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シンジ達のとある一週間 第二部

第9日目 親のしていること
episode 9 : He wants to know about his father's job.


「シンジ、朝よ。」

「うーん・・・おふぁよう・・・・」

まだまだ眠そうなシンジ。

「シンジ、昨日あんなにゆっくりしたじゃない。ほら、顔を洗って。」

「わかったよ・・・・・・」

シンジはベッドから起きあがり、トイレへと向かう。

その次に、洗面所に行き顔を洗う。これでもう目は覚めたものだ。

そして、ユイたちが待つリビングへ。

「おはよう、母さん。」

「おはよう、シンジ。今日は大丈夫?」

「うん、大丈夫。あれ、父さんは・・・・っと、帰ってなかったんだね。」

「そうよ。」

「父さんも大変なんだなぁ。」

「でも、今日は早く帰って来れるらしいわよ。」

「そうなんだ。」

「それより、早くご飯食べちゃって。」

「じゃ、いただきます。」

シンジは朝御飯を食べ始めた。アスカはとっくに食べ出している。


「「じゃ、行って来ます。」」

「行ってらっしゃい。」


「アスカ、昨日休んじゃったけど、大丈夫かな?」

「たぶん大丈夫じゃないの?」

「何か大変なことになってたりして。」

「それはないわよ、きっと。」

「そうだね。考えた僕がいけなかったね。」

「シンジらしいわね。」

「僕らしいって?」

「なんでもないわよ。」

「気になるじゃないか。教えてよ。」

「これはあたしだけのこと。だからシンジには教えられないの。」

「わかったよ。そこまでいうなら僕も聞かないよ。」

そして、二人は学校の門をくぐった。


「お、きたきた。」

「やあ、トウジ、おはよう。」

「おはようさん。昨日はまたきつかったなぁ。」

「えっ?」

「なんか無理矢理酒飲まされて二日酔いっちゅうからな。で、大丈夫なんか?」

「うん、もういいよ。それより、ケンスケは?」

「ああ、あいつはなんか港に船が来るっちゅうて、カメラもって行っとるわ。」

「そうなんだ。」

一方、

「アスカ、昨日はどうしたの?また先週の風邪がぶり返したとか?」

「そうじゃないけど・・・・」

「アスカ、私に教えてくれてもいいでしょ?」

「・・・・・そうね。」

「で、昨日はどうしたの?」

「シンジが二日酔いで(三日酔いかな?)学校に行ける状態じゃなかったから、

あたしがそばにいたのよ。おばさまもいなくて。」

「それを聞いて安心したわよ。」

「どういうことよ、ヒカリ。」

「えっ、なんでもないわよ。」

「なんでもないことはないと思うけどぉ〜。」

そのとき、授業開始のチャイムが鳴った。

「ほら、アスカ、授業が始まるわよ。」

チャイムに救われる学級委員、ヒカリであった。


授業中。アスカはシンジの方ばかり見ている。

もちろん、シンジの様子を見るためだが、アスカにはとってほかにも

いろいろとあるようだ。

まあ、ここでは本人の希望により伏せておこう。

そして、お昼の時間となった。

「あの、アスカ・・・」

「ん?何?」

「その、今日は、屋上で一緒に食べないかな・・・と思って・・・」

「いいわよ。行きましょ。」

二人は屋上へ上った。

「シンジ、今日もいい天気ね。」

「うん?あ、そ、そうだね。」

今日はまさに日本晴れ。今日が休日だったらどんなにいいことか。

「アスカ、早く食べよう。時間がなくなるから。えっと、

今日のおかずは何だろうなぁ・・・・・」

「・・・・シンジ。」

「何?」

「何かあったの?」

「プッ!」

思わずほうばっていた唐揚げを吹き出しそうになるシンジ。

「ど、どうしたんだよ、アスカ。」

「だって、シンジから”屋上に行こう”って言われたから。」

「何かおかしい?」

「いや、その・・・・」

「僕がアスカを誘ったことがおかしいの?」

「そうじゃないわ。でも・・・・」

「でも、何?」

「・・・うれしかった。シンジが誘ってくれて。」

「アスカ・・・」

「シンジ、あたしのお願い聞いてくれる?」

「・・・・内容によるけどね。」

シンジは笑って見せた。

「シンジ、もう一回、あたしを誘ってくれない?」

「へっ?」

「だから、あたしを誘うのよ。」

いつもは(少し)鈍感なシンジだったが、今回はそうではなかった。

「わかったよ。じゃ、アスカ、今度の日曜日、空いてる?」

「空いてるわよ。」

「じゃあ、朝からどこか行こうか。」

「・・・うれしい!」

アスカはそういうとシンジに抱きついた。

「あ、アスカ、恥ずかしいよ・・・・」

「もう少し、こうさせて。うれしいの。」

