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メゾンEVA 100000HIT記念&大家さんご苦労さま記念SS


 チルドレンINワールドカップ・外伝

 アスカ命の大家さんにささぐ


「酢豚」




 「どおしよう」

 レイは困っていた。彼女の前には豚肉と大量の野菜と調味料があった。

 「料理の仕方はこのメモ通りするとして、味見はどうしよう。豚肉なんか食
べたら…………」




 ふらふら

 考えただけで目眩いがした。

 「でも味見もしないで彼には食べさせられないわ」

 ああ、なんて私って不幸なの、愛する人の好物も作れないなんて。

 白い割烹着を涙で濡らしおよおよと泣き崩れる。きっとこうしてあの人に捨
てられるんだわ。そして私は流れ流れて場末の酒場で酌婦かなんかするように
なるんだわ。それでもあの人は私を探しにくるの。だけども私は既に幾人もの
男にもて遊ばれてあの人に合えない体になっているんだわそして…………ヒル
メロ好きのレイちゃんの妄想は続いた。彼女はテレビを信じやすかった。

 感情が豊かになったのはいいがちょっと変なレイちゃんであった。







 「いけないいつものモードに入ってしまったわ。とにかく今は味見の事を考
えないと」


 ん〜〜〜と頬に指をあて眉をひそめて考えていると


 ぽん


 「そうだわ」


 レイは少し考えたあと、アスカへ電話した。







 「アスカさんこんにちは」
 「あらレイこんにちは」
 「アスカ実はお願いがあるの」
 「なあに改まって」
 「実は…………」


 レイは事情を説明した。


 「要するに味見をして欲しいわけね」
 「そうよ。お願い」
 「わかったわ。今からそっちに行くからね」








 「うっやばい」


 電話を切ってから気がついた。


 あの子の料理ってミサトじこみなのよねぇ。大体よりにもよってミサトに料
理を教えてもらうなんてわかってないわよ。ヒカリに頼めばよかったのに。と
にかくファーストの料理はEVAをも倒すってうわさだわ。あんなもの食える
のはミサトとファーストの旦那ぐらいなもんだわ。何とかしないと…………。


 居間で目を寄せながら立ち尽くして悩んでいた。







 「へたに味見をすると命にかかわるわね。誰か人身御供がいるわ」


 少し考えて彼女は電話した。
























 メゾンBIVAの大家は自室の居間でのんびりとテレビを見ていた。あんと
き金借りて立て替えて良かったよなァ〜〜。ちょうどうまくネルフが所員用に
全部屋借り上げてくれたし、なんつーても807号室のアスカちゃんてかわい
いよなぁ。806号室に彼がいなければ口説きまくるんだけどなァ〜〜。





 リリリリリリリ

 古風な電話が鳴る。

「ハイ神田です。」
「大家さんこんにちは、807号室の惣流です。」
「あっ惣流さんですか」






 メゾンBIVAには三つの派閥がある。レイファンクラブ(ReFC)俗称
「レイ’sエンジェルス」リツコファンクラブ(RiFC)「リツコ女王様の
下僕」そして最大派閥であるアスカファンクラブ(AFC)俗称「アスカの瞳」
であった。彼はその影の会長であった。大家であるいじょう表立った贔屓はで
きないのであった。






「実はお願いがあるんですが」
「何でしょうか」

「新しいおかずを作ったんです。味見をお願いしたいんですけど。彼今遠征中
なんで」

 そう、誰が作ったとは言っていない。

「よろしいですよ」

 大家が断るはずが無かった。

「じゃ今からうかがいますから」




 ぷち

 電話は切れた。






 あうううう…………アスカちゃんが食べられる……もとい……アスカちゃん
の手料理が食べられる。

 ぐじゅるぐじゅる

 既に彼はトリップしていた。

















 ぴんぽん


「はい今行きます」

 彼はドアまで音速で駆け抜けた。

 がちゃ

 ドアを開けると、真っ赤なへそだしルックに短パンのアスカちゃんが立って
いた。26になってますます過激な色気を振りまくアスカちゃんであった。



 あうあうあうあう……アスカちゃんの胸……アスカちゃんの太股……アスカ
ちゃんのふくらはぎ………大家は頭の中で叫んでいた。







 「惣流さんこんにちわ」
 「大家さんこんにちわ」

 「あれ、おかずって?」

 アスカは何も持っていなかった。

 「一緒に来てもらえません?」

 にっこり

 アスカの笑顔に大家の頭は溶けていた。

 「い……いいですよ」







 エレベーターで8階まで雑談をしながら登っていったが、大家の頭は吹っ飛
んでいた。彼は遠征中だったっけ。てっ事はアスカちゃん一人…………居間に
つくと実は料理などなくってさあ私を食べてなんって言ったりして…………

