「真実のエヴァンゲリオン」 |
ショーの始まり
ドタバタの続き
それは、正気の終わり
|
またも半泣きのゲンちゃん。
「そ、そんなに一斉に怒らなくてもいいじゃないですかぁ…」
「…まあいい。とにかく碇、第弐拾伍次報告と第弐拾六次報告は無かった事とする。新たに算用数字でも使って第25次、26次報告を作りたまえ。」
「しかし、何をやればよろしいのでしょうか。」
「それを考えるのが君の仕事だ。」
「ロボットショー並の格好良いショーを期待しているぞ。」
会議は散会。
しかしゼーレはこの後、ネルフの今までのロボットショーがいかに危険であったかをレイの密告で知る。
普通の少女に戻ってしまったアスカ。仕事をしたくない彼女は仮病を使い、303病室に寝ていた。
シンジは補完されて何だか幸せな状態に(おめでとう)。エヴァに乗る気満々。
アスカも一緒に乗るように誘いに来る。
ドアを叩くシンジ。
「アスカ。アスカ? 返事をしてよ。僕はここにいても良いんだ。一緒に…また、ショーをやろうよ…僕をバカにしてよ…」
下僕モードで頬を赤らめるシンジ。彼は自分がドアの前で一人ぶつぶつ言っているという、間抜けさにふと気付く。
「アスカ、聞いてるの? 答えてよ。…アスカ? 開けるよ?」
ちょっと怖いが、姐御の病室のドアを開ける。
しゃこしゃこしゃこしゃこしゃこ。
「あぁ、はぁ、ヒカリぃ…はぁ。」
その時アスカは自慰の真っ最中であった。
シンジと目が合う姐御。「あ。」
きゅー。
シンジは鼻血を出し過ぎ倒れる。
アスカは自分の手にある玩具を見ながら呟いた。
「最低だ、あたしって…(鍵をかけるのも忘れるだなんて。)」
その頃セントラルドグマでハッキングをしているミサト。
加持がスイカの中に隠して残したメッセージから、ミサトはついにショーの真相を知る。
何と、敵キャラクターは本気でネルフの俳優等を殺そうとしていたのだ!!
…今まで知らなかったらしい。
突然の警報。
親会社ゼーレがとうとうネルフのショーの危険性に気付き、契約破棄のメールを送り付けたのだ。
赤木博士は自分がアングラ劇に全く出ていない事にややブルーになり、一人で部屋にこもっていたが、社長に懇願されて契約破棄を無効にする作戦行動を開始。
適当に済ませたい彼女は電話線引っこ抜きプロテクトによりメールを排除。見なかった事にする。
「下らない事やってるわ…私。」結構自覚はあるらしい。
怒ったゼーレは日本政府にネルフショーの危険性をチクり、神奈川県警が出動、ネルフを襲撃。
対人戦闘に弱いネルフは彼等の敵ではなかった。
「お前のお母さんは、自分の息子がこんないい加減な会社に入って泣いているぞ!」
「1日3食食べられない会社に働き続けていて良いのか!」
説得に応じて続々と投降するネルフ職員達。県警のネルフ本社への進撃はどんどん進行している。
更に直上にn2爆雷が投下される。納豆で満たされるジオフロント。
逮捕を覚悟するゲンドウ。「冬月先生。」
「何だね。」
「冬月先生。桜の樹の下で、私の気持ち告白します。」
「…今?」
「はい。(ぽっ)」
冬月の手を引いていそいそとドグマへ降りて行く社長。
スター達がマスコミのスキャンダルの格好の標的となることを恐れたミサトは、(何故か石化していた)アスカを弐号機へ乗せ、芦ノ湖畔へ射出させる。
「レイは?」
「ポエムフィーバー中です!」
「…まいっか、あの娘はほっといても。」
しかしシンジが見当たらない。カメラが捕捉したシンジは、一人でうずくまっていた。
「何て事! 補完(洗脳)に成功したんじゃなかったの?」
実はシンジは鼻血による貧血で動けなくなっていた。
しかし警察に続きマスコミのカメラが来る間一髪で、彼等を石化させシンジ救出に成功するミサト。ペンペンの眼力をミサトも身に付けていたのだ。
シンジを車に乗せ、ジオフロント内を走るミサト。途中結構な数のネルフ社員を当て逃げする。
