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"Time Capsule"
TIME/98
 

第0話
覚えていますか?
 

射るような陽射し。

白い積乱雲。

真っ青な空。

セミの泣き声。

麦藁帽子。

井戸で冷やされたスイカ。

ひまわりのような笑顔。

線香花火。

ホタル。

彦星、織り姫。

天の川。

繋いだ手の感触。

さらさら流れる小川。

木陰。

カブトムシ。

トウモロコシ畑。

約束。

指切り。

零れ落ちた涙。

別れ。

そして、軽く触れた唇と唇。
 
 

"Time Capsule"
 
 

覚えていますか?
あの夏のこと。
初めて会った時のこと。
私にやさしく微笑みかけてくれたこと。
そして、お母さんの後ろに隠れていた私に
手を差し伸べてくれたこと。
私は覚えています。
あの時のあなたの手の温かさ。
そして、その笑顔。

覚えていますか?
ふたりで遊んだ、あの小川。
いっぱい小魚をとって、
でもあなたはみんな川に返した。
「おうちに帰りたいだろうから。」
その時の横顔、今も覚えています。
夜、その小川のほとり見たホタル。
ふたりの浴衣にとまったホタル。
とっても奇麗だった。
あなたと一緒に歩いた道。
「暗くてこわい。」と言った私のために
手をつないでくれた。
その優しさ。
忘れないでいてくれますか。

あなたは、私を覚えていますか?
私は覚えています。
そして、あの夏のことも。
あなたが、私に約束してくれたから。
ずっと、一緒にいてくれる。
そう約束してくれたから。
 
 

"Time Capsule"
 
 

あれはいつの日だったのだろう。
最近よく見る夢。
僕は誰かと一緒にいる。

誰なんだろ?
とても大事な人だったような。
思い出せない。

彼女と一緒に思い出すのは、眩しい陽射し。
そして、暑さ。
多分、夏だったのだろう。

彼女?
女の子だったのだろうか?
いつなんだろう?
何処なんだろう?
誰なんだろう?

その答えを知る方法を僕は知らない。
 
 

"Time Capsule"
 
 

「そうか。」

「あぁ、あの子の事だから、言い出したら聞かないんだ。」

「そんな昔の事をあの子は覚えているのか?」

「あの子はあの日、嬉しそうに私に言ったものだよ。」

「そうか…わかった。あの子は私が預かろう。」

「すまん。迷惑かけるな。」

「私とお前の仲だ、遠慮は要らんよ。」

「そろそろ時間だ。あの子のことよろしく頼む。
それから、ユイ君にもよろしく言っておいてくれ。」

「あぁ、わかった。」
 
 

"Prologue"
 

 
「ほらシンジ、起きなさい。」

その声で、彼、碇シンジは目を覚ます。

「もう、七時半よ。」
母親のユイがいつものようにシンジを起こしに来た。

「ふぁい。おはよう。母さん。」

大きなあくびをしながらおはようを言うシンジ。

「おはよう、シンジ。ご飯できてるから早く食べなさい。」

「はーい。」

シンジはベッドから降りて、もぞもぞと制服に着替える。
ふぁあ、眠いな。
自然と大きなあくびが出る。
昨日寝たの二時過ぎてたものなぁ。
時計を見ると、七時半過ぎだった。
だいたい五時間は寝たな。
まぁ、今日は一限目は数学だから、 ゆっくり寝れるし。
時間割りを確認して、かばんに教科書を入れる。
えーっと、ミサトせんせの授業の宿題は…と
これだな。
昨日遅くまでかかった宿題をかばんにつめる。
さてと、忘れ物はないな…
シンジは机の上を見渡し、ふと時計に目を止める。
げっ、もう四十五分だよ。
早くしないと。 
シンジは慌てて部屋を出た。
リビングには、いつものように父親のゲンドウが、
新聞を開いて熱心に読んでいた。

「おはよ。父さん。」

「あぁ。」

いつも通りの挨拶をすると、シンジはすとんと椅子に座る。
とユイが手際よく、朝食をシンジの前にならべる。
そして、最後にシンジに牛乳が注がれたコップを渡す。
シンジはそれを受け取り、ごくごくと飲み干す。
そして、コップをテーブルに置き、朝食にとりかかる。

「シンジ。今日は遅いの?」

コップをテーブルから取って、手際よく洗うユイ。
シンジは目玉焼きと格闘しながら答える。

「ううん。今日は特に何も無いから。」

 
 

