少年は、罪を負っていた。
重い重い鉛の枷を負っていた。
少年は大地に蹲る。
蹲って、罪に耐える。
誰も、助けて呉れ無いのだから。
誰も、許して呉れ無いのだから。
全ての人が少年に罪を与えた。
全ての人が少年に枷を嵌めた。
少年は、全ての人の罪を背負ったのだ。
全ての人は、少年で以て罪を贖ったのだ。
深い深い、心の沼。
遠い遠い、心の底。
悲痛、思慕、絶望、憎悪、悔恨、逃避……
枷が重石と成りて、沈む沈む。
少年は項垂れた侭、沈む沈む。
[sorrow/longing/despair/hatred/repentance/escape/etc.]
初めて底に着いた時、少年は初めて上を見た。
そして見えたのだ。灯が、
断罪を仕る、参人の使者が、
一人は免罪の札を持っていた。
全ての罪を許す為に。
然し、
免罪の札は少年の物では無かった。
3人の使者は消去した。
再び少年は沈み行く。
枷は更に重くなる。
体は更に沈み行く。
少年に纏わる罪の闇。
少年を包む赫い罪。
もがく事を諦めて。
息衝く事を諦めて。
少年は底の無い底へと沈み行く。
誰も少年を見ないのだから。
誰も少年に気付かないのだから。
少年の前に再び使者はやって来ない。
少年の上に再び日が出る事は無い。
少年の罪が再び許される事は無い。
誰も、知らないのだから。
己の背負う罪に気付かないのだから。
少年が、己の罪を知らないのだから。
飛羽駆夏さんの『NO TITLE』公開です。
か、漢字が難しいっ
と思っていたら、最後にちゃんと”読み”が付いていた・・・
細やかな気配りに感謝です(^^)
詩+解説。
解説の部分は駆夏さんの思い
・・・念とか怨とかいう物も感じました。
・・・・・あと、悲・哀も。
詩にコメントを付けるって難しいですね。
さあ、訪問者の皆さん。
貴方の感じたこと、貴方の心に浮かんだことを飛羽駆夏さんに伝えて見ませんか?