「(やっぱ廊下で車を走らせるもんじゃないわね…えへ、ミサッちゃんちょっち反省!)」
アスカは弐号機の中で特にやる気もなくだらだらしていたが、ついに秘密の通路を発見しエントリープラグまで脱出してきたキョウコと感動の再開を果たす。
「ママ! ここにいたのねママ! でも体臭が物凄い!」
プラグの中で踊り狂う2人。それに呼応して水面に現われ踊り狂う弐号機。
弐号機が暴れた結果罪の無い県警の皆さんは壊滅。しかしその時空からウナゲリオンが振って来たのだった。
ウナゲリオンとは、赤木博士の技術を盗んだジ○リ社が作った新しいショーのキャラである。エヴァには無かった翼が特徴で、よりダイナミックなショーが期待できるという。
ウナゲリオンはたまたま建造場所からここに運びこまれてきただけだったのだが、そんな新入りを許すはずもなく惣流親子は問答無用で彼等を虐殺。
しかしウナゲリオンには決定的な武器があった。すなわち青葉のギターのレプリカ。これで目をビヨーンと貫かれる弐号機。やがて弐号機は集団レイプでズタボロに。これを因果応報と呼ぶ。
ミサトは何とかシンジを初号機近くまで連れて行く。
エレベーター前まで来て、彼の動かない原因が鼻血の出し過ぎによる貧血だとようやく気付くミサト。
「これが大人の輸血よ。」と言うと、自分の装着中の(ピー)を取り出し、吸引物を強引に絞り出して彼に飲ませる(おええ)。
「帰って来たら、続きをしましょう。」
こんなのの続きって何なんだ。薄れ行く意識の中、絶対帰るまいと誓うシンジ。シンジは意識不明のまま初号機の前に送られる。
一方自分の排出物の刺激臭が鼻を直撃してミサトはショック死。呆れながら見守るレイ。
リツコは自分の技術がウナゲリオンにパクられている事を知り、まず社長が漏らしたのではないかと疑いの目を向ける。改めて社長への復讐として、マギを使ってゲンドウのかつらを爆発させようと試みるリツコ。しかしナオコ作のプログラム(日本語BASIC)は漢字を使っていたため、カタカナしか表示できないパピコンでは使用不能である事が判明。
「漢字のプログラムを作るだなんて、母さんは8ドットより、表示の遅い16ドットの文字を選ぶの!」
分からない人には全然分からないネタで申し訳ない。
「赤木君、本当に…(壊れてる。)」
バキッゴブッ。
「(まあ、「愛してる」だなんて…)嘘付き。」
社長の蛇拳で第2の僕どざえもんと化す赤木博士。
意識朦朧としているシンジ、しかもエヴァ初号機は埋め尽くされた納豆に阻まれて搭乗不能。
一方すちゃらかハーフの性格に戻っていたアスカは、キョウコについて行き秘密の通路から弐号機の足に出て、やられる前にとっとと脱出していた。
取り合えず自慰を見られた復讐を、とシンジの陰で、さも弐号機で苦しんでいるかのような絶叫。
それを聞いて「頑張らなきゃ」と動き出す、一人健気なユイさん。
アスカは死にかけのシンジを陰から棒で突いて起こし、初号機に乗るよう仕向ける。
取り敢えず今のシンちゃんは体さえ動けば、やる気は充分なのだ。目が覚めたらしいシンジ、見ると目の前には納豆からはい上がった初号機がいた。
「スターの僕の為に起動してくれたんだ!」シンちゃん感動。
初号気で意気揚々と登場のシンジ、しかし地上に上がると、そこには羽ばたくウナゲリオン達とズタボロの弐号機があった…
「もう姐御のフィーバーは見れないのか!」シンジ絶叫。
ここらで作者の休憩タイムです。
このロボットショーを、ついに終局へと導いてくれた、
スタッフ、俳優、親会社、そして5人の女性に
ささげます。こころから感謝しています。
ありがとうございました。
碇ゲンドウ
P.S.5人の女性が誰か知りたいって? ふっ、即ちマヤ、レイ、ミサト、アスカ、リツコ、全て私の女装レパートリーだよ、今はそれで良い。
「契約の時が来た…さあ行こう、レイ。」
