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NEON GENESIS EVANGELION

short poem


〜NO TITLE〜

「Don't you know?」

























少年は、罪を負っていた。
































重い重い鉛の枷を負っていた。








































少年は大地に蹲る。
























蹲って、罪に耐える。
















































誰も、助けて呉れ無いのだから。
























誰も、許して呉れ無いのだから。
















































全ての人が少年に罪を与えた。
















全ての人が少年に枷を嵌めた。








































少年は、全ての人の罪を背負ったのだ。
















全ての人は、少年で以て罪を贖ったのだ。
















































深い深い、心の沼。








































遠い遠い、心の底。
















































悲痛、思慕、絶望、憎悪、悔恨、逃避……
























































枷が重石と成りて、沈む沈む。








































少年は項垂れた侭、沈む沈む。
















































[sorrow/longing/despair/hatred/repentance/escape/etc.]
































































初めて底に着いた時、少年は初めて上を見た。








































そして見えたのだ。灯が、
























































断罪を仕る、参人の使者が、








































































一人は免罪の札を持っていた。

全ての罪を許す為に。
























一人は鍵を持っていた。

少年の枷を解き放つ為に。
























一人は斧を持っていた。

枷にまる彼の身を断ち切る為に。
























































然し、

























































免罪の札は少年の物では無かった。
















































鍵は枷に合わなかった。
















































斧を揮う事を―――少年は拒んだ。
















































































3人の使者は消去した。








































再び少年は沈み行く。








































枷は更に重くなる。
























体は更に沈み行く。








































少年に纏わる罪の闇。
































少年を包む赫い罪。
















































もがく事を諦めて。
























息衝く事を諦めて。








































少年は底の無い底へと沈み行く。
























































誰も少年を見ないのだから。








































誰も少年に気付かないのだから。
























































少年の前に再び使者はやって来ない。
























少年の上に再び日が出る事は無い。
























少年の罪が再び許される事は無い。
































































誰も、知らないのだから。
















































己の背負う罪に気付かないのだから。
















































































少年が、己の罪を知らないのだから。
















































































‐‐‐ENDLESS‐‐‐
















































『補足:蹲る[うずくま(る)]/嵌めた[は(めた)]/贖った[あがな(った)]/項垂れ た[うなだ(れた)]/侭[まま]/灯[あかり]/仕る[つかまつ(る)]/彼の[か( の)] /然し[しか(し)]/揮う[ふる(う)]/纏わる[まと(わる)]/諦め[あきら(め)]

終わらないけど続かないです
ver.-1.00 1997-06/30公開
ご意見・ご感想・質問などなど、 こちらまで!

作品解説
暗いっ!暗すぎるっ!!
自分で書いててものすごくダークな気分になってきたっ!

どうも、飛羽駆夏です。

今回は夏の劇場版エヴァを見て思い付いたポエムです。
タイトルは『No title』つまりは『無題』です。
これしか題が思い付かなかった(^^;)

いかがでしたでしょうか?
「わけわからんわっ!!」とか「改行の使い過ぎじゃっ!!」 とか思う人もいるでしょう。
ほとんど突発的に思い付いた物なのでどうか気にしないでください。
この詩は映画の中でもクライマックスから終わりにかけての所を見て思い付いた物 です。
完璧に偏見が入ってますが、 私があの映画を見て最初に感じたことがほとんどこれと同じです。
何だかエヴァの世界をはみ出したような解説になりますが、良かったらお読みくだ さい。


この詩の主人公ともいえる「少年」は、もちろんシンジ君なんですが、 もうひとつ、「少年」という言葉は、 ある所では男女含めてそう言うのであえて「彼」とかを使わずにこう当てはめまし た。
「少年」の元に降りてきた3人の使徒はレイとカヲルとアスカをモチーフにしてい ます
この詩の中の「少年」は、全ての人間の罪を背負っています。
もちろん、償った罪、自覚の無い罪、許された罪、悪い罪、仕方のない罪、優しい 罪、など、 罪にもいろいろあると思います。「罪」と言う言葉を使っていますけど、 これははっきり言って「積み」つまりは「人の過去」です。

人の罪を集める、それで人から離れた罪は忘れ去られる。 でも完全に消えるわけじゃないんです。
いくら償ったり、許された物でも、「過去」ですからやっぱり覚えているわけです 。 シンジ君もトウジやカヲル君のことをやっぱり覚えているわけですからね。
忘れていて、あるとき不意に思い出して自責や後悔の念に襲われる。 それを恐れて慌てて忘れようとする。そんなことをした事はありませんか?
そんな忘れ去られた「罪」がここでは「少年」に集まるわけです。

なぜ「少年」が一人で背負わなければならないのか、 なぜ、他人の罪を背負ってなくちゃいけないのか、
そんな事を言っているのではありません。
肝心なのは、なぜ、罪を押し付けている事に気付かないのか、 なぜ、罪を押し付けなくちゃいけないのかという事です。

あの映画で私の中にあった世間一般のヒーロー物に対する概念が一気に変えられて しまいました。
いきなりレイが現れても困るんです。たった一人に全てを委ね、 任せてしまうことはとても恐ろしいことなんです。
思えばもしかしたらああいうヒーロー物があったから、今の世の中に“無関心” という空気が広がってしまったのかもしれませんね。
誰かが何とかしてくれる、そんな事はないんです。 自分が転嫁していることに気付かなくてはいけないんです。
さっぱりわからなかった「Air/まごごろを君に」ですが、 それでも混乱した私の頭にこんな事を思い付かせてしまうなんて、 やっぱり凄いものなんですね。

長々と書いてしまいましたが、こんなような詩は読みようによって、 どんな風にも読み取れるものだと思います。
希望に読めたか、絶望に読めたかは読んでくれている人次第です。

それでは。
かなり支離滅裂で思い込みな文章ですいません。

 飛羽駆夏さんの『NO TITLE』公開です。
 

 か、漢字が難しいっ
 と思っていたら、最後にちゃんと”読み”が付いていた・・・

 細やかな気配りに感謝です(^^)
 

 詩+解説。
 解説の部分は駆夏さんの思い
 ・・・念とか怨とかいう物も感じました。
 ・・・・・あと、悲・哀も。
 

 詩にコメントを付けるって難しいですね。

 さあ、訪問者の皆さん。
 貴方の感じたこと、貴方の心に浮かんだことを飛羽駆夏さんに伝えて見ませんか?


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