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「ネタ、無いのよね。」
「はあ。」
「だから、前回少し触れたけど、今回は「分岐式小説」でいこうと思うの。」
「まあそれなら、誰のパクリってこともないでしょうしね。」
「でも今回は原作の中で既に引用があるの…」
「…好きにして下さい…」
「えーっ、シンちゃん好きにしていいのお?」(何故かよだれの垂れている作者)
がばっ
「え? ちょ、ちょーー!!(以下自主規制。)

作者注:分岐を無視したい人は短いパートを大体飛ばして行けば普通に読めるぞ。多分。


スモッグ。赤茶けた煉瓦の街並、敷き詰められた敷石、通りを行き交う四輪馬車。本当の「紳士淑女」達と新聞売りの声。と大量の馬糞。そんなビクトリア朝末期のロンドンに、一人の少女と一人の青年がいた。ここはベーカー街221Bの下宿。 

暖炉がパチパチと燃えている。安楽椅子にかけている2人。 
「いやあ、本当に凄いじゃないか! 良くこれだけの物を作ることが出来たね。」バイザーをかけた青年は少女に話しかけた。 

「何を言っているのかしら? ワトソン君。 私の読書を邪魔しないで。」

大体年下(の見た目)なのに上司なんだもんなあ。しかも永久に年取りそうにないし。敬語にすべきなのか、どう話せば良いのか分からないんだよなあ。救いの無いことでくよくよ悩むワトソン君。 

タイムズを読み耽っているのは名探偵、シャーロック・ホームズ。
「そう…今日はジェイムズ・クレハムフォード郷がお亡くなりになったの…死因は、黄熱病…ウフフフフ、お幸せに…(ニヤリ)」 
よく分からないが楽しんでいるようだ。
タイムズをたたんだ彼女はペルシャスリッパのタバコ入れ(しけってしまわないのだろうか)からタバコをパイプに詰め、火をくゆらせる。
嫌な14才である。

そのとき部屋の呼び鈴が鳴った。
「おや、こんな日に依頼者か?」白々しく言うワトソン君。

ドアが乱暴にばたんと開かれた。現われたのは…



>第1の選択肢

現われたのは、眼鏡をかけた20代の上品な紳士。
現われたのは、東洋人の女性。


現われたのは、眼鏡をかけた20代の上品な紳士(森ではない)。
「どうもあいすみま…」「あなたはジョン・オープンショウ。不吉な言われのあるオープンショウ家を継いだけど、K.K.K.からの封筒が来たのね。」

男はこれ以上無く驚いた。
「ど、どうしてそこまで分かられるのですか? 噂は伺ってましたが、やはりホームズさんの洞察力は並大抵の」「でもだめ。もう遅いわ。あなたは一旦家に戻って、事故死と偽装されて殺害されるの。ウフフフ…お生憎さま。(これだけの文の為にわざわざホームズの短編一個読むのは疲れるわね。)」

一流の推理を早々と展開させ、満足気にパイプをふかすホームズ。

「レ、もといホームズ! それじゃあまりじゃないか!」

「そ、そこまで分かられるのでしたら何故守っていただけないのですか?」涙ぐんで至極当然の事を言うジョン。 

「仕方がないわ、そういう設定だから。そういう訳で帰って。」

「僕はどうすればいいんだ! まいぷりんせすうー」絶叫しながら駆け出して行くジョン・オープンショウ。

「やっぱり森に似てるな…」 
「まだ誰も知らないわ、このネタ。」

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これで最後のシーンね。

「ところでさ。」
 
現われた客は東洋人女性だ。裸にタオルを巻いただけの姿で、全身から湯気が出ている。    

「そ、そちらがホームズさんですか? 実は」    
「更衣室で着替え中に露天風呂で悲鳴があって、行ったら一緒に旅行中だったヨシコが頭から血を流して死んでいたのね。」    

「そ、そうなんです! さすがホームズさん、一目で」「でももうだめ。この後仲良しOL3人組はあなたも含めて殺されるの。犯人は渡辺美奈代。テニスサークル時代のツヨシ君をあなた達が弄んだことへの復讐で、8時52分に逮捕されるわ。」    

バイザーを落としかけたワトソン君、「それってホームズか?」    

「そうよ。」至極当然といった無表情でホームズは続けた。「ゆけむり湯布院温泉郷殺人事件。正式タイトルThe Adventure of the Spa Karaokeよ。1888年の事件ね。」    