この場合の契約とはゲンドウが電波で自分の中の小人達と交わした物である。
青葉君は、冬月が昔、ユイへのプレゼントとして作った人造人間であった。
中に入って操縦が可能なタイプで、魔術版エヴァと考えると分かりやすい。現実にそれがショーに使われなかったのはやはり「趣味が悪すぎる」からであった。冬月のセンスは通常の人間とはズレているのだ。
更に青葉君には決定的な特徴があった。中に入った操縦者の姿に自動的に変身するのである。どういう理屈か分からないが、とにかく魔術だから何でもありなのである。
ゼーレから契約破棄をされかけ(彼の頭の中ではまだされかけなだけらしい)、ライバル社のキャラまで舞台にやって来てしまった。ここでショーの内容を一変、セクシーショーにしようと考えるゲンドウ。
レイはホムンクルスなので寿命が短い。最期が近いらしく、おいしそうな腕がポロっと落ちる。
彼女が生きているうちに青葉君に乗せ、巨大レイちゃんとしてセクシー旋風を巻き起こすのだ!とさっき小人達と相談した社長。
社長は「ちゅうわてぶくろぉー!(故リツコ作)」を使いA.T.フィールドを中和、レイの体内に手を入れる。彼女は何しろホムンクルスだから別に問題はない。そして彼女の体内には、彼女が人の言う事をよく聞くようになる「従順レイちゃんスイッチ」が付いているはずであった。
「さあ、最後に一儲けだ、レイ。」
「私はやりたくない。私は、もののけじゃないもの。」自己主張するホムンクルス。
「レイ!」
「駄目。碇君が呼んでる。(今が殺し時だよって。)」
レイも時間が無い。そろそろまとめて殺しにかからないとまずいらしい。
社長の腕をガシっとつかみ、青葉に向かって投げ付けるレイ。
「行ってらっしゃい。」
<お入りなさい>
礼儀正しい魔術エヴァ。
飛んで行くゲンドウは「裏切ったな。サービスサービスって言っといて裏切ったな!!」と毎週の視聴者の気持ちのような言葉を叫びながら巨大青葉のお腹に吸収される。
シンジはまだまだ叫んでいたが、そのロックなシャウトに応じて月から本物の青葉のゾーサンギターが帰って来る。何はともあれ魔術だから帰って来ても良いのである。
当然ギターをかき鳴らし自分の気持ちをぶつけるシンジ。ショーはいつしかライブに。シンジは(テレビの)観客を魅了する。
彼のソウルフルなロック魂は全国のお茶の間を揺さぶり、いつしか各家庭とシンジとのシンクロ率は上昇。
ウナゲリオン達も彼の歌声に酔いしれ、周りを踊りだす。いつしか空中に出来るセフィロトの樹ぃだか何だか。どうやって空中に描いているのかなどと考えてはいけない(魔術だから)。
ノリノリ君だったシンジの目の前に、巨大化した全裸マヤが現われた。
「シンジ君…今まで隠してたけど、実は私、あなたの事が好きなの!」とうとう告白をするマヤ。
「え、そ、そんな突然言われても…」
自分に酔いしれて正常な判断力の無くなっているシンジは相手が巨大化している事に気付いていない。
「ごめんなさい…シンジ君には、アスカやレイがいるものね…私みたいなおばさんなんて、良くないわよね…」
どこまで本心か、涙ぐむ巨大マヤ。
同時にホロリとする全国のお茶の間。
「そ、そんな事ないですよっ!」シンジは言いきる。
「いいのよ、気を使わなくって。」いじらしい笑顔を見せるマヤ(ただし全裸)。
「ぼ、僕も、本当はマヤさんの事ずっと好きでした!」
「本当か! シンジ!!」
突如変化する青葉君、マヤから巨大ゲンドウの姿に(もちろん全裸)。同一人物だから変化も何もない。今までマヤ(ゲンドウ)は男性器をももにはさんで隠していたらしい(再び作者、バカ全開)。
「よくぞ言ってくれた! 私もおまえの事が大好きだーっ!!」初号機を抱きしめる巨大ゲンドウ(非常にしつこいが全裸)。
反芻しまくるシンジ。魂の抜け殻状態に。
一方一人喜びに震えている初号機内のユイさん。
抜け殻から何とか帰還したシンジは初号機から脱出、ネルフに逃げ帰る。