あうあう……

 彼は邪念の塊になっていた。








 807号室まで来たが通り過ぎる。

 「あれ惣流さん807号室通り過ぎましたよ」
 「あ、いいんです。ついて来てくれません?」

 あれ…………

 801号室の前でアスカの足が止まる。

 ここは…………

 ぴんぽん

 「はァ〜〜い」

 ぱたぱた

 がちゃん









 「あアスカいらっしゃい」
 「レイお邪魔するわ」
 「あら大家さんこんにちは」
 「こ……こんにちは」
 「レイ今日は大家さんが味見をしてくれるそうよ」
 「大家さんおねがいします」











 はめられたァ〜〜〜〜

  レイの料理下手はマンションで有名だった。しかし彼は逆らえなかった。
「アスカの瞳」の最大の掟は「アスカの声は神の声」である。

 無理矢理にこにこしながら、テーブルに付く大家。その目の前に大きな皿が
出された。

 「酢豚を作ってみたんです。さあどおぞ」
 
 顔を肉アレルギーで青白くしながらレイが言った。



 確かに酢豚のようであった。パイナップルまで入っていた。甘酢っぱ辛しょ
っぱそうな臭いがした。
 



 ままよ

 思い切って箸をとり一口つまんだ。

 舌がしびれた。

 二口目。

 胃がしびれた。

 三口目。

 頭がしびれた。

 四口目。

 大家は意識を失った。

































 ふと気がつくと。仰向けに寝ていた。頭の下には何か柔らかいものがあった。
目の前に赤い大きな塊があった。これ、何だろう。大家は掴んだ。




ムニュ





 「キャーーーーーーエッチスケベ変態」

 ばち

 大家は至近距離からのアスカの平手打ちですっ飛んだ。

 そう、彼は膝枕をしてくれていたアスカの胸を鷲掴みにしたのだった。

 大家はその日二度目の気絶をした。

 お食事会?はお開きとなった。











 管理人室に帰る彼を追ってぱたぱたと誰かが近づいて来た。アスカである。

 「大家さんさっきはごめんなさい。びっくりしちゃってつい……」

 と顔を赤らめる。

 「気にしないでください。こっちこそ変な事しちゃって…………」







 「大家さん…………あの実は…………こんど結婚するんです」
 「えっ……彼とですか。それは……おめでとうございます」
 「ありがとうございます」
 「式はいつ頃ですか」
 「年末辺りを予定しています。できたら大家さんも出席していただきたいの
ですが」
 「それは喜んで出席させていただきます」
 「そうですか。じゃあまた後で連絡させていただきますので。今日は本当に
ありがとうございました」




 ぱたぱたぱたぱた




 807号室に戻っていくアスカを見つつ、あんな笑顔を浮かばせる事ができ
る彼がうらやましく思ったが、あんな笑顔を浮かべられるアスカちゃんがたま
らなく嬉しくて何だか幸福になっていく大家であった。





            おわり


 


ver.-1.00 1997-06/28公開
ご意見・感想・誤字情報などは akagi-labo@NERV.TOまでお送り下さい!



 あとがき

 お許し下せぇ〜〜だぁ、大家さんがアスカにんだって聞いたんで、アスカ
ちゃんからの膝枕、たっち、平手打ちのプレゼントをしようと思ったんで
すぅ〜〜〜〜悪気は無かったんですぅ〜〜〜〜


 まっこうさんの色々記念SS『酢豚』、公開です。
 

 だ〜〜か〜〜ら〜〜〜酢豚にパイナップルを入れるなっちゅうねん。
 アボガド巻もアカン。
 前にも言ったやろ?

 果物は生で食え!
 バナナ天ぷらは許す。

 主張に一貫性がないぃ?
 これは主張ちゃう。好みや。
 

 と、テレを誤魔化しても始まらないですね(^^;
 自分が登場していると恥ずかしくて、話を逸らそうとしてしまいます(^^;;;;
 

 26歳のアスカ・・・・
 スーパーでダイナマイトボンバーボディーしてるんでしょうね・・・
 

 と、とにかく。
 膝枕、嬉しい!
 たっち、嬉しいっっっ!
 ビンタ、嬉しいっっっっっ ・・・これを喜んだら変態か(爆)
 

 さあ、アスカ派の訪問者の皆さん。
 アスカの胸を触ったのは私ですが、
 触らせたのはまっこうさんです。
 カミソリメールを送る相手を間違えないように(笑)


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