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…………僕はアスカの声を確かに聞いた。
………アスカの心が割れる音が確かに聞こえたんだ
…でも、僕はアスカを助ける事は出来ない。
……イラナイ子供だから、アスカ、ゴメン…
原作：(C) GAINAX
執筆：菊地 啓一
………少し前までは分かっていた気がする…
幸せ？それは今なら分かる気がする
アスカ？……解らない、理解できない存在
女？………やっぱり分からない…
…気持ち良い…
ただ、それだけ…………
『ウィン』
「シンジ君の容体はどう？」
「見ての通りLCLの中でぐっすりよ」
赤木リツコ専用のラボの自動ドアが開く音と同時に葛城ミサト、彼女の親友が声を掛けた。
「あなた、こんな時でも冷静なのね………」
人間としての情を感じさせない彼女の台詞にミサトは嘲りの表情を浮かべ皮肉る。
しかし、そんなミサトの態度にもさして感じたものは無く、あくまでもクールに言い返す。
「…いい、ミサト？非常事態だからっていちいち慌てては何もできないわ、よく考えるのね」
ミサトはジト目でリツコを睨み、と言っても険悪な雰囲気は感じさせなかった。
……もし、この二人の仲を知らない者がこのやり取りを見たなら、胆を潰す思いであろう。
そして、リツコ達はシンジをサルベージしようと何日もネルフから外に出ていない、
そんな時、アスカは自分の過去に打ち伏せられていた。
………壊れた……………
其の感じはシンジにも届いていたのだった。
「二つ目の人形が壊れた…」
ぽつりとつぶやき背中を丸め心を無に還す。
もう、いいや。アスカが壊れちゃったあの世界に愛着も無いし、
考えるのはやめよう、でも、本当にここは気持ちの良いところだ、
まるで何処かに帰って、
いやむしろ還って来た感じだ、温かい、母さん……、
そうか！母さんなんだね！ここは母さんの中なんだね！？
（こころ）
分かるよ！気持ちが、本能が教えてくれるんだ！
母さん姿を見せて！僕に話しかけて！僕をアイしてよ！！
そのころ、現実の第三新東京には第拾六使徒アルミサエルとファーストチルドレンこと、
綾波レイが単身それの進行を食い止めていた。だがそれも長く持つ訳では無い。
「くうぅぅっ！！！！」
苦しそうに叫ぶレイ、発令所に絶望の空気が蔓延する。
「レイ！くっ！初号機は出撃出来ないの！！？」
「駄目よ、まだシンジ君が帰って来ていないわ」
リツコは絶対的な”死”の存在が渦巻くこの発令所でも、なんら冷静を欠く事は無かった。
ミサトにすればその表情は”滅び”を覚悟した人間の無気力さ、として取れるのだろう。
そして、他人から与えられる”死”を自己の決断で受け入れるのはミサトの最も嫌う事だった。
「リツコ！帰って来ないなら帰らせる様にして！！」
ミサトの絶望を振り払うが如く絞り出した声、だが今の圧倒的危機感を拭う事は出来なかった。
『ザシュッ』
………まるで野菜に包丁を突き刺した時の様な音を立て、
一万二千枚の装甲を誇るエヴァにアルミサエルの身体が突き刺さる、
いや侵入する。
レイは苦痛に耐えながら、それでもアルミサエルに銃弾の雨を注ぐ、
がやはり目標には何の変化も見られなかった。
（はし）
再び、発令所に戦慄が疾る、オペレーター達は叫び声で現状報告を繰り返す………
良いことなぞ有る訳が無い報告を………
………………番外菊地（と、まぁ”四国〜”並の『そうか？』予告編！でした。
本物はこの引用部分から始まります、細かいプロットはまだ練っているところ（＾＾A；
お楽しみに！………出だしは神田さんにはきつかったですか？
であとそれから、迷探偵〜 の方も宜しく！！
さらに！メール計画が進行中！！
１：”迷探偵〜”の謎解き！！！
２：EVANGELION Dream ２！、の連載（エヴァドリ１）にして欲しいか？アンケート！！
３：菊地 啓一と熱い英会話を交そう！（半ば冗談です、あんまり得意じゃない、U.S住まいなのに……）
こんなもんです、それでは本物の発表を気長にお待ちください。ああ、そうそう、
後書きだけでも感想下さると嬉しゅうございます。）
５／３１／９７
菊地 啓一さんの『EVANGELION Dream２！』公開です！
ハード＆シリアスの緊迫したストーリーですね。
はっきり「壊れた」という言葉が出てきてインパクト強いです。
今は初号機の中で微睡んでいるシンジ、
外の世界で死の狭間に立つレイ、
おそらく病室のベッドにいるであろうアスカ・・・・
彼らのこれからは？
訪問者の皆さん、
菊地さんは「エデンの黄昏」でも作品を発表されていますので見に行って下さいね！