「じゃ、行ってきまーす。」

シンジは玄関から出て、階段を駆け下りる。

「ふう、八時か。まぁ、歩いても間に合うか…」

歩道に出たシンジは大きく背伸びをする。
通勤ラッシュの時間帯に入っているため、
道路には電気自動車が多く走っていた。
歩道にも通勤、通学の人達が
駅や、会社、学校に向かって慌ただしく歩いている。
ゆっくり歩き始めたシンジを会社員らしき男性が追い抜いていく。
吹き寄せる風はさわやかで、
街路樹の枝をそよがせている。
日差しも強くなく、一年中でも過ごしやすい季節である。
もうすぐゴールデンウィークだな。
トウジ達とキャンプか。
去年は結局雨で流れたから、今年は晴れるといいな。
でも、ケンスケとトウジのことだから、
また、風呂を覗きに行くんだろうな。
確か、林間学校のときでも、
覗きに行って、加持先生にばれたものな。
てくてくと学校に向けて歩きながら、
シンジはそんなことを考えていた。
影から出て、照り付ける日差しに顔をしかめ、
手をかざし、太陽を見上げるシンジ。

「今日も良い天気だな。」

そして、学校への道を急いだ。
 
 
 

「おはよ。」 

シンジは教室に入り、自分の席に座って、後ろの席に座って、
カメラを磨いている、ケンスケに挨拶する。

「おはよう、シンジ。おまえ、ミサトせんせの宿題やったか?」

ケンスケはカメラをしまいこみ、シンジの方に身を乗り出して来る。

「開口一番それ?一応やっといたけど・・・・・」

シンジは少しあきれた口調で答える。

「ラッキー!!見せてくれないか?礼ははずむよ。」

「別にいいけど。お礼はいいよ。」

シンジはあっさりと断る。
お礼というのはケンスケが撮った、
この学校のアイドル達の写真なのである。
ノートを写し始めたケンスケを横目に、
シンジは窓の外に視線を向ける。
もうじき朝のホームルームが始まるため、
校庭には人影はなかった。
約十分程かかって、ケンスケはノートを写し終え自分のノートを閉じる。

「そーいや、このクラスに転校生が来るらしいぞ。」

一息ついたケンスケはふいにシンジにそんな話をし始めた。

「へぇ、こんな時期に?」

シンジは興味を引かれ、ケンスケの方を見る。
一学期が始まってもう三週間が経過している。
普通、転校なら学期初めにするはず・・・
そんなシンジの顔を見て、ケンスケも肯き、話を続ける。

「あぁ、なんでも親が急な海外出張でいなくなるんで、
知り合いに引き取られた子らしい。」

「なるほど…で、その子はかなり可愛い女の子なんだ。」

ケンスケが、こんなに詳しく情報を集めているということは、
それしか考えられない。
そうシンジは思っていた。

「その通り、さすが、シンジは飲み込みが早いな。」

ケンスケのメガネが怪しく光る。
そして、カメラを構える。

「少し違うような気がするけどね。」

シンジは苦笑して、教室の中を見回してみる。
確かに、いつもより教室内が騒がしく感じられる。
と、シンジはある人物がいない事に気づき、ケンスケに尋ねる。

「…そういえば、今日、トウジは?」

確かに、見落とすはずがないであろうトウジが見当たらなかった。

「昨日の居残りすっぽかしたから、ミサトせんせに呼び出されてるよ。」

「…なるほど。」

と、チャイムが鳴り、生徒達が自分の席につく。

「さて、いよいよだな。」

ケンスケがカメラを取り出す。
前の扉が開き、担任の葛城ミサトが入ってくる。
いつものようにつかつかと教卓まで歩み寄り、
出席簿を教卓に置く。

「男子生徒諸君。今日は転校生を紹介するぞー。」

歓声を上げる男子生徒達。
そして、男子生徒の視線が入り口に集まる。
シンジは苦笑して、後ろの席のケンスケを見る。
こちらはカメラを準備して万全の体勢である。
ふう、とため息をつき、ミサトの方を見るシンジ。

「入ってもいいわよ。」

そこから現れた少女は…
 
 
 


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ver.-1.00 1998+12/11公開
ご意見・ご感想は sugimori@muj.biglobe.ne.jp まで!!


あとがき
 
ども、作者のTIMEです。

Time-Capsule Episode 0 「覚えていますか?」はいかがでしたか。
この作品は結構前から書いてたのですが、
他の連載が終わるまで、公開するつもりはなかったんです。
しかし、L.Pの方が終わるのに時間がかかりそうで、
今回の公開に踏み切りました。

できる限りお約束?で行きたいのですがどうなることやら。

では第1話「同居ですか?」でお会いしましょう。
 






 TIMEさんの『Time Capsule』第0話、公開です。




 新連載〜

 るるる新連載〜

 3っつ目の新連載ですね♪




 男の子側主人公は−−

  当然(?)のシンジっ

 女の子側主人公は−−

  あぁ・・引かれた(;;)

 次回を待てってやつなのね。。


 モノローグの感じからすると−−
 誰かな(^^)


 女の子キャラはまだ誰も出てきていないから、
 可能性はいっぱいですよね。



 さあ、訪問者のみなさん。
 TIMEさんにあなたの予想を送ってみましょう!


 もちろん、
 新連載への感想もっ





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