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高い天井に何か宗教の模様らしき図形を描いたNERVの総司令室
その中央にぽつんと一つだけある机に座っている男がいた。怒っているかのような表情にモミアゲとつながった顎鬚、しかもサングラス。NERVの総司令官にしてNERVの母体であるゼーレの幹部も勤めている
「碇ゲンドウ」そのひとであった。
「はいりたまえ」
ドアがひらいてNERVの軍人、加地リョウジが現れる
「ドアをノックする前に気づくとは流石ですね」
少しおどけた感じで加持が口を開く
「監視モニタを注意して見ていればわけのないことだ」
表情ひとつ変えずにゲンドウは答える
「それよりもMSを3機も撃ち落とされたらしいが?」
15分程前にNERVのオペレーターにより情報はゲンドウに伝わっていた。加持はパラシュートで下降したあとここにやって来たので時間がかかったのである
「君ほどの男がとんだ不始末をやったな。老人たちを黙らせるのに一苦労だ」
ゲンドウがまったく感情を感じさせない声で毒づく
「あちらさんはガンダニウム合金製のMS、コロニーの反乱分子であると思われます」
「なるほどな」
ガンダニウム合金は宇宙でしか精製できない合金である。世間一般のMSに使われているチタニウム合金の数倍の強度と耐熱性を誇り、その強度は単独で成層圏突入が出来ることによっても証明できる。しかもステルスなみのレーダー回避能力を持つためMS用には最適な金属であるといわれている。ではなぜ普通のMSには使用されないのか。それは加工がしにくい。という欠点がある為である。
「15年ぶりですね」
「ああ、間違いない"ガンダム"だ」
新世紀ガンダムW第二話"それぞれの思惑、始動”
汎用人型決戦兵機"ガンダム"それが歴史の表舞台に立ったのは15年前のことだった
15年前、コロニー国家連合軍と地球圏統一連合軍は戦争を行っていた。
9/13、コロニー国家連合軍は地球への「コロニー落とし」を切り札に地球圏統一連合軍にたいして無条件降伏を迫っていた。
その時地球連合軍が使った最後の切り札が「ガンダム」であった。
どんな状況においてもたった一機で勝利を得ることが出来るMS「ガンダム」
「ガンダム」の投入に事を焦ったコロニー連合軍は地球にコロニー落としを行った。その結果地球には甚大な被害が及んだ。南、北極の融解による水位上昇、地軸のずれ
これが世に言う「セカンドインパクト」である。
「あの時の"ガンダム"の流れを汲むものであると思われます」
加持が報告を続ける
「だとしたら君に渡しておきたいものがある。ついてきてくれ」
ゲンドウが重い腰をあげ立ち上がった。加持もその後に続く
NERV本部の倉庫。一番奥の修理専用ドッグ
その中に横たわっている真っ白いMSらしきシルエットが見える(まるで静かに眠る怪我
人みたいに)
「なんだかわかるかね?」
MSの前で立ち止まったゲンドウがたずねる
「ガンダム殲滅計画の要ですか」
そのMSを見上げて加持がつぶやく
「そうだ。最初のMS、"トールギス"だよ」
不敵な笑みをうかべゲンドウが答える
「おそらく試作段階で開発が中止になったのでしょう。通常のリーオーの約3倍の装甲にエアリーズの倍以上の機動性を併せもっています。これならガンダム相手にでも十二分に闘えるでしょう。あとはパイロットの腕次第、というわけです」
近くにいたエンジニアの一人が妙なアクセントをつけて説明する
「君ならこのトールギスを乗りこなしてくれるかな"ライトニング・バロン"」
加持は正直その呼び名が好きになれなかった。少し顔をしかめて答える
「やれるだけやってみる。といったところでしょうか」
「ひょう、気持ちがいいねぇ、これがほんとの1Gってやつだな」
真っ黒なカラーリングが特徴のガンダムデスサイズの中で快哉をあげた少年の名は相田ケンスケ、
少し天然パーマが入ってる茶色の髪を真ん中で2つに分け、子供のように純粋に輝く目に
銀縁の眼鏡をかけている。
その陽気な外見とは反対に身につけている衣服は機体に併せたのか真っ黒な服だ。その詰め襟等からカトリックの神父がきている僧衣にも似ている
「さあて、最初はどこに行くのかな〜?」
コックピットに付属のキーボードをはじくとモニタに作戦を表示した。
「な〜る、まずはこいつにコンタクトをとれってか」
ウィンドウが開きアロハシャツを着た怪しげな青年を映し出す。ケンスケと同じくメガネをかけている。
「ちょっとその前に寄り道させてもらうぜ、NERVの基地にな」
冗談っぽくいったあとケンスケは左の操縦官を手にとり右手でスロットルバーを押しやる
