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 それは淡い淡い幻想の中。

 星空の流れのように澄んだ空間に身を任せ、たゆたうアスカの意識。

 しかしその静けさは、彼女に清々しさよりはむしろ凍えるほどの寂静を与え。

 

 ―――夢? これは夢の中なの?

     ……夢でも、独りぼっちは寂しい物ね―――。

 

 そんな彼女の温もりたりえるのか、或いは絶望の使者たりうるのか、そっとアスカの背後に佇む人影。

「……なんだ、アンタ達か」

 ―――夢の中って、思い通りに言葉を発する事が出来たのかしら。

 そこには、冷酷な瞳を湛える親友達の姿があった。

 何かに勘付いたアスカの瞳が、それ以上に冷たい眼差しで二人を射る。

 

 そこにあったのは、

 あの暖かいレイの瞳でもなく、あの飄々としたカヲルの微笑みでもない。

 彼等は何をそんなに絶望していたのだろう。

 何故、そんな哀しい瞳をしているのだろう。

 

 アスカの疑問が一つ紐解けた。

 

「アンタ……ファースト!?」

 

 何時以来だろう。その少女が「ファースト」と呼ばれたのは。

 その少女が、黙したままアスカを見つめ返していた、いや睨み返していた。

 まるで氷の手に心臓を鷲掴みにされたかのように、或いはそのまま氷海に叩き込まれたかのように、アスカの意識は呪縛されてしまっていた。

 

 

「……どうしてあなたは覚えてるの?

 あなたの為の『補完』だったのに。

 

 ……どうして、あなたは逆らうの?

 あなたの為の『世界』だったのに。

 

 ……そして今更、碇君に何を求めてるの?」

 

 狼狽えた。

 他に反応の仕様がなかった。

 例えどんなに前向きに励んだ筈の自分でも、この少女の凛とした眼差しと態度にどうしても嫌悪感を隠せない自分を思い知った時、折角の絆を断たれてしまったような、自分の居場所を失ってしまいそうな、そんな彼女の古傷を撫でるかのようなこの世界からアスカは逃げ出しそうになった。

 

 ―――でも、もうそんな自分には負けたくない。

     もう一度歩み出したいと願い、誓った自分を捨てたくない!

 

 だから、彼女は振り返らない。

 思い直し、自分に一つ喝を入れ直し、毅然と二人に対峙するアスカの姿。

 

(シンジにもう一度逢いたいと願った自分を知っている。

 そして、二人で強く生きていきたいと願った自分がいる。

 だから、アタシはそんな自分を好きになりたいから。

 もう、弱い心に負けたくないから……)

 

 強く、凛然と輝くアスカの瞳。

 だがそのアスカの強靱な意志さえ挫こうとすべく、アスカを見据える二対の瞳がより一層哀しみに彩られる。

 

 残酷を口にしたのはレイだった。

 

 

「悪い事は言わないわ。あんな少年の事なんか、忘れなさい」

 


 

=悔恨と思慕の狭間で=

 




−第十三章 当為−SOLLEN− −

 

 

 

「ふざけた事言わないでよ!」

 アスカが喰ってかかった。

 自分に負けたくないと思い込む激しさが、かえってアスカの理性を奪いかねなかった。

 

「もう一度だけ言うわ。

 『碇シンジ』は最早慈愛を受けるに値しない存在。

 全て忘れるの。それがあなたの為」

 

 バシッ!!

 

 ……レイの白磁のような左頬に、朱が射す。

「アンタ今更何を言ってるのよ! わかんないわよ!!

 大体っ、アンタこそシンジを覚えてるんじゃないの!

 どうして教えてくれなかったの!? なんで黙ってたのよ!?

 ……どうして、今更そんな事言うのよ……!」

 

「あなたに教える事は絶対に出来ない。

 それが『綾波レイ』の意志」

 

「なにがよ!

 そうやって、アタシを出し抜こうとでもしたの!?

 シンジを独占したいとでも考えたの!?

 

 今更……シンジを忘れろですって!?

 シンジはアンタなんかに渡さない!

 シンジは……アタシが取り戻すんだから!!」

 

 所詮、我欲でしかなかったのだろうか。

 一通り捲し立てた反面、言葉の汚さに自己嫌悪するアスカ。

 

 だが、そんな言葉もレイにとって身に覚えの無い事ではないのかも知れない。

 

「あなたは碇君の何も分かっていない。

 そして碇君の『何』にもなってあげられなかった存在なのに」

 黙々と語るレイの言葉にも、アスカに対する棘を多分に含んでいるのは間違いがなかった。

 静かな瞳の輝きの中に、小さな怒りの炎を灯すかのようなレイ。

「まだ言う気っ!?」

 アスカが再び掌を振りかざす。

 すんでの所でその手を止めたのはカヲルだった。

 

「二人ともいい加減にしないか。

 大体レイまで意固地になってどうするんだい。

 感傷的になるのも分かるけど、僕達がここにいる理由はそうじゃないだろう?」

 

 カヲルだけが冷静に対処している……せざるを得ない。

 彼とて、レイに代弁させてしまった後ろめたさ位は持ち合わせている。

 

「惣流さん、レイを寛容してやってくれないかい?

