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『リツコさんに、花束を』



「私、何やってるのかしら・・・・・」

ネルフ内にある、個室の椅子に腰掛けて自嘲気味に呟く金髪の女性。

コーヒーを飲みながらため息をついている。

(私がここに居るのは何の為なんだろう。
 ・・・あの人の為?・・・母さんの為?・・・自分の為?)

フッと思わず自嘲の笑みを浮かべてしまう。

(人類の為と思いもしないないとはね。・・・全く、馬鹿ね、私は)

最近ため息が多くなったな、と感じるリツコだった。


そんな時、来客を告げるブザーが鳴った。

(誰かしら?)

モニターを覗いてみると、そこにはシンジとアスカがいた。

「いいわよ。入ってちょうだい」

ロックを外し、二人に声を掛ける。

そしてドアが開き、二人が入って来た。

「お邪魔します、リツコさん」

「お~っす!リツコ!調子はどう?」

少し緊張気味のシンジと、やたらと元気なアスカ。

「あら、どうしたの?
 あなた達二人が私の所に来るなんて。珍しいわね」

持っていたカップを置き、二人を見るリツコ。

アスカは上機嫌でシンジの右腕に自分の腕を絡ませている。

そして、シンジは左手を背中に隠している。

「なによぉ。アタシ達が来るのがそんなに珍しい?」

少し膨れたように言うアスカだが、表情は上機嫌のままだ。

「まあ、確かに珍しいかもしれませんね。僕達がここに来るのは」

そう笑顔で言うシンジ。

「やたら機嫌が良いわね、アスカ。
 シンジ君と腕なんか組んじゃって。
 シンジ君と何かあったの?凄く幸せそうな顔してるわよ」

少しからかうつもりでリツコは言ったのだが、
二人共これ以上無い程に顔を真っ赤にして俯いてしまった。

「あ、あら。何か悪い事言ったかしら?私」

リツコにしては珍しく動揺したらしい。

しかし、アスカがそれを否定した。

「え?ち、違うの。あ、あのね、シンジがね、
 アタシの事、その、す、好きだって言ってくれたの」

そう言うと、絡ませた腕に力を込めるアスカ。

そんなアスカを少し羨ましそうに見るリツコ。

「・・・そう、良かったわね、アスカ。
 シンジ君もなかなかやるじゃない。良く言ったわね」

真っ赤になっているシンジに視線を向けるリツコ。

「あ、あの、僕はただ・・・
 自分の気持ちに素直になっただけです。
 そ、その、アスカの事が好きだっていう事に・・・」

照れているのだろう。

それっきり俯いて黙り込んでしまうシンジだった。

「そ、そんな話をしに来たんじゃないのよ、リツコ。
 ね、ねえシンジ。早く例の物を渡しなさいよ」

アスカが催促するように組んでいる腕を軽くゆする。

「あ、アスカ、分かってるから、ね」

そう言うとシンジは、今迄隠していた左手を前に出した。

「リツコさん、これ、受け取って下さい」

その左手には、綺麗なラッピングが施された箱が持たれていた。

「え?これを私に?」

リツコは訳が解らないという表情をして尋ねる。

「もう、鈍いわねリツコ。今日は11月21日よ」

「お誕生日おめでとうございます」

「おめでとう、リツコ」

二人が笑顔で祝福する。

「・・・忘れてたわ。そう、今日は私の誕生日だったわね・・・」

そう言い、シンジから箱を受け取るリツコ。

「開けても良いかしら?」

「ええ、勿論です」

「アタシとシンジが一緒に選んだのよ」

リツコは丁寧に包みを剥がす。

中には落ち着いたデザインの目覚し時計が入っていた。

「・・・ありがとう、二人とも・・・
 でも、私にはこれを受け取る資格なんて無いのよ。
 ・・・私はあなた達を・・・」

「いいんです、リツコさん」

シンジの言葉がリツコの言葉を遮った。

「・・・でも・・・シンジ君・・・」

「・・・僕達はリツコさんが本当は何をしてるのか、
 何を考えているのかは分かりません。
 でも、いつも僕達をサポートしてくれてるのは事実です」

「そうよ、リツコ。
 それはその事実に対するアタシ達の感謝の気持ち。
 だから、有り難く受け取りなさい。いい?分かった?」

「・・・・・二人とも・・・・・」

自分が裏で何かをしていると感じつつも、
それでもそんな自分の誕生日を祝ってくれる。

リツコはそれが嬉しかった。

「・・・ありがとう、二人とも・・・本当に・・・」

目覚し時計を胸に抱きしめて呟くリツコ。

「良いんですよ、リツコさん。じゃあ僕達はこれで失礼します」

「じゃあリツコ、またテストの時はよろしくね。
 行こ!シンジ。アタシのプレゼントを買いにね!」

シンジの腕に絡ませた腕に力を込めてシンジを引きずるアスカ。

「ええ~?アスカの誕生日は来月じゃないかぁ」

「プレゼントは誕生日だけじゃ無くてもいいのよ!
 それとも、アタシにプレゼントするのが嫌なの?ねえ?」

少し目を潤ませてこんな事を言われてはどうしようもない。

「嫌じゃないよ、アスカ。じゃあ、どこに買いに行こうか?」

その言葉で上機嫌になる現金なアスカであった。

「えっとね、ほら、この前新しくオープンしたデパート!」

「ああ、あそこか。うん、じゃあ行こうか」

こんな平和な会話と共に二人は部屋を後にした。


リツコは二人に貰った時計を見ながら呟いた。

「・・・本当に何をやってるのかしら・・・私・・・」

そして、シンジの言葉が脳裏に響く。

(自分の気持ちに素直になる・・・か・・・私にできるの?)