「そ、そんなん殺生やわー!!」タエコこと羽野晶紀は泣いて駆け出して行った。   

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「俺は…」

 
ワトソン君はいいかげん飽きたようだ。(なにしろ2人来たのだ、作者の感覚では。)
「結局レイタは全部結末を覚えているんだろう? ホームズの話は。それじゃ謎解きも何もないじゃないか。」

ミサトさんに付いて行くよりは無害かもしれないけど、これじゃ退屈そのものだ。ワトソン君ことマコト・ラ=フォージはマギデッキの外へ出た。

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―宇宙。そこは最後のボランティア(意味不明)。これは、宇宙戦艦エバンゲリオン号が、新世代のクルーの下に、24世紀において概ね任務を続行し、未知の世界を探索して、新しい生命と文明を求めるふりをしつつ、人類未踏の宇宙に、アバウトに航海したりしなかったりする小話である―

EvanTrek The Next Generation
新エヴァントレック

Elementary, Queer Rata
第六話「マギデッキの反逆者」


ひーえー。   
「フラン研さんも台詞の覚え方が雑ですね。」   
USSエバンゲリオン号は同じく惑星連邦の船、USSヴィクトリー号とのランデブーのため一時的に停泊中であった。そのためクルー達にはしばらく自由時間が出来る。レイタが以前から19世紀のロンドンの世界をマギデッキ内に再現していると聞いたマコトは、一緒に「ホームズとワトソン」としてその世界に入っていたのだった。

マギデッキの外へ出たマコトは、最近新しくUSSエバンゲリオンの医療主任に着任したドクター・ナオコ・ポラスキとばったり出会った。

「あら? あなた何なのその格好は?」19世紀風のインバネスを着たマコトにドクターが尋ねる。
ドクター・ナオコ・ポラスキは前任のドクターと雰囲気が似ていたが、より化粧が濃く良くない意味で「迫力」があった。

ちなみに、先週作者は書くのを完全に忘れていたようだが、前任のドクター・リツコ・クラッシャーはスピード(沖縄の少女ではない)等を売りさばいていたかどで左遷、ガラパゴスだかに飛ばされたらしい(ミサトでもないのに)。「あのドクターが!」と皆大騒ぎであった。その手の違法行為で絶対に足を出さない、というのが今まで彼女の伝説になっていたからだ。

にこやかに答えるラ=フォージ。
「ああ、今までマギデッキでレイタと、シャーロック・ホームズの世界にいたんですよ。」

「あら、面白そうじゃない。」
興味を持ったらしいドクター・ポラスキ。つくづく嫌な髪型だ。

「あなたには関係ないわ、ばあさん。」
ぬんで(「ぬぁーっと突然背後から現われて泡を吹いて倒れたマコトを踏んづけて」の略)来たレイタが、ドクターに言った。どうも新任のドクターとレイタは折り合いが悪いらしい。

「あらレイタちゃん。でも面白そうじゃない。私もその世界に行ってみたいわ。」

「でもねえ。行ってもレイタは全部のホームズの事件を記憶してるから、推理も何もないんですよ。」さすがに3回も使い古されたギャグではマコトの回復力も速い。

「そうよ。」レイタは上目使いにニヤリと微笑む。
「ばあさんは無関係、ばあさんは更年期障害、ばあさんは無関係、ばあさんは遅れ気味、ばあさんは無関係、ばあさんはみのが好き、ばあさんは冷え性、ハッサンはアラブ人…」

「いやあ! ムムム! レイタ、あなた良い気になっているようだけど、本当の推理なんかはあなたなんかに出来るはずがないわ!」

「どうして。」

「あなたには人間の心がないからよ。」勝ち誇って言うドクター・ポラスキ。「知っている事件なら記憶で全て答えられるでしょうけど、推理を働かせることは出来るはずがないわ。」

「ならやるわ。」

「面白いじゃない。マコト君、あなたがホログラムをランダムにプログラムしなおして。」

もう2人の視線が怖すぎる。一人は氷のようで、一人は(どうらんまみれの)炎のようだ。しかしマコトは足がすくんでしまい逃げ出す事も出来なかった。
「は、はいい」

「そうね、コンピュータ。」ナオコが呼びかける。「レイタを打ち負かす位の敵を頼むわ。」

「プログラム、セット終了しました。」コンピュータの無機質な声。

「行くわ。」
3人は再びデッキ内のロンドンに入った。



第2の選択肢:ところで君って何人?

