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                  『西方漫遊記演舞』
                     第2劇



昔々、まだ神族,魔族,人族の領域が別れていなかった頃のお話です。

さて、東方の神族のユイ・イカリがゆっくりと休んでしますと毎日欠かさない叫び声が聞こえてきます。

「コラ〜! 早くここからアタシを出せ〜!
 返事をしろ〜! 何とか言え〜!
 返事をしろ〜! 何とか言え〜!
 返事をしろ〜! 何とか言え〜!・・・・・・」

ユイ・イカリは、ため息まじりに呟いた。

「まったくあの子は、何時になったら成長するのかしら...」

どうやら、この愚痴を毎回聞いている側近のレイは、何を言っても無駄と分かっているらしく無言で答えた。

「.....」

今回の女神アスカの出番は、これで終わりです。

(早くアタシの出番を作りなさいよ〜〜)(エコー×5)



さて、これより本題に戻ります。

ここは、シナの国のティサントンキンシティ(変は中国語でゴメンなさい)

この街は、ここ数年、悪天候,災害,魔族(シト)の襲撃を受けており、街の住人は段々と疎開して都市機能が衰退の一途たどってきました。

住人がいなくなれば食料品,生活必需品等の流通が停滞してきた。また隣の街よりの救援物資もシトの襲撃で寸断されてしまいました。

例え、住人が居なくなってもシト撃退都市であるティサントンキンシティでは、役人が残っており生活物資の欠乏はどうにもならないところまできていました。

この絶体絶命のピンチにティサントンキンシティの市長であり神官のゲンドウ・ロクブンギは、予てより開発していました電脳計算箱『賢者』を使用して解決策を模索していました。

その結果は、『回答不能』の連続でした。

この回答にゲンドウ・ロクブンギは、「もう一度計算させろ。」/_\

「はい、わかりました。」(^^);;

『回答不能』

ゲンドウ・ロクブンギは、何も回答しない賢者に腹をたてながら、開発責任者リツコ・アカギに申し付けました。
「いったい何が『賢者』だ、来年から別の部署に予算を回そうか、なあリツコ君」/_\#

リツコ・アカギは、《 予算打ち切り → 電脳計算箱開発部廃止 → 失業 》を連想し、焦って懇願しました。

「ま、待って下さい。もう一度、もう一度計算させて下さい。」

リツコ・アカギは、死にものぐるいで操作しました。

「動け!(ローキック)、動け!(パンチ)、動け!(ニー)、
 動け!(エルボー)、動け!(ヘッドパッド)、動け!(ボディプレス)」

リツコ・アカギは、神業のキーボード操作に加えてボディランゲージで入力しました。
(本家の碇シンジは、ただレバーを揺するだけだったの対し、さすがリツコは年の甲でバリエーションを豊富でした。)

これを千里眼で覗いていたユイ・イカリは、もうそろそろよかろうと『賢者』を媒体にしてお告げを下した。

『ゲンドウ・ロクブングよ、よく聞きなさい。』

この声を聞いてゲンドウ・ロクブンギは眼をひん剥いて驚きました。(○◇○)

もちろん、リツコ・アカギは、許容量オーバーでシャットダウンして寝込みました。(@◇@)

『今、ティサントンキンシティは人の信仰が落ちて堕落しています。
 魔族は人の闇を力の源としています。
 つまり、ティサントンキンシティは、魔族の格好のエサ場です。
 それにティサントンキンシティには、シトのエサとなる聖者がいます。
 この急場を凌ぐには、方法はただ1つしかありません。
 聖者を私の処に遣わし、新しい経典を授かりなさい。』

「もしや、あなた様は、ユイ・イカリ様では。」

『そうです、あなたの元妻のユイ・イカリです。
      :
      :
 聖者シンジ・イカリは、元気ですか。
 聖なる経典を授かりにくる役目を無事こなせる見込みがあるのは、私の血を引く聖者シンジ・イカリしかいません。
 ....道中には、私が倒した2人を除く15人使徒が待ち受けています。
 ....私は、直に助ける事が
 ゲンドウ・ロクブンギ、どうかシンジを送り出して下さい。』(ぷすん)(ぷすん)

ここまでで『賢者』は、煙をあげて壊れました。

ゲンドウ・ロクブンギは、感無量になりながら思い出に浸っていました。

『聖母ユイ・イカリ....
 慈愛の神ユイ・イカリ....
 孔雀聖母ユイ・イカリ....
    :
    :
 阿修羅のユイ・イカリ....』

どうやら、ゲンドウ・ロクブンギは、楽しい思い出から夫婦喧嘩の思い出まで思い出しました。

そんな、ゲンドウ・ロクブンギの前では、リツコ・アカギの期待に答えた『賢者』が燃え尽きて真っ白な灰に成りかけていました。

「アタシのナオコが〜ナオコが〜燃えている〜」(( 大 ))

