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めぞんEVA投稿 第5作目

しんじとら

第1章 「服喰い」 其の弐 「ケダモノの槍発揮」

Written by Helo


 「何や、服喰いか。」

 トラが僕に言った。

 「服喰い?」

 僕はトラに聞き返した。


 「イヤァァァァ

 僕の前の女の子が叫んだ。


 「ち、ちょっとしっかりしてよ。」

 僕は女の子の肩を持って言った。


 僕は女の子の肩から手を離すと、旧校舎の廊下を走った。


 「みんなの服が・・・服が・・・石にィィ! みんながあ・・・・」

 後ろで声が聞こえた。


 「アスカァ〜、綾波ィ〜

 僕は叫びながら旧校舎を走った。



 けど、僕は何も見つけられなかった。



 「おい、われぇ、テレビカメラ来とるやないか。」

 馬鹿妖怪・・・トラはそう言った。

 「そんなことより、話してよ。」

 僕は不機嫌そうにそう言った。

 「わいのかっちょええジャージ姿が全国放送か・・・ええ感じや。」

 「・・・そんなことはいいから、早くトラの知っていることを話してって、言ってるじゃないか。」

 僕はトラに言った。


 「あの時、このケダモノの槍が鳴いて教えてくれたんだ・・・・、これって化け物のせいだって・・・」

 バシ

 トラが僕をまた殴った。

 「なんやと、もう一度ゆうてみい。」

 ・・・?

 「あかん、セリフまちごうたわ。 ふん!なんでわいがおのれごときの役に立ってやらなあかんのや。」

 トラはどうやらセリフを間違えたらしく、訂正した。

 さらに続ける。


 「わいはおのれにとりついているんやで、殴るためとおのれの女を頂くためによ・・・人間なんぞババ色やのお。勘違いしたらあかんで。わいは妖怪なんや、タイガース好きの。ラブリー・バース!!」

 トラは斜め45度を向きながらきめゼリフ(?)を言った。


 「そう・・・じゃあ、トラが先にくたばってよ。」

 僕は最高に強い口調で言った。

 そして体がどんどんエヴァになっていった。


 「てい」

 僕は槍を振り回した。

 トラは一撃で脳しんとうを起こして倒れてしまった。


 う・・・・


 「・・・おのれは痛いやないか。本気でぶつことありゃせんのに・・・」

 30秒後トラは目覚めた。

 少し僕におびえている様子だった。

 でも、思いっきり僕を殴ったのはトラが最初だ。

 こいつの言っていることはめちゃくちゃだよ。


 「早く話してよ。」

 僕はトラに言った。


 「わかったわ、話すからぶたんといてくれや。」

 トラは、言った。


 トラの心の中・・・

 (何やこのガキは・・・調子にのりすぎとちゃうんか?いっぺんしめなあかんな。わいを誰やと思うてんねん。タイガースファンやで。それにしても、こいつ・・まさか巨人ファンとちゃうんやろうな。)


 ゴン

 「早く話してよ。ホラッ!」

 僕は、催促の為にまたトラをぶった。


 トラは渋々話し始めた。

 
 「「服喰い」のヤツだろ・・・」

 トラは斜め下30度を向いて話を進める。


 「あいつは古道具とかに住んでいて、女を自分の世界に引きずりこむんや。そして、その結界の中で、女の服を石にかえてくうんや。やらしいでぇ。昔、町中の女の服を石に変えてくっちまってこともある・・・。」

 「石に変え・・・?」

 「そや。ゆっくりとな・・・。ヤツはだんだんと服が石になって人間の恐怖の表情がすきやからな。わいにいわせれば、不健康そのものやわ」。

 ・・・

 「何だかむかむかするヤツだね。」

 トラは、タイガースキャップのつばを持っていった。

 「実はな、わいは朝から知ってたんやわ。妖怪同士は、においでわかりよるからな。「服喰い」のにおいがするってなものんや。」

 そして、膝をぱしぱしやって笑い出した。

 「ヤツの結界が目の前にあるのに、必死でさがしよるおのれがアホやったわ〜。」


 そう言った直後、トラは今日2度目の脳しんとうを起こしていた。

 当然、僕が槍で殴ったんだけど・・・




 「ヒヒヒ・・・、こわいぴょん」

 石の鎧がそう言った。


 今服を着ているのは、私とレイだけ・・・

 他の子は、みんな服を脱がされていた・・・

 いえ、服を食べられていた。

 みんな裸で恥ずかしそうだった。


 こんなワケわからない言葉を使うヤツに服を食べられるなんて・・・

 そんなの絶対いやぁ。


 「石になったら、メインディッシュの君たちの服を食べて君たちの裸をじっくり、たっぷり鑑賞して上げるぴょん。」


 「レ・・レイィ、私・・・怖いわ・・・。」

 「あたしもよ・・・アスカァ。」


 「それじゃ、裸になってってもらうぴょん?」

 石の鎧が私に近づいてきた。

 もう私もレイも服を石に変えられてしまっている。


 「イヤァーーー」

 隣でレイが叫ぶ。


 「この変態が!! ばかあっ!!