日本人
ゼレンゴン人
へきる星人


同時刻。ブリッジにはゲォーフがいた。彼は存在感の無いマナが一行で死んだ後、新たな保安主任となっていた。計器が一瞬コンピューターの異常な出力を示した。何か問題があるのだろうか?

彼の頭にビール缶が飛んできた。
「ぬぁによぉ! あだしのかーうんせりんぐが聞ひぇないるうのお!」

「あ、いや、トロイのカウンセリングは荒っぽいからなあ。あー、俺ちょっと運搬荷物の確認でもして来るわ。じゃまたー。」

そそくさとビニールマットを後にするリョウジ・ライカー。ビニールマットには新たに桜の木の書き割りと「ミサトの領地(はあと)」という立て札が立っている。

「っだく、マゴトといい、どいちゅもこいちゅも逃ぎやがって。こえだがらかいちょなちが彼ちのご主人様は大変でちゅ。」
また何か違うキャラになっているカウンセラー(?)・ミサト・トロイ。

まだ痛む頭を押さえつつゲォーフは計器を見直した。特に問題はない。さっきは何を考えていたのだろうか? 忘れてしまった。


ビクトリア朝のトレンチコート、ドレスにそれぞれ身を包んだレイタ、マコト、ナオコ。

「たいしたものね。これだけの街を再現するなんて。…天国のリッちゃんにも見せたかったわ。」
感動してつぶやくドクター・ポラスキ。リツコと旧知の仲らしく、ハンカチを取り出している。ただし勝手にリツコを殺してはいけない。

マコトがレイタに叫んだ。
「危ない! よけろレイタ!」

その時工事中の建物の足場から大きな石が落ちて来た。
レイタはほんの少し目を見開いた。すんでのところでよけたレイタ。建材と思われる石は歩道で割れた。
「こら! 注意しろ!」上を向いて叫ぶマコト。

少し考え込んでいるレイタ。

3人の歩いているのは往来の多い通りだ。その内の汚ない身なりの男が突然レイタにナイフをつきつけた。

「危ない!」
「A.T.フィールド全開。」潰されて遠くへ飛んで行ってしまう男のホログラム。とマコト。

「様子がおかしくない? レイタ。」ドクター・ポラスキが尋ねた。

「何か異常が起きているわ。…とりあえず221Bに行ってみましょう。」

「そうね。」哀れマコトは血の海で息絶えた。
 



私は18才以上で、私は同種の映像を見ることに不快を感じず、又私の住んでいる地域の法律は同種の映像を見ることに抵触しないことを誓います。

僕って最低だ…(Yes)
嫌い嫌い大っ嫌い!(No)


「…」


3人は221Bに向かった。そこの下宿部屋には先客がいた。
「これはこれはホームズさん。お待ちしていましたよ。」

「誰だお前は!」マコト・ラ=フォージ(いたのか)はフェイザーに手をかけた。

「止めなさいワトソン君。こちらはジェイムズ・モーリアティ教授よ。お待ちしていました。」

レイタは向き直った。
「ハドソン夫人。お茶をお入れして。」

「へ?」ぼけっとしていたドクター。つくづくドレスが似合わない。

「あんたよ、ばあさん。」

「あ、あんたねえ…分かったわよ、入れれば良いんでしょ!」隣で手を合わせているマコトの姿を見て自分を抑さえるナオコ。さすがに大人である。
 
 
「それにはおよびません。」モーリアティ教授は手を振った。

「今日私はあなたに警告しにやって来た。最近私の組織を色々と洗ってらっしゃるようですな、ホームズさん。悪いことは言いません。手をお引きなさい。さもないとそのかわいいお顔に傷が付きますよ。」

「言いたいことははそれだけね。ちょっと失礼。」
 
 
レイタはドクターと相談した。
「さっきからのホログラムの私への攻撃はやはり異常ね。あなたはしばらくの間モーリアティ教授を引き止めておいて。その間に私がブリッジに戻って対策を練るわ。」

「分かったわ。…頼んだわよ。」

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良い加減飽きた

私の学校、夏休みはまだ遠い…



 
「そういう趣味だったんですか…」
 
レイタとマコトはブリッジに戻った。

「つまり、ドクター・ナオコが「レイタを打ち負かす位の敵を頼む」とコンピュータに言ったのが問題だったという訳か。」こんなに行数が進むまで登場しなかったのは初めてだ。結構そういった事に拘るフユツキ・コウゾウ・ピカード艦長は、苦々しい思いと共に言った。