と、リツコ・アカギは、燃えている『賢者』に母さんをだぶらせて錯乱していました。

「ふっ、問題ない。」/_\

『賢者』は、こうして第1発見者の錯乱により燃え尽きてしまいました。



次の日、聖者シンジ・イカリは、ティサントンキンシティの庁舎に呼び出されました。

神官ゲンドウ・ロクブンギに謁見しに謁見の間にいきますと目の前にはアフロヘアーにサングラスのオッサンと全身包帯巻きのオバサンが待っていました。

「よく、来たなシンジ」/_\

「もしかして、父さん」(^^);;

アフロヘアーと全身包帯巻きは、無愛想に答えました。

「父ではない、神官ゲンドウ・ロクブンギだ」
「シンジ君、あなたは聖者になった時から神官と親子ではないはずよ。」

シンジ・イカリは、噛み合わない答えで目の前にいるのが神官ゲンドウ・ロクブンギと開発責任者リツコ・アカギであることを認識しました。

ゲンドウ・ロクブンギは、言葉少なく言い放しました。

「シンジ、母の処へ行け! いやなら帰れ!」
訳『シンジ、聖母ユイ・イカリの処に行って、聖なる経典を授かってきてくれ。もしいやなら帰ってもいいんだよ。』

シンジ・イカリは、何のことかさっぱりわかりません。思わず問い返しました。

「父さん、何言ってるんだよ! 解らないよ!」

ゲンドウ・ロクブンギは、またもや言葉少なく言い放しました。
「いやなら帰れ!」
訳『シンジ、この旅は危険なんだよ。いやなら帰ってもいいんだよ。』

シンジは、ますます解らなくなりリツコ・アカギに助けを求めました。

「リツコさん、いったいどうしたんですか?」

リツコは、解り易い様に話ました。

  ・街に起こっている災害の事
  ・街に包囲している魔族(シト)の事
  ・聖なる経典を授かり行く旅にシンジが選ばれた事
  ・道中には、シトが待ち構えている事
  但し、シトの目標がシンジである事は省かれた

ここまで聞いてシンジ・イカリは、約束通りのセリフを言いました。

「無理だよ、出来っこないよ!!」(;;)

シンジ・イカリが駄々を捏ねるを見たゲンドウ・ロクブンギは、片手を上げて合図しながら、

「最初から予備はいない、嫌でも何でもおまえしかいないんだ。」(ゴメンね、シンちゃん)

と、言い放ちました。
隣の部屋から入ってきた黒服ABがシンジの両腕を抱えますと強制的に連れていきました。


これを千里眼で見ていたユイ・イカリは、

「やっぱりね....(^^);;
 (愛しのシンちゃんの大ピンチだわ)
 聖者シンジ・イカリを救うために援軍を送らねば」

と、呟いてから側近のレイを呼び寄せました。

「レイ、レイ」
「はい、お呼びでしょうか、ユイ・イカリ様。」

ユイ・イカリは、レイに大至急シンジ・イカリを助ける事を命令しました。

「レイ、今ティサントンキンシティから旅立つ聖者がいます。
 その聖者とは、私の息子ですがまだ未熟で気弱です。
 現在ティサントンキンシティを包囲している魔族達の関心を聖者に向けさせなさい。
 シンジが出発してから街に戻らないようしなさい。 <<おいおい
 シンジが最初の試練を乗り越えたら先に待つ3人の従者について教えてあげなさい。」

「任せて下さい。ユイ・イカリ様」

レイは、命令を受けると疾風の如く飛び出していきました。



シンジ・イカリが強制連行されてから、1時間後

シンジ・イカリは、用意されていた旅行装備一式を付けられて馬に跨ってティサントンキンシティの門の前にいました。

聖者の旅立ちの姿を見たゲンドウ・ロクブンギは、涙をポロリと流し

「立派になったな、シンジ」

そんな、神官ゲンドウ・ロクブンギを見てシンジ・イカリは焼けくそで答えました。

「ありがとう、父さん。
 ところで、あの集団は何ですか。」

ゲンドウ・ロクブンギは自慢げに答えました。

「あれこそ、神官から聖者授ける従者だ。
 その名も影武者くんA〜Zだ。
 目の前の包囲網を突破したら、後は道中聖者の世話をする者達だ。」


この出発を街の上空で見張っていた、シトの親玉カヲルは楽しそうに配下のシトに命令しました。

「待っていたよ、シ・ン・ジ・君 ....
 サキエルくんかも〜ん!」

後ろに控えていた第3シトのサキエルがカヲルの前に現れました。

「ウィ〜ムシュ、カヲル」

「さあ、得意のガイコツ剣士を使って今から出発する聖者を追い立てなさい。
 それから、邪魔な名も無いキャラクタを排除しなさい。
 まず最初にサキエルくんに聖者を食べるチャンスをあげよう。」

