時間は真夜中を少し回ったところ。遠くに街の灯りや、色とりどりのネオンサインが浮かんでいる。
碇シンジは、ベッドから身を起こしてそれをぼんやりと見つめていた。
最愛の人は彼の傍らで静かな 寝息をたてて眠っていた。澄んだ青い空が微かに揺れている。
彼女の、丸みを帯びた下腹部をそっと撫でてみる。
”僕は、父親になるんだ・・・・”
不安は確かにある。しかし、恐れはなかった。
今は心から、自分は1人じゃないと思えるから。
自分の子に、愛を与えられない親なんていないと分かっているから。
心からの愛を知っているから。
だから彼は、妻に無事に元気な子を産んでほしいと強く、強く祈った。
その時、彼が手を置いたお腹が動いた。
ほんの少しだったが、それはシンジの心に 驚き、不思議さ、喜び、 様々な感情を招く。
そして不安すら隅に追いやってしまう ほどに、力強い胎動だった。
「早く僕達に元気な顔を見せてね」
シンジはそっとささやくとブラインドを閉じた。僅かに入り込んでいた外からの光も遮断されて
ベッドル−ムはまた闇と静寂が支配する。そんな中、彼は静かに妻に布団を掛け直し、
自らも その中で深い眠りに落ちていった。
――そして半月後――
レイの、かけがえの無い宝物がまた1つ増えた。
やや、やつれてはいるがその顔は輝いていて、昨日までとは明らかに違っている。
それはきっと、母親としての最初の務めを立派に果たしたことのあらわれなのだろう。
彼はどんな言葉を掛けてくれるだろうか。その胸に、待ちどおしさと気恥ずかしさと誇らしさを
抱きながらそんなことを考えていたとき、連絡を受け、会社を早退したシンジが病室に飛び込んで来た。
シンジは肩で息をしながらベッドまで歩いてくると妻の頬をやさしく撫でる。
「レイ、よくがんばったね」
シンジが柔らかく微笑み、レイはそれをシンジに返す。疲弊しきった自分の体が癒されていくのが分かる。
「あなた、見て・・・・・・私達の子よ」
先ほど新生児室からこちらに移されたばかりの赤ちゃんは、今はスヤスヤと眠っている。
母から受け継いだものは真紅の双眸と、やさしさ。
父から受け継いだものはつややかな黒髪と、つよさ。
「始めまして、アヤカ。お父さんだよ」
鈴木さんの『For Dear』公開です。
シンジとレイの間にも遂に(^^)
赤ちゃん、良いですよね〜♪
子育ては大変な面も多々あるんでしょうけど、
この二人なら・・・・
あったかいですよね
さあ、アスカ人の訪問者の皆さん。
「次はアスカを!」めーるを。
さあ、綾波stの訪問者の皆さん。
「次も綾波を!」メールを送りましょう!
皆さんお気づきでしょうか・・
本日(1998+01/17)公開の3本は・・・・
3本とも[レイxシンジ物]
Keiさんのは明確にレイxシンジとはなっていませんが、
きっとそうなるでしょう(^^;
旅に出ます、捜さないで下さい(笑)