 レイは悪意があってこう言っているんじゃない、君を思う余りの苦言なんだ」

 そっとアスカの手を離しながら諭すカヲル。

 アスカの方も黙って手を下げた。

 

「僕達は、君にこの世界を涵養して欲しかった……それだけなんた。

 補完されたこの世界で君の心の傷を癒し、ゆっくりと成長して欲しかった。

 君なりの強さと優しさ、そして幸せを見守って行きたかった……ただそれだけだった。

 

 何故ならば、僕達に出来る事は『見守る』それだけだったから。

 それだけが僕達に許された道、僕達しか通れない道なんだ」

 

「違うわフィフス。この世界は『補完』なんかされていない。

 何故なら、彼女の口から碇君の名前が出た時点で、

 もはや補完ではなくなっているのだから」

 苦虫を噛み潰したようなレイの横顔。

 

「……認めたくないんだね、レイ」

 そのカヲルの言葉に、レイはゆっくりと項垂れた。

 

「……碇君の全ての力と遺志をを注いだ唯一最大の補完、

 ―――彼の苦悩と最後の悔恨の代物―――も、とうとう彼女には届かなかった。

 結局、彼女は未だに碇君の影を追い求めている。

 それが碇君の最も望まない形であるのも知らず……」

 もはや『殺意』にも似た激情、そんな印象さえ受けるレイの視線が只ひたすらアスカの心に突き刺さる。

 

 アスカには、そんな冷酷なレイの瞳の真意など到底読めない。

 それでも、その冷たい瞳に必死に抗おうと食い下がる覚悟でいる。

 ―――ここで引き下がったら、きっとアタシは大事な物を永遠に失ってしまう。

 

 アスカを追い詰めたのは、焦燥感か。

 

「それは、アタシがシンジを苦しめていたから、だから逢うなと言いたい訳!?」

「違うわ。苦しめられていたのはあなた。苦しめていたのが碇君。

 碇君が生きている限り、あなたの心は蝕まれ続けていくしかなかった。

 だから、あの世界ではあなたの幸せは永遠に有り得なかった。

 有り得るとしたら、碇君を消し去る事。そしてここはそれが成就した世界。

 だからここにはあなたの幸せがある。あなたはやっと幸せになれる」

 

「レイ、それは……」

「あなたは黙って」

 カヲルは既にレイの言葉の矛盾に気が付いていた。

 しかし、そのレイに一喝されては黙っているしかない。

 

 彼女を、信じているのなら。

 

「碇君が、あなたを理解してくれるとでも期待したの?

 あなたの心の支えになってくれるとでも想像したの?

 彼と『分かり合える』だなんて、そんな甘い妄想は現実には有り得ないわ。

 あの少年はそんな殊勝な人格じゃなかったもの。

 ただあなたの心を貪って自我を保っていた悪鬼なのよ。

 

 あなたの純真を守り通す為には、あの少年の存在は邪魔以外の何者でもなかったわ。

 だから、彼は哀れな末路を辿って、苦痛に悶えながらこの世界から消えていった」

 ボリュームの効かないレコーダのように、レイの紡ぐ言葉に抑揚はない。

 だがそれに反してその言葉の意味する所は、しっかりとアスカの心に突き刺さっていく。

 

「ず、随分な言い様じゃないの。

 幾ら何でもそんな言われようされる程シンジは酷い奴じゃなかったわよ!

 

 何度も言うけど、アタシだって前はシンジを憎んだ。

 身近に居ながら何も分かり合えない事に苛立って、

 シンジを蔑んだ事も一度や二度じゃなかった。

 アタシは凶暴だから、いつも手が出てシンジを傷付けた。

 

 ……でも本当は一番アタシの心を占めていたのもアイツ。

 アタシの心の中の『一番』を占めていたのはママでも加持さんでもなかった。

 

 ……ううん、一番だったんじゃない。

 「一番であって欲しかった」だけなの。

 アタシの心が『碇シンジ』を自分に従順にさせたかっただけ。所詮歪んだ願望だったから。

 だから、あの時アタシがシンジの心を分かってあげたとしても、

 それは間違ったアタシの間違った自我。

 シンジはアタシの『獲物』の域を出なかった筈。

 

 でも今は違う。違うって断言出来る。

 アタシは、アタシの意志でシンジを求めるの。

 この平和になった世界を、シンジにも味わって欲しい。

 そして、アイツにも正しい道を歩んで欲しいから。

 

 ずっと間違ったままだったアタシ達でも、

 もう一度自分を改められる場所がここにあるから―――」

 それがアスカの本心。そして精一杯の願い。

 

 