もうロボットショーは出来ない。シンジは、それでもネルフを存続させるためありとあらゆるタイプのショーを試みる。
子供向けの童話。
あるところにしんじくんというおとこのこがいて、すなばでおやまをつくっていました。でもしんじくんはひとりでさびしかったので…
「あんたバカぁ? そんなショー誰も見る訳無いじゃない。」
「あれ? アスカ、生きてたの?」
「(うっ、そういえば私死んだ事になってた)わ、分からないの。私、2人目だから。」
「え゛! そ、そうなの?」何となく納得してしまうシンジ。
「テレビ中継が入るようになったんだから、ホームドラマでもやればいいのよ。」
「2人だけで?」
「失楽園に騙される日本人よ、男と女がいれば十分よ。」
さっそくホームドラマを始める2人。マンションの一室のシーン。
「アスカ、僕を助けてよ。」
「いや。」
「何でだよ! 知ってんだよ、いつも僕をおかずにしている事。」
「そ、そそそそんな事ドラマで言わなくても良いでしょ!」がちゃーん。コーヒーメーカーのグラスをシンジの頭にぶつけるアスカ。シンちゃん血がダラーッ。
「僕を殺さないで!」
「…いや。」
本気でシンジの首を絞めるアスカ。落ちて行くシンジ。
「こんなドラマ出来る訳無いだろ!」やった後で文句をたれる丈夫なシンジ。
「じゃああんたはどういうのをやりたいのよ。」
「もうちょっと、何て言うかサービスのある…」
「全く! 男ってどうしてそうバカでスケベなのかしら! 勝手にすれば?」
今度はサービスサービスな内容のドラマ。シンジが秘密裏に溜めていたらしいミサト・アスカ・レイのサービス映像コレクション。更には加持とミサトの隠し撮りベッドシーンが流れ…
げしっ。
「な、何てもん放送してんのよあんたは!」
「でも、これなら劇団の収入はばっちり…」
「これの何がどう劇なの! 説明してみなさいよ!」
「そんな事言うなら、今までの怪獣ショーだってどこがショーだったんだよ!」
「うっ」
「…じゃあやっぱりアングラ劇でもやる? テレビのお茶の間の風景とか映して「現実に帰りなさい」って総括してさ。」
「何で私達にそんな偉そうな事言う権利があるのよ!!」
とうとうキレた姐御。
「もういい加減にしろ!」
ばっこーん。アスカ、シンジを蹴り上げる。宙に飛んで行ったシンジ。青葉君(巨大ゲンドウ)に吸い込まれて行く。
実は、2人が一生懸命各種のショーをやっていた間にも大変な事態が進行していた。先の巨大ゲンドウの抱擁をテレビで見た世界中の人類が、シンジ同様反芻を繰り返し、皆、魂の抜け殻状態に陥っていたのだ。
その頃「隣人抹殺計画」を遂に実行に移すレイ。自分のアストラル体を全国いや全世界に大量発生させ、魂の抜け殻と化していた人類の肉体を壊す壊す。レイ達は肉体の近くに浮遊していた人々の魂を吸収して幼生の「風船レイ」達となる。(訳が分からないが、そうなったのだから仕方がない。)
全裸のゲンドウはまだまだ巨大化、宇宙圏に顔を出し、全世界の風船レイを吸収する地獄絵図。(でもかかっているBGMは何だかハッピーだ。)
冬月の魔術は暴走するとかくも恐ろしき物だったのだ。
青葉君こと巨大ゲンドウに吸収されたシンジは、その中で操縦している本物のゲンドウ(やっぱり全裸)と無数の風船レイを見る。
「シンちゃん、来てくれたのか!」喜ぶ1/1ゲンドウ。
「さあ、私と一つになろう。」
何だか良く分からないが、冬月の魔術が暴走して世界は破滅に向かっているらしい。だったらどさくさに紛れてシンちゃんを犯っちゃえ。ポジティブシンキングの上手い社長。
「い、嫌だよ、出来る訳無いよ!」
「何を嫌がっているのだ? 心の壁を取り払い、今、心も体も一つになるのだ。」
「一人で良いよ! 心の壁大賛成!」後退りして絶叫するシンジ。
「…お前がそこまで言うのなら、アクションスターの座も考え直さなくてはいかんな。」
