あるまちに、ごくふつうの、とてもしあわせなかぞくがいました。でもそのいえには、ちょっとだけひみつがあったのです・・・・
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「あすか、しんじ。もうよるだ、はやくねなさい。」
「うん。ぱぱ、おやすみなさい。」
「おやすみなさい、ぱぱ。」
「おやすみ。」
あすかちゃんとしんじくんはいかりさんちのきょうだいです。あすかちゃんはしっかりもののおねえさんで7さい、しんじくんはちょっぴりなきむしのおとうとで5さいになります。
げんどうぱぱにおやすみをいって、ふたりはなかよく、すーすーねむってしまいました。
おやおや、ねごとをいってますね。
「かくごなさい、ばあかしんじ。」
「いたいよう、おねえちゃん。」
けんかをしているゆめでもみているのでしょうか。
ふたりがしずかになって、よるもふかくなったころ。
いかりさんちのおもちゃたちが、めをさまします。
ぎー、ぎー、ぎー。
「やれやれ。きょうもふたりはやりあっていたようだね。ぼくのしんじくん、れんびんにあたいするよ。かわいそう、ってことさ。」
きょう、さいしょにおきだしたのはえばくんでしたね。
えばくんはしんじくんがおきにいりのろぼっと。かたちはろぼっとですが、なかみはとってもきどりやさんです。
くえっ、くえっ。
「ふたりとも、すなおになれないのよ。とくにあすかちゃんは、ちょっちね。すきなこにはつらくあたっちゃうからね。」
ぺんぺんさんはふたりがちいさかったときからここにいるぬいぐるみです。とてもやさしくて、じつはつよい、ぺんぎんのおねえさんです。
かきっかきっ。
「しんじがよわきすぎるんや。もっとおとこらしくせなあかん!」
むねをはるのはとうじくん。せいぎのひーろーのにんぎょうです。これも、しんじくんのおきにいり。
かさかさ。
「とうじくんは、つよいからいいわ。でも、みんながとうじくんほどつよいわけじゃないじゃない。」
ひかりちゃんは、あすかちゃんのおきにいりのきせかえにんぎょう。いつもとうじくんとけんかをしています。でもね。
みんなだけにこっそりおしえるけど、ほんとうはひかりちゃんは、とうじくんのことがすきなんだよ。
くえっくわっ。
「そうそう、ここにもすなおじゃないふたりがいたわよねー。」
あ、ぺんぺんさん、そんなこといったら!
「な、なにいうとるんですかぺんぺんさん!」
「そ、そうですへんなこといわないでください!」
あーあ、ふたりともまっかになっちゃいましたよ。
がしゃがしゃ。
「はずかしいとおもうきもち。ほんとうにせんさいだねえ、きみたちのこころは。」
えばくんはむずかしいことばをとってもたくさんしっているんだね。
かたっ、かたっ。
「でも、あすかちゃんが、しんじくんをいじめるのはよくないわ。」
れいちゃんがしずかにいいました。れいちゃんは、ぱぱがふらんすでかってきたおにんぎょう。あすかちゃんのおきにいりですが、じつはれいちゃんはしんじくんのことがだいすきなのです。
「そうだなあ…」
みんなは、まいばんこうやってあつまって、あすかちゃんとしんじくんのはなしをしたり、みんなであそんだりするのでした。
「こらっ! ぼくをわすれるな!」
あ、ごめん! もうひとりいたんだ。さいごにでてきたのはけんすけくん。このまえしんじくんがすなばでひろってきたへいたいさんのけしごむです。しんじくんはすなをきれいにあらってこれもかざっているんだよ。
「そうねえ、あすかちゃんが、しんじくんをいじめないようにするには、しんじくんが、あすかちゃんにかんしゃされるようなことをすればいいんじゃないかしら。」
ぺんぺんおねえさんがいいました。
「でも、どういったことですか? それに、わたしたちにできることは、すくないし…」
ひかりちゃんがいいました。
「そうですわ。…なんやったら、わいがぱわーどすーつにへんしんしてあすかちゃんのべっどにたつとか…」
「よけいおこられるぞ。」
けんすけくんが、とうじくんにいっています。
ぎー、がー。
「みんな、いいかんがえがあるんだ。」
えばくんがじしんたっぷりにいいました。
かたかた。
「あなたにはまかせられないわ。」
れいちゃんは、えばくんがきらいなのかな?
