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変身! エヴァンゲリオン(その2)






 普通の体の大きさに戻ってから1週間。

 毎日が訓練だった。もちろん、ミサトも一緒だ。


 そして、今日は久々の外出許可日。シンジは大喜びで繁華街へと繰り出した。

 そこでシンジは、怪しげな男を目撃する。

 そいつは毛深くて太くてでかく、しかも強烈に臭い。見る からに、ものすごく暑苦しい。


「こいつは敵に違いない。先手必勝だ。」


 すっかり組織に洗脳されたシンジは、その短絡的な思考と超人的な力 で男にラリアートを食らわした。


「うおおおおっ!」


 ふっとんでいく男は、周囲の人々をなぎ倒していく。


「悪を倒すための貴重な犠牲は無駄にはしないよ・・・」


 辺り一面に転がってもがいている人間にシンジは合掌で答える。

 すると、倒れている人混みの中から、ラリアートを喰らわした男とは別の男が 這い出してきた。


「ふっ・・・良く私に気づいたな、いててて・・・エヴァンゲリオン初号機よ。 」

「なんだ、敵は貴様だったのか!。」

「なに! 俺が敵と気づいてやったんじゃないのか!?」

「当たり前だ馬鹿者!」

「ちっ、名乗り出るんじゃなかったぜ!」


 偶然とはいえ、敵を見つけたシンジ。


「いくぜっ!」 敵は変身し、戦闘態勢にはいった。


 シンジは近くに銭湯の煙突があるのを確認すると、一気に変身し、煙 突を股間に装着する。


「うおりゃぁぁぁぁっ! 男根振風!!!!」


「おわああああああっ!!」


 シンジは腰を振り回し股間に装着した煙突を敵に激突、悪は一撃で粉砕した。

 しかしこのとき、煙突も一緒に粉砕してしまったのにシンジは気づいていなか った。

 そう、膨張したときでないと、煙突のサイズはフィットしないのである。

 アレが縮こまったままでの行動は命取りだ。みんなに股間のありのままの姿を 見られてしまったシンジ。

 それにも気づかず、シンジは悠々と帰っていった。羞恥感情の欠落は、もちろ んミサト同様、改造の失敗であったことは言うまでもない。


「ふっ、こんなやつ、俺の敵じゃないぜ。じゃあな、キャサリン。」


 意味不明の言葉を呟くと、シンジは基地へと戻っていった。




「このままではイカん。」


 暗闇なのになぜか黒いバイザーなどをしている変な男が数 人の男達とともに話している。この暗闇でそんなもの着けて、何か見えるのだろう か?


「このままアレを放っておくことは、子供の教育によろしくない。 なんとしても『丸出し勇者』の汚名を挽回せねばならん。」


 そう、悪を倒したことにより有名になったエヴァことシンジだが、素っ裸の格 好は一躍有名になるに十分だった。今では「丸出し勇者」として世間でも広く知ら れている。


「さて、今日はその対策についてなのだが・・・」


 この組織は別名「ゼーレ」と呼ばれるPTAの影の姿。シ ンジを改造した組織の親玉だ。子供に巣くう悪を粉砕するために組織された暴力集団である。その行動が町の破壊にもつながっていることは言 うまでもない。(とくに銭湯の煙突修理代はただならぬ物があった。)


 ここで、一つの案が浮上した。シンジに伸び縮みするパンツをはかせようとい う計画だ。


「では、トランクスかブリーフか、どちらにするか採決をとる。」

「ブリーフに1票!」

「トランクスに1票!」


 1時間にも及ぶ協議の結果、ブリーフが採択された。トランクスでは 下から「ヨコチン」がはみ出して見えるという理由からである。


 問題は、いかに伸び縮みするブリーフを作るかだ。キールと名乗るゼーレの中 心人物は、近所の繊維メーカーに特製のブリーフを無料で作らせることに成功した 。

 もちろん、「もし無料で作らなければ、エヴァにお前達の工場を全て 破壊させる。」と脅しを入れていたことは言うまでもない。


「ふっふっふ・・・出来たぞ、我々の改心の作だ。」


 1週間の製作期間の後、エヴァ用特殊ブリーフが開発された。

 しかもこのとき、おあつらえ向きに敵襲だ。


「エヴァ初号機、特製ブリーフ装着!」


 シンジは特製ブリーフを装着し、出撃する。ケージ内の液体が黄色く 見える。小便に見えなくもない。


「いた!」

「待っていたよ、丸出し勇者君。」

「僕の名を!?」

「知らない者はないさ。失礼だが、君はもう少し自分の立場というものを知った 方がいいと思うよ」

「僕の立場?」

「ところかまわず変身する露出狂としてね。」

「ほんとに失礼な奴だな!」


 怒ったシンジはプロレス顔負けの攻撃を繰り返す。そして敵を倒した・・・が、敵は倒れる瞬間にシンジのビキニブリーフに手をかけた。


 ずるっ。


 ひん剥かれるシンジのブリーフ。またもや丸出しだ。


「は・・・恥をかかせおって・・・・」


 こうして、シンジの丸出し勇者としての立場は確固たるものとなったのだった 。


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ver.-1.00 1997-05/15公開
ご意見・感想・誤字情報などは kairo@telestar.or.jpまで。

 [回路懐石]さんの投稿、『変身! エヴァンゲリオン』(その2)公開です!

 回路さんの描く一寸”イタイ”世界。今回も炸裂です!

 丸出し勇者・・・・・かつてこれほど情けない異名を持ったヒーローがいたでしょうか?
 ・・・・・・・いたかも(爆)

 この名前に負けない情けない活躍をするシンジ!
 ・・・・・・・負けろよ(^^;
 ・・・・・・・・・「男根振風」ってなんなんだよ(^^;;;;;;;
 

 さあ、回路さんの毒気に当てられた貴方!
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