ぎくっ。
またシンジの自己占有欲がうずきだした。
「…」
自己問答無間地獄状態にどうやら入ったらしいシンジ。しかし復活。
「…父さんと一緒になるくらいなら、俳優なんか止めるよ。僕は俳優を止めて、アスカ辺りと一緒になる。」
しっかりと言い切った。
「本当に、良いんだな。」
「…うん。(当たり前だっての…)」
「そうか。」
次の瞬間、巨大ゲンドウは急速に収縮し、吸収されていた幼生レイもそれぞれの魂の場所へと戻っていった。
青葉君はその姿を崩壊させる。
こうして世界の全ては崩壊した。一劇団の暴走によって…
気付くと、シンジは生還したらしく、渚に寝転がっていた。(やっぱりこの辺の展開が訳が分からないと思うかもしれないが、とにかく魔術だから何でも許されるのである。)
向こうには海に沈みつつある巨大ゲンドウの割れた髭面が見える。
自分の上に馬乗りになっているのはアスカのようだ。
アスカはまたシンジの首を絞めている。泣きながら、彼女は言った。
「気持ち悪い…おぇえええ」
突然シンジの顔にお約束の反芻を浴びせ倒し。
彼女の話によると、彼女は魔術が暴走した時の混乱でアスカ以外にミサト・レイの魂が宿ってしまったらしい。道理で気持ち悪いはずだ。
だから服はミサトの物だし、無意味に包帯好きにもなっている。先程首を絞めていたのはマーシャルアーティスト(と言うかマサクラー)、レイの人格が表に出ていたからだそうだ。
完全に荒野と化した世界。どうやら生き残ったのは2人だけだったようだ。
しかしアスカ(内のレイの人格)はシンジをすぐに殺してしまい、人類はここにその種の歴史を終えたのであった。ちゃんちゃん。
と思ったらこれは夢であった。
「ようやくお目覚めね、バカシンジ。」
「何だ、アスカか…」
また夢の世界に戻ろうとするシンジ。
「何だとは何よ! それが毎朝わざわざ起こしに来てやっている幼馴染に捧げる感謝の言葉ぁ?」
アスカ嬢、見事なまでに説明的な台詞である。
「うん、ありがと。だから、もうちょっとだけ、寝かせて…」
「何甘ったれた事言ってんのよ!」
がばっ
「アァー! エッチバカチカンヘンタイ、信じらんない!」
「しょうがないだろ! 朝なんだからー。」
ここではアスカとシンジは幼馴染。セカンドインパクトの起きなかった平和な世界で、彼等は平凡だが幸せな日々を送っていた。
これで秋からの「ときめきエヴァンゲリオン」に話は続くのだ。レイが転校生としてやって来る、更にはカヲルが、マナが。皆でシンジの取り合いだ。くうぅぅ、うらやましいぞぉ、この幸せ者ぉ。
って言うかそれも夢。
「起きて、碇君。非常召集。」
ベッドをゆするプラグスーツ姿のレイ。
「綾波…何だか、悪い夢を見ていたような気がする…」
「そう。」
何をするでもなく、シンジをじっと見つめるレイ。シンジにはまるで彼女の赤い瞳が何かを問い詰めているかのように映った。
「う、うん。何だかとても長くて、後味の悪い夢だった…」
「碇君。」
いつもの病室。白い光が窓から漏れる。綾波レイの病的なまでに白く細い手が、シンジの手に被さる。
「碇君。あなたは私が守るわ。」
「綾波…」
一瞬彼女の微笑みに懐かしい感覚を覚えるシンジ。しかしレイはすぐにいつもの無表情へ戻った。
「5分後までに着替えて作戦室へ来て。葛城三佐が待ってるわ。」
足早に立ち去る。
「じゃ、さよなら。」
「…また、敵襲か…」シーツを引っ張り、うずくまるシンジ。
と思ったらこれも夢。
「いつまで続くんだよ!」相当疲れて来ているシンちゃん。
「シンジ! やっぱり諦めきれん! 私と一つになるのだ!」走って来る巨大ゲンドウ(全裸)。
周りには風船レイが無数に漂っている。全員ギョロ目でこっちを見て迫って来る。
「う、うわぁああー!! 頼むからこの現実だけは止めてくれー!」
………………なぁんてね。
このページを読みながら呆れ返っている読者の皆さんの顔、顔、顔。
