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    第二話 「また、会えたね」









 彼女は「新司君、一緒に帰らない?」という、昨夜寝る前に鏡の前で何度も練習

したセリフを胸に席を立った。

 だが、クラスの女子達が数名、その行く手を遮るべく(彼女にはそう思えた)話

しかけて来る。

 先程の事件で彼女に興味を持ったのであろう。

「その髪って染めてるの?」

「赤いカラーコンタクトなんて、珍しいね」

 etc,stc・・・

 唯さんの様に髪と瞳を染めておくのだった、と後悔する。

 何とかそれをあしらうと、新司の後を追った。

 だが彼女が廊下に出ると、すでにそこに彼の姿は無かった。

 一瞬、もう校舎の外に出てしまったのかと思った。

 けれど、彼女は一縷の望みをこめて左右を見回す。

 その想いに天が応えたか、赤い瞳が彼をとらえた。

 H字型の校舎のはす向かいの廊下に、新司はいた。

 だが次の瞬間、アルカイックスマイルがぴき、と強張る。

 新司は見知らぬ女の子と話をしていた。

 相手は・・・嬉しそうな顔をしている。

「なぁにあいつ、趣味わっるーい」

「碇のゾンビなんかとねえ、いやーんな感じ」

「ねえ、あんな奴にかまってっと、ろくな事無いよ、さっきだって助けてもらっと

いて礼も言わないで・・・」

 お節介な女子達に文字通りの肘鉄砲を喰らわせると、つかつかと歩き出す。

「新司君!」

「あ、綾波・・・」

「綾波さんもここに来てたの?」

 やけに親しげに話しかけてくる様子を見て、やっと「思い出し」た。

 洞木ひかり、二人目の記憶によれば、セカンドチルドレンの友人。

「これから鈴原の所に行くんだけど、良かったら綾波さんも一緒に来ない?」

 鈴原・・・たしかフォースチルドレン。

 参号機の暴走により重傷を負ったはずだが、そんな事はどうでも良い。

「私はどこにでもついて行くわ、新司君が行く所になら」

 キッパリと言い放つ。

「え? い、いつの間にそんな・・・碇君、明日香のことは遊びだったの!?」

  ひとぎきの悪いことを大声で言うひかり。

 新司が答えるより先に彼女は叫び返していた。

「あんな乱暴でわがままで横暴でがさつで自分勝手で唯我独尊で傲岸不遜で人の迷

惑も考えない過剰防衛な人のことなんか関係ない!」 

 一息でこれだけの事を言い放つとは、なかなかの肺活量ではある。

「あ、綾波?」

「そ、そんな言い方ってないでしょ!」 

 ひかりが抗議の叫びを上げたが、彼女はそれに怯む気配も見せず、容赦なく反論

した。

 その間もアルカイックスマイルは崩れない。

 これも一種の無表情と言えよう。

「あの子はお母さんの代わりに甘える事のできる家族を捜していただけ。弐号機か

ら抽出されたパーソナルティーをあてがわれたら、すっかり立ち直ったわ、新司君

の事もきれいに忘れてね。」

 ちら、と新司の方を見やると、思い切りブルーになっているようだ。

 彼にとっても耳の痛い話だろう。

 唯が復活した途端に新司は、葛城一尉もセカンドチルドレンの事も忘れた。

 今の今までそんな事思い出しもしなかっただろう。

 彼が間違っていたのではない、と彼女は思う。

 本物の母親が復活したのなら、欺瞞に満ちた疑似家族など無用の長物だろう。

 それは当然の事。

 セカンドチルドレンも、全く同じ事をしているのだから。

 それでも彼は悩むのだろう。

 そうでなければいけない、そうでなければ好意に値しない。

「そんなつらそうな顔をしないで・・」

 そっと新司の頬に手を添えて、息がかかるほど顔を近づけて言う。

 だが・・・

「あ、綾波・・・」

 新司がそう言った途端、彼女は顔を離した。

「そうじゃなくて・・・」

