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煩悩の世界エヴァンゲリオン 第壱話 いつもの朝
Bパート

He foreseis a trouble in a next day



○同日午前7時38分 綾波家玄関



「学校に行こうか、シンジ君」

ぼくは、カヲルさんに言われて考え事から抜け出した。

「はい、カヲルさん」

「ほらっ、いこっシンちゃん」

ぼくは、レイに手をとられ駆け出した。

「そんなに急がせないでよ」

ぼくは、レイに抗議の声を上げる。

「ほら、早くしないと、ヒカリちゃんたちに悪いわよ」

「そんなに急がなくても大丈夫だよ」

ぼくは、時計を見ながらそう言う。まだ7時39分だ。

「そう?じゃっあるこっ」

レイはそう言って走るのをやめてくれた。
ぼくは、あまり走るのは得意ではないので思わずホッとしてしまった。

「ねぇ、シンちゃん」

レイが声を掛けてくる。

「うん」

「今日の授業」

「ああ、家庭科だよね」

「シンちゃん得意だもんね」

「まあね」

そう、ぼくの得意科目は、家庭科なのだ。それも今日は、調理実習だ。

「今日の調理実習って、おみそ汁よね?」

「そうだと思ったけど」

「シンちゃんのお料理って何でもおいしいからたのしみだなぁ」

「そうかい?ありがと」

ぼくはレイの言葉にちょっと顔をほころばせた。



○同日同時刻通学路上ソンソン前交差点



「いいんちょ、今日は家庭科やな?」

「そうよ、鈴原」

いいんちょ、と呼ばれたお下げの少女はちょっと嬉しそうに答えた。

「トウジは、調理実習が楽しみなんだよな?」

メガネの少年は、ジャージの少年、トウジにそう聞いた。

「そうや、わいは学校の授業で調理実習が一番好きなんや」

と、楽しそうに答える。

「食べるのが、だろ?」 突っ込むケンスケ。 「まったく鈴原ったら、食いしん坊よね」

「トウジから、食べることをとったら何も残らないもんな」

「なんやてぇ、ケンスケ」

トウジは、笑いながら小突く真似をする。

「ははは」

「ふふふ」

二人に笑われトウジは、

「そんなに笑わんでもええやないか」

と、ちょっと頼りない声で抗議の声を出す。
そんな笑い声が聞こえる中、もう一人声を掛けてきた。

「おはよう」

「おはよう山岸さん」

「おはようマユミちゃん」

「おはようさん」

三者三様の返事を返す。

「みなさん、楽しそうに笑ってたけど・・・」

メガネの少女は、恥ずかしそうにそう聞く。

「いや、トウジが朝からそわそわしてるから何かと思えば、今日の調理実習のことだったのさ」

「調理、実習」

メガネの少女、山岸さんはそうつぶやく。

「そうよ、まったく食いしん坊でしょ鈴原は」

楽しそうにお下げの少女は、笑う。

「そないにいわんでもええやないか」

逆にトウジは、楽しそうではない。

「鈴原君らしいですね」

ちょっと遠慮気味に微笑む、山岸さん。

「ああっ、山岸まで」

トウジは、完全に落ち込んでしまった。

「まあまあ、食いしん坊ってことがトウジらしさなんだから」

「そうよ、鈴原」

「そうですよ、鈴原君」

三者三様に、トウジを励ます。

「そうか?」

トウジは少し恥ずかしそうにしていたが

「そうよ、鈴原!」

いいんちょ、洞木さんの声に

「そうやなこれが、わいらしいってことやな」

元気が出たらしい。

「単純だよな」

ケンスケは、誰にも聞かれないようにこっそりと小声で言った。



○同日午前7時45分通学路上ソンソン前交差点



「「おはよう」」

シンジとレイの二人は、シンクロしてあいさつをする。

「「「「おはよう」」」」

トウジ、ケンスケ、洞木さん、そして山岸さんの4人も、シンクロしてあいさつを返した。

「なんやシンジ、またおててつないで登校か?」

「あっ」

トウジに言われて気づいた。そうだ、レイの家出るときレイに手をとられたままだった。

慌てて、手を放す。

「もう、鈴原君っ、言わなきゃシンちゃん気づかなかったのにぃ!」

レイが、抗議の声を上げる。

「いやあ、わるいわるい、かんにんしてな」

といいつつ、トウジは反省の色がない。

「あのーぼくの立場は?」