「ええ。結果マギデッキのプログラムは暴走しつつあるようね。」

「ドクター・ポラスキ。そっちの様子はどうですか。」聞くライカー。

<ナオコの通信機からの音声が流れる。
「うんっ、いいわぁ。そう、そこよ。んあっ、ん、ん、ぁぁあああん、はぅ、うんっ、うんっ、あ、ああ、ああああ、ああ。」

通信をブチッと切るレイタ。思わずちゃんと聞いてしまって自己嫌悪に陥る男性クルー達。

酒臭い息を吐き出してミサトが言う。
「ころ際ほっといだらぁ?」

「そうね。ばあさんは用済みだし。」


その時エバンゲリオンがぐらりと揺れた。

艦長が聞く。>
「何だ今のエネルギーは? ゲォーフ。」

「問題のマギデッキへ出力が移動した。それに伴なう振動だ。」

「どういうことだ。」ライカー、ディフォルトの台詞である。

「危険な状態ね。艦長。やっぱりマギデッキへ行きます。」

「そうしてくれたまえ。」私は絶対に行きたくないからな。言外にその思いを滲ませるピカード。


レイタとマコトは再びマギデッキ内の「ホームズの部屋」に来た。

幸いドクター・ナオコはちゃんと服を着ていた。しかしやや息が荒いし、椅子にしゃんとして座っていない。あわてて吐き気を抑さえるマコト。何を想像したのだろう。>

「お待たせしたわ。モリアティ教授。」

モリアティ教授は鼻を鳴らした。
「いや、違うな。君達は芝居をしているのだろう。もう私は気付いてしまったのだ。君達はシャーロック・ホームズではない。ここもロンドンではないな。」

「な、何故そんなことを…」驚くマコト。

「これを見たまえ。」モリアティ教授が部屋の壁の一部分を押した。するとそれまで樫の木製の本棚であった部分がマギデッキの出入口、つまり白い無機質な壁に変わった。

「ばあさん。」レイタが向き直る。「あなたが教えたの。」

「はあ、はあ…へえ?」ドクターはどうもそれどころではないらしい。

「違う。私の頭脳で突然閃いたのだ。」

「マギね。」レイタは苦々しくつぶやいた。

「更にここに突然不思議な機械が現われた。一体これは何と呼ぶのかね?」
見るとテーブルには小型の情報端末が置いてある。

「ど、どうしてそこまでマギは教授に肩入れしているんだ?」マコトがレイタに尋ねる。

「「レイタに勝つ」ためには、宇宙船の知識は必要よ。」冷静に答えるレイタ。

「そう、やはりそうか。この、恐らく高度に発達した自動計算機だと思うが、この機械が示す所によると今我々は宇宙の中を漂っているそうだな? その、宇宙船という船で。そして現在も19世紀ではなく、24世紀だ。」
モリアティ教授は天才的数学者という設定のホログラムだ。19世紀の人間だが飲み込みが非常に速い。

「そうよ。」
既に彼はプログラムを越えた一生命体としての自意識を獲得しつつあるようね。…私と同じなの?

「私を船長に合わせるんだ。既に私はこの船の舵を握っている。」

顔を見合わせるレイタとマコト。
「どういうことだ!」

「その作り方もその計算機が教えてくれた。」
モリアティ教授は机の上にあった模型の帆船を取り上げた。船を右に傾ける。

USSエバンゲリオン全体が急に右旋回した。

「な、何という事だ…」頭をかきむしるマコト。隣で幸せそうに寝息を立てているドクター。

「分かったわ。私達の船の船長に合わせます。そういうことよ、艦長。」ブリッジによびかけるレイタ。


「いやだ。」駄々をこねる艦長。

「何言ってるんですか! 艦の命運がかかっているんですよ!」叫ぶマコト。

「そんなのは知った事か。」

「艦長。」落ち着いて呼びかけるレイタ。「変なものを見る心配はありません。ドクターは現在寝ています。」

「ふざけるのも良い加減にしたまえ!」怒ったフユツキ。「それを先に言わんか! 今すぐ行く。」

Next

逃げろ!



