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煩悩の世界エヴァンゲリオン
第弐話 その名はアスカ!


Aパート

 

○4月23日午前8時5分2年A組教室

 

謎のメールが届いた、次の日。
シンジたち3バカトリオは、今日の転校生について、熱く語り合っていた。

 

「なあシンジ、今日来る転校生どんな娘やろな?」

「きっと、海外からやってきた傭兵の娘で、趣味は森で狩りをすることでテニスが得意で」

「きっとそれはないと思うよケンスケ」

ケンスケの趣味丸出しな発言に弱めの否定をするシンジ。

「じゃ、どんな娘だと思うんだ?シンジ」

「えぇと・・・」

「絶対関西弁をしゃべる中国娘や!で、しゃべることは
ワタシ中国ハ広島ノ生マレヨ
なんや」

トウジはなんだかマニアックなことを言ってるし。

「それ、誰の真似だよトウジ。それに関西弁しゃべってないよ」

(トウジ君、君は何者だ?この時代、こんなの判る人は、既に年寄りの領域だよトウジ君。てことは、作者も年寄り?)

「じゃ、そういうシンジはどうなんや」

「そうだぞ、シンジ」

「えぇと、ぼくは髪の長い娘だと思うよ。で………、髪が赤いんだ。 意地っ張りで………、でも泣き虫で………、怖いんだけどやさしい娘だと思うよ」

 

○同日同時刻東海道リニア新幹線タキオン128号車中

 

クシュッ

「風邪かしら・・・いよいよ学校ね、シンジまってて」

赤毛の少女は、期待に頬を上気させていた。

 

○同日午前8時7分教室

 

「それって、誰なのシンちゃん?」

後ろで洞木さんたちとおしゃべりしていたレイが突然、話に割り込んでくる。

「さぁ?」

「さぁ、って適当に言ったの?」

「うん」

「適当に行った割に真実味があったよ?」

「そや」

「そうだな」

「そうかな?想像しただけなんだけど」

「ほんとに?」

レイは、真剣に気になるようだ。

「ほんと、ほんと」

シンジは、真剣に答える。

「じゃ、それって碇君の理想のタイプなんじゃない?」

洞木さんが、ツッコミをいれてきた。

「えぇーーー!」

レイはそのツッコミに大きな声で驚く。

「そうなのか、シンジ?」

ケンスケまでメガネを光らせツッコンでくる。

「そ、そんなんじゃないよ」

ぼくはちょっとうろたえつつ否定する。

「そうかー、シンジは赤毛のロングヘアが好みか」

ケンスケは、意地悪く大きな声でしゃべる。
その声に教室中が、ざわざわし出した。

「だーかーらー、そんなんじゃないってばあ」

ぼくの叫びは、空しく消えていった。

 

○同日同時刻職員室

 

「ざわざわうるさいわね、また2年A組ね」

金髪の美女、リツコはこめかみに手をあてつぶやく。

「担任は、今日も遅刻だし・・・まったくしわが増えたらミサトのせいよ。」

冷たい視線で対面の机をにらむリツコ。

 

○同日同時刻国道新1号線ストラトスレプリカ車中

 

ヘクシッ

「あらら、風邪ひいちゃったかしら、なんか寒気までするわね」

遅刻寸前(正確には遅刻してる)の通勤中のミサトだった。

 

○同日午前8時20分職員室

 

辛くも遅刻を免れ(だから、遅刻だって)た、ミサトは、落ち着いてホームルームの準備をする。

「まったく、毎日毎日、あきもせずに・・・」

リツコの小言が始まった。

「まあまあ、あんまり怒るとしわが増えるわよ」

「なんですって、誰のせいだと思ってるのよ!」

リツコの顔は、赤いのを通り越して青ざめている。

「こりゃやばいわ」

ミサトは心の中でつぶやいた

「ごめん、リツコ許して」

「藤島屋のケーキよ!」

「わかったわ、藤島屋のケーキね」

「あと、女神堂のノーブルスカーレットよ」

「のーぶる、何?」

(ひらがなになってますよミサトさん。)

「ノーブルスカーレット、紅茶よ」

「わかったわ、女神堂のノーブルスカーレットね」

「あとで、地図を渡すわ」

機嫌が直った様子を見て、ミサトは聞いた。

「機嫌が直ったところで、今日の職員会議何かあった?」

「特にないわ。転入生は午前中に第三新東京駅に到着するわ」

「で、迎えは?」

「あなたがいくのよ」

当然の様に答えるリツコ

「やっぱし・・・」

「それも担任の勤めよ」

「はーい」

後が怖いので素直に返事をするミサトだった。 

 

○同日午前10時20分第三新東京駅リニア新幹線ホーム

 