 だが、レイの瞳から鉛色の眼光が絶える事はなかった。

 アスカの四肢を呪縛するように、ただ見据えるだけであった。

「そのあなたの心の強さも、優しさも、全てはこの補完のもたらした恩恵。

 あなたの心の中で燻っていた物を表に現す事が出来たのは、

 この優しさに満ち満ちた世界のお陰。

 

 だから、あなたはこの世界であなたの優しさを以て、

 あなたの為に生きなさい。それがあなたの為。

 

 優しさは心地良いわ。

 それを受けた人も、与えた人も。

 でも今のあなたのその想いは『慈愛』ではないわ。只の錯乱。

 何もあんな少年に想いを注ぐ事もないの……」

 あくまで意固地なレイの言動に憤怒を覚えつつも、アスカの心は冷静に、彼女の言葉の裏に確信を得た。

「……アンタ、シンジの居場所、知っているのね。そうなのね。

 知っててアタシを遠ざけようとしてそういう事を言うのね。

 でもアンタが幾らシンジを蔑んだ所で、

 今更アタシはシンジを見損なったりはしないわ。

 

 シンジは……アタシが連れ戻すって誓ったのよ!」

 

 

 ―――今、ようやく分かった気がする。

     どうしてアタシがこんなにシンジに拘るか。シンジを取り戻したいのか。

 

     アタシ、シンジが好きなんだ。

 

     ずっと気付かなかった。もっと歪んだ想いだとばかり思っていたから。

     なんで『シンジ』でなければならないか、ずっと考えてた。でも分からなかった。

     でも『好き』なの。そう考えたら不思議。なんでも説明が付いてしまいそう。

     あんなボケボケッとした奴だったのに、あんなに弱々しい奴だったのに。

     あんなに……憎んでいたのに。

 

     でも本当は憎むより…………好きでいたかったのに。

 

 

 アスカの中で、あやふやだった想いが一つの形を造る。

 それはシンジへの思慕、シンジへの好意、シンジへの愛情―――。

 

「……そう、それがあなたの願いなのね。

 でも駄目。やっぱり駄目。

 そんな『生半可』な想いのあなたを、碇君に引き合わせる訳にはいかないわ。

 

 もし再び彼に逢えたとしても、待っているのは―――破局」

「アンタにそんな事断言される謂れはないわよ!

 何よ、シンジの事全部分かり切ったような事ばかり言って!

 

 そうやって……アンタはいつもいつもアタシよりシンジの事分かったような口ばかり。

 アタシいつも歯痒かった。アンタの方がシンジに近い気がして。

 アタシよりシンジに優しかった気がして。

 

 アンタにだけは……負けたくなかったのに。

 アタシだってシンジの事分かっていたつもりだったのに……!」

 そしてアスカは黙って頭を垂れた。

 

 そんなアスカの肩が、震えていた。

 泣いている。二人は瞬時に悟った。

 

「……アタシじゃ、シンジは救えないって言いたいの?

 アンタならシンジを助けてあげられる、そう言いたいの?

 ……どうせ、どうせ昔のアタシはアンタ程、

 シンジの事大切に想ってあげる事なんか出来なかったわよ!

 

 でももう負けないっ! 

 シンジを想う強さで、アンタに負けるつもりはないわ!!」

 涙に彩られた瞳を隠そうともせず、アスカが吼える。

 それが、アスカの心の声そのままだと二人に訴え届くまでは。

 

 

 届いたとして、自分に何が出来るのか。

 この二人には心を通わせる手段はもう残っていないのに。

 そう悔しがる少女の長い独白。

「―――でもあなたは、碇君の悔恨の深さを知らない。

 そして、彼はあなた以上にあなたの事を想っていた。

 

 だからこそ、その想いが酷く汚れた物だと悟った時、

 自分の荒んだ心では、あなたと永遠に共存する事が叶わないと知ってしまった時、

 碇君の心は本当の意味で壊れてしまった……。

 碇君は、失った母親との絆より、解り合えない父親との絆よりも、

 最も身近な『他人』だったあなたとの絆が一番の心の支えでありたいと願った。

 でもその絆の結ばれない、結べないもどかしさがあなたの心を蝕んでいると知った時、

 そんな自分自身が最もあなたの心の枷となっていると思い込んだ時、

 

 彼の想いは絶望を越えてしまった―――。

 

 

 やがて彼の手には、世界を造り替えられるだけの『力』を与えられた。

 碇君の壊れた心のままに思い通りに世界を変える事の出来る未来が、彼の手に委ねられた。

 それが崩壊した『人類補完計画』の全容。

 老人達が願った、世界の収束がそこにあった筈だった。

 

 そんな碇君に出来た事は、たった一つだけだった。

 

 もし彼が願えば、今度こそ彼の求めたままの世界がそこにあった。

 彼とあなたの心を無理矢理融合する事の出来る未来も有り得たの。

 そうやって強引にあなたと結ばれようと願える選択肢が、確かに存在したの。

 そう、それこそあなたと碇君が心を通わせる事の出来る、

 唯一最後の手段が彼の手中にあった。彼自身もその事に気付いていた。

 