とうとうピカードとモリアティ教授が顔を合わせることになった。
ピカードは221Bの扉を開けた。レイタとマコトが立っている。ナオコは長椅子で安らかな寝顔だ。そして正面に、ジェイムズ・モリアティ教授その人がいた。

彼は衝撃を受けているようだった。

「き、君がこの船の船長か?」

「いかにも。当艦USSエバンゲリオン艦長、フユツキ・コウゾウ・ピカード」「コウちゃんっ!」
いきなり抱き付くモリアティ教授。「へ?」「これからあなたの事、コウちゃんって呼んで良い?」

ニヤリと笑ったレイタ。わざわざドクターを起こす。
「面白い見世物があるわ。」

「え? 何? はっ」見ると「私の男」と艦長がキスをしているではないか。

つかつかと艦長に歩み寄るドクター・ナオコ・ポラスキ。先ほどまでの幸せそうな笑顔は微塵も無い。
「艦長。やっぱりそういう御趣味だったんですか。」

「ぶっはぁ。あ、いや、誤解だナオコ君」「人の趣味をどうこういうつもりはありません。しかしそういった泥棒猫なマネはどうかと思いますが?」

「違う! 私はノーマルだ! ちょっと可愛い男の子に弱い以外は全くのノーマルなんだぁー!」

渾身の力でモリアティ教授を突き飛ばした。
「つ、冷たいよ、コウちゃん…」涙をポロポロ流す天才教授。

「何でこんな目に合わなければならんのだ…」艦長は仕事を忘れるところだった。
「ああ、そうだ。モリアティ教授。一体君の望みは何なんだ?」

「いやだ、あたしから言わせる気?」両手を口に当ててイヤイヤをする教授。
「もちろん、コ・ウ・ちゃん! きゃっ、コウちゃんのエッチ!」艦長を叩く教授。ぽかぽかぽか。

「(話が進まないから私が言うわ)恐らく彼の望みは自分の生命の保証だと思うわ。」

「ああ、そうだ。」ようやく正気を取り戻した教授が話す。「それもある。どうやら私はこの虚構のロンドンを出られないようだな。それどころか私自身が虚構の存在なのではないかね。」

モリアティ教授の驚異的な理解力に驚嘆しながら艦長は答えた。「いかにもその通りだ。」

「そこで、私の生命の保証をして欲しい。虚構ではなく、実体となりたい。「ホームズを敵とするモリアティ教授」がフィクションであった以上、私はそれ以上の事を望むつもりはない。」

「申し訳ないが、教授。ホログラム…君を存在させている計算情報の事だが、ホログラムをこの虚構の世界の外でも実態化させる技術はまだ私達も持ち合わせていないのだ。」

教授は腕組みをし、ため息を付いた。「…そうか…」

ドクター・ポラスキが笑って、人差し指を上げた。
「それなら、いい考えがあるわ。」

「「どうするのだ?」」ユニゾンで聞く艦長と教授。

一瞬たじろぐドクター。
「…あ、ええ。ホログラムを実態化させる科学技術を私達が開発するまでの間、教授、あなたのパーソナルデータを全てこの船の「計算機」に永久保存します。つまりその間あなたは眠るようなものね。そして未来のある日、あなたは再び目覚めて本当の命を得る。これで良いでしょう。」

しばしの沈黙。

教授は科学者であった。
「…分かった。君の案を飲もう。」

ほっとするクルー達。
「ただその前に一つだけ頼みがある。」

「何かしら?」笑顔で聞くナオコ。

「眠る前に一回で良いから、コウちゃんと…」もじもじとピカードのユニフォームを引っ張る教授。

「勝手にしなさい!」

「おい! 待ってくれ! 私の意志は? こら、教授、くっつくな! むぎゅ…こら、お前ら薄情だぞーっ! 勝手に解散するなっ! おい! 助けてくれー! こら! どこを触っている! ああっぁぁぁ」


こうしてエバンゲリオン(に関して)の危機は回避された。



ここで最後の選択肢です。

あなたの好みのキャラクターは?

惣流・アスカ・ラングレー
綾波レイ
ところで今回の分岐式って失敗してませんか?