シンジは、誰に言うでもなく聞くと

「ない」

即座にケンスケが答えた。

「ううう」

ぼくは、不幸だ。

「さあ、学校に遅刻するわ、早く行きましょ」

洞木さんの提案にぼくたちは、したがった。

「知ってる?相田君」

「なに、マユミちゃん」

実は、この二人は結構仲がいい。なにか趣味が合うらしいのだ。

「明日、転校生が来るんだって」

「えぇと、そんな情報は、まだ入ってないけどなぁ」

「それはそうですよ。昨日仕入れた情報ですから」

「だれから聞いたの?」

「葛城先生」

「ミサト先生か」

「で、男なんか?女なんか?」

二人の話しに、割り込みを掛けるトウジ。

「女子ですって」



○同日同時刻太平洋上EJAL機上



クシュッ

「風邪かしら?いけないわね、明日から学校なのに」



○同日同時刻通学路上郵便局前



「「「よっしゃぁ」」」

見事にシンクロする男性陣。
女性陣はというと見事なジト目。

「「「ジーッ」」」

「「「うっ」」」

「いやあ、今日のちょうりじっしゅう、たのしみだなあ・ぁ・ぁ」

「そ、そや」

「そ、そだね」

うろたえる男性陣。

「男の子ってまったくやよ「「ねー」」」

最後だけ、ハモり攻撃する女性陣。

「はよ、学校いこうや」

「そうだね、トウジ」

「よし、善は急げだ」

逃げ出す男性陣。

「こら、まちなさい」

「シンちゃん、まちなさいよ」

「相田君、まってよ」

追う女性陣。

「いやや」

「やだよ、怖いもん」

「だめだめ」

逃げる男性陣。
逃げる方も追う方も楽しそうだ。
そんなことをしてるうちに学校に着いてしまった。



○同日同時刻太平洋上EJAL機上



少女は、スチュワーデスから借りた端末を操作していた。

「これでよし、と。シンジ驚くだろうな」

クスッ、一人微笑む少女。

送信ボタンをクリックする。



○同日午前8時5分第3新東京市立第一中学校2年A組



さっきのことを忘れたかのようにおしゃべりを楽しむ子供たち。

「だけど、どんな娘なんだろ?転校生」

「そうやな、おとなしい娘だとええな」

「そうだな、ここの女性陣は強すぎるよ」

3人ともさっきのことを完全に忘れていた。

「相田君、それはどういう意味かしら」

お下げの少女、洞木ヒカリは、こめかみに血管を浮きだたせ、問いただす。

「あ、ええと、なあトウジ」

「わ、わいにふるなや、ケンスケ」

「そんな、たすけてくれよ、シンジ」

「ぼ、ぼくにふらないでよ」

「碇君、どういうことなの?」

「シンちゃん?」

「碇君?」

「ぼくがいったんじゃないよ、ケンスケが・・・」

いつのまにかケンスケがいない。

「また逃げたな、ケンスケ」

と、つぶやくが女性陣は聞いちゃいない。

「ごまかさないで、碇君」

「シンちゃん」

「碇君」

「ひえぇぇ!」

2年A組の教室に恐怖の叫び声が聞こえた。



○同日同時刻第3新東京市立第一中学校職員室



ぇぇぇぇっ

遠くから、叫び声が聞こえる。

「無様ね・・・」

誰にも聞こえないようにつぶやくと校長先生の話しに耳を傾ける、金髪の美女。



○同日午前8時15分2年A組教室



まだ、女性陣に囲まれ青い顔をしてる少年がそこにいた。

「ぼくがいったんじゃないのに・・・」

遠くから聞こえてくる、排気音(エキゾーストノート)
ボォォォォップッシューンキヤキャキャキャッ

「きたで!」

「ミサト先生だ!」

二人の声が聞こえてくる!
チャンスだ。

「え、ミサト先生!」

ぼくは、女性陣の囲みからうまく逃げ出すと
窓際に走り出した。

「入ってくるぞ」

ケンスケが頬を上気させ興奮した口調で話す。
遠くに見える真っ赤なスポーツカーランチアストラトスレプリカ(ターボ改)だ。
それが見る見る校門に近づく。

ボォォォォップッシューンボウッキャキャキャッバウッキャキャキャキャッキャーーーーーッ
ドリフトで進入してそのお釣を利用し直ドリに移行そのままハーフスピンで駐車場に飛び込む。

ッボボボボボボボボボボガチャッボボボボボボボボボボ

古いターボ車なので、アフターアイドリングが必要なストラトスから
すらりとした足がはえてきた。

ミ゛ザド先゛生゛ーーーー!

