。アスカが僕の事嫌いになる日まで、絶対離さないよ」
シンジが強くアスカを抱きしめキスをする。
「だったらシンジは一生アタシを離してくれないのね。
「嬉しいよ、アスカ。好きだ、大好きだ。可愛い僕のアスカ」
言葉が終わる度にキスする二人。
「シンジぃ好きぃ好きなの。理屈じゃないの。好きなの」
「僕もだよアスカ。意地っ張りで怒りんぼで、
「シンジの優しさが好きなの。シンジの全てが好きなの、大好きなの」
「アスカの全てが好きだ。どんな時もアスカだけを見ていたい」
見詰め合う二人。
「シンジぃ、アタシのシンジ。アタシだけのシンジ。好き好き大好き!」
「僕はアスカだけのモノだ。アスカと僕の為に生きていきたい」
いつもより強く抱き合う二人。
「シンジ・・・・・・」
そして長いキスをする二人。
オペレーターが呆然として口を開く。
「凄いわね。肉体に何の影響も無く374%とは」
さっきの浮かれようは何処に行ったのか?
「本当ですね。これなら使徒が来ても安心ですね」
オペレーターの一人が言った。
「確かに貴重なデータよ。でも戦闘には使えないわ」
「えっ?どういう事ですか?」
不思議そうにオペレーターが聞く。
「あんな事してて使徒と戦えるワケないでしょ」
そう言いモニターの中でいちゃつきまくってる二人を見る。
いくらシンクロ率が高くても、キスをしながら戦えるワケが無い。
「ま、それが無くてもこのデータは貴重だからいいけどね」
実際、戦闘を考慮して行った実験ではないのでリツコは気にしていなかった。
「シ、シンジの野郎、俺でさえユイとあんな事して無いのにぃぃぃぃ」
ハンカチを噛んで引っ張るボケゲンドウ。
「碇、シンジ君も成長したな。ユイ君の面影が多く出ている。
冬月は穏やかな微笑みでシンジ達を見ている。
「ゆ、許さん!!神が許しても俺が許さん!!!
嫉妬に狂ったゲンドウの目は狂気に溢れていた。
「い、碇!それは零号機暴走スイッチだぞ!?一体何をするつもりだ!?」
『零号機暴走スイッチ』
仕事が無くなった時にこれを使い、
「クックック、今隣の第二実験室でレイが零号機の起動実験をしている」
「ま、まさか今ここで起こすつもりか?仕事は山ほど在るのだぞ!?」
「ふん、知った事ではない。シンジ、不幸になりやがれ。ポチッとな」
ゲンドウがスイッチを押したとたん警報が鳴り、零号機が暴れ出す。
ゲンドウはモニターでシンジのいる第三実験室を見ていた。
「早く壁を突き破ってシンジをぶち殺せ、零号機よ」
「う、頭痛がしてきた。俺はもう知らんぞ」
冬月は第一実験室を後にした。ゲンドウ一人を残して。
「まだか。早く壁をぶち壊して・・・」
ベキベキバキバキドガシャーン!!
突然轟音が響き渡る。
「ば、馬鹿者!こっちじゃない!!逆だ!!向こうだ!!」
だが暴走している零号機に通じる筈はない。
零号機はタイガー・ジェット・シンのように暴れまくった。
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
崩れた鉄骨の下敷きになるゲンドウ。
嫉妬に狂った独裁者の憐れな最後であった。
シンジに頬ずりして甘えまくるアスカ。
「シンジ君、アスカ、上がって良いわよ。おかげで貴重なデータが取れたわ。
リツコは警報の事には触れなかった。
「えーと、そうですね。なんだか素直になれたと言うか・・・
自分のした事を思い出し顔を赤くするシンジ。
「アタシもそうね。普段したいと思ってた事ができたみたい。
「成る程、軽い興奮状態、心の開放というところかしら。
「えー、もう終わりなのぉ?こんなテストなら毎日でもいいのにぃ」
アスカが心底残念そうに言う。(まだ抱き着いてるが)
「仕方ないよアスカ。ほら、買い物にも行かなくちゃいけないし」
シンジがアスカをなだめる。(まだ抱きしめてるが)
「そうだった。シンジとデートだ!」
そう言うと、急かす様にシンジの腕を引っ張って行く。
「ほら、早く行こうよぉ、シンジぃ」
アスカに引きずられて更衣室に消えて行くシンジであった。
そう言うリツコの前に冬月が現れた。
「全く碇にも困ったものだ」
「あら、副司令。今度の原因はなんです?」
「『貴様一人にいい思いはさせんぞ、シンジ』と言っていたよ」
「はあ、レイが憐れですね。さっきモニターで見たんですけど・・・」
「・・・レイが碇を殺さなければ良いのだが・・・」
「まず間違い無くアクションは起こすでしょうね」
「「・・・・・はあ」」
二人のため息が響きわたる。
迷惑な人間と関わってしまったな、と後悔している二人だった。
「ほら、シンジ!早く行こ!!」
アスカがシンジを呼び付ける。
「待ってよ、アスカ。まだ時間はあるってさっきも言ったじゃないか」
「・・・だってシンジと初めてのデートなんだもん。
アスカが立ち止まり、俯いて小さい声で言う。
「・・・アスカ・・・」
アスカがそんな風に思っているとは気付かなかったシンジ。
「・・・ごめん。アスカの気持ちも考えないで無神経な事言って」
心から済まないと思ったシンジは謝った。昔とは違う。
「急ごう!アスカ!!」
そう言いアスカの手を握り走り出す。
「えっ?シンジ?」
シンジに手を引かれ、同じく走り出すアスカ。
そしてエレベーターに乗り込む二人。
「・・・シンジ、ごめんね。我侭ばかり言って・・・」
さっきと同様に俯いてアスカが言う。
「そんな事ないよ、アスカ」
シンジは優しくアスカに言う。
「でも・・・・・あっ」
突然シンジに抱きしめられ、驚くアスカ。
「いいんだよ、アスカ。我侭言って良いんだよ。
「・・・シンジ・・・」
アスカは嬉しかった。今迄で一番嬉しかったかもしれない。
「ふえぇぇぇぇぇぇん、嬉しいよおぉぉぉ」
シンジにしがみつき、子供のように号泣するアスカ。
そのまましばらく時間だけが経つ。
聞こえるのはエレベーターの音とアスカの泣き声だけだった。
そして、ようやく泣き止んだアスカが口を開く。
「・・・・・シンジ、これからもアタシの我侭聞いてね」
アスカは笑顔でシンジを見る。
「聞いてあげる。ううん、聞かせて欲しい」
そして二人はキスをする。
二人の唇はエレベーターが止まるまで離れなかったとさ。
「えーと、作者のk-tarowさんがまだ壊れてるので今回は僕達が来ました」
「・・・・・えっ?」
シンジさん・アスカさんはお帰りになりました。
「うがあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
k-tarowさんの『つよいぞ!シンジ君!!』戦慄のネルフ編、公開です。
同伴喫茶「エントリープラグ」(^^;
覗き部屋「モニター室」(^^;;;;
30分間5000円位なら出してもいいな、
この覗き部屋(爆)
自分の膝の上からあれだけ情熱的な事をされて、
シンジは絶対「たまらんっっ」になっていると思うけど・・・
この後”何処に”デートで行くんでしょう(爆)
さあ、訪問者の皆さん。
壊れていくk-tarowさんにリハビリメールを!
・・・・一緒に壊れていくのもいいかな(^^;