そのまま、1,2分たった。

「アスカ、そろそろいいだろ?ほら、早くお昼食べなきゃ。」

「・・・いや。シンジと一緒がいいの。」

「だから、僕はいつもアスカの隣にいるだろう?だから、ね。」

シンジがそういうと、アスカはシンジから離れた。そして、言った。

「さ、お昼を食べましょ。」


放課後。

「シンジ、ごめん。先に帰ってて。」

「いいけど、どうしたの?」

「ヒカリにちょっと頼まれたのよ。買い物につきあってって。」

「ふーん、じゃあ、僕は一人で帰るよ。」

「ごめん。シンジ。」

「いや、アスカが謝ることじゃないよ。用事なんだから。じゃ、僕は帰るよ。」

「あとでね、シンジ。」

そして、シンジは家に、アスカはヒカリとともに商店街へと向かうのだった。

「ただいま。」

「あ、シンジ、お帰り。あら、アスカちゃんは?」

「なんだか用事があるって言ってたから、遅くなるんじゃないかな。」

「そう、分かったわ。」

「じゃ、僕は部屋にいるから。」

シンジは部屋へと戻っていった。


「ただいま。」

「あら、アスカちゃん、遅いんじゃなかったの?」

「ええ、でも、早く用事が済んだんで。」

「そうだったの。てっきり遅くなると思ってたわ。」

「それより、シンジは?」

「シンジなら部屋よ。」

「じゃあ、あたしも。」

アスカも部屋へと戻った。

アスカは制服から着替えると、シンジの部屋のドアをノックした。

「シンジ、いる?」

返事がない。もう一度、

「シンジ、いるの?」

しかし、まったく音沙汰がない。そこで、アスカはドアを開けた。

「シーンージー・・・・あら・・・」

シンジはベッドの上で横になって寝ていた。

「疲れたのかしら?」

シンジはよく眠っているようだ。

「起こすのはかわいそうね。そっとしておきましょ。」

アスカはシンジの部屋を出た。


「シンジ、ご飯よー。」

ユイの声で目を覚ますシンジ。

「今行くよー。」

シンジはゆっくりとベッドから起き、布団をたたむ。

そして、リビングへと向かう。

「あれ、父さん、帰ってたの?」

「ああ、今帰ってきたところだ。シンジ、ユイから聞いたが

私が何をしてるか知りたいのか?」

「う、うん。」

「だったら、先に食事を済ませよう。それからでもいいな。」

食事が運ばれてくる。そして、みんな食べ始める。

「あなた、シンジにあのことは話したんですか?」

「あ、いや、食事が終わったあとでな。」

「そうですか。」

「そうだ、アスカ、今日は洞木さんとどこ行ってたの?」

「うん。ちょっとね。」

「確か、買い物って言ってたよね。何を買ったの?」

「あたしは何も買ってないわ。買ったのはヒカリよ。」

「へぇ〜。で、洞木さんは何を買ったの?」

「秘密よ。ごめんね、シンジにも言えないのよ。」

「そ、そうなの。でも、気になるなぁ・・・・」

「でも、またいつか分かると思うわ。・・・ごちそうさま。お先、シンジ。」

アスカは茶碗を台所へと運んでいった。


「父さん、あの・・・・」

「ああ、私の仕事か。」

「うん、で、いったい父さんは何の仕事をしてるの?」

「一言では言いにくいな。あえて言うならば、”人の役に立つ”仕事だ。」

「それじゃ分からないよ。」

「今はそれでいい。おまえも大きくなれば分かることだ。」

「・・・・わかったよ。」

シンジは部屋へ戻った。そして、着替えを持って浴室へ向かった。

湯船に浸かりながら、

「父さんはああいうけど、いったいなんだろう?」

「僕にはまったく分からない・・・・」

「またいつか聞いてみよう。そうすれば教えてくれるかもしれないし。」

シンジは風呂から上がると、疲れていたせいか、すぐに眠ってしまった。

そのあと、アスカがのぞきに来たが、昼と同じように

アスカも何もせず、自室へ戻り、シンジと同じように寝てしまった。


第9日目 終


つづく
ver.-1.00 1997-05/01公開

ご意見・感想・誤字情報などは syuhei@nerv.toまで。


 Syuheiさんの連載小説「シンジ達のとある一週間 第二部」 第9日目公開です!

 シンジとアスカがラブラブしていますね(^^
 シンジ君がアスカちゃんを誘って、デートの約束・・・
 頑張っているねシンジ君。
 でも、やっぱりアスカの誘導が見えているような・・・(^^)

 色々な謎がチラリチラリとのぞいています。

 ゲンドウのしていることとは?
 ヒカリが買った物は?

 うーん。気になるなぁ・・・・

 訪問者の皆さんも貴方の予想をSyuheiさんに送ってみてはいかがですか?(^^)


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