そして最終的に(何がですか?)シンジは夢から覚めた。
何だかとてつもなく長い夢を見ていたような気がする。しかし起きた途端に、詳しい事は忘れてしまうものだ。
枕元の目覚まし時計を見る。7時丁度。彼は自分で炊事等もしてしまうので、比較的早起きだった。
シンジはひとしきりのびをして、ベッドから起き上がる。いつもの静かな日々の始まり。木造の古い家の窓の向こうから、庭の小鳥の声が聞こえる。
彼は無言で制服に着替え、エプロンを付けて朝食と弁当を作り出した。料理の心得はあるらしく、おいしそうな臭いが台所にたちこめる。
シンジはこの間父親から来た手紙の内容を反芻していた(ゲロではない)。
ふん、何が今更「今度、すごぉいショーを第三東京でやる事になったから絶対来るぴょん」、だよ。僕を何才だと思ってるんだ、もう怪獣ショーで喜ぶような年じゃないだろ。…つくづくウチの親父って頭が弱いよな。
待てよ。
下請けとはいえ、一応温泉郷のショーのイベント企業だろ。曲がりなりにもオーナー社長な訳だし。ここ最近会ってなかったし、結構な臨時収入が見込めるかも…
「ウケケケ…決めた! 箱根に行ってみよう! 温泉にもつかれるしね。」
独り言を呟きながら彼は食事を終えた。
「先生、行って来ます。」
「ああ。気を付けてな。」
体が弱くまだ寝ている叔父にドア越しに声をかけ、シンジは意気揚々と家を出た。決めた。今度「第三東京」とやらに行ってみよう。まあ、あの親父の事だから、また自分の趣味で変なロボットでも作ってるんだろうな。
少年は通学路の並木道に消えた。
空は、どこまでも抜けるように青かった。
「何なのこの終わり方、気持ち悪い。」ぼそっと呟くアスカ。
注:ここから私の適当な妄想がかなり入るけど、あんまり真面目に受け取らないでね。
当初、エヴァ小説が多く書かれるようになったのは次の2つの理由が大きかったものと考えられます。
1・エヴァが後半暗くなって行ったのが不満で、第弐拾六話のラスト5分間のパラレル・ワールドや第八話のようなラブラブな世界を補完しようとした→ラブ補完
2・エヴァのテレビ版ラストがSF的な設定の解決を破棄して終了したのが不満で、きっちり世界を完結させようとした→シリアス補完
1で代表的なのが「Gene_is Q」、2で代表的な物に「エヴァン○リオン小説化計画」が挙げられるでしょう。
この時期を「勃興期」とします。
次にそれだけでは飽き足らず、有名なアニメとなったエヴァの、他の小説の可能性を追及する動きが現われます。
パラレル・ワールドではなく本編世界でラブにチャレンジしたり、コメディ(ギャグ)を追及したり、異世界を舞台にしたり、一般のアニパロ小説に見られる様式が一通り試された時期だと言えるでしょう。
またこの時期に出来た小説はかなり水準の高い物も多いようです。エヴァの(有名)ホームページにおける、小説系ページのウェイトが一気に大きくなって行った時期でもあります。
この時期を「全盛期」とします。代表作は多過ぎて挙げるのに困りますが、「隠しE_A」は最も有名な物の一つです。…未だに正式名称覚えてないけど。
そして現在。
現在は他のアニメーションでは考えられないほどの可能性が試され、中にはエヴァよりもエヴァ小説をパロディ化するようなリミックス小説まで生まれているようです。また全盛期には数えるほどだった18禁小説が一気に増え、一つのジャンルを形成するようにもなりました。現在ではむしろ初期のような本編系シリアス補完やまっさらなラブコメは書きにくくなっているようです。何かしらひねった設定が無いと中々印象には残りにくくなりました。量は最も増えていますが、質的にはそろそろ壁が見えて来たかも知れません。新たな才能に期待しましょう。
この時期を「乱熟期」とします。代表作は…「ショタマヤ」、「電○少女」辺りでしょうか。あるいは「穴」?
