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シンジ達のとある一週間 第二部

第8日目 アスカの恩返し
episode 8 : He is still suffering from a headache.


「シンジ、起きなさい。朝よ。」

「・・・・・うーん、アスカぁ・・・・」

「シンジ、なに言ってるのよ。早く起きなさい。」

「・・・・ごめん、起きれそうにない・・・・」

「どうしたの?」

「・・・・・頭ががんがんする・・・・・」

「大変じゃないの!ちょっと、おばさまを呼んでくるわね。」

そして、アスカはユイを呼びに行った。

「おばさま、シンジが大変なんです!」

「どうしたのよ、そんなにあわてて。」

「とにかく、シンジが!」

「はいはい。分かったわ。行きましょ。」

ユイとアスカはシンジの部屋に行った。

「シンジ、どうしたのよ?アスカちゃんが慌てて来るから・・・・」

「なんだか頭ががんがんするんだ・・・・・」

「一昨日のお酒が抜けきってないのね、きっと。学校はいけないわね。当然。」

「ごめん・・・・」

「たぶん、シンジのせいじゃないと思うわ。」

「でも、シンジに誰かが飲ませた形跡はないわ。」

「だったら、シンジが飲んだってことですか?」

「それは私には分からないわ。それより、シンジのこと、よろしくね。」

「どういうことですか?」

「私、今日も出かけなきゃいけないのよ。だから・・・」

「シンジの面倒を見ればいいんですね。この間みたいに。」

「そう。じゃ、私は支度があるから、お願いね。

あと、学校には私が連絡して置くわ。旅の疲れで学校に行けないって。」

そう言うとユイは部屋を出ていった。

「シンジ、大丈夫?」

「・・・・今のところは。アスカ、お願いがあるんだけど・・・・・」

「何?何なりと言って頂戴!」

「あの、あまり、大きな声を出さないでくれないかな・・・・・

頭に響くんだ・・・・」

「そ、そう。分かったわ。」

「・・・・わざわざごめん、アスカ。」

「いいのよ。あたしもこの間シンジに看病してもらったから。」

アスカがそう言うとシンジは軽く笑った。

「シンジ、何か食べる?」

「ごめん、何も要らない。」

「シンジ、さっきから”ごめんごめん”って言ってるわね。」

「あ、ごめん・・・・」

「ほら、また。」

アスカは笑った。

「ほんとだ。」

シンジも笑った。


時間もたち、今は昼。

「シンジ、調子はどう?」

「うん、だいぶんいいよ。」

「お昼、作ってあるけど、食べる?」

「えっ、アスカが作ったの?」

「あたしじゃないわよ。おばさまが作って置いていったのよ。」

「そうなんだ。じゃ、アスカ、持ってきてくれないかな?」

「分かったわ。」

そして、アスカがシンジの部屋に昼食を持ってきた。

「ありがとう、アスカ。」

「それより、あたしもここで食べるけど、いい?」

「僕は別にどうでもいいよ。アスカの好きなようにしてよ。」

「ごめんね、シンジ。」

お昼を食べ始める二人。

「あ、おいしいわね。」

「母さんの手料理だからね。」

「これから毎日シンジ達と一緒に食べるのね。」

「どうしたの?いきなり改まって?」

「う、うん。昨日ね、シンジは寝てたから分からないかもしれないけど、

シンジの隣の部屋、空いてるでしょ。」

「うん。父さん達は物置にするって言ってたけど・・・・」

「その部屋に、あたしが住むことになったのよ。」

「へぇ、アスカが住むんだ。・・・・・・ええっ!?」

「そうよ、昨日あたしも聞いたんだけどね。」

「だったら、これから賑やかになるね。」

「そう?」

「だって、アスカは・・・・・・」

シンジは何か言いかけたが、黙ってしまった。

「あたしは何なのよ?シンジ、言いなさいよ。」

「な、なんでもないよ。」

「シンジ、あたしに隠し事するわけ?」

「そ、そんなんじゃないよ!」

「じゃあ、何なのよ、言いなさいよ。」

「アスカは、その、ちょっとおてんばかなぁって・・・・・」

「シンジはあたしをそんな感じに見てるの?」

「違うよ!」

「だったら、ほかに何かないの?」

「僕は・・・・」

「何?」

「僕は、アスカのことをそういう風に見ていたときもあった。けど、

僕は、アスカのことを・・・・」

「何よ、早く言いなさいよ。」

「・・・・・やっぱりやめておくよ。でも、僕はアスカのことを

ちゃんと見てるから。これだけは約束するよ。」

「そ、そう。」

「それより、アスカ、昼の片づけしないと。

僕、だいぶんよくなったから手伝うよ。」

「じゃ、手伝ってね。」

そして、二人は片づけを始めた。


「シンジ、起きれる?」

「うん、何とかね。」

シンジは体を起こした。そして、ベッドから降りる。