ネルフ内にある、個室の椅子に腰掛けて自嘲気味に呟く金髪の女性。
コーヒーを飲みながらため息をついている。
(私がここに居るのは何の為なんだろう。
フッと思わず自嘲の笑みを浮かべてしまう。
(人類の為と思いもしないないとはね。・・・全く、馬鹿ね、私は)
最近ため息が多くなったな、と感じるリツコだった。
(誰かしら?)
モニターを覗いてみると、そこにはシンジとアスカがいた。
「いいわよ。入ってちょうだい」
ロックを外し、二人に声を掛ける。
そしてドアが開き、二人が入って来た。
「お邪魔します、リツコさん」 「お〜っす!リツコ!調子はどう?」 少し緊張気味のシンジと、やたらと元気なアスカ。
「あら、どうしたの?
持っていたカップを置き、二人を見るリツコ。
アスカは上機嫌でシンジの右腕に自分の腕を絡ませている。
そして、シンジは左手を背中に隠している。
「なによぉ。アタシ達が来るのがそんなに珍しい?」
少し膨れたように言うアスカだが、表情は上機嫌のままだ。
「まあ、確かに珍しいかもしれませんね。僕達がここに来るのは」
そう笑顔で言うシンジ。
「やたら機嫌が良いわね、アスカ。
少しからかうつもりでリツコは言ったのだが、
「あ、あら。何か悪い事言ったかしら?私」
リツコにしては珍しく動揺したらしい。
しかし、アスカがそれを否定した。
「え?ち、違うの。あ、あのね、シンジがね、
そう言うと、絡ませた腕に力を込めるアスカ。
そんなアスカを少し羨ましそうに見るリツコ。
「・・・そう、良かったわね、アスカ。
真っ赤になっているシンジに視線を向けるリツコ。
「あ、あの、僕はただ・・・
照れているのだろう。
それっきり俯いて黙り込んでしまうシンジだった。
「そ、そんな話をしに来たんじゃないのよ、リツコ。
アスカが催促するように組んでいる腕を軽くゆする。
「あ、アスカ、分かってるから、ね」
そう言うとシンジは、今迄隠していた左手を前に出した。
「リツコさん、これ、受け取って下さい」
その左手には、綺麗なラッピングが施された箱が持たれていた。
「え?これを私に?」
リツコは訳が解らないという表情をして尋ねる。
「もう、鈍いわねリツコ。今日は11月21日よ」
「お誕生日おめでとうございます」
「おめでとう、リツコ」
二人が笑顔で祝福する。
「・・・忘れてたわ。そう、今日は私の誕生日だったわね・・・」
そう言い、シンジから箱を受け取るリツコ。
「開けても良いかしら?」
「ええ、勿論です」
「アタシとシンジが一緒に選んだのよ」
リツコは丁寧に包みを剥がす。
中には落ち着いたデザインの目覚し時計が入っていた。
「・・・ありがとう、二人とも・・・
「いいんです、リツコさん」
シンジの言葉がリツコの言葉を遮った。
「・・・でも・・・シンジ君・・・」
「・・・僕達はリツコさんが本当は何をしてるのか、
「そうよ、リツコ。
「・・・・・二人とも・・・・・」
自分が裏で何かをしていると感じつつも、
リツコはそれが嬉しかった。
「・・・ありがとう、二人とも・・・本当に・・・」
目覚し時計を胸に抱きしめて呟くリツコ。
「良いんですよ、リツコさん。じゃあ僕達はこれで失礼します」
「じゃあリツコ、またテストの時はよろしくね。
シンジの腕に絡ませた腕に力を込めてシンジを引きずるアスカ。
「ええ〜?アスカの誕生日は来月じゃないかぁ」
「プレゼントは誕生日だけじゃ無くてもいいのよ!