話の本筋すっかり忘れたんですけど…

「じゃあ、何でこんな事やってんだよ!」

「ああ、良かった、僕今週出番無いかと思った。」ほっとしているシンジ・クラッシャー。ママの左遷より自分の出番。良く出来た子供だ。

ちなみにあれから数日間艦長は虚ろな目で艦長室に閉じこもっている。しかも遊び相手のマナちゃんも死んでしまった。

「そういえば、最近艦長はあなたの事をあまり変な目で見ないようね。」レイタはつぶやいた。

<「(もしかして、その事と出番が関係しているのか? ここって○○○○○事務所?)う、うん。何か似てるけど違う女の子がお気に入りなんだってね。」

「碇レイね。(「パラレル」内の「けだもの」での私もその名前だけど、残念?ながらそれではない方のね。)」

作者注:こんなこと書いてたら碇レイ親衛隊の方からレイ教勧誘のメールが来て焦ったでちゅ。

「そ、そう。…可愛いのかな?」愛想笑いをするシンジ。

「シンジ君も、充分艦長好みだと思うわ…」

「それはそれで、嫌なんですけど…」寵愛と出番の間で揺れるシンちゃん。

艦長はその頃「この傷を癒すには、(ピー)ちゃんしかいない! 現実に立ち返るのだ!」と結論を出していた。彼の見ていたモニタには「碇シ○ジ正当化委員会」なるHPの画面が映し出されていた。

果たしてシンちゃんの貞操の行方は? (知ったことか)

つづく


次回に続くよどこまでも
 
ver.-1.00 1997-06/30公開
 
感想・質問・誤字情報・御飲食・御宴会・宗教勧誘等は こちらまで!  

次回予告
 
3人の子供達は陽の落ちた遊園地を歩く。恋人達の増える時間帯。レイは急にシンジの手を引きアスカから逃げ、2人で観覧車に乗り込んだ。いきなりキスをするレイ。そして沈黙。レイは抑えていた自分の気持ちを告白する。シンジは心に引っ掛かっていた物がレイであったことに気付いた。観覧車から降りて思わず抱きしめ合う2人。目の前には呆然となったアスカがいた。次回「真夏の子供達」第7話、「Sur les chapeaux de roue」。御期待下さい。

本当の次回予告:次回は最強の敵出現、ちょっち山場だぞ。
 



 
後書きコーナー

「ふんふんふん…歌は良いねえ。」
「今日は上機嫌だね、フラン研君。」
「…あんた誰?」
「失礼だな! 僕は今回の話でも大活躍した日向マコトさ!」
「ああ、毎回簡単に生き返る人ね。」
「あんたも同じだろうが!」
「さて、メールでも読みましょうかね…」
「無視するな! 人の話を聞け!」
「ふむふむ…いや、メガネ君、ここに面白い記事があるぞ。」
「(あんたもメガネじゃないか…)何だって…へえ。凄いじゃないか。」
「とうとうエヴァトレも「引用」されたぞ! (でも、私の小説に北島三郎が出た記憶は無いんすけど。)」
「いや、これはエヴァトレが「引用」したということを紹介しているだけだと思うんだが…ごぶっ」
n2爆雷によりマコト、殲滅。
「人を使徒扱いするな!」
「相変わらず回復速いねー。」
「…ところでエヴァトレとキーホルダー以外の投稿ってしないのかい? 前はいくつかやってたじゃないか。」
「いくつかアイディアはあるんだけど…最近忙しくて。」
「ちゃんと学校に行ってるんだ。」
「うん。学校にも大体40パーセント位は出席してるし、それからバイト。一日最低10時間は寝るし他の人のエヴァ小説もチェック(加地さんの「Evergre○n」切なくてサイコー)。後伊集院のラジオを聞いて空いた時間でゲーム。」
「全然暇人じゃないかっ! 全くしょうがないな。何だいゲームって。FFTにでもはまったのか?」
「ううん、テトリス。」
「…テトリス?」
「そ、テトリス。たまにフリーセルとマインスイーパ。全て実話ナリ。」

「って、何で私まで吸い込まれるのー」 教訓:慣れない魔法(?)を使うのはやめようねっ。

5秒後作者死亡。(死因釜ゆで。)

以下次回


 フラン研さんの『エヴァントレック』第6話公開です。
 

 分岐小説(^^;
 

 私はこの手の”分岐”と言うヤツに弱いんですよ。

 アドベンチャーゲームなんかでは一つ残らずメッセージを見ないと気が済まなくて、
 あちこちでセーブ&ロードを繰り返すっていうバカな遊び方をしてしまうんです。

 全部のメッセージを見ることに執着するあまり
 ゲーム自体を楽しめないこともしばしば。

 そういう訳でこのところ分岐のある物には手を触れないようにしていたんです。

 そこへこの小説。
 も全部の分岐を見ようと頑張って疲れました(^^;
 

 さあ、訪問者の皆さん。
 色々仕掛けてくるフラン研さんに貴方の思いをぶつけましょう!


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