きどう ようせい 機動 妖精
恋風編・PART1
S-1 いつもの朝
トントントントン
朝方、ようやく、明るくなってきた時間。
碇家の台所。
そこには、空色の髪を持つ少女。
そして、ふつふつと沸き立つ直前のお鍋。
「ここよ!」
彼女は、かつお節をひとつかみ、お鍋に放り込む。
(MAGI:賛成=賛成=条件付き賛成:放り込むという表現が最適と判断)
そして、ゆっくりと、30まで数える。
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30
(作者:決して、行稼ぎではない…MAGI:説得力なしと判断)
「よいしょっと」
そして、別のお鍋に網を乗せ、かつお節と、出汁を分け、出汁の入った鍋を火にかける。
すぐに、さっき切っておいた、ネギを入れる。
ほどなく、鍋の出汁が沸騰直前になるので、味噌を、入れる。
入れる味噌は、碇家の伝統で、赤味噌7:白味噌3の割合のあわせ味噌だ。
おたまの上に味噌を乗せ、出汁で味噌を溶く。
そして、味噌が溶けたのを見計らい、豆腐を手の上で切り、お鍋に入れる。
沸騰する直前で火を止めれば、できあがりだ。
丁度、同じ頃、炊飯器の蒸らしタイマーも鳴る。
すると、台所の戸が開き、まだ、寝間着姿の父、ゲンドウが現れる。
「おはよう、お父さん」
「おはよう、レイ」
いつものあいさつ。
そのまま、ゲンドウは、食卓に座る。
そして、朝刊のチラシを、シンジの席に置き、朝刊を眺める。
それが、彼の日課である。
「お兄ちゃん、起こしてこなくっちゃ」
と、レイは、二階に上がっていく。
トントントントン
ミサトの・お・へ・や S-2 インディペンデンスデイ 艦長私室
トゥルルルルルッx10
たっぷり、10回呼び出し音が鳴ったところで、インディペンデンスデイ艦長、ミサトは、長い髪の毛を振り乱し、あられもない姿で艦内電話に出る。
「あ゛〜い、ミサトよ」
黙っていれば、絶世の美女なのに、低血圧なばかりに、朝方電話すると大抵こうである。
画像通信に、リツコの姿が現れる。
「なにが、あ゛〜いよ、ミサト」
ミサトの口調を真似たリツコの眉間にはしわが寄っている。
「あ゛、おはよう、リツコ」
こちらは、まだ、頭が起きていないらしく、いつものあいさつをしていた。
「なにが、おはようよ!ミサト。今日は、何の日か知ってるの?」
「えーと…なんだっけ?」
ズルッ
画面の中でコケるリツコ。
ご丁寧に、頭からコケている。
「あんたねぇ…今日は、リョーちゃんの諜報作戦第二段階開始日でしょ?」
「あ、そうだった…わかった、5分でブリッジにあがるわ」
「早く来なさいね!!」
そして、艦内電話が切れる。
「5分…30分くらいね…」
ミサトの起きてくる時間を冷静にシミュレートするリツコであった。
アパート S-3 現地諜報員カジの 1LK
ズズズッ
「うん、これ、イケるな」
カップラーメン 即席麺 に舌鼓を打つカジであった。
S-4 アスカのコンフォートマンション
「ああ、いい湯だった」
髪にタオルを捲き、バスタオルで体を隠しながら、夕焼け色の髪を持つ少女は、わき目も振らず冷蔵庫を開け、ビン入りのコーヒー牛乳を取り出す。
そして、慣れた手つきで紙の蓋を取り手を腰に当て、
グビッグビッグビッ
と飲み干す。
「プッハーッ、人間この時のために生きてるわねぇ!!」
と、おっさん臭いセリフを吐くのが、一中の女王の名も高いアスカだとは、遠山の金さんでもわかるめい。
べらんめい、ちくしょうめい。
「アスカ、おっさんくさいから、そうゆうのやめなさいって言ってるでしょ!」
「だって、ママ…」
「だってじゃ、ありません!まったく、誰に似たのやら…」
「パパ!」
