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使徒との戦いは終わった。

そして、あの、二人のお忍び旅行から7年。

 

これは、その後の二人を描いた物語・・・・・。

 

 

 

 

   シンジとアスカのお忍び温泉旅行 完結編

       THE END OF OSHINOBI ONSEN RYOKOU

 

 

 

 

第三新東京市。

彼らが守った街。

 

そして、彼らもそこに暮らしていた。

 

「ふぁぁ、シンジ、おはよ。」

「おはよう、アスカ。

 お風呂沸いてるから、先に入っておいでよ。」

「うん。」

 

 シンジとアスカの二人は、相も変わらずミサトのマンションに暮らしている。

 そして、二人は今、大学へ通っている。

 

 シンジが朝食を作り、その間にアスカが朝風呂に入る。

 これはあのときからずっと変わっていない、二人の日常。

 

「さてと、お弁当もできたし・・・・」

 朝食と弁当を作り終わったシンジが自分の部屋へと入っていく。

 

「・・・ 逃げちゃだめだ ・・・」

 大きく息を吸い込みながら、小さな箱を手に取る。

 どうやら何かを決意しているようだ。

 

「シンジ、上がったわよ。」

 キッチンのほうからアスカの呼び声が聞こえてくる。

 

「うん、今行くから。」

 シンジは箱をさっとポケットに入れキッチンへと向かった。

 

 

「何してたの?」

「えっ? 別に何もしてないけど。」

「そう? まぁ、別にいいんだけどね。」

 シンジは内心焦ったことだろう。

 

 ・・・ アスカって、こういうの結構鋭いからな ・・・

 これはシンジの心境。

 

 

「さ、食べようか。」

「うん。」

 

「「いただきます。」」

 

「わっ、これおいしいじゃない!」

「そう? こないだテレビでやってたんだ。それで、これはいけそうだって。」

「へぇ、さすがシンジ、やるじゃない。」

「へへ、ありがと。

 あ、これもお弁当に入れてあるから。」

 

 

 こんな風に二人の朝食の時間は、いつものように過ぎていく。

 だが、今日は・・・・・

 

 

「ねぇ、アスカ。」

 シンジが箸をおいて、アスカに話しかける。

「なぁに、シンジ?」

「昔さ、みんなに内緒で温泉にいったの、覚えてる?」

「温泉? うん、覚えてるわよ。

 あのとき買って貰ったブローチ、大切にしているもの。」

「あのときは楽しかったね。なんかお忍びっていうスリルもあったし。」

「ふふふ、そうね。ま、途中でミサトにばれたけど。」

「はは、それに帰ってからも大変だったよ。怒られっぱなしで。」

 

「・・・・ 覚えているわ。でも、こんな話したの?」

 

「えっ? それはその・・・・」

 

「もう、あいかわらず情けないんだから。はっきり言いなさいよ。はっきり!」

 

 

「・・・・ こ、これを貰って欲しいんだ ・・・・」

 シンジはさっきの箱を取り出すと、アスカのほうへスッと差し出した。

 

「? 何、朝っぱらからプレゼント?」

 

「そう言わずにちゃんと受け取って!」

 

シンジの真剣な表情に押されてか、アスカはそれを受け取る。

「開けていい?」

 

「も、もちろんだよ。」

 

「えっ、これって。」

 アスカが箱を開けてみると、そこには蒼い宝石、サファイアの指輪が入っていた。

 

「・・・ アスカ、僕と結婚してくれないか ・・・」

 シンジのプロポーズ。

 

「・・・・ うれしい ・・・・」

 アスカは瞳に涙を浮かべながら口を開く。

 

「アスカ、好きだよ。愛してる。」

 こちらは、相変わらず赤面しているシンジ。

 

 

「んっ」

 シンジがアスカの唇を奪う。

 

 長いキスのあと、また二人は離れる。

 

 

「シンジぃ、ありがとね。

 こんなわがままなアタシなのに、ひっく。」

 アスカはまだ涙を浮かべている。

 

「ううん、僕はアスカの全てが好きなんだよ。

 そんな、わがままだとか関係ないよ。」

 

「・・・ありがと。」

 

 

 

 こうして、いつもと違う二人の朝食の時間は過ぎていった。

 

 

 

そして、2年後。

 

「それじゃあ、行って来るわね。」

「うん、行ってらっしゃい。」

 

「ねぇ、キスは?」

「もう、分かってるよ。・・・」

 

「んっ」

 ・・・朝からホントおあついことだ。

 

「じゃ、今日はできるだけ早く帰ってくるから。」

「うん、待ってる。」

 アスカを見送るシンジ。

 

 今、アスカは大学の教授を務めている。

 まあ、幼少のうちに大学を卒業した彼女にとっては適当な職業ではあるが。

 

 そして、シンジはというと・・・・、

 彼は今、在宅勤務で建築設計の仕事をやっている。

 なぜ、在宅なのかというと、それは・・・

 

「ぱぁぱぁ、まぁまぁは?」

「んー、ママはお仕事だよ。」

「きゃは、おしごと、おしごと。」

 

 二人の間に生まれた子供。

 アスカも最初は大学をしばらく休んででも子育てするつもりだったが、

 「アスカは、自分のやりたいことをやればいいんだよ。」

 というシンジの言葉に甘えて、子育て・その他家事一般は彼に任せているのである。

 別に昔の彼らの生活とほとんど変わらないのだが。

 ただ、子供がいるということを除いては。

 

「さてと、僕も始めるか。」

 そういうとシンジは子供を抱き上げ、自分の部屋へ向かう。

 そして、遊び道具の散らばっているシンジの部屋に子供を下ろす。

 

「ぶーぶ、ぶーぶ。」

 車のおもちゃと戯れる二人の子供。

 

それを見て、微笑むシンジ。

 

 

そして、彼の愛すべき人、アスカ。

 

 

 

 

彼らは今、新しい日常の中で、

 

 

幸せな時間を積み重ねていく・・・・・

 

 

 

 

 

 


完結
Beta? Version

Homepage : http://www.incl.or.jp/~ago/write/
E-Mail : ago@asuka.nerv.to

 

 

 

 

 

<あとがき>

ども、AGOです。

「シンジとアスカのお忍び温泉旅行」完結です。

人生初めての投稿小説でしたが、いかがでしたでしょうか?

 

早く劇場版完結編を見たい今日この頃です。

みなさんはもう行かれましたか?

 

では、次回作「別離」(連載ものです)でお会いしましょう。

 

誤字・脱字のご指摘・ご意見・ご感想などはメール伝言板へ。


 AGOさんの『シンジとアスカのお忍び温泉旅行』完結編、公開です。
 

 あれから7年。
 温泉での”見た”事に対する責任をきちんと取ったシンジ。

 こうして考えてみると、
 あのバスタオルがハラリはアスカの計算だったのかも(^^;
 

 ・・・・あれから7年ですから・・・・・
 もっと他にも、
 責任を取らなくてはいけないような事もたっぷりしているんでしょうね(爆)
 

 そして更に2年。
 画に描いたような幸せ(^^)

 シンジくん。
 アスカちゃん。

 お幸せに(^^)(^^)
 

 さあ、訪問者の皆さん。
 アスカとシンジに暖かな家庭を与えてくれたAGOさんにありがとうのメールを!


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