プッシュ〜〜〜

気密のため、内部と外部の気圧差が10パーセントほどあるため、リニア新幹線のドアは開くときにこういう音がする。

「惣流アスカさん、第三新東京市にようこそ」

ミサトは、転入する生徒を迎えるため、第三新東京駅リニア新幹線ホームにきていた。

「ありがとうございます。ええーと」

赤毛の少女、アスカは相手の名を知らないため、ちょっとためらう。

「あなたの担任になった葛城ミサトよ」

「はい、葛城先生」

「ミサト先生でいいわ、みんなそう呼ぶから」

「はい、ミサト先生」

「じゃ、立ち話もなんだし学校に行くわよ」

「はいっ」

 

○同日午前10時25分国道新1号線ストラトスレプリカ車中

 

ミサトは、普段通勤中には絶対見せない、丁寧な運転をしていた。

(転入初日から、生徒を車酔いさせる気はないらしい)

「アスカさん、ドイツからの長旅ご苦労様」

「いえ、飛行機の中では、眠ってましたし、リニアは快適でした」

「そう?」

そう、言いつつもアスカの顔は、辛そうである。

「でも、なんか辛そうよ」

「いえ、ちょっと時差ぼけなんです」

「そう、じゃ悪いんだけどちょっと寄り道していいかな」

「いいですけど」

アスカが返事をするより早く、交差点を曲がっていた。

「ちょっち、急ぐからね」

「ウッキャァァァーーーッ」

ミサトの同乗者殺しのドライブがはじまった。

 

○同日午前10時55分第一中学校駐車場

 

ミサトの寄り道は、ケーキと紅茶を買いに行くことだった。ついでに遠回りもした。

アスカは、青い顔を通り越して白だった。

(そりゃそうだろう、瞬間最高速度200キロオーバーの上、コーナー曲がり角交差点ついでに箱根ターンパイクを ドリフトで駆け抜けていくんだから)

「もう、アンタの車には乗らないわ」

アスカは、そう気丈にもつぶやいた。

「アスカさん、アンタってことは、ないでしょ。仮にもあなたの担任よ」

「アンタなんてアンタで十分よ、ミサト!!」

アスカはプチ切れた。

「アスカ、それが担任に対する言葉?」

「アンタなんて担任じゃないわ!

大体、大学を出てるアタシが何が悲しくて中学校なんて 入らなきゃならないのよ!」

「それは、日本の法律がいろいろうるさくて」

「そんなの関係ないわ。もう、帰る!」

駐車場でもめる、声を聞きつけみんな窓際に集まっている。

「見世物じゃないのよ!!」

アスカは窓際の生徒に、大声で怒鳴る。

すると、アスカはパッタリ倒れてしまった。

 

○同日午前11時00分保健室

 

「軽い、貧血のようね」

若造りな、保健教師は、そう落ち着いて言う。

「すみません、ユイ先生」

本当にすまなそうに謝るミサト。

「まあ、少し寝ていれば直るでしょ」

ミサトに対して、あくまで冷静なユイ。

「本当にすみませんでした」

ミサトは、深々と腰を折りさらに謝る。

「そうね、この娘は親友の子で家で預かることになっているからわたしの子も同然ともいえるけど・・・。 でも、シンジにもそうしていたようにこの子にも特別扱いする気はないわ。だから謝るなら、 アスカに謝りなさいね、葛城先生」

少しも責める様子もなく、ミサトを諭すユイ。

「はい」

ミサトは、この碇ユイを尊敬していた。女性として人間として。 そのことについて語るのは、また別のお話。

「まだ授業あるんでしょ、葛城先生?」

「はい」

「じゃ、いきなさい」

「はい」

ミサトは、保健室の戸を静かに開け出ていった。

「ふう」

ミサトが去るとため息を吐くユイの姿があった。

 

ちなみに、その後ミサトはリツコに説教を喰らった。

 

○同日午前11時30分保健室

 

「うん?」

アスカは、衣擦れの音に目を覚ました。
静かに目を開くと、静かに微笑む白衣の天使がそこにいた。

「てんし?」

小さな声でつぶやくアスカ。
だんだん視界がはっきりしてくる。

「おきた、アスカちゃん」

白衣の天使、ユイは、そう問い掛ける。

「だれ?」

「忘れちゃったかな?そうね最後に会ったの8年前だしね」

8年前という言葉にアスカは懸命に記憶の糸を手繰る。
そして答えは出た。

「ユイおばさま?」

「そう、シンジのお母さんのユイよ、お久しぶりね、アスカちゃん」

「お久しぶりです、ユイおばさま」

少し慌てて起き上がろうとするが目眩がして思うように動けない。

「慌てなくていいわ、アスカちゃん。あなた貧血で倒れたのよ」

「貧血・・・。あっ、ミサト」

「葛城先生はとても反省していたわ、だから許してあげてね、アスカちゃん」

そういうと、ユイは静かに微笑む。
アスカは、その微笑みに安心して

「はい」

と答えていた。

キュールルルルルッ

真っ赤になるアスカの顔。

「あらあら、やっぱり育ち盛り中学生ね、ちょっと早いけどお弁当にしましょうか?あなたの分も作ってあるの」

と、ユイにいわれちょっと恥ずかしげにアスカは

「はい」

と答えていた。

○同日午後12時45分職員室

 