「不、不潔だわ、二人とも!」

 また邪魔が入ったか、と彼女は脱力してしまう。

わなわなとその身を震わせながら叫んだひかりは、次の瞬間身を翻し走り去る。

「あ、ま、待ってよ委員長! じゃなかった洞木さん!」

 それを追うと言うよりは、彼女から逃げるように駆け出す新司。

「実際・・・逃げているんだろうな・・・」

 彼女は深くため息をつく。

 ダミープラグを見たときの新司の反応は聞いていた。

 今となっては新司にとって、綾波麗とは化け物の事なのだ。

 三人目の麗の体を使って唯は復活したのだが、その事は大きな溝となっている。

 だからこそ唯は、新司を祖父母の元にあずけたのだ。

ましてやバラバラになったダミープラグの残骸が、LCLを入れ替えたとたんに

プラナリアの如く再生して、その内の一体が自分である、というのは・・・・・

「教えたらまずいよね、やっぱり・・・・」

 けれど教えない訳には行かない。

 新司に嫌われたくない気持ちと、真実を伝えなければならないと云う気持ちが彼

女の中でせめぎ合っていた。

 もう一つため息をつくと、フォースチルドレンの入院先を聞くために携帯電話を

取り出しかけ・・・・

 思い直し、先に校外に出る事にする。

 どこまでも新司を追いかけるつもりだった。

 時間がたてば新司も自分に慣れてくれるかも知れないが、そうならないかも知れ

ないし、待つつもりもなかった。

「少しは考えて欲しいな、こっちの気持ちって奴も。やっぱり似合いの夫婦だよ、

あんた達は・・・」

















 彼女は最寄りの駅からモノレールに乗って30分ほどの距離を移動した。

 この町の、運河沿いに北上した所にフォースが入院しているはずだ。

 病院に行く途中、ちょっと回り道をして商店街でケーキ屋を探す。

 果物の方がいいかとも思ったが、



「はい、あーんして(はぁと)」

「え、ええがな、自分で食べられるさかいに」



などという光景を見せつけられるのは、いかに彼女がATフィールドの面の皮とア

ンビリカルケーブルの神経、とどめにS2機関の心臓を備えていようともさすがに

気恥ずかしいモノがある。

(ケーキでも同じ様な気もするけれど、少なくとも皮を剥く必要はないから・・・

皮・・・そうか、シュークリームにすればいいんだ)

 などと考えながらアーケードの人混みの中を歩いていると、眼鏡屋の店先に貼ら

れたカラーコンタクトの広告が視界に入って来た。

 最近話題の4人組の歌手の顔のアップのポスターである。

 その年の割に成熟した、色気さえ感じさせる容貌をかざる色とりどりの光彩。

 その下の方に、彼女たちの装着しているレンズの拡大写真が並べられていた。

 さすがに赤いレンズはなかったが、全部で17色あった。

 ちょっと興味をそそられたが、あまり時間もないので先を急ぐ。

 病院の前まで来てようやくケーキ屋が見つかったので、取り合えずシュークリー

ムを1ダースほど買う事にする。

 見舞客を対象にした店なためか市価より割高だったが、また商店街まで戻って探

しなおすような時間もないし、このさい止むを得ないだろう。





 病院にはいると、受付は無視してまっすぐ目的の病室を目指す。

 さすがに大学病院だけあって大きな建物で、リハビリをしている患者達の区画、

10階までは4基あるエレベーターに乗って行く。

(ラブコメなんかだと、ここですれ違うんだよね・・・ちょうどこのタイミングで

新司君が別のエレベーターでおりててさ・・・)

 そんなことを思いながら待つことしばし。

 途中、他の乗客を降ろしたりして止まりながら、エレベーターは上がって行く。

 やがて、エレベーターの扉と目的地の十階の扉が重なり、開かれる。

(どうやらドラマという物は、世の中の真理を限定付きであらわしているらしい)

