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ねがい 第1話 見えない侵入者  



 ポーン

 授業中で静まりかえった教室に乾いた電子音が響いた。
 メールの着信を知らせる音である。

「ん?授業中に誰よ」

 アスカ、こと惣流・アスカ・ラングレーは怪訝な顔をしながら、キ ーボードを叩いた。

 その瞬間・・・・・

 DREAM
 DREAM
 DREAM
 DREAM
 DREAM
   ・
   ・
   ・

 画面がDREAMの文字に埋め尽くされた。

「な、な、なに?」

 アスカは思わず声を上げてしまった。 あわてて、キーボードを叩いたが、何の効果もない。

「どうしたの?惣流さん?」
「う、なんでもないんです!」
「そう、それならいいんだけど」

 理科の伊吹先生の問いかけには、なんとか平静を装ってごまかした。
 しかし、見つめなおした画面にはさっきのような異常は見られない。
(ふ〜〜。マヤ先生でよかった。けど、いったい何だったのかしら)

「どうしたの?アスカ?」

 隣に座っていたシンジ(もちろん碇シンジ)がアスカのパソコンをのぞき込む。

「なんでもないわよ!まさか、あんたじゃないでしょうね!」
「なにが?」
「・・・・・わかんないのならいいのよ。よく考えたらシンジなんかに あんなことできるわけないものね。」
「なんだよお、人のことうたっがといて!」
「もう、なんでもいいでしょ!!!」
「わ、わかったよ。・・・・・まったく怒りっぽいんだから」
「なんですってえ!!!!」

(しまった)
 机を叩いて怒鳴るアスカにシンジはビンタを覚悟して目をつぶった。
いつもなら間髪入れずに、手のひらが飛び、「委員長」こと洞木ヒカリ の怒声が聞こえてくるはずである。
 しかし、この時は事情が違っていた。
 いつまでたっても手が飛んでこない。
 おそるおそる目を開けるとそこに現れたのはアスカの顔だった。
 こっちにむかってくる。
(え?え?えええええええ!!)
思いもかけず、アスカはシンジにもたれかかってきていたのだ。
女らしい髪の香りを感じてシンジは一瞬にして首まで朱に染まる。

「ちょ、ちょっとアスカ?!」
「ひゅーひゅー、授業中やでー、あんまりみせつけんといてえや、お二人さん!」
「いや〜〜んな感じ」

 シンジとあわせて、3バカと呼ばれる相田ケンスケと鈴原トウジがすか さず、チャチャを入れた。ヒカリは、うろたえていつもの「静かにしてく ださい!」が声にならない。

「ちょっと、何やってんのよ!アスカ!」

 いつもシンジをネタにアスカとバトル?漫才?を繰り広げている綾波レ イがアスカを引き離そうとする。いつもなら、アスカも威勢のいい声で応 戦するはずである。しかし、またもや事情は違っていた。

「・・・・ア、スカ?」
「アスカ!」

 レイが肩をつかむと、アスカの首はガクン、と力無くうなだれ、さらに 床へと倒れ伏そうとする。かろうじて彼女を抱きとめたシンジであったが、 その顔はもはや赤から青へと変わっていた。

「アスカ!」

もう授業どころではなかった。


次回に続く

ver.-1.00 1997-3/19

ご意見・感想・誤字情報などは ps017969@kic.ritsumei.ac.jpまでお送り下さい!




※この小説は「うる星やつら」の某劇場版アニメのエヴァ風パロディです(^^;;;
 キャラクターの相互関係なんかは流れの中でのんびり明かしていくつもりです。
 ようこそ[たつ]さん!
 当「めぞんEVA」への第5の投稿者です!!

 ディスプレイにうつった謎の文字。
 突然、意識を失い倒れるアスカ・・・

 いきなりのミステリアスな展開に、次回が待ち遠しくてたまりません!!
 「早く、早く、続きを読ませてくださいぃぃぃ」

 皆さんも[たつ]さんに感想と共に催促のメールを出して下さい!!


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