少し目を潤ませてこんな事を言われてはどうしようもない。
「嫌じゃないよ、アスカ。じゃあ、どこに買いに行こうか?」
その言葉で上機嫌になる現金なアスカであった。
「えっとね、ほら、この前新しくオープンしたデパート!」
「ああ、あそこか。うん、じゃあ行こうか」
こんな平和な会話と共に二人は部屋を後にした。
「・・・本当に何をやってるのかしら・・・私・・・」
そして、シンジの言葉が脳裏に響く。
(自分の気持ちに素直になる・・・か・・・私にできるの?)
自問自答してみるが答えは出ない。
そして、そんなリツコをドアの開く音が現実に戻す。
「あら、レイじゃないの。どうしたの?」
レイが無言で近付いて両手を差し出す。
レイの両手には薔薇の花束が握られていた。
「・・・これ・・・赤木博士に・・・プレゼント・・・」
「え?レイ・・・どうしたの?一体・・・」
リツコは驚いた。
あのレイが自分にプレゼントを渡しに来たことに。
レイは少し俯き、少しずつ話す。
「・・・今日、赤木博士の誕生日だって聞いたけど・・・
珍しく口数の多いレイ。
だが、その様子は真剣だった。
「気持ちが込められてれば、
「・・・・・レイ・・・私を憎んでるんじゃないの?」
リツコはそれしか言えなかった。
しばしの沈黙。
「・・・憎む・・・解りません・・・
「・・・感謝?・・・私に?」
「・・・はい、私を生かしてくれている赤木博士に感謝しています。
そして、レイから花束を受け取り、レイを抱きしめた。
「・・・レイ、ありがとう・・・本当にありがとう・・・
レイは不思議そうにリツコに尋ねる。
「・・・ありがとうは感謝の言葉・・・解ります・・・
リツコはレイを抱きしめたまま言う。
「・・・今は分からなくてもいいの・・・
リツコが微笑みを浮かべ、レイを呼ぶ。
「はい、何でしょう。赤木博士」
リツコがレイの顔を正面から見つめて話しだす。
「・・・私と一緒に暮らさない?
今迄両腕を下げて抱きしめられていたレイ。
そのレイの腕がリツコの背にまわされる。
「・・・私は嫌じゃないです・・・もう一人は寂しいです・・・」
レイは涙を静かに流し、リツコにしがみついた。
「・・・レイ・・・」
リツコはそう言うレイを強く抱きしめた。
二人は暫くの間、無言で抱きしめあっていた。
「ええ、全く時間が掛かったわね」
シンジとアスカがスーツを着て、腕を組んで歩いている。
最初に言っておきますが、俺はアスカ人間です。
何故これを書いたか自分でも良く分かりません。
本編のリツコが幸せだったのか、そうでなかったのか、
でも、リツコにこんな未来があってもいいのでは?と、思います。
あ、あれ?俺はなに真面目な事言ってんだ?
俺ってこんな奴だったか?いや、違う。
あ、ああぁー!痛い!頭が痛い!!
うがあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!・・・・・
・・・えへ、えへへへ。あは、あはははは、むっきゃぁー!!!
あああぁぁぁ、ちょーちょだぁ、ちょーちょがとんでるぅぅ。
まてえぇぇぇぇ。だっだっだっ(←ちょーちょを追いかけていく音)
まっこうさんの『リツコさんに、花束を』公開で・・・
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れ? あれ??
まっこうさんじゃなくて、k-tarowさんだ!?
タイトル・ストーリーから作者さんは、
”らぶりぃりっちゃん”まっこうさんだと勘違いしてました(^^;
では改めて。
k-tarowさんの『リツコさんに、花束を』、公開です。
なぜ、どうして、LAS狂のk-tarowさんがリツコさん物を?!
でも、よくよく見ると、
アスカxシンジのラブラブはしっかり入っていますね(^^)
この二人だけでなく、
リツコとレイにも幸せを!
と言うところですね(^^)/
さあ、訪問者の皆さん。
らぶりぃりっちゃんに目覚めたk-tarowさんに感想メールを送りましょう!