自問自答してみるが答えは出ない。

そして、そんなリツコをドアの開く音が現実に戻す。

「あら、レイじゃないの。どうしたの?」

レイが無言で近付いて両手を差し出す。

レイの両手には薔薇の花束が握られていた。

「・・・これ・・・赤木博士に・・・プレゼント・・・」

「え?レイ・・・どうしたの?一体・・・」

リツコは驚いた。

あのレイが自分にプレゼントを渡しに来たことに。

レイは少し俯き、少しずつ話す。

「・・・今日、赤木博士の誕生日だって聞いたけど・・・
 何をすればいいのか私には解らなかったんです。けれど・・・
 碇君と弐号機パイロットが、私に教えてくれたんです・・・・」

珍しく口数の多いレイ。

だが、その様子は真剣だった。

「気持ちが込められてれば、
 花束でも相手は喜んでくれるって・・・」

「・・・・・レイ・・・私を憎んでるんじゃないの?」

リツコはそれしか言えなかった。

しばしの沈黙。

「・・・憎む・・・解りません・・・
 でも、今は赤木博士に感謝しています」

「・・・感謝?・・・私に?」

「・・・はい、私を生かしてくれている赤木博士に感謝しています。
 私の体の状態を管理してくれる事に感謝しています。
 ・・・私は今、生きている事が嬉しいと思います・・・
 碇君が教えてくれた・・・生きることの大切さを・・・」


(私はあなたを物のように見て、物のように扱ってきたのに・・・
 ・・・なのに、こんな私に『感謝してます』ですって?
 ・・・私は・・・私は今迄何をやってたの?・・・・・)


リツコは自分でも気付かぬうちに涙を流していた。

そして、レイから花束を受け取り、レイを抱きしめた。

「・・・レイ、ありがとう・・・本当にありがとう・・・
 ・・・ごめんね・・・ごめんね、レイ・・・」

レイは不思議そうにリツコに尋ねる。

「・・・ありがとうは感謝の言葉・・・解ります・・・
 ごめんなさいは謝罪の言葉・・・なぜ私に言うのですか?」

リツコはレイを抱きしめたまま言う。

「・・・今は分からなくてもいいの・・・
 私がこれから教えてあげるから・・・・・レイ」

リツコが微笑みを浮かべ、レイを呼ぶ。

「はい、何でしょう。赤木博士」

リツコがレイの顔を正面から見つめて話しだす。

「・・・私と一緒に暮らさない?
 家族ごっこかもしれないけど、一緒に暮らしたいの・・・
 ・・・あなたと・・・どうかしら?嫌ならいいのよ、レイ」

今迄両腕を下げて抱きしめられていたレイ。

そのレイの腕がリツコの背にまわされる。

「・・・私は嫌じゃないです・・・もう一人は寂しいです・・・」

レイは涙を静かに流し、リツコにしがみついた。

「・・・レイ・・・」

リツコはそう言うレイを強く抱きしめた。

二人は暫くの間、無言で抱きしめあっていた。




・・・そして、一年後・・・




「今日はいよいよだね」

「ええ、全く時間が掛かったわね」

シンジとアスカがスーツを着て、腕を組んで歩いている。


今日はリツコとゲンドウの結婚式。


そして、レイが碇家の養子になる日。


リツコとレイが本当の家族になる日。




リツコさんに、花束を




シンジとアスカ、二人が相談して決めたこと。




リツコさんに、花束を




二人が花屋の前で呟く言葉。






リツコさんに、花束を


fin





続かない
ver.-1.00 1997-09/09公開
このバカ・このキ※ガイ・死ね!!などなど、 こちらまで!




後書きと言う名のお詫び

どもっ、k-tarowっす。

最初に言っておきますが、俺はアスカ人間です。

何故これを書いたか自分でも良く分かりません。

本編のリツコが幸せだったのか、そうでなかったのか、
それはリツコ自身にしか分からない事でしょう。

でも、リツコにこんな未来があってもいいのでは?と、思います。

あ、あれ?俺はなに真面目な事言ってんだ?

俺ってこんな奴だったか?いや、違う。

あ、ああぁー!痛い!頭が痛い!!

うがあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!・・・・・

・・・えへ、えへへへ。あは、あはははは、むっきゃぁー!!!

あああぁぁぁ、ちょーちょだぁ、ちょーちょがとんでるぅぅ。

まてえぇぇぇぇ。だっだっだっ(←ちょーちょを追いかけていく音)



 まっこうさんの『リツコさんに、花束を』公開で・・・

   ・
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   ・

 れ? あれ??
 まっこうさんじゃなくて、k-tarowさんだ!?

 タイトル・ストーリーから作者さんは、
 ”らぶりぃりっちゃん”まっこうさんだと勘違いしてました(^^;

 では改めて。

 k-tarowさんの『リツコさんに、花束を』、公開です。
 

 なぜ、どうして、LAS狂のk-tarowさんがリツコさん物を?!

 でも、よくよく見ると、
 アスカxシンジのラブラブはしっかり入っていますね(^^)
 

 この二人だけでなく、
 リツコとレイにも幸せを!
 と言うところですね(^^)/
 

 さあ、訪問者の皆さん。
 らぶりぃりっちゃんに目覚めたk-tarowさんに感想メールを送りましょう!



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