「「あのー、リツコさん、ちょっといいですか?」」
「何?シンジ君。」
「「僕達、アスカと、綾波と暮らすのは別にかまわないんですけど・・・・」」
「それで、何?」
「「学校はどうしたらいいんですか?」」
「えっ、学校?」
「「そうですよ。」」
「・・・・・・」
「「リツコさん?」」
「・・考えてなかったわ・・」
「「そ、そんなぁ!」」
「ちょ、ちょっと、待って、ミサトに聞いてみるわ。
第一、シンジ君をわけるって案はミサトが言い出したことだから。」
そう言って、電話に飛びつくリツコ。
「あ、ミサト、私。で、今、シンジ君がここにいるんだけど、
シンジ君の学校の件で話があるんだけど・・・・」
「学校?別に問題ないじゃない。」
「あなた分かってるの?シンジ君は二人なのよ。」
「二人ねぇ。そりゃ二人が行ったら学校は大騒ぎになるでしょうねぇ
・・・・・・・・・・ええっ!」
「やっぱりね。あなたも考えてなかったようね。作戦部長が聞いて呆れるわ。」
「う、うっさいわねぇ・・・・それより、どうしたらいいかしら?」
「私に聞かれても困るわよ。あなたが言い出したことでしょう?」
「そうね・・・・ねぇ、シンジ君いる?」
「いるわよ。」
「かわって!」
「どっちに?」
「二人ともよ。早く!」
「分かったわよ。」
「シンジ君、ミサトよ。出て。」
「「どっちが、ですか?」」
「両方だって。」
「「分かりました。」」
「あ、シンジ君、私よ。」
「「なんですか?」」
「あなた達の学校の件だけど・・・・」
「「だけど?」」
「やっぱり、二人で行くしかないわね。」
「「そうですか。でも、学校のほうはどうするんです?」」
「大丈夫よ。私が根回ししておくから。」
「「ほんとですかぁ?」」
「大丈夫よ。それで、アスカの方のシンジ君はふつう通りに学校に行って。
そして、レイの方のシンジ君は、朝、私のところに来てちょうだい。わかった?」
「「分かりました。」」
そして、翌朝。
「ミサトさーん、来ましたよー。」
シンジRはいうが、ミサトの反応はない。
「やっぱり寝てるや。昨日言ったことは覚えてるのかな?」
そして、ミサトの部屋にたどり着くシンジ。
「ミサトさん、起きてるんですか?」
そう言ってドアを開けた。そこには布団をかぶって寝ているミサトがいた。
「ミサトさん、いつまで寝てるんですか!起きてください!」
「うーん、シンちゃん、もう少し寝させて・・・・」
「だめです!今日は僕は学校のことで来たんですからね!」
「・・・・あ!そうだったわ!」
「もう。」
呆れた表情のシンジR。一方、
「おう、シンジ。おはようさん。」
「あ、おはよう、トウジ。」
「今日はなにやら転校生が来るらしいで。」
「ほんと?」
「ほんまや。でも、男って聞いたからなぁ。」
「うん、詳細は俺も知らないけど、うちのクラスに来ることは確実らしいぜ。」
「あれ、みんな知ってるの?」
「ケンスケが言い出したんや。」
(転校生?男?なんだかいやな予感がするなぁ・・・)
と思うシンジAだが、アスカが、
「シンジ、まあいいじゃない。これでクラスも賑やかになるかもしれないわよ。」
「そ、そうだね。」
ちなみに、今日はレイは検査のため欠席である。
「ミサトさん、今からどこに行くんですか?」
「ふふっ、い・い・と・こ・ろ。」
上手くごまかすミサト。
「・・・・・またビルでも見に行くんですか?」
素直に質問してしまうシンジR。
「そうじゃないわよ。行ってみれば分かるわ。」
そして、ミサトとシンジRが乗った車はとある建物に入っていった。
朝のホームルームが始まった。先生が入ってくる。
「今日は転校生を紹介する。入ってきて。」
そして、その転校生が入ったとたん、叫び声が上がった。
「し、シンジがふたりぃ〜!!」
「そ、そんな、あほなぁ!」
この状況下で唯一冷静だったのは、すべてを知っていたアスカと、
シンジだけであった。あのヒカリでさえも言葉を失っている。
「えっと、碇君の双子の弟さんで、名前はケンジ君。みんな、よろしくしてあげてね。」
「あ、ど、どうも。碇ケンジです。宜しくお願いします・・・・」
(ミサトさんはいったいどういう風に根回ししたんだろうか?)
「じゃあ、碇君、お兄さんの隣ね。」
そして、”ケンジ”こと、シンジRはシンジAの隣に座った。
二人は、目があった瞬間、引きつった笑いを見せた。
そして、そのまま何もしゃべらなかった。
休み時間。
「なんや、そう言うことやったんか。」
「なるほど。そっくりなはずだよな。クローンだから。」
トウジやケンスケ、そしてヒカリら内輪のメンバーには
すでに本当のことを話している。
「「でも、ミサトさんがこういう風にするとは思わなかったなぁ・・・」」
「でも、ミサトだからまんざらでもないわよ。」
「アスカ、”シンジ君”はアスカと一緒に住んでるんでしょ。
でも、そっちの”ケンジ君”のほうは?」
「ああ、シンジRね。こっちはファーストと一緒に住んでるわよ。」
「綾波とかぁ!?」
「そ、そうだけど・・・・」
「イヤーンな感じ!」
「そんなこと言うなよ。だって、元はアスカと綾波が悪いんだから。」
「何ですって!あたしが悪いって!?」
「い、いや、そんなこと・・ない・・けど・・・・」
やっぱり元はシンジである。アスカに怒鳴られ何も言えなくなるシンジR。
「アスカ、あまり言わないでよ。」
「そうね。でも、一応同一人物よね・・・・・」
なぜかシンジAには素直なアスカ。
「まあ、いいじゃないのよ。アスカも、碇君も。」
ヒカリに丸め込まれるシンジ達。一応これでよかったらしい・・・・・
つづく!(大嘘)
Syuheiさん3本目の短編は、
現在休止中のエヴァページ【EVANGELION JJ】で連載され、
当【めぞんEVA】バザーで設定を使ったSS募集が行われ、
それを購入したSyuheiさんが執筆、投稿したものの
【EVANGELION JJ】が休みに入って、
行くところが無くなりSyuheiさんの手元で眠っていた・・・・・・
という波瀾万丈の経緯を辿った、曰く付きの短編!
それが今、再び日の目を見ます!!!
『Wシンジ君学校へ行くの巻!』ここに公開です!!
前置きが長いっちゅうに・・・・・
ミサトの考え無し・行き当たりばったりがここでもスパーク!!
不幸の一番星シンジに幸あれー!
・・・・といっても、このシンジ達はアスカやレイとふたりっきりで
暮らしているんですよね・・・
ちっとも不幸じゃないよなぁ・・・・
特にアスカと暮らしているほう・・・・替わりたい・・・・・
マッド赤木の生命倫理を無視した行いに乾杯!(^^;;;;
さあ、訪問者の皆さん。
複雑な経緯を辿った小説の作者に慰めのメールを!!