くえっくえっ。
「まあまあ。で、どういうことをしたらいいのかしら?」
「だれかがおばけのふりをして、あすかちゃんをおそうんだ。そうしたら、おとこのこのしんじくんはいっしょうけんめいあすかちゃんをまもって、あすかちゃんはしんじくんにかんしゃするだろう?」
「そんな、あぶないわ!」
ひかりちゃんがてをむねにあててしんぱいします。
「おもしろそうじゃない、それ! やりましょう。」
ぺんぺんさんがいいました。ぺんぺんさんはたのしいことがだいすきなのです。
あれれ。れいちゃんはまだしんぱいそうですよ。
「だいじょうぶかしら…」
ぺんぺんさんが、しろいぬのをかぶってあすかちゃんにちかづいていますよ。
「ぐえー、ぐーえー、ぐえっ、ぐーうーえー」
「ううん、なにい?」
あすかちゃんはめがさめてびっくりしました。みるとめのまえにぼおっとしろいかげがうかんでいて、なにやらうめいているではありませんか。
「きゃーっ、おばけーっ!」
「ぐーえー、ぐーぐーえー」
しんじくんもなにごとかとおきだしました。
「お、お、おばけだ! こわいようおねえちゃん」
しんじくんはなきだしてしまいました。
「あんしんしなさい、しんじ、あんたはあたしがまもってあげるわ。こら! あっちいけおばけ!」
なんとあすかちゃんがたちあがって、しんじくんをかばったのでした。
ちかくにあったじょうぎをなげつけます。
「ぐ、ぐあー!」
おばけはにげて、きえてしまいました。
「お、おねえちゃあん。」
ぐすっ、ぐすっ。
おやおや、しんじくんはまだないていますよ。なきむしさんだね。
「だいじょうぶよ、しんじ。おばけはわたしがたいじしたわ。もうだいじょうぶ。」
ふたりはだきあったまま、またすぐにねむってしまいました。
「あー、いたたたた。」
べっどのしたににげこんだぺんぺんさんはつかれたみたいです。
「だ、だいじょうぶですかぺんぺんさん。もう、こういうのはとうじくんがやればいいのに。」
ひかりちゃんはぺんぺんさんをしんぱいしていいました。
「な、なんでわいが」
「あぶないことはおとこのこのしごとでしょ。」
「じつはよわむしなんだよな、とうじくんは。」けんすけくんがいいます。
「な、なんやてもういちどゆうてみい。」
「それはあなたもおなじでしょ。」れいちゃんがけんすけくんにいうと、とうじくんとけんすけくんはしずかになりました。
「いいのよいいのよ、わたしがやりたくてやったことだし。」
「でもしんじくんはあすかちゃんをまもれなかったわ。」
れいちゃんはえばくんをにらみつけています。
「えばくん、あなたのかんがえ、うまくいかなかったわ。」
ぎーがー、ぎーがー。
「いや、うまくいったよ。」えがおのえばくんがいいました。
「そうね。」
ぺんぺんさんもまんぞくがおです。
「けっきょくふたりともおたがいだいすきなのよ。それでいいじゃない。」
みんな、えがおになりました。
おもちゃたちがこんなはなしをしているあいだも、あすかちゃんとしんじくんはゆめのなか…
みんなもそおっとねたふりをしてごらん。みんなのいえのおもちゃたちが、うごきだすかもしれないよ。
フラン研さんの連載(?)『すちゃらかぼっと』公開です!
凄いぞこれは!
いや、マジで。
だって、童話ですよ。
こんなの見たこと無い(^^;
これでエヴァのファン層はさらに広がるでしょう・・・・たぶん。
本当にやられた!
きーさんといいフラン研さんといい、
圧倒されてしまいます(^^)
さあ、訪問者の皆さん、
新たなる領域に突入したフラン研さんにお便りを送って下さい。
時代を置き去りにして独走するフラン研さん
頑張って着いていってあげないと、彼はどこかにイってしまいます(笑)