 そんな事を考えている彼女の目の前に、碇新司少年は呆然と立ちつくしていた。







「新司・・・あ、綾波も一緒かい! どないしたんや?」

 びっくりした様子でこちらを見る冬児に、ほっとしたような腹立たしいような、

複雑そうな表情でこちらを見るひかり。

「ご挨拶だね・・・お見舞いに来た様には、見えないのかな?」

 左手に持ったシュークリームの箱を持ち上げながら言う彼女の右手は、しっかり

と新司の腕をつかんでいる。

「驚いたわ・・・綾波もこの町に来とったんかい」

 相変わらず怪しげな関西弁ではある。

 それはさておき、早いうちにこの誤解を解いておいた方が良さそうだ。

 さもないと、新司にさらに嫌われてしまう可能性が高い。

 彼女はその事に気づき、やや早口になって言う。

「人違いね、初めまして、フォースチルドレン」

「?? 何をいっとるんや、それよりええとこに来てくれたな」

 新司を連れ戻したことを言っているのであろう。

「いや、だから・・・」

「せっかく差し入れ持って来てもろといて悪いねんけど、ワシ、ちょっとな・・・

みんなで食べてんか」

「どうしたの?」

 体の具合でも悪いのかと思い、不安げに問いかけた新司。

 やはり冬児の怪我に対してそうとう罪の意識を感じているようだった。

 だが、入院中だと言うのにやっぱり黒ジャージをパジャマの代わりに着こんでい

るようなこの少年には、そんな懸念は全然必要なかったようだ。

「いやな、ひかりの作ってくれる弁当がうまくてなあ、少し太ってしもうたんよ」

「やだ、鈴原ったら・・・」

 これが漫画なら、そこら中にハートマークが浮いていそうだ。

 冬児が入院しているのは平均的な4人部屋だったが、まわりの患者や見舞客も、

もう慣れっこになった様子で苦笑を交わしている。

 どうやら果物やケーキでなく、片手で食べられる一口サイズのシュークリームを

買ってきた彼女の配慮は無駄に終わったようだった。

「わ、私も逃げたくなってきた・・・」

 新司に身を寄せ、耳元でそうささやくと、新司も微苦笑を返して来る。

 彼らだって、傍目にはどう見ても・・・・なのだが自覚は無い様だ。

「何ゆうてんねん、お前等が言っても説得力が無いわ」

 苦笑して言う冬児。

「それより、人違いってどう言う事?」

 さすが委員長と言うべきか、ひかりが話を元に戻してくれた。

 急いで自分が彼らの友人であった綾波麗ではない事を説明しようとする彼女だっ

たが、そこに車椅子の少女が乱入して来た。

「こんにちは、ひかり姉さん!」

「こんにちは」

「おう、夏美やないけ」

「えっと、初めまして。・・・兄ちゃん、この人達は?」

 まだつかんでいた腕越しに、新司が息をのむ気配が伝わってきた。

 どうやらこの子はフォースチルドレンの妹のようだ。

 そもそも彼女をもっと良い病院に入れる事を条件に、冬児はエヴァに乗る事を承

諾したのだという。

 その時には、まさか自分も同じ様に入院する事になるなどとは思ってもみなかっ

ただろうが・・・

 第参使徒と初号機の戦闘の余波で崩れたシェルターの中、重傷を負った少女。

 かつて新司は「二人目」の目の前で、それを恨みに思った冬児によって殴り倒さ

れていた。

 彼らの友情はそれをきっかけに始まったのだ。

 それにしてもどうしてこう邪魔が入るのか、と彼女は思わず天を呪っていた。









 結局、冬児の妹を交えてシュークリームを食べる事になった。

 病室で食べるわけにも行かないから、喫煙所をかねた待合室に移動する。

 道中、ひかりが甲斐甲斐しく冬児の世話をするのを見せつけられたが・・・

 ややこしい話は食べてからにする事にした。

 意外な事に、彼女は実は甘党なのだ。

 それは夏美も同じらしく夢中で食べている。

 父親はネルフに勤務していたはずだから、子供達だけで疎開してきたのだろう。

 こちらでは院内でしか友人を作ることができず、見舞客も滅多にあるまい。

 ひかりにしてもそうそうお菓子を買ってきてやる余裕は無いはずだ。

 彼女にとっては久しぶりの御馳走というわけだ。

「喉、乾いただろ? ジュースを買ってくるよ」

 自分の分を夏美に分けてあげた新司が真っ先に食べ終わり、そう言って待合室か

ら出てゆこうとする。

 言っている事はもっともらしいが、そわそわと落ち着きのない態度と言い、逃げ

出そうとしているのがまるわかりだ。

 逃げると言っても病院から、ではあるまい。

 今の新司は逃げることからも逃げようとしている。

 ただの時間稼ぎに過ぎないが、それはあまりいい態度ではない。

「待って、新司君。私も行くよ。一人じゃみんなの分を持ち切れないからね」