「まったく……パパ、どうしているのかしら」
め 『パパ』と言う時、遠い 瞳 になるアスカのママ…惣流キョウコ。
「そんなに心配なら、離婚なんかしなければいいのに!!」
「しょうがないでしょ。ママは、仕事したいし、パパは、仕事をやめろって言うし…」
「パパもママも頑固だもんねぇ」
惣流強固なんちゃって…(^^;;
「でも、便りのないのは、元気な証よ。あれでも、元SASだもんね」
「元軍人が、今や世界的な考古学者だもんね」
アスカのパパは、ジェド=キートン=豪士と言う。
元SAS隊員で退役後に大学で専攻していた考古学の研究を再開。
インダス文明での『ロゼッタ・ストーン』と呼べる粘土版を発見し論文『インダス文明とメソポタミア文明における文化的類似点に関する考察』を発表、世界的な考古学者として名を馳せる様になる。
「アスカ、あんたに言っとくけど、結婚する時は、軍人と考古学者だけは、避けなさいよ」
ひと 「でも、あたし、パパみたいな 男性 がタイプなの!」
と言って、ササッと自分の部屋に逃げ込んでしまった。
「まったく…だれに似たのやら」
と、呟きつつ、
(間違いなくわたしね)
と苦笑するのだった。
S-5 朝の賑わい
HR前、賑やかな朝の教室。
いつものメンバーは、男の子組と女の子組に別れそれぞれ、朝のお喋りを楽しんでいた。
「ねぇ聞いた?、今日、新しい用務員が、来るんだって」
眼鏡を輝かせ、ちょっと興奮したように、マユミは、話し始めた。
「用務員がどうしたのよ、どうせ、禿げ上がってるか、白髪のじじいでしょ」
どうでもいいとばかりに、話しを切って捨てようとするアスカ。
「わたしの情報が、そんなわけないでしょ。男よ、若い男!」
(作者:をい、マユミ、人格変わってないか?)
「いい男なんだから!ホントに。これ見て」
と、マユミは、端末のレジュームボタンを入れ、画面を表示させる。
そして、短い、ファイル名を打ち込み、男の写真とプロファイルを表示させた。
「…ふーん…こりゃ、確かにいい男ねぇ」
アスカは、写真に見入って、そう呟いた。
「でも、MAPSのシゲ兄ぃの方がいいな…」
そう、呟くのはレイだ。
ちなみに、MAPSとは、最近、第三新東京市のライブハウス『Calm Breaker』で人気のバンドである。
「ね、いいでしょ?近年まれに見る上玉よ!」
「上玉ってあんたねぇ…」
マユミの言動にあきれるアスカだった。
そのころ。
「うぅ、マユミちゃん…」
「まぁ、まぁ、ケンスケ、彼女が惚れっぽいのは、今に始まったことじゃないし…。その都度ケンスケの所へ帰ってきたじゃないか」
「でも、今度もそうだとは、限らないだろ、それに…」
「それに?」
「惣流だってわかんないぞ…いいのか?シンジ」
「いいのか…って別にアスカとは、そういう関係じゃないよ」
そう、笑いながら否定するシンジ。
「シンジ、無理するなよ」
「無理なんかしてないよ」
「そうか…?お互い、気を付けようぜ」
「だから、違うんだってば!」
そう、強く否定するシンジには、これから起こる事件など、わかりようもなかった。
ver.-1.00 1997-09/28公開
ご意見・感想・誤字情報などは masaya@mars.interq.or.jpまでお送り下さい!
峯マサヤさんの『機動妖精』恋風編・PART1、公開です。
恋風編・・・全く予想が付かなかった・・・ (;;)
加持が出て来るんですね、
アスカちゃんの近くに。
パターンでは
「アスカは結局シンジの元へ」
なんですが・・
峯さんはアヤナミストだそうですので、
気を付けないといけないぞ(笑)
さあ、訪問者の皆さん。
峯さんにメールを送りましょう!
LASの方は力を入れてメッセージを送りましょう!!!