 

 ……でも碇君の哀しさが、その選択を取る事はなかったわ。

 

 

 やがて世界は補完された。

 でも少なくとも、それは彼が決めた未来ではなく、

 私達一人一人が未来を紡ぐ事の出来る正しい未来。

 実際彼は大した事はしなかったわ。

 ただ少しだけ私達の心の恐怖を取り去ってくれただけ。

 そして、私達にとって大事な人の魂を取り戻してくれただけ。

 

 でも碇君の本当の願いは、たった一人の少女の『癒し』だけ。

 自分の歪んだ心と想いで汚れてしまった哀しい少女の『純心』を取り戻したい、

 そう願っただけ。

 だから、彼はその願いを顔も名も知らない理想の男性に託したの。

 そしてあなたの記憶から『碇シンジ』の全てを消し去って、彼の補完は終わったわ。

 

 『碇シンジ』の全てを記憶から取り除かれた時の、

 あなたの心からの安らかな寝顔を見届けた時、彼は全てに満足して、

 思い残す事なくこの世界から消滅したわ。

 

 自分自身の残忍さに納得したまま……」

 

 レイがこれ程長く語るのを、今まで誰が聞き届けたであろうか。

 だが、彼女はこれ以上自分の言葉を短く纏める術を知らなかった。

 そして、何一つ端折る事もしたくなかった。

 

 全ては、真実だから―――。

 

 そしてその全ては、アスカにとっては将に想像もし得ない驚愕の出来事であった。

 

 ―――内罰的だなんて事は、ずっと前から知っていた。

     自分を良い方向に考えられない奴だから、

     自分にもどかしさを覚えていた少年だって事も知っていた。

     ……何故ならば、アタシもそうだったから。

 

   だからって、だからと言って……。

 

 

「それじゃシンジは……死んでしまったの……?」

「そうなれたら、どんなに楽だったでしょうね」

 『死』で自己完結する事も許されなかった少年。

 許さなかったのは、果たして誰なのか。

 

「なんで……なんで全部シンジが背負わなくちゃならなかったのよ!?

 アタシ達が傷付け合ったのは、アタシ達二人の責任よ、

 シンジが一人で背負う罪じゃあないわ!

 どうして……どうしてアイツ、アタシには何も……!」

 やがて、堪えきれなくなった涙をすくい取るように、顔に両手をあてがい激しく嗚咽し出すアスカ。

 

「あの時のあなたに、そんな碇君の哀しみを理解するだけの心の余裕はなかったわ」

「……自業自得だって責めたいの?」

「いいえ。「あなたには関係のない話だった」それだけよ。

 あなたは『被害者』なの。

 そんなあなたが気に病む事ではないって、何度も言ったわ」

「違うわ、違うわよ!!

 だって、アタシとシンジは同じ刻を生きたもの!

 アタシはシンジと寝食を共にして、共にエヴァで戦って、そして共に語り合ったもの!

 

 ……結果アタシ達はどうしようもない程傷付け合ったわ。

 でもそれだって、アタシ達が悪い意味で似過ぎていたから、だからよ!

 今更アタシ達を誰も『他人』だなんて言わせないっ!

 アタシとシンジには、しっかりと絆があったもの!!」

 今のアスカの信念。アスカの心の支え。

 そうと知りつつそれを挫かなければならない。

 さもなければ、二人の間に待つ物は―――。

 

「……与太事ね。

 あなたに「そうありたかった」と思い込むだけの心の余裕が出来ただけ。

 事実を自分に善意的に解釈して、自分を慰めたいだけ。

 

 でもそうやって自分を慰める事は咎められる事ではないわ。

 そうしなければならない程あなたの心を傷付け追いつめた、

 『碇シンジ』が総ての元凶なのだから」

「違う、そんなの違う、違うわよっ!!」

 首を振って必死に否定するアスカ。

 自分を支えている物が再びへし折られる痛みに、彼女は耐えかねていた。

 

「でももう安心出来るわ。

 もう『碇シンジ』の存在があなたを脅かす事は未来永劫有り得ない。

 彼は相応の断罪を受けて、二度と這い上がれない場所に堕ちていったのだから」

 そうして、彼女はその冷酷な顔の口端に歪んだ笑みを見せる。

 

 

(やっぱり、悪人面は君の柄じゃないね。無理を言って代わるべきだったかな)

 壮絶な修羅場の傍らで、カヲルは心の中だけで苦笑していた。

 

 

 やがてかぶりを振っていたアスカの動きが止まる。

 彼女が一つの結論に辿り着く事を、アスカの心を悟ったレイは良しとしなかった。

「……そんな事ない。シンジにだって優しさはしっかりあったもの。

 アンタが言う程、アタシが思い込んでいた程、

 シンジは悪い奴なんかじゃなかった。

 シンジにはシンジなりの強さと優しさがあった。

 

 だから―――アタシはこうして生きていられるんだもの。

 

