某月某日
第拾四使徒が現れた。
敵さんはかなりの猛者らしく、ジオフロントまでの侵入を果たした。
やるね、なかなかのダンディズムだ。
やはり、使徒と言えども自分に課せられている使命を全力を持って実行する姿は
ダンディだ。
と、オレがそのダンディな使徒を見ていると、
ネルフ中一番ダンディに遠い、シンジ君がやってきた。
そして、彼はオレにこういった。
「こんなところでなにしてるんですか?」
「スイカに水をやっているのさ」
彼のダンディズムの判らない台詞に多少の憤りを感じながらも、
オレは大人の余裕、
言い替えればダンディズム、
と言うヤツでサラッと言葉を返した。
「そんなこと今しなくても…」
「…こんなときだからこそやるのさ…」
もう、いい。
君にダンディを理解して貰おうとしていた
オレの見込み違いだった様だ…。
シンジ君、はじめて君に出会った時に、
後30年もすればさぞかし
素晴しきダンディになれる、と思ったんだがな…。
そう、彼は判ってはいない。
非常事態の中、
一人だけ自分で育てた畑に水をやり続ける男の
ダンディズムが。
「加持さんは……逃げないんですか?」
うつむく、
ふう、やはり君は達してはいない様だ。
男たるものいつでも上を見なければならない。
だが、それは空を見る、と言う事ではないんだ。
遥か高みの自分の目指すダンディを見ろ!
って事なんだな。
「シンジ君、今、キミには何が出来る?」
ああ、やはりオレはお人良しか。
これほど迄にダンディを汚す彼に
救いの言葉を投げかける。
フフフ、ダンディ故の行動か…。
「……僕には……何も出来ません……」
「いや、違うな、キミにはキミしか出来ないキミになら出来る事があるだろう」
フッ、決まった。
この台詞のリハーサルの為に膨大な時間を消費して
やっと完璧にまで言える様になった。
この重みのある台詞を聞けば
いかに、ダンディズムの無い彼でも
使命に燃えるだろう。
たった一つの台詞に重みをつける為に
時間を惜しまない。
それもダンディの条件だ。
そうこう彼にダンディの道を教えている間にダンディな使徒は
エヴァ両機を倒さんといている。
やはりダンディにはダンディか…。
「さぁ、シンジ君!早く行くんだっ!」
「………」
オレは右手を左肩の上から横に薙ぎ払う様に手を振った。
ブライト艦長が良くやるアレだ。
だが彼はこのオレのダンディさにみとれているのか
この場を離れようとはしない。
それはそれで嬉しくもあるが
彼をここに置いておけば最悪、
使徒によるサードインパクトだ。
それだけは避けなければならない。
ダンディといえども死にたくは無いからだ。
「どうしたっ!早く行くんだっ!アスカちゃんやレイくんを死なすつもりか!?」
顔を上げた。
ぞくりとした。
何故ならば、
彼の眼の光は
ダンディを
上回る
漢の眼だったからである。
「シンジ君……キミはオレを越えた……」
「……」
「オレにはもうキミに、なにもいえない、言えやぁしない」
「……」
「皆を救ってくれるな?」
「……じゃ」
「?」
「さよなら」
そして、彼は逃げ出す決意をそのまま実行力へと変えた。
彼の漢の決意は逃げることだったのだ。
悲しかった。
あれほどのダンディの才能を秘めた彼が
そのダンディを捨てる様な真似に走った事が。
だから、
オレは
カレを
撃った。
5/3/98 8:03 A.M.より作業開始。
5/3/98 10:16 A.M.に作業終了。
(アメリカ西海岸標準時)
菊「どうもみなさま、訳の判らない(by 神田さん)小説書きの菊地 啓一です」
D「どうも……起きたばかりのDです(グツグツグツ)」
菊「何の音?グツグツって」
どつくD「だりゃああああああぁぁっ!!!」
Hit菊「はぐわぁぁぁっ!!!?」
D「貴様と言う男は……」
苦しむ菊「うが、ぐぅぅ、あが、あ、あ」
D「何が男のダンディズムだ…」
菊「う〜ん、昨日某所で読んだ、『ダンディ』と言う小説に笑いころげちゃってさぁ……で、影響を受けて」
D「で、これかい、これなのかい!?」
菊「う〜ん、向こう様の方が面白いと思うけどね」
D「本文中だが、何が漢の眼、だ!逃げてちゃ意味ねぇだろーがぁっ!」
菊「うん、まったくその通り。よーするにアスカ様にも勝てないのに僕なんかじゃムリだぁっ!って事かな?」
D「じゃあ、漢じゃなくてクズじゃんっ!」
菊「その通り。加持さんの見込み違い甚だしいってことさ」
D「何で見込むんだよ!?」
菊「だってゲンさんがダンディを目指す人だし……その息子のシンジ君も…と先入観を入れてしまった訳だね」
D「……………」
菊「むぅ、やはり寝起きの人間を使うのはムリがあったか。もういいやいらないから寝なはれや」
D「T、トンファー貸せ!」
背中を向けている菊「だいたい寝起きだからなー、使えねぇやな。ん?」(クルリ)
T「はい、僕の愛用しているバスタートンファーです」
菊「…っ!何っ!バスターって!!!!!!!ハッ!しまっ!!!」
D「ヌリャァァァアアアアエィっ!!!!!」
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガン!ドグォッ!
追伸菊「この『ダンディ』はちょっと続きが書けません。コールしないでくださいね♪(汗)」