他のクラスも併せて男子のだみ声が聞こえてくる。
ケンスケは、カメラを構えてるし、トウジも涙を流して喜んでる。
声に答えるミサト先生は、ピースサインとウインクを返す。

お゛ーーーーーっ

もう一度、だみ声が聞こえる。

ミサト先生はというと・・・



○同日同時刻ミサトの視点



男子生徒にピースサインとウインクを返しながらミサトは考えていた。

「今日も遅刻だわ・・・早く職員室に行かないと校長に、いやリツコに殺されるわ。」

生徒の目から消えた瞬間。誰にも見せられない形相で走り出していた。



○同日午前8時18分職員室



ドッタドタドタドタドタキューーーーッガラッ

「葛城ミサトただ今参りました」

コッコッコッ

落ち着いて自分の席に向かい席に着く。
校長は、といえば目頭を押さえ胃に手を当てていたが毎度のことなのか何も言わなかった。

「これで、職員会議を終わります」

教頭の言葉で職員会議が終わった。

とたんにざわつきだす職員室。

「ミサト、また遅刻ね」

金髪の美女が冷たい視線でにらむ。

「まあまあリツコそんな目で見ないで」

そんな様子にも動じず落ちついた調子で話を続ける、ミサト。

「で、今日何かあった?」

「特に何もないわ、予定通り明日転入してくるわ彼女」

「予定通りね・・・」



○同日午前8時20分



シンジは、毎日の日課であるメールの確認をしていた。
端末上には、

3件のメールが入ってます。

と表示されていた。

差出人と件名を確認してみる。

差出人______________件名
ケンスケ____________宿題やってあるか?
マナ__________________はじめまして
アスカ_______________おひさしぶり、シンジ

ケンスケのメールはいつものことだが・・・マナとアスカって誰だ?
シンジは疑問に思いメールの中身を確認する。

マナ
はじめまして
鋼○のガールフレンドよろしくね。

某ゲームメーカーからの広告メールだった。
シンジはこのメーカーのファンクラブの会員なのだ
ちなみにケンスケもだ。
さて、つぎのアスカって誰だ?

アスカ

おひさしぶり、シンジ

明日学校に行くわよ

へっ?

だからアスカって誰なの?
「なんのことだかわからないよ・・・」

シンジは、誰に言うでもなくつぶやいていた。

Bパート 了

第壱話 了


次回に続く

ver.-1.00 1997-4/29公開

ご意見・感想・誤字情報などは masaya@mars.interq.or.jpまでお送り下さい!



はじめまして、峯マサヤと申します。
「煩悩の世界エヴァンゲリオン」第壱話を読んでいただきありがとうございました。
一応、これで第壱話は、終了です。
とりあえず伏線を張り、キャラクターの関係を紹介するのが、第壱話の目的でした。
その点では、成功したんじゃないかな?と思います。
英語のタイトルは、主にBパートに対してのことになります。
なにぶん英語は不得意ですので、文法、つづり等に怪しいところが一杯の
いんちき英語ですが、意味が判っていただければOKとこちらでは、考えております。
さて、このコメントスペースを利用し、次回予告をしたいと思います。

次回

ついに彼女はやってきた。

地球の裏側ドイツから、

Uボートでやってきた。
そんなわけないでしょ!!
幼き日のい出をに!

感動巨編
ほんとに?
次回機○戦○ナデ○○
次回煩悩の世界エヴァンゲリオン
第弐話「その名は、アスカ!」

ターゲットロックオン!
なによ、ソレ!

追伸

次回予告、ちょっと暴走気味ですが言いたいことはちゃんと書いてあります。


 峰マサヤさんの連載「煩悩の世界エヴァンゲリオン」、第壱話Bパート公開です!!

 何処へ行ってもどんなときでも不幸な独り者のケンスケに春の予感が・・・(^^)
 このまま彼に幸せは来るのでしょうか?
 それともギリギリでやっぱり落とされるのでしょうか?(笑)

 ほのぼのホンワカの学園エヴァですね!
 でも、ミサトとリツコの会話に何かの予感が・・・・・

 さあ、訪問者の皆さん峯さんをメールで応援してあげて下さいね!


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