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シンジは父親の碇ゲンドウに呼ばれて、第三新東京市にやってきた。

してここネルフにつれてこられた。

だが、再会したシンジへの言葉は再会を喜ぶものではなく、「汎用人型決戦兵器人造人間エヴァンゲリオン初号機」に乗れというものだった。


第壱話 使徒襲来


碇シンジが「人造人間エヴァンゲリオン」に搭乗し、使徒と戦うことを拒否していたところ、一人の少女が担架に乗せられ運ばれてきた。

体中に巻かれた包帯が痛々しい。

そして開口一番こういった。

「私が初号期に乗るの?パパ。」

『ど、どうしてこの子が父さんのことをパパって??』

少女のその一言を聞いて、碇シンジは完全にパニックに陥っていた。

まあ、初めてあった女の子が自分の父親を、そう呼んだのだから当然といえば当然だろう。

その前に「人造人間エヴァンゲリオン」に乗って、「使徒」と呼ばれている巨大な生物と戦えといわれていたせいもあるが・・・。

「そうだレイ、シンジが初号機に乗ることを拒否してしまったからな。」

「え、シンジって・・・お兄ちゃん!

それを聞いてますます混乱するシンジ。

『な、何で僕のことを・・・。それよりお兄ちゃんて・・・。』

しばらく考えていたシンジだが、ある結論にたどり着いた。

「父さん!!僕だけじゃなくて母さんまで裏切ってたんだ!!」

シンジの言葉に周りの空気が凍り付く。

「どう意味だ、シンジ。」

碇ゲンドウはいち早く立ち直るとシンジに聞いた。

「だって、僕と同じくらいの年齢の子供がいるってことは、浮気をしていたとしか考えられないじゃないか!!」

「ふん、くだらんことを。」

しばらく二人はにらみ合っていたが、ゲンドウの方は多少動揺しているようだ。

「お兄ちゃん、パパのこと誤解しているみたいだから、私から話そうか?」

ギスギスした空気に耐えられなくなったのか、レイがゲンドウに問いかけた。

「いらん。それよりシンジ、おまえはいつまでここにいる気だ?初号機に乗らないんだろ。」

「乗ります。」

「シンジくん、どうして・・・。」

いきなりシンジが乗るといったので、驚くミサト。

「だって、僕が乗らなかったら僕の妹が乗ることになるんでしょ。そんなこと、できるわけないですよ。」

シンジの言葉を聞いて、ミサトは決心が変わらないうちに初号機に乗せることに決めた。
 
 

「冷却終了。ケイジ内すべてドッキング位置。」

「パイロット・・・エントリープラグ内コックピット位置に着きました!!」

「了解、エントリープラグ挿入!」

オペレーターの声とともに、初号機の軌道準備が滞りなく進んでいく。

「プラグ固定終了。」

「第一次接続開始!」

「エントリープラグ注水!!」

エントリープラグ内にLCLが満たされていく。

シンジはLCLの水かさがどんどん増えていくのを見て、おぼれてしまうのではないかと思いパニックになった。

「な、何ですかこれ。」

シンジの問いにリツコは落ち着いて答える。

「大丈夫、肺がLCLで満たされれば直接血液に酸素を取り込んでくれます。」

そう言っている間に、エントリープラグの中いっぱいにLCLが満たされた。

シンジは空気を吐き出すと、一言

「気持ち悪い」

とつぶやく。

ミサトはそれを聞いて、シンジをしかった。

「我慢しなさい、男の子でしょ。」

シンジは心の中で、

『ミサトさんは乗ったことないからそんなことがいえるんだ』

そう思ったが、口には出さなかった。

「主電源接続、全回路動力伝達、起動スタート。」

「A10神経接続異常なし。」

「初期コンタクトすべて問題なし。」

「双方向回線開きます。」
 
 

初号機のシンクロ率を見て、リツコは驚きの声を上げた。

初号機に初めて乗ったシンジのシンクロ率が、40%を越えていたからだ。

「すごいわ・・・・・。シンクロ誤差0.3%以内よ。いけるわ。」

「エヴァンゲリオン初号機!発信準備!!」

ミサトの命令とともに、次々に初号機の拘束具がはずされる。

そして、射出口に移動する。

「5番ゲートスタンバイ!」

「進路クリア、オールグリーン!」

「発進準備完了」

「了解」

初号機の発進準備が整ったのを確認して、ミサトはゲンドウに確認をとった。

指令としてではなく、父親としてのゲンドウに。

「碇指令、かまいませんね?」

だが、ゲンドウは躊躇せずあっさりと答える。

「もちろんだ。使徒を倒さぬ限り、我々に未来はない。」

「発進!!」

そして、初号機が発進された。
 
 
 

初号機が地上にでると、目の前に「使徒」がいた。

『シンジ君、死なないでね』

ミサトは心の中でつぶやく。

「いいわね、シンジくん。」

「はい。」

「最終安全装置、解除。」

初号機を拘束していた、最後の安全装置が取り外される。そして、

「エヴァンゲリオン初号機、リフトオフ。」

初号機が解き放たれた。

「シンジくん、今は歩くことだけ考えてちょうだい。」

どうしていいかわからないシンジに、リツコから指示が飛ぶ。

それを聞いて、心の中で「歩け、歩け」とシンジは念じる。

初号機は、それに答えるように一歩を踏み出す。

オペレーター室の中で歓声が起きる。

「歩いた!」

だが、すぐに初号機はバランスを崩して倒れてしまった。

「しっかりして!早く、早く起きあがるのよ!!」

だが初号機は「使徒」に捕まってしまう。

「使徒」は、初号機の頭をつかみ、軽々と持ち上げる。

そして、左手をつかみ引きちぎろうとする。

シンジの腕に走る激痛。

「シンジ君、落ち着いて!あなたの腕じゃないのよ!!」

ミサトの声は全くシンジの耳には届いていない。
 

「エヴァの防御システムは!!」

「シグナル、作動しません!!」

「シールド無展開!」

「だめか!!」
 

そして初号機の、腕は折られてしまった

「左腕損傷!!」

「回路断線!!」

全く無抵抗の初号機に、「使徒」はさらに攻撃を加える。

初号機の頭をつかんでいた手に、エネルギーが集まる。

「シンジ君、よけて!!」

ミサトは叫ぶが、初号機は「使徒」から頭何度も攻撃を受ける。

今度は頭に激痛を感じるシンジ。

「頭蓋前部に亀裂発生!!」

「装甲がもう持たない!!」

「使徒」の攻撃が、頭を貫通する。

初号機はビルにたたきつけられ、大量の体液が吹き出す。

「頭部破損、損害不明!!」

「制御神経が次々断線していきます!!」

「パイロット反応ありません!」

「シンジ君!!」
 
 

「は!!」
シンジが目を覚ました場所は、真っ白な病室だった。
 


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ver.-1.00 1998+02/03 公開
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 伍号館6人目、113人目です(^^)

 新設の伍号館も早々と部屋がうまってきましたね。


 本日最初の御入居者、
 てっちゃんさんこんばんは〜


 第1作、公開です。



 シリアスモノかな?

 レイがゲンドウをパパと呼んでいることについて、
 それをシンジが突っ込んでいるところはちゃっとギャグっぽい??


 パパ。

 これが鍵なのかな



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