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 昔々、南極に「使徒」という生きものがいました。あるカメラマンは一匹のメスの使徒が海に溺れかかっているのを見て、助けて看病してあげました。その使徒は女王のように気品がありました。その使徒は「ありがとう」というかのように、いつまでも助けてくれたカメラマンを見ているのでした…
 

フラン研学校サボリ連続一週間突破記念小説
エヴァゲリの娘
The Daughter of Eva
 


 
綾波レイは暗い女の子だった。いつもおどおどして、何かに脅えているようだった。
 
 
 
今日もレイは学校への道を一人で行く。彼女に、誰か友人がいるという話は聞かれることがなかった。
 
レイにとっては、それは当然の事であった。
「私は、人間ではないもの。皆は気付かなくても私と母さんには分かる。私は、使徒だもの。」
彼女はうつむきがちに、無表情で並木道を歩いていた。
 
「おはよう、綾波。今日は良い天気だね。」
 
不意に声をかけられてレイははっとした。「あ…うん…いい、天気ね。」
 
「そんでなせんせえ、このゲームがめっちゃ迫力があんねん」
「そうなんだ碇。3次元グラフィックの流麗さは感動に値するぞ!いやー男たるものこのゲームをやらずして…」
 
「碇…君…」
碇シンジ。彼女が淡い恋心を抱いている少年であった。しかしシンジと彼等の友人はレイの返事を聞くことなく前へ行ってしまっていた。
 
 
 
教室でも、レイはいつも通り独りぼっちである。客観的に見れば彼女はかわいいのだが、その常におどおどした内罰的な雰囲気が人を遠ざけるのであろう。
今日の2時間目の授業は理科だった。世界の生物がスライドで紹介されていく。
 
「次に紹介するのは、使徒です。」 理科の赤木先生が理知的だが穏やかな調子で言う。
 
スライドにはイグアナによく似た動物の写真が映し出された。
 
「使徒は南極に生息する爬虫類で、その生態はいまだ多くが謎に包まれています。現在絶滅の危機にあり、懸命の保護活動が行なわれています。」
 
そのゴツい顔に生徒達は様々な感想を漏らす。「うわーっこえー。」「気持ちわりー。」「凄い顔ねー。」「こりゃ化け物だなー。」
 
 
レイの様子がおかしい。深くうつむいて、足が小刻みに震えている。
 
「どうしたの、綾波さん?」 先生が心配そうに声をかける。
 
無言でゆっくり横に倒れるレイ。彼女は気絶した。
 
「綾波!」 やおら立ち上がって倒れたレイにかけよるシンジ。
 
「碇君、綾波さんをお願い。」
 
「分かりました。」
 
 
「ち、ちょっと!」
 
シンジはレイを抱えて走って行ってしまった。立ち上がったのは惣流アスカという少女。美人だが、結構気が強いらしい。そして彼女も、シンジに恋心を抱く一人であった。
 
「はん! あんな根暗女なんかほっとけばいいのに。どうせわざと倒れてシンジの気を引こうとしてるに決まってるわ。」
腕を組んでどかっと自分の席に座り直す。
 
「惣流さん、だったかしら」
違う席からすっと女子が立ち上がった。アスカの席へ近づく。この少女は洞木ヒカリ。最近来たばかりの転校生である。彼女は面倒見が良く、正義感が強い。決して普段のレイの態度を積極的に肯定はしていなかったが、それ以上にアスカの態度には我慢できなかった。
 
ヒカリは言った。
「そんなに怖いの? 彼女の事。」
 
 
 
その夜、レイは母親、綾波ユイに怒られていた。
「まったく、また仮病を使って学校を休もうとしたんじゃないの?」
「そ、そんな。私は、ただ、ちょっと、疲れが…」
「甘えてるわね。…あなたが人間の学校に行くだなんて、そもそも虫の良い話なのよ。」
「ねえ、お母さーん。」妹がねこなで声で近づいて来た。
 
「何、マナちゃん。」さっきとはうって変わって優しい声の母。
「私、もう中学生だし、自分の部屋が欲しいなあ。…お姉ちゃんと一緒だと、部屋の雰囲気まで暗くなっちゃうし。」
「そうねえ。もう別々の部屋にしたほうが良いかしらねえ。」
「そんなことを言うものではないぞ、マナ。」父親の綾波ゲンドウが言った。
ゲンドウは報道カメラマンである。一見外見は冷酷そうに見えるが、ユイ、レイ、マナ皆を深く愛する夫であり父親であった。
「はーい。」マナは渋々、といった調子で答えた。
 
 
 
その夜、レイは自分達の部屋で机に向かって座り、今日一日の事を思い返していた。
 「綾波!」
立ち上がる碇君。
 「おはよう、綾波。今日は良い天気だね。」
私に声をかけてくれる碇君。碇君…
 
レイは夢見るようにつぶやいている。ところが思い出に悪夢が割り込んでくる。
 
 「次に紹介するのは、使徒です。」
いや。
 「うわーっこえー。」「気持ちわりー。」「凄い顔ねー。」「こりゃ化け物だなー。」
いや!
 「あなたが人間の学校に行くだなんて、そもそも虫の良い話なのよ。」
いやっ!
 
 
ふと目の前のガラスを見ると、そこにはこちらを見ている使徒がいた。
 
いやーーーーーーーーーっ!
 
 
つづく?
 

ver.-1.00 1997-06/公開
 
感想・質問・誤字情報・御飲食・御宴会・ネタ提供(切実)などは こちらまで!

「がっはっは、フラン研新境地開拓だねーっ」
「また分かる人の少ない元ネタね…」
「皆さん分かるでしょうけどこれはテレ朝の「イグアナの娘」のパローデーです。ふと思い付いて1・2時間で書き上げました。」
「話が極端に省略されていて、短いわ。」
「片手間オア息抜きに書いたんだもーん。またふと思い立ったら書くかもねん。」
「話にならないわね。オチも無いし。」
「次回はアマゾン編だ!さあ来週も、レッツ・ゲキガイン!(私、別に酔ってないですよ。)」


 フラン研さんの新連載(?)『エヴァゲリの娘』公開です!

 こ、これは・・・・(^^;
 私『イグアナの娘』見てないんです(^^;

 ユイもマナもババ色性格でヤですね(^^;

 この二人の台詞だけで『イグアナの娘』が大映モノだと判ります(笑)
 その他のシーンも”大映臭さ”がプンプンしてきてパロディ上手いっす(^^)/
 

 冗談でしょうけど、後書きにあるこの言葉
 『片手間』や『息抜き』、『書くかも』
 これはちょっと(~~;;;;;

 最後まで読んだ読者の皆さんと、
 この作品にコメントを付けてUPしている私に失礼ですよぉ (;;)

 それとも、こう言う風に受け止めている私が狭量なんでしょうか・・・・
 

 とにかく。
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