グン、と加速がかかり身体にGがかかる
「相田ケンスケとデスサイズの初仕事だぁ!」
叫ぶと同時に背面のバーニアを噴射してNERVの基地に舞い下りる。続いて腰部に取り付けてあった槍状の物を抜き放つ。先端からビームが出て鎌状の武器になる。迎撃に現れたリーオーをビームサイズで薙ぎ払うとケンスケは叫びをあげた
「どけどけ、死神様のおとおりだぁッ!」
黒いモビルスーツは炎上するNERV基地をバックに鎌を構えて死神のように聳え立っていた
「さてと、まずはマグアナック隊と合流しなきゃならないわね。」
ガンダムサンドロックの中ではいかにもお嬢様といった感じのする女の子〜惣流・アスカ・ラングレー〜が地球の地図を見ながら呟いた。
「と、したら行き先はアラブか。お、近くにNERVの油田があるわね。お土産がわりにちょうどいいわ。壊しましょ」
かなり恐いことを平然と言ってのけたあとアスカは右手のスロットルバーを押しやる。
「クッ、やっぱり地球の重力はきついわね。まぁ、なれるしかないけど」
機体はアラブ目指して空高く飛び上った。
「ミノフスキークラフトぐらいつけてくれればいいのに。これじゃ揺れがはげしいわ」
やはりバーニアンのみでの長時間飛行はパイロットにとって苦痛であるようだ。さすがのアスカも疲労の色を隠せない。
ちなみにミノフスキークラフトとは古くはホワイトベースがつけていた飛行用装置のことだ。ミノフスキー粒子の反発力を利用して空中に浮かぶしくみになっている。これなら燃費もいいし揺れも少ない。但しこの技術はあまり一般では利用されずバーニアンで飛ぶことが難しい巨大な機体や特別高い機動性を必要とする機体にのみつけられている。
「あれが油田ね」
油田の存在を肉眼で確認すると上空からタンクをめがけてバルカンを打ち込んだ。つぎつぎと連鎖爆発をおこしていくタンク。
「案外もろいものね。やっぱり人の造りしもの、なのね」
どこかさびしそうにアスカは呟いた。
シンジは浜辺に立っていた。立ちすくんでいたといった方がしっくりくるかもしれない。ウィングは先の戦闘で落下地点がずれてしまい海の底だ。
「これからどうしようかな」
よせてはかえす、初めてみる海を眺めながらシンジは迷っていた。Wがなければ任務の遂行することはもちろん確認さえもできない。残念ながら素手でMSと闘うほどの腕をシンジは持ち合わせていなかった。
「ふんふんふんふんふんふんふんふんふん・ふん・ふん・ふーんふん」
どこからかベートベンの交響曲第九番の鼻歌が聞こえてくる。シンジは鼻歌の出所を捜した。
「歌はいいねぇ、リリンが生み出した文化の極みだよ。君もそう思わないかい碇シンジ君?」
突然後ろの丘から声がした。こえからしてシンジとあまり変わらない年齢らしい。
「どうして僕の名を?」
「僕も君と同じしくまれた子供−チルドレン−だからさ、五番目のね」
「すると君はシェンロンガンダムのパイロット!?」
「そう僕はカヲル、渚カヲル。カヲルでいいよ。」
カヲルと名乗る少年はそういって明るく微笑んだ。
「僕もシンジでいいよ。知ってるだろうけどガンダムウィングのパイロット−サードチルドレン−さ」
「ところでウィングはどこだい?」
「それがじつは海の底なんだ。大気圏突入のときにちょっとNERVとやりあっちゃってね。」
「やっぱりね。僕も見ていたんだ。あれがウィングなんだね。落下地点からして君だろうと思ったから声をかけたんだ。ウィングを取れなくて困ってるんだろう。僕に出来ることがあれば遠慮なくいってくれ」
「じゃあ、船とウィング用の燃料を用意してもらえるかな。お金はウィングの中にあるんだ。」
「お金なんていつでもいいさ。じゃあ明日の朝には用意出来ると思うから今日は僕のテントにくるといい」
「ありがとうカヲル君。じゃあお言葉に甘えるよ」
どうも4月から中3受験生だ!な感じの"ぺっと"です
新世紀ガンダムW第2話いかがだったでしょうか
随所にエヴァネタを織り交ぜて見たつもりなのですが
レイの出番が少ないですね。ファンの皆さんごめんなさい。次こそは出します
あとガンダムの専門用語が多いのも読みづらいかもしれませんので後日説明をお送りしたいとおもっています
では新世紀ガンダムW第三話をお楽しみに・・・
ぺっとさんの『新世紀ガンダムW』第二話、公開です。
揃ってきたチルドレン達(^^)
海に砂漠にあちこちに−−
ひとくせふたくせ有りそうなキャラが沢山です。
敵も味方も。
いろんな駆け引きが見られそうですね。
さあ、訪問者の皆さん。
受験に挑むぺっとさんに感想メールを送りましょう!
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