「わかりました、カヲル様。」

『シンジ君のまず最初の試練だよ(ハアト)』



さあ、三者三様の思惑の出発です。
(但し、シンジ本人以外は、如何にシンジを追い立てるか画策しています。)

シンジと26人の従者が街から1里程きたところで、まず最初のシト、サキエルくんに遭遇しました。

サキエルくんは、この昔話の時代設定で黒いタキシードに白い蝶ネクタイのイデタチです。

サキエルくんのイデタチに驚いたシンジは、

「な、何なんだ、お、おまえは!!」

と、問いかけますとサキエルくんは、余裕たっぷりに紳士的に答えました。

「お初にお目にかかります、聖者シンジ・イカリ。
 私めは、第3シトのサー・サキエルと申す者です。あなた様を最初に襲う権利を貰いました。
 さあ、覚悟のほどはよろしいですか。」

それを聞いた影武者君A〜Zは、叫びながら聖者を庇う様に戦闘隊形をとりました。

「敵は、1人だ恐れることはないぞ! かかれ!」

サキエルくんは、そんな声にも慌てず片手を上げますと一行の周りからガイコツ剣士が生えてきました。
(参考映像:シンドバッド虎の目の大冒険)

影武者君A〜Zは、今まで街を包囲して苦しめてきた不死身のガイコツ剣士の大軍をみて脅えました。

「ヒッ! ガ、ガイコツ剣士!」

一行が脅え浮き足立つのを嘲笑うようにサキエルくんは、合図しました。

「成敗!!」

ガイコツ剣士達は、一斉に襲いかかりました。

(チャンバラ、チャンバラ)

影武者君達は、応戦しましたが相手は不死身のガイコツ剣士斬っても斬っても立ち上がり、そのうち影武者君達のほうが疲れてきて一人また一人とシンジ・イカリを庇う様に倒れていきました。

それを見ていたシンジ・イカリは、声を掛ける事しかできませんでした。

「影武者君A!」「影武者君B!」「影武者君C!」「影武者君D!」「影武者君E!」
「影武者君F!」「影武者君G!」「影武者君H!」「影武者君I!」「影武者君J!」
「影武者君K!」「影武者君L!」「影武者君M!」「影武者君N!」「影武者君O!」
「影武者君P!」「影武者君Q!」「影武者君R!」「影武者君S!」「影武者君T!」
「影武者君U!」「影武者君V!」「影武者君W!」「影武者君X!」「影武者君Y!」
「影武者君Z!」
(何とか全員の名前を言えた!ごめんなさい影武者君)

とうとう影武者君は26人全員倒されてしまい、シンジ・イカリの周りにはガイコツ剣士とサキエルくんしかいませんでした。

脅えて震えるシンジ・イカリに対してサキエルくんは、余裕で言いました。

「邪魔な影武者君は始末しました。
 さあ、どうします聖者?
 おとなしく私のディナーになりますか?」

シンジの今の状態は、ヘビににらまれたカエルです。さあ、エバもアスカも出てこれない設定でどうするのか?

長くなりましたので今回はこの辺で失礼します。

【続劇】







NEXT
ver.-1.00 1998+04/24 公開
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後書きのようなもの

シンジを旅立たせる設定に苦労しました。

この第2劇は、第1劇の前に作成しましたが、セーブする直前にOSがダウンして初期化されました。(;;)

今回は、シンちゃんの旅立ち編でしたが、何故か段々サキエルくんが膨らんでいきました。

サキエルくんをもう少しガンバッテもらいたくて途中で終わりました。

次回こそ、アスカとシンジの出会いはあるのか?
レイは、この窮地をどう助けるのか(ネタばれ)

ついでにネタばらしティサントンキンシティとは、第3の東京+シティの合成語です。

では、この様なSSを載せていただい大家の神田様、読んでいただいた皆様に厚くお礼を申しあげます。






 NASAさんの『西方漫遊記演舞』第2劇、公開です。




 旅立った聖人シンジ・・・


 いきなり酷い目にあっていますね。

 シンジと苦境、
 切っても切り離せない物なんだな(^^;



 何処に行っても付いて回る痛ったい目。


 すぐにレイが、
 そのうちアスカが、

 お供になるんでしょうが・・・


 この二人がお供になっても”苦境度”はちっとも改善されそうにない・・・(^^;


 がんばってね〜




 さあ、訪問者の皆さん。
 貴方の感想をNASAさんに!



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