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「どうしたのアスカ。何か今日は変だよ。」

「・・・アンタの、シンジの・・・せいだからね・・・・。」

 いつものはつらつとしたアスカからは到底考えられないような声と表情だった。

「え・・・・・・?」

 

 

 

 

 

シンジとアスカのお忍び温泉旅行 中編

 

 

 

 

 

夕日が射し込む旅館の一室。

見つめ合う4つの瞳。

 

 

「あのね、アタシね、シンジが霧島さんとデートに行くって聞いたとき、

 何か胸の奥が苦しくなったの。」

「・・・アスカ・・・」

「それで分かったの。アタシはシンジのことが・・・・

 その・・・・・、す、好きだ、って。」

 アスカは真っ赤になってうつむいている。

 聞いているシンジも、アスカの突然の告白に真っ赤になっている。

「ねぇシンジ。アンタはどう思ってるの、アタシのこと・・・。」

「え、・・・その、何て言うか・・・・。」

「お願い、はっきり言って・・・。」

 潤んだ瞳で哀願するアスカ。

 

「・・・・・・・・・」

 

 

 時が止まったかのような静寂が二人を包み込む。

 

 

 

「ぼ、僕は・・・・・。」

 

「・・・ア、アスカ、君のことが・・・・・

 す、好き・・・だよ。」

 

「ホントに?」

 

「う、うん。」

 

 

「シンジ・・・・・」

「アスカ・・・・・」

 

 

 二人の影がだんだんと近づいていく・・・・・。

 

 

 そして・・・・、二人の唇が・・・・・重なる・・・・・。

 

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ガラッ

 

突然部屋の戸が開いた。

 

「くぉらぁー、二人ともー。こんなトコで何やってんの!!!」

 

突然のことに、二人は慌てて離れる。

 

「ミ、ミサトさん・・・・」

「ミ、ミサトぉ!」

 見事にユニゾンする二人の声。

 どうやら突然の来訪者はミサトらしい。

 

「ふーん、いきなり姿くらまして、一体何してるかと思ったら、ふーん。」

 やけにニヤニヤしているミサト。

 まあ、彼女の性格を考えれば、分からないこともないが・・・・。

 

「ア、アタシは悪くないわよ。シ、シンジが無理矢理連れ出したのよッ!!」

「えー、ア、アスカぁ。そんなのひどいよ。自分が言い出したくせに。」

「う、うるさわねぇ。オトコのくせにいちいち、もう・・・・」

 いつもの戦乱状態へ突入する二人。

 さっきのあの雰囲気は一体なんだったんだろうか・・・・。

 

「ハイハイ、二人とも。喧嘩をやめて。」

 ミサトが二人を止めに入る。

 

「ふん。」

 アスカがプンプンうなっている。

 そんなアスカを見て、

「こういうアスカも可愛いいよな・・・・・」

 とボソッとシンジ。

「バ、バカ! 何言ってるのよ。もう。」

 真っ赤になって声をあげるアスカ。

 

「あらあら、二人とも。いつの間にそんな関係になったわけ?」

 ミサトの突っ込みが続く。

 

 ・・・やばい。このままじゃミサトの思うつぼじゃない・・・

 ・・・とりあえず、この場を離れないと・・・

 

 ミサトの思惑に感づいたか、アスカはスッと立ち上がる。

 

「アタシ、お風呂入ってくる。」

 と言うとスタスタと言ってしまった。

 

「ア、アスカぁ。」

 

 ふっ、情けないぞシンジ。

 今にもゲンドウの声が聞こえてきそうな光景だ。

 

「ふふふ、シンちゃんもなかなかやるわね。」

「ち、違いますよ、ミサトさん!!」

 ムキになって否定しても、よけい怪しまれるだけである。

 

「でも・・・・」

「でも?」

「何かスッキリしました。心のモヤモヤがとれたような感じで・・・・。」

 

「そう、よかったじゃない。」

 優しく微笑むミサト。

「ほら、シンちゃんもお風呂入ってらっしゃい。」

 

「はい。」

 ミサトに促されて、シンジも風呂へと向かう。

 

 だが、それを見送るミサトの表情に気づかなかったのは幸か不幸か・・・・。

 

 

 

 

 

「・・・言っちゃった・・・」

 温泉に浸かりながらひとりつぶやくアスカ。

 

「・・・バカシンジ・・・・」

 

 今、アスカは空母で初めてシンジと出会ってからのことを思い出していた。

 シンジとの想い出がついさっきのことのように脳裏に浮かんでくる。

 

 

 チャポン

 

 

 囲いの向こう側から誰かが湯に浸かる音が聞こえてくる。

 

「シンジ?」

 その音の主にアスカが声を掛ける。

「うん。 何?」

 アスカが思った通り、それはシンジだった。

 

「ううん、何でもないわ・・・。」

 

 

 

 

 

 

こうして、二人のお忍び旅行は終わる・・・・・はずだった。

 

 

「さあ二人とも、詳しいいきさつを話してもらうわよ!!」

 

 「ええー!!」

  またもユニゾンする二人。

 

「あったり前じゃない。無断でテストさぼって、姿くらましたのよ!!

 リツコ達に怒られたくなかったら、

 おねーさんにちゃんと話しなさいよー。」

 

 どうやら、作戦部長サマは既にできあがっているようだ。

 

 そしてこの晩、シンジたちの部屋から明かりが消えることは無かったという・・・・・。

 

 

 

 


続く
Beta? Version

Homepage : http://www.incl.or.jp/~ago/write/
E-Mail : ago@asuka.nerv.to

 

 

 

 

 

<あとがき>

ども、AGOでございます。

中編、いかがでしたでしょうか?

ちょっとうまく行き過ぎかな?

多少ツメが甘いところがあるかもしれませんが、カミソリメールはご勘弁を(笑)

 

あと、ちょっち宣伝ですが、まもなく僕のHPで連載小説が始まります。

ぜひ一度お立ち寄りください。

 

誤字・脱字・ご意見・ご感想などはメール伝言板へ。


 AGOさんの『シンジとアスカのお忍び温泉旅行』中編、公開です。
 

 出たな、ミサト(^^;

 アスカとシンジがラブラブし始めると、
 何処でかぎつけるのか現れる彼女・・・

 人のことはほっといて、自分のことを考えなさい!
 ・・・・なんて言ってみたりして(^^;
 

 せっかく告白った二人の邪魔をして・・・・
 でも、ここで邪魔が入らなかったら、きっと最後までいっていただろうなぁ

 「いけません、お父さんは許しませんよ!」(笑)
 

 さあ、訪問者の皆さん。
 感想メールを書いて、さらにAGOさんのホームページへも行ってみましょう!


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