「わ、アスカ! 何てコト言うんだよ!」
シンジの悲痛な叫び声が上がる。
「あら、アタシ、別にでたらめなこと言ってないわよ!」
アスカはすかさず、シンジを有無を言わせない状態へと追い込む。
「センセも、やるやるぅ〜。」
「いやーんなカンジぃ。」
「ア、アスカ! 不潔よ! あ〜もう信じられない。」
これは、問題となっている発言に対するクラスメートの反応である。
「あ〜、もう、ひどいよ。アスカったら。」
「何? あんなコトしておいて、今更言い訳かしら?」
「別に言い訳するつもりは無いけど・・・・、その・・・・・。」
「その、何よ。言ってごらんなさいよ!!」
赤面しているシンジにアスカはさらに追求を続ける。
「・・・みんなにはもう少し秘密にしていて欲しかったのに・・・・」
「え・・・、アンタバカァ! な、何言ってんのよ!」
[AGO]の部屋 室内カウンタ 2000Hit突破記念SS
旅の終わり、それは・・・
コトの始まりは、アスカのこの言葉から始まった。
「シンジったらねぇ、アタシの裸見たのよぉ。」
アスカはヒカリとシンジとの温泉旅行の土産話をしていた。
しかし、こんな中学生には刺激の強すぎる言葉を聞いた日にゃ、彼らが黙っているはずがない。
そして、当のアスカはというと・・・・・
先ほどのシンジの言葉に、彼女も赤面している。
「ひやー、あついのう。こんなに見せつけられたらかなわんわ。」
トウジ君、ごもっともである。
「シンジー、いつからそんなにアスカにぞっこんになったんだい?」
「アスカもよ。今まで、なにかと碇君のことバカにしてじゃない?」
さらに、ケンスケ、ヒカリと冷やかしが続く。
「・・・・バカ、アタシはみんなに喜んで貰いたかったのよ・・・・」
赤面してちぢこまっているアスカが、消え入りそうな声でシンジに漏らす。
「え? ・・・ごめん。アスカの気持ちも考えないで、あんなコト言って・・・」
「・・・・いいのよ。別に・・・・」
二人の世界を作り上げているシンジとアスカ。
冷やかしの面々も、あきれて言葉がない。
「まぁ、よかったんちゃうか。」
トウジが口を開く。
「そないなこと言えるちゅうことは、それだけお互いに好いとるちゅうことやろ。」
「そうね。人を好きになるって、そういうことかもしれないわね。」
「うんうん。同感だよ。」
彼らは、二人の良き理解者になってくれたようだ。
「ありがとう、みんな。」
シンジが3人に言葉を返す。
そしてアスカも、
「これで晴れてアタシたちは、公認のカップルってコトね。」
ヲイヲイ、公認かどうかは定かではないと思うのだけれど。
ところ変わって、ミサトのマンション。
「ねぇ、シンジ。」
寝ころんでテレビを見ていたアスカがシンジに話しかける。
「何、アスカ?」
「どうして、さっき、みんなには秘密にしていて欲しいって言ったの?」
「え? ええー、そんなコト聞かないでよ。恥ずかしいから。」
「ふーん、教えてくれないんだ。ひどーい、シンジったら・・・・」
暗い顔をしてうつむいてしまうアスカ。
「ご、ごめん。言うから、泣かないでよ。お願いだから。」
シンジが慌ててアスカをなだめる。
が・・・・
ペロッと舌を出して悪戯っぽく微笑むアスカ。
「へへぇー、じゃ話して貰いましょうか。」
「・・・アスカぁ、騙さないでよ、もう。」
ぷんぷんと怒るシンジ。
・・・ホントかなわないよな、アスカには・・・
そう観念したのか、シンジは話し始める。
「あの、そ、その、なんかいいじゃないか。お忍びの関係っていうのも。」
以前の彼からは考えられないような言葉が飛び出す。
ホント変わったね、シンジ君。
「・・・・・そうだったの、アタシのほうこそゴメンね。
シンジがそんなこと考えてたなんて、気づかなかったから。」
「もういいよ、済んじゃったことだし。
それに公認の仲ってのも結局同じ様なもんだと思うから。」
「・・・アンタも言うようになったわね。
ここで一緒に暮らし始めた頃とは大違いじゃない。」
「アスカがそう仕組んだんじゃないの?」
シンジが笑いながらアスカに話す。
「しっつれいねぇ、もう。それじゃアタシが悪いって言ってるようなもんじゃない。」
「あれ? そうじゃないの?」
「シンジぃ、怒るわよ!」
アスカがムッとして、シンジのほうへ近づく。そして・・・
「シンジ、キスして。それで許して あ・げ・る!」
「えぇー!!」
真っ赤な顔をしてシンジが、情けない声を上げる。
「観念なさい。アンタが悪いんだから。さ、は・や・く。」
「わかった。じゃ、いくよ。」
「うん。」
瞳を閉じたアスカの唇にそっと口づけるシンジ。
「んっ」
静まり返った夕日の射し込むリビングで、二人の影が重なる。
「これで許してくれる?」
「まぁ、シンジにしてはこんなものね。
いいわ、今日のところは許して あ・げ・る。」
頬を上気させて、甘ったるい声をあげるアスカ。
「うん・・・」
そして翌日、学校にて。
「ねぇねぇ、ヒカリ。聞いてよぉ。」
アスカが何かヒカリに話している。すると・・・
「ええー! き、昨日碇君とキスしたって、アスカ、不潔よー。」
いつものモードへ入っているヒカリであった。
シンジはため息を付きながら、
・・・・はぁ、アスカ、昨日僕の気持ち分かってくれたんじゃないの・・・・
これは一生彼女にはかなわないな、シンジ君。
「なんや、センセ。ついに惣流の唇まで奪ったんか。
ひゃー、アカン。わしゃ、耐えらへんで、もう。」
・・・シャッターチャンス、だな。
遠隔撮影システムが必要になるな・・・
何を考えてる、相田ケンスケ。犯罪だぞ、それは。
「ねぇ、シンジ。そうよね。」
相槌を求めてくるアスカに、シンジはあきれて声も出ない。
出てくるのはため息ばかり。
・・・はぁ、少し早まったかな・・・
今頃後悔しても遅いよ、シンジ君。
そして彼はふと思う。
・・・ これも幸せの一つなのかな ・・・
そう、これは二人が手に入れた幸せのカタチ
そしてそれは、二人の未来への記念すべき第一歩。
<あとがき>
ども、AGOでございます。
記念小説、お忍び後編の続きでしたが、いかがでしたか?
いやぁー、1週間も経たないうちに2000Hit突破、ホント嬉しい限りです。
そして、いつも感想をくださる方、心から感謝いたします。
返事は必ず書くので、些細なことでもメール、待ってます。
でもねぇ、はぁ。あれはないよぉ、あれは。
って、イカン。これはだめだ。これは言っちゃいかん。
AGOさんの『旅の終わり、それは・・・』、公開です。
熱々ラブラブですね(^^)
内緒にしたいシンジと、
公にしたがるアスカ。
ハッキリ「私のモノ!」とマーキングするアスカの行動に
照々シンジ・・・・
本当に可愛い二人です(^^)
さあ、訪問者の皆さん。
部屋内のカウンタが2000を突破したAGOさんにおめでとうメールを!