 本心は「また逃げ出されてはならじ」と言う事なのだが、彼女も席を立つ。

 ひかりはあまりいい顔をしていない。

 彼女はセカンドチルドレンの友人であり、新司によりかかりたいのに意地を張っ

ていた明日香に色々とお節介を焼こうとしていたはずだ。

 たぶんそのせいだろう、「同僚の好きな子を横取りするなんて」と言うわけだ。

 が、そんなモノは無視する。

 無視しようとしたのだが・・・・・

 ひかりの放った一言の前に、彼女の目論見は挫折を余儀なくされた。

「二人とも、自販機がどこにあるか知ってるの?」

「・・・・・」

「・・・・・」







 二人とも知らなかったので、彼女とひかりが買いに行くことになった。

 ひかりは夏美にも一緒について来るよう誘った。

 新司と冬児が話し易いようにしているのだ。

 それを見てとった彼女は、自分の推理が邪推に類する物だった事に気付いた。

 ひかりが怒っていたのは見舞いに来ておいて新司といちゃつこうとしていた事に

対してだったらしい。

 誤解なのだが、そう受け取られるような言動をしていたのも事実だ。

 確かにこれはこちらが悪かったかな、と反省しながら待合室を出た。

 新司と冬児が何を話しているのか気にはなったが、この事は彼自身が解決しなけ

ればならないのだと割り切ることにした。



 車椅子を押すひかりについて行くと、自販機はエレベーターホールの隣にあった。

「これなら新司君が逃げ出しても大丈夫ね。夏美ちゃんは何がいい?」

 待合室を出ると、男の子達の事が気になるのか、ひかりは急に無口になった。

 仕方がないので彼女が夏美に話しかけたが、幸い夏美は人見知りをしない子のよ

うで、元気良く応えてくる。

「エビチュ!」

「ちょっとちょっと・・・冗談でしょ?」

 てへ、と舌を出している様子は、冬児が妹馬鹿になるのもなるほど、とうなずけ

る位に可愛かった。

「・・・綾波さん」

 不意にひかりが話しかけてくる。

 いよいよ来たかと思い、先手を打つことにした。

「セカンドチルドレンの事なら、聞けないわよ」

「そうじゃなくて、明日香の事には違いないけど碇君の事は関係ないの」

「・・・何が聞きたいの?」

「さっき言ってたけど、どう言うこと? 弐号機のパーソナリティーがどうのって

・・・明日香は一体どうしてるの? ・・・洗脳でもされたの?」

「・・・あの連中ならやりかねないけどね、違うわ。むしろ逆に洗脳が解かれたか

らこそ抜け殻のようになってしまったのよ」

「解かれたって、それじゃ今までは・・・私達の知っていた明日香は・・・ウソの

明日香だったの?」

 悲痛な表情をするひかり。

 けれど彼女の唇からこぼれる言葉は容赦なくとどめを刺した。

「物心ついた頃からエヴァに乗るために育てられてきたんだもの、本人もその事に

疑問も持つ事なく依存してきたし、洗脳と言っていいと思うな」

 憂うように細い眉を寄せながらも、決して消えることなく彼女のかんばせ(顔)

に刻まれたアルカイックスマイル。

 そんな彼女にひかりが、まるで恐ろしい化け物を見るような視線を向けて来る。

「・・・今はどうしてるの? 弐号機のパーソナリティーって言うのは何の事?」

「今は回復してるよ、弐号機に心を取り込まれたお母さんの腕の中で、だけどね」

「そんな・・・」

「そんな事をしてまで、彼らは生き残ることを望んでいたのさ。そして今も彼女を

必要としている、人類の味方である唯一のエヴァの、パイロットとして。」

「鈴原の手足だけじゃ足りないって言うの!?」

 あまりの理不尽に、とうとう声を荒げるひかり。

 その声に驚き、彼女は我に返った。

 どうやら少々話しすぎてしまったようだ。

 夏美もびっくりした顔でこちらを見ている。

 幸い、あまり理解出来てはいないらしい。

 いないらしいが、とはいえ・・・

(こんな子供に聞かせるような話じゃあなかったね)

 反省反省、などと思い、さっさと話を切り上げる事にした。

「君も、エヴァに乗せられていたかも知れない。あの教室には、候補者を集めてい

たからね。・・・綾波麗は、魂さえ失ったわ」

「・・・え?」

「そろそろ戻らないと。新司君のことだからまた逃げ出してしまうかも」

「そうね・・・」

 ひかりは釈然としない様子だったが、夏美の車椅子を押して待合室へ向った。

 彼女もその後について行く。

 自販機に投入された200円は、もはや誰からも忘れ去られていた。







 新司は泣いていたようだった。

 三人が待合室に戻った時、彼は目の周りと、鼻の頭と、耳たぶを赤く染めていた。

「だいじょぶですか?」

(わ、私が言いたかったのに・・・)