エヴァ小説宇宙は一言で言うと4つの世界に分けられます。即ちシリアス、リリカル、ラブコメ、コメディ(ギャグ)。
一方この裏側の世界にそれぞれに対応した18禁ブラックホールが存在します。つまり大まかに言ってエヴァ小説には5つ(あるいは8つ)のジャンルが存在する事になります。
もちろんこれ以外にも上手い下手、人気不人気、長編短編、アスカが出る出ない等の色々な要素が情報として絡んで来るわけですが、内容の色としてはそう言う事です。
この地図は有名エヴァ小説の座標研究結果です。なお、裏宇宙つまり18禁世界は文字をイタリックとし、表宇宙と重ねて表示しています。
4象限以外に特に境界線上に次のようなやや独特の特徴を持つ星域が見られます。
王道星域:「Gene_is Q」等の存在する星域、一般にラブコメとシリアスの間を行ったり来たりします。
別世界星域:「ドラ大」や「EAD」の存在する星域、エヴァから遠く離れた世界観の星域を指します。ちなみに「第3東京荘」は王道星域と別世界星域を繋ぐワームホール上に存在します。
ラブギャグ星域:フラン研式分類ではラブコメと区別されます。つまりよりギャグ性の強いラブ話。「ショタマヤ」や「家庭の事情」などが存在します。
難病星域:涙なくしては読めない、「時が、○り出す」や「遥かなる○の向こうに」が存在する星域です。
4象限の特徴
シリアス象限:最も本来のエヴァに近い世界。戦闘シーン多し。本編が完結してしまった今、書いていくのは決して楽では無いでしょう。
リリカル象限:最近のエヴァ小説はこのジャンルが多いようです。タクのための恋愛小説です。
ラブコメ象限:私が個人的に苦手なのであまり挙げませんでしたが、実際にはかなりの数の小説がここに属します。特に「勃興期」においては圧倒的な勢力でした。
コメディ(ギャグ)象限:ラブギャグ星域を別とすると意外に寂しい状況ですが、中には素晴らしい作品もあります。
ここで注意すべきなのは、実際には各象限を越えるワームホール上に存在する小説が結構多い、という事実でしょう。例えば上図で「錬金術師」はコメディ象限に置かれていますが、これは実際にはラブコメ象限、シリアス象限、別世界星域の3つに通じる虚数空間に存在する小説なのです。ですからあくまで上図はおおよその参考と捉えて下さい。
ここまで成長した宇宙を持つ「エヴァ小説は、一つの文化です。」(とogimura氏が言っていた。)
皆さんも誇りを持ってエヴァ小説を読みましょう。ウフ。
読み込むほどに見える禁断の領域。
夜中に読んでいるものだから頭がクラクラしてきました(笑)
「読んだらいけない!」の声がどこかから聞こえてくるが、
私は大家。
コメントを書かなければならない(^^;
終局を迎えた『真実のエヴァンゲリオン』
・・・私は正気を保っていられたようです。
・・・・・・・たぶん・・・
EVAの真実を理解したぜぃ(^^;
さあ、訪問者の皆さん。
突っ走るフラン研さんに感想のメールを送りましょう!