その後、アスカは職員室に立ち寄り、ミサトに謝らせ、ミサトの分のケーキを奪っていた。

 

○同日午後1時5分五時間目2年A組

 

5時間目はL.H.R(ロングホームルーム)だ。
今日は、これで終わりなので担任がいない今みんなくつろいだ 雰囲気になっておしゃべりを楽しんでいる。

「まだ、授業中よ、静かにして下さい」

洞木さんの声も効き目がないようだ。 ぼくも、レイとさっきの転校生の話をしている。

「転校生、大丈夫かな?」

「シンちゃん、心配?」

「そりゃ心配だよ、いきなりぱったり倒れるんだもん」

ぼくも、レイもさっきの様子を見てたのだ。

「でも、大丈夫よ」

「なんで?」

「保健室には、シンちゃんのお母さんがいるもの」

「そだね、母さんがいるもんね」

ぼくは、少し安心してしまった。

レイは一度顔を下に向けたあと、すぐに向き直り声を掛けてきた。

「だけど、当たったね」

「なにが?」

「今朝言ってたこと」

ちょっと、不満そうな顔のレイ

「ああっ、ぐっ偶然だよ」

突然しどろもどろになるぼく、我ながら情けないな。

「偶然かしら?だって彼女、赤毛にロングヘアよ」

今朝のぼくの発言についてレイはとことん責める。

「偶然だって」

「そかなー?偶然でそんなに特徴が当たるかしら」

レイは、ぼくに疑いの目を向けてくる。 ぼくは、その澄んだ赤い瞳をなぜか正視できないでいた。

ガラッ

入り口の戸が、大きな音をあげ開いた。
飛び込んでくる紫のロングヘア、ミサト先生だ。

「新しい仲間をを紹介する!!」

入るなり大声で叫ぶ。

「喜べ男子、美少女だ!!」

ウオオオオォォォォォッ

大地から響くようなだみ声。

今2年A組の男子は完全にシンクロしていた。
逆に女子は白けていた。

「じゃ、入ってきて」

ミサト先生に呼ばれ軽やかに入ってくる赤毛の少女。
すらりとした足、手折れそうなほど細い腰、よく発育した胸。
完璧なモデル体型。
吸い込まれるような蒼い瞳。
男子は生唾を飲む。女子も羨望の眼差しだ。

「彼女が新しい仲間、惣流アスカさんよ。じゃあいさつして」

赤毛の少女、アスカは、黒板に大きな文字で

惣流 アスカ

と書いた。
そして、はっきりとした声で

「ドイツからきました、惣流アスカです。どうぞよろしく」

と言った。
ウインク付きである。

ウオオオオォォォォォッ

男子は今、興奮状態だ。
そんな声にも関係ないといった様子でアスカは、ぼくの前までやってきた。
ぼくは、なぜかどぎまぎしてしまったが、アスカから目が離れなくなってしまっていた。

「お久しぶり、シンジ!」

ぼくのまわりで時間が止まった。

第弐話 Aパート了


次回に続く

ver.-1.01 1997-4/26公開

ご意見・感想・誤字情報などは masaya@mars.interq.or.jpまでお送り下さい!


ども、峯マサヤです。

煩悩の世界エヴァンゲリオン
第弐話「その名は、アスカ!」
Aパートをお送り致しました。

いかがだったでしょうか?

わたしも、小説投稿を始めてHTMLの難しさを知り、手間を減らすために

ワープロソフトを買ってしまいました。

まだ、使い慣れていないため、エディタと併用で編集しています。

さて、第弐話のBパートですが、シンジとアスカの秘密が少し話されることになってます。

それでは、第弐話Bパートでお会い致しましょう。

追伸 まだ1通もメールが来ません。
反応がないのは作者としては、さみしいかぎりです。(TT)
感想、意見、悪口等、なんでもかまいませんのでメールを下さい。
どうぞ宜しくお願いします。<( _ _ )>ペコリ
バージョンアップしました。
変更は日付だけです。


 峰マサヤさんの投稿、「煩悩の世界エヴァンゲリオン」第弐話Aパート公開です!!

 おおーー!! ゼンジー北京!!
 彼はセカンドインパクトを越えたスターなんですね!!
 いや、トウジ以外は知らなかったようだからマイナーな存在なのかな?(^^)

 まあ、そんな事どうでもいいか(^^;;;

 ついにアスカとシンジが再会しましたね!!
 さんざん他の女の子の事を話題にするシンジにヤキモチを焼いていたレイちゃんも
 絡んでどういう騒動が巻き起こるのか・・・・楽しみですね!!

 結構ラブらぶなレイxシンジがどうなるのか・・・・・興味津々!!

 さあ、訪問者の皆さん!!
 峯さんは感想メールを渇望しています!!
 ほんの一言でも大きな励みになるのです、
 さあ、貴方の感じたことを伝えてあげて下さい!!


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