 最後に部屋に入ったため、行動が遅れてしまったのだ。

 悔しがる彼女だが、まさか夏美に八つ当たりする訳にもいかず、沈黙を守る。

「大丈夫だよ。・・・・君も、その・・・」

「いいんです。碇さん達が戦わなかったら、みんな死んでいて、怪我どころじゃな

かったんだから。だから気にしないで下さい」

 その言葉にまた涙ぐむ新司。

「ご、ごめん・・・僕がもっとしっかりしていたら・・・」

「(折角気を使っているのを無駄にする気かい?-_-;)いい子じゃないの。・・・

君は、自分を攻めすぎるよ。その優しさは好意に値するけれど、いくら頭を下げたっ

て彼らの傷が癒える訳じゃないんだよ」

 その通りとばかりに頷いていた冬児が、不意に爆弾のような科白を突きつけた。

「せやけど綾波も随分変わったなあ、まるで別人みたいや」

 何気ないその言葉に、鈴原兄妹を除く3人の顔が強張る。

「時々男言葉が混じってたりするけど・・・・なんぞあったん?」

「それは・・・」

 彼女は言いよどんだ。

 いままで散々邪魔されていたけれど、いざそれが無くなると、今度は自分の心が

邪魔をしてしまう。

 さっきの新司の態度・・・

 まだ彼の心に麗に対する思いが残っているのなら・・・

 あくまで綾波麗として通すのも、悪くないかも知れない。

 そう囁いて来る自分が在るのは、植え付けられた記憶のせい。

 綾波麗の記憶、綾波麗の想い。

 けれど彼女の・・・最後のシ者本来の意志は、それに耐えられない。

「そう言えば、まだ自己紹介してなかったわね」

 夏美に向かって言うと、シュークリームに気を取られていた少女は赤面して言う。

「はい、でもお兄ちゃん達から聞いていたから・・・」

「誰だかわかったのね・・・・でも私は・・・」

 一度深呼吸をし、背筋を伸ばして言う。

 祈るように、ガラスの魂を持つ少年を見つめながら・・・

「私は・・・フィフスチルドレン、渚薫。今更だけど、初めまして皆さん。

 また、会えたね、新司君」

 彼女は、綾波麗の命と想いとを継いだ魂は願った。

 祈るように、ガラスの魂を持つ少年を見つめながら・・・

どうか、砕け散ることなく私を受け止めて、と。






To be continued!
ver.-1.00 1998+04/24公開
感想・質問・誤字情報などは t2phage@freemail.catnip.ne.jp まで!




 さて、前回の後書きの続きです。
 名前を漢字表記にしたのは、そもそも何故カタカナ表記なのか理解できなかっ
たせいもあります。
 それにこうしておく事で、「これはパロディーだよ」と断っておきたかったん
です。
 この話を書いた頃は、著作権というものを随分堅苦しく考えていたもので。
 で、何故「玲」でなく「麗」にしたのかというと………
 ファンロードという雑誌があります。その雑誌では「ハシラ」という読者から
の情報などを載せたコーナーがあるんです。
 たとえば5月号の例では「仕事で知ったエヴァ効果〜大建@業、畳表の新製品
「綾波」発売!(我が住宅資材業界にまで・・・)」というように。
 そのコーナーで、ある時とんでもない事を知ってしまったのです。
「やっぱりいた! AV女優綾波玲!〜でも顔は似てないらしい」
 い、いやじゃあ!! 慌てて名前だけ書き換えちゃいましたよ。
 「麗」にしたのは暮に放映された「踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル」
に「レポーター綾波麗」というのがありまして、そこから取ったんです。
 てなわけで事情は色々あったんですが、深い理由は全然無いんです。

 トリはシンジです。
 彼は「新しい時代を司る」という意味を込めて「新司」としました。
 これはこのSS(およびエヴァンゲリオン)における彼の役割を表しています。

 まあ、結局深い理由があったのは新司と薫だけですね。
 さて、お別れです。
 お客様、管理人様、並びに前回忘れてしまった入居者の諸先輩方、どうぞ宜し
くお願いします。
      敬具   03:プリーチャー





 03;プリーチャーさんの『シ者 再来』第弐話、公開です。




 何とAVに居ましたか、
 ”あやなみれい”(^^;


 ”あすか”の方は

  アイドル系とか、
  ドラマの登場人物とかに

 その性格などまであわせたような感じでてきていましたが・・・・


 ”あやなみ”は見かけなかったんですね。


 漫画では結構見たけど。

  最近では「アッパーズ」とかいうのに−−



 雰囲気的に実物ではやりにくいのかなぁ


 どうでもいいことか(^^;




 さあ、訪問者の皆さん。
 03:プリーチャーさんに感想メールを!

 

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