 私もそう言った。

 でも、石の鎧はどんどん私に近づいてくる。

 

 バリン

 壁が割れる音がした。


 「誰ぴょん?」

 石の鎧は、その時入ってきた紫色の鎧のようなものをつけた人に言った。


 30秒後、あっけなくこの変態はやられそうになっていた。


 そして、旧校舎の外に逃げようとしていた。


 



 校庭の外に出た僕達を、前のカメラが写した。


 「逃げるぴょん。」


 「服喰い」は石の鎧を脱ぎ捨てた。

 中から出てきたのは、巨大な・・・人くらいの大きさのある「便所コオロギ」


 「「服喰い」って便所コオロギの化け物だったんだ・・・。」

 「ああいうのを変化ッちゅうんや。おぼえときや。それより、さっさと倒しちまうんや。」

 「うん、トラ・・・ありがとう。」

 トラは少し照れるような表情をした。


 「たぁぁぁーー」

 僕は、妖怪便所コオロギを倒した。


 「すげえ・・・夢みたいだ・・・」

 テレビ局の人々が口々言った。


 
 「おわったなぁ。」

 トラが僕に言った。

 「ううん、まだだよ。」


 僕はアスカと綾波の前に行って槍で石の呪縛を解いてやった。


 瞬間・・・アスカと綾波の裸が見えた・・・

 あっ・・・・


 「ほう、ええ乳しとるやないけ。」

 そう言ったトラは今日3度目の脳しんとうを起こしていた。

 また僕の槍がうなったと言うことは言うまでもないと思うけど・・・


 僕は、アスカと綾波を裸にしばらく見入ってしまっていたけど、このままじゃ変態だと言うことを気づき動かなくなってしまったトラをもってどこかへ行った。




 <この映像は特殊撮影ではありません>

 その日のテレビはこの映像ばかりだった。


 「やっぱわいのジャージーはええわぁ。」

 トラはテレビを見ながら、そう言った。

 僕は何となく幸せな気分で今を過ごしていた。




 「服喰い」のお話はここまで
 しかしその後に恐ろしい会話が交わされていた。
 その後の会話・・・



 「あの紫色のヤツ今度合ったら絶対殺してやるわ。ねえ、レイ。」

 「そう、アスカ?でもあの人のおかげで私達はあの変態から守られたんだし・・・」

 「何いってんのよ、レイ。あの紫色のヤツも私達の裸を鑑賞していたのよ。同じ変態じゃない。特にあれの連れの一言・・・絶対殺してやる、殺してやる、殺してやる。」

 「ア、アスカ・・・ち、ちょっと怖いよ。」

 

・・・第2章 「がみん様」 へ続く


ver.-1.00 1997-05/12公開
ご意見・感想・誤字情報などは kitahiro@mars.dtinet.or.jpまで。

Helo's Report◆

 めぞんEVAの住人がたくさんになってきましたねぇ。
 菊池さんもご入居しましたし・・・・
 そして早くも4万ヒット達成。ホントに絶好調のようですね。
 「しんじととら」もあやかりたいです。
 そう言えば、第一章 其の壱の方も予想以上にメールが来ました。ありがとうございますね。

 それはそうと、次回の「がみん様」は結構書きたかった作品です。ただ、これの載っている単行本が、今、行方不明なので、序章同様、記憶だよりの作品になりますね。

 それでは、また感想待ってますね。

Helo


 [Helo]さんの連載作品『しんじととら』第1章其の弐−公開です。

 シンジととらの一つ目の事件、無事解決です(^^)
 ・・・・・一部の女の子には "無事" ではなかったようですが(^^;

 ああ、アスカちゃんの肌が・・・・あのトウジ、いや、とらに見られてしまうとは・・・ (;;)
 シンジ! なにしてたんだ、お前は!!  ・・・・お前も見てたのね・・・・(--;

 さあ、訪問者の皆さん!
 新章に向けてパワーを溢れさせるHeloさんを貴方のメールで後押しして下さい(^^)


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