 シンジの優しさがアタシを満たしてくれたから、

 だから、今のアタシはシンジの優しさも分かってあげられる。

 

 ―――アタシ、信じてる」

 アスカの瞳に再び、いや以前以上に強い光が宿る。

 むしろレイにシンジの是を否定された事でレイの思惑に反し、シンジを思い直す事の出来る強さを得たようであった。

 

 そして、それに反してレイの瞳はそれに負けじとより一層鋭利な刃の如く、アスカに対峙せざるを得なかった。

 彼女が諦めない限り、或いは……限り、レイはその姿勢を止めるつもりは毛頭なかった。

「あなたの心は確かに強くなった。

 同時に女性としての慈愛を得始めている。 

 多分、それは素晴らしい事。皆が願う事。

 

 だからこそ、あんな非道で下劣な少年に、

 あなた程の人が想いを寄せる道理が分からない。

 あなただって、知っていたんでしょう?

 彼が自室に籠もって行っていた行為を。

 

 彼が、いつもあなたの名前を呼びながら、あなたの一糸纏わぬ姿を脳裏に描きながら、

 妄想の中であなたの事を汚しつつ、ひたすら自分を慰めている惨めな少年の姿を。

 

 彼にとっては、所詮あなたは性欲を満たす為の対象でしかなかったの。

 あなたを欲望の捌け口程度にしか認識してなかったから、

 あんなぞんざいな扱い方しか出来なかった。

 溶岩の中に飛び込んで行った事も、あなたの為に世界を補完した事も、

 あなたに対する申し訳程度の代償なの。その程度なのよ。

 

 でもこの世界の人々は、みんなあなたを大事にしたいの。

 みんなはあなたの優しさを知っているから。

 知らなかったのはあの惨めで哀れな少年だけ。

 

 だから、悪い事は言わないからもう一度だけ言うわ。

 あんな取るに足らないつまらない少年なんかに捕らわれずに。

 あなたはあなたの幸せを求める為に……生きて」

 

 

「……イヤ。絶対にイヤ。

 

 アンタにどんなに卑下されたって、

 アタシはもう二度とシンジを見損なったりしない。

 アタシはもう二度とシンジを忘れたりなんかしない。

 シンジの劣情の理由も、今なら分かってあげられるもの。

 むしろ今なら……少しだけ嬉しいのかも知れない。

 どんな形であれ、シンジが『アタシを』求めていたって証拠だもの。

 要は、そこから正しくシンジを導いてあげれば良いだけの話でしょ。

 

 だって、今ではしっかり認めてしまったんだもの。

 

 ―――シンジが好きだ、って事。

 

 だから、アタシは何があってもシンジを助ける。

 そしてシンジと二人で、今度こそ手を取り合って生きていきたい。

 顔も名前も知らない理想の男性よりも、アタシはシンジを選びたいから。

 

 ……確かに、そういう未来もあったかも知れない。

 アタシがシンジの事を永遠に忘れ去っていたなら、

 或いはシンジを見損なったままだったら、多分そうなっていた。

 もしかしなくても、アタシはその方が幸せになれたと思う。

 

 でもやっぱりアタシ、シンジじゃなきゃ駄目なの。

 シンジと分かり合えるから『アタシ』なんだもの。

 黙って貰い物の『幸せ』を享受するつもりはないわ。

 

 シンジと二人で歩み出せたら―――それがアタシの一番の理想だから。

 

 自分でもちょっとは、思いやりが過ぎるかなって思うわよ。

 でもね、アンタ達が言うようにアタシがこれだけ寛容的になれたのも、

 正しい生き方を模索出来るようになれたのも、

 シンジのお陰なんだって分かったから―――だから何となく……嬉しいの。

 この気持ちが『恋』、いえそれ以上だと気付けたのはたった今だけど……、

 アタシの中の『真心』だと強く信じているから、

 

 だからアタシ……シンジに逢いたい。絶対に」

 自分に強く認識させる為に、一言一言を噛み締めるように決意を語るアスカの瞳が、より一層輝きを増していた。

 それは、女性としての『慈愛』と『思慕』を多分に兼ねた象徴であるかのように―――。

 

 

(上手く行ったね、レイ)

(……そうね)

 

 

「ねぇ、ファースト。……まだ間に合う?

 

 アタシ、シンジに逢いたいの。

 でもシンジの居場所を知らないの。

 アンタ達なら知っているんでしょう?

 シンジは死んではいないんでしょう?

 お願いだから、シンジの居場所を……教えて。

 

 もし、アタシの想いが遅くなければ……」

 心の真意は瞳に現れる。だからレイは瞳に拘る。

 瞳は嘘をつかないから。

 アスカの瞳をじっと見据えその純粋な想いを確かめた時、彼女は安堵と落胆が混じったような表情をした。

 

 やがて、もう一度残酷を吐くレイ。

「……知っていたとしても、あなたに教える事は出来ないわ。

 知っていたから、どうにでもなる事でもないもの。

 

 碇君は、もう誰にも会うつもりはないの。

 それは碇ユイであれ、渚カヲルであれ、綾波レイであれ。

 ―――そして、彼が最も逢いたくないと願う少女(ひと)……分かるでしょう?」

「……それは、アタシがシンジを傷付けすぎたから、

 シンジの未来を奪った形になったアタシのせいだから……そう言いたいの?」

 アスカの両頬を、一筋の涙か伝う。

 ふと芽生えた絶望の思いに、挫けそうになったから。

 

 ―――結局、アタシ達には傷付け合う事しか出来なかったのかな?

     そこには、何も生み出せなかったのかな?

     アタシ達は、お互いを貶める為だけが全てだったのかな?

     違うよね、違うよね……シンジィ……。

 

「だって……だってアタシはこんなにシンジの事……」

「その想いが、同情や憐憫ではないと断言できるの?

 碇君の境遇に涙して、そうやって只自分を慰めているだけだとは気付かないの?」

 そのレイの一言が、アスカの涙腺を決壊させた。

 途端、レイが仰け反る程の勢いでレイに泣き縋るアスカ。

「アタシ、アタシ、そんな安い感情でシンジの事想っていない、いたくない……!

 でも、アタシ達しかシンジの事覚えてないのなら、

 もしシンジの罪を全て赦してあげられるとしたら……、

 アタシ……やっぱり……シンジが……!」

 目頭が焼け付くように熱い。堰切った涙は留まる事を知らず、レイの衣服に滲み入ってゆく。

 レイが、そんなアスカの頤(おとがい)をそっと持ち上げて、呆然とするアスカの瞳から、そっと人差し指で涙を拭い去る。

(冷たい指。でも暖かい……)

「……本当は、碇君の願いはたった一つだけ。

 あなたの瞳に溢れた涙を拭って、

 その端正な顔に微笑みを取り戻してあげたかった、たったそれだけのささやかな願い。

 

 でも碇君にとって、その両掌は血と劣情に汚れた代物。

 あなたから微笑みを奪ったのは、その残虐な心に過ぎなかった。

 

 だからあの時、こうしてあなたに指一本触れる事も出来なかった。

 あなたの純心を垣間見たときに、その純粋さの余り、

 反して自分の心を『心』と認める事さえ忌み嫌って、

 自らの魂の消滅を願ったのだから。

 

 それこそが、あなたの幸せな未来を紡ぐ為と信じて―――。」

 

「……バカ、シンジのバカ……」

 アスカがもう一度レイの胸元に崩れ落ちる。

 そのまま、レイの胸に顔を預けて目一杯泣き崩れた。

 レイは黙って、そんなアスカを抱きしめる。

 強く、そして優しく―――。

 

「碇君を責める事なら、誰にでも出来るの。

 法の秩序や倫理観念、道徳観。

 彼の心の弱さを非難する理由は幾らでも見つかる。

 だから、彼の罪は幾らでも断罪出来る。

 

 世界中の誰もが、彼を蔑むのでしょうね。

 

 でも、だからこそ、誰も彼を許してあげられない、

 誰も碇君の哀しみを分かち合ってあげられないの。

 誰もが彼を『弱者』だと割り切ってしまうから。

 そしてそんな彼を一番憎んで、破滅に追いやったのも誰でもない、碇君自身。

 

 彼は決して弱いだけの人間じゃなかった。

 彼の心を自戒したのは『弱さ』ではなく『優しさ』。

 あなたに届ける事の出来なかった不器用な想いの行き着く果てが、

 彼自身の心を弑したの。

 

 でも、あなたなら或いは―――」

「アタシなら……?」

 

「もしあなたが誰よりも強く願うのならば、

 碇君の全てを赦して、受け止めてあげる事が出来るのならば……。

 碇君の凍てついた心を溶かしてあげられるのかも知れない。

 彼の瞳にもう一度、太陽の輝きを見せてあげられるかも知れない。

 

 その可能性を持っているのは、あなただけなの。

 あなたに……出来る?」

 レイの瞳がひたすら真っ直ぐにアスカの瞳を見据える。

 胸元から見上げるアスカの眼はすっかり涙で腫れていたが、

 その蒼い瞳には、強い決意の意志が宿っていた。

「―――出来る出来ないじゃない、してあげたいだけなの。

 みんなでアイツを責めるって言うのなら、

 アタシがそんなシンジの味方になってあげたいだけなの。

 遅くないよね、まだ間に合うよね……ファースト……」

 

 それを聞き届けたレイがゆっくりと―――微笑んだ。

 アスカの知らない『綾波レイ』の純粋な微笑み。

 

(綺麗……)

 そう思わず声になりそうなまでに。

 

「あなたがそう願うのならば、望み通りになさい。

 碇君の所へは、あなたのお母さんが導いてくれるわ」

「マ……ママが?」

「そう。あなたが碇君を覚えていられたのも、

 あなたのお母さんのお陰。

 あなたのお母さんは碇君を認めたから、だからあなたに意志を託したの。

 

 きっと、そこにあなたの幸せがあると信じたから……。

 

 あなたがもう一度だけ弐号機に乗って、あなたの過去に打ち勝つ事が出来れば、

 彼女があなたを導いてくれる筈―――出来るわね、アスカ」

 

 アスカが一つ、大きくゆっくりと頷いた。

 アスカの意志は既に確固たる想いへと昇華していた。

 自らの忌まわしい過去に立ち向かい、そして最も身近な他人である『碇シンジ』。

 彼を受け入れる事が出来れば―――。

 

「……ファースト、色々とありがとうね。

 途中から分かっていたの。

 わざとアタシの為に悪役を買ってくれていたんだって。 

 ただ、あんまり意地悪く言うから、

 ちょっと感傷的になっちゃって……ごめんね。

 

 でもね、やっぱり分からない事があるの。

 

 どうしてあなたじゃないの?

 アタシなんかより、アンタの方がずっとシンジの事理解してあげているのに。

 どうして、シンジの事受け入れてあげられなかったの?

 

 ……あんなに、シンジの事気にしていたのに。

 どうしてアタシである必要があったの?」

 今のアスカに残る唯一の疑問―――最後の恐怖。

「本当は、アンタがシンジの事を……」

「簡単な事。碇君が求めたのはあなただから。

 あなたの幸せをつとに願った故の補完なのだから。

 私達は、その恩恵で生きていられるだけ……」

 

「ファースト……」

 ―――レイの心が、啜り声を押し騙して泣いている気がした。

 

「アスカ……碇君を助けてあげて。

 あなたになら、きっと出来るから」

 レイの本心を知ったからこそ、それは必須。

「……分かったわ」

 

 

 二人の少女が、その全ての想いを以て優しく互いの心と身体を包容する。

 

 

 無粋だと知りつつ。

「レイ……残念だけど時間がない」

 カヲルは自分達の能力の限界を悟らざるを得なかった。

「フィフス……もう少しだけ」

 カヲルを一瞥してそう答えるレイ。

「ファースト……?」

「……『碇レイ』と『渚カヲル』。

 碇君が私達に与えてくれた、もう一つの未来の可能性。

 同時に、彼の記憶を夢却させる為の手段。

 私達は辛うじて意識の一部を保護して、碇君の記憶を守ったの。 

 

 ……でももうそれも限界が近いの。

 私達の意識は、もうすぐ『碇レイ』と『渚カヲル』に全て吸収される」

「そんな!?」

「……私達の『もう一つの可能性』とも、仲良くしてあげて。

 あれは私達であって、私達でないのだから」

 ずっと憎んでいた筈の少女。

 でも、今度からは大きい大きい借りの出来た、大事な親友。

 今更分かれるのが辛いなんて、虫が良すぎるとしても。

「うん……分かったわ」

(今ならそれも分かってあげられる。

 シンジが、ファースト達に望んだ未来の形―――)

 

「それと、君が良ければ、僕の事も謝っておいてもらえるかな」

 フォース(フィフス)チルドレン、渚カヲル。

 だがその正体は―――最後のシ者。

「カヲル、あんたはもしかして……」

「そう。僕達は君らの『希望』を形取った存在。

 本来は、老人達の補完計画をシンジ君に促す為に、

 シンジ君の心の重枷となるべき存在。

 

 だから僕は、彼に好意を抱きつつも彼の手で殺されざるを得なかった。

 『希望』が彼の心を傷付けていた事を知ってもなお彼は、

 僕のような『使い捨て』にさえも未来を分け与えてくれた。

 

 ―――今度は、皮肉にも彼が僕達の『希望』となってしまった。

 

 代償に、彼自身の心は哀しみで彩られ、ガラス細工の如く砕け散った。

 でも、これでようやく彼の心を癒す事が出来る。

 ずっと後ろめたかった僕の思いさえも、君に押しつける結果になってしまったけれど……。

 

 ただ一つだけ、偽りの希望で彼を傷付けてしまった事を、どうしても彼に謝って欲しかったんだ。

 だから、頼む」

 悲しく輝く瞳の中にも、純粋な意志。

 アスカにその願いはきっと届いたであろう、力強く頷いた。

 涙はもう、止まっていた。

「本当の『希望』は、ひっそりと君達の側に存在していた事、

 そしてそれを掴み取れるのは、君達の強い想いの結晶であるという事を知れば……。

 

 君達自身の手で掴んだ『希望』に、永遠の幸あらん事を―――」

 

 

 二人のシルエットが、徐々に薄れゆく。

 レイは、黙ってアスカを離した。

 力の限界が訪れたのだ。

「アンタ達は……どうなるの?」

「どうもしないよ。只、僕達の求めた道を再び歩むだけさ」

 カヲルがレイを一瞥したのを、アスカが当然見逃す筈はない。

「そう……。アンタ達も、幸せにね」

 今度は自分がと、目一杯微笑み返してやった。

 

 二人の願いは確かに届いた。

 アスカが強く、強く心にその想いを刻んだ瞬間、アスカの意識は白濁していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、行こうか、レイ」

「……そうね」

 彼等の正面には、光の橋梁が形取られていた。

 彼等二人の導かれた先への世界への入り口である。

 

 

「レイ……本当にいいのかい?

 惣流さんには結局本当の事は言わないままだったろう?

 嘘をついてまで、僕と共に来る事もないんだよ。

 

 君にも、シンジ君と共にある未来は有り得たのに」

 レイがクスリ、と笑った。

「あなた、意外と臆病なのね、フィフス」

「……そうかもね」

 カヲルにも、唯一つだけ不安はあった。

 この少女が自分を選んだのは、もしや―――と。

 

「私は碇君の『希望』であり続けたかったのかも知れない。

 でも私には『私』が分からなかった。自我が薄かったの。

 はっきりと形取らない自分の意志をもどかしく思う事が何度もあった。

 だから、生きていく為に碇司令や碇君に身を阿るような生き方だったから。

 

 でも碇君の希望はアスカだった。

 そして、アスカの希望は碇君になり得たわ。

 

 それこそが私の本当の願いだったのかも知れない。

 ……これで碇君の心に『希望』が宿るのだから……。

 

 そして私は、私自身の道を歩む事に決めたの。

 碇君の望みを素直に甘受しようと誓ったの。

 それが私の碇君に対する真心」

 

「……レイ、人はそれを『好意』と呼ぶのさ」

 物諦めたかのようなカヲルの表情。

 レイはもう一度クスリと微笑んだ。

「あなたは、決して『碇君の代わり』ではないわ。

 私があなたを選んだのは、私の純粋な意志。

 インプリンティングじゃないもの。

 

 それでもいいの、カヲル?」

「僕は構わない。君といられるのなら、ね」

 レイの想いを聞き届け満足したのだろう。カヲルがにっ、と微笑んだ。

「……初めて、僕の事を『カヲル』と呼んでくれたね」

「向こうの私は、いつもそう呼んでいるわ」 

「でもやっぱり、君に呼ばれるのが一番嬉しいよ。

 ―――これが『ぬくもり』なのかな」

 

 

 光の橋に歩み寄る二人。

 橋畔に差し掛かった所で、レイがそっとカヲルの手を握った。

「……私達の純粋な意識が働くのは、ここまでなのね」

「寂しいかい?」

「……寂しい。そう、これが寂しいって気持ちなのね……」

 レイの手に籠もる力が幾分増した。

 カヲルも、強く握り返す事でその想いに応える。

 

「ねぇ」

「なんだい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「手、離さないでね」

「……ああ」

 

 


TO BE CONTINUED・・・
ver.-1.00 1998+05/13 公開
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 ふぃ〜、やっと終わりましたね。「前半」が(爆)

 正直レイが喋りすぎだとか、カヲルとこんな結末でいいのかと、アスカよりよっ ぽと意識がそっち向いてしまって、それじゃ今度はアスカがおざなりじゃないかと、まあ反省の念は尽きませんがご寛容願います。

 

 完結編にかまけて投稿が遅れた、というのはもう皆さん知っているのかな?(爆)

 次回以降もちょっと遅れるかも知れません(^^; ←書けコラ

 

 う〜ん、しかし完結編のシンジは強い。ビルバインより遥かにかわす。

 (なんたってあのゼルエルとサシで無傷で勝てるのには笑ってしまった)

 カトル君という人のいい友人も出来て(似たもの同士?)ホントに良かった。

 しかし、マサキとリューネの痴話喧嘩の隣でシンジとアスカも痴話喧嘩……その横で甲児が呆れているとわ。まさにGir.さんの小説通りのウハウハな展開ですな(笑)

 

 完結編のカヲル君。どうやら出てきた時点でバットエンドとは……なんともはや。

 その条件がまたふざけているというか何と言うか。

 1、カトル君は仲間にするな

 2、初号機は暴走させまくれ

 3、レイは見殺しにしろ

 まあこういう事らしくて、なんだかなぁ。

 

 まあいいや。とりあえずこれが終わったらシャピ公退治だ。あんにゃろ殺したる!

 断空光牙剣は最大改造済みだしな。

 でも何でBGMは「愛よファラウェイ」じゃないんだろ。

 あれ好きだったのに。

 

 ……てな訳で、知らない人には訳分からない愚痴はここまでとして。

 次回で第二部は終わります。……多分(爆)

 

 それでは。

 






 彩羽さんの『悔恨と思慕の狭間で』第十三章、公開です。





 レイとカヲルが
 やな役を引き受けて・・・


 それで
 アスカも、
 自分の気持ちを・・・



 アスカもわかったようですし、
 レイもカヲルも。


 うん、
 よかったよかった、だよね。きっと。





 さあ、訪問者の皆さん。
 カヲルの登場条件を教えてくれた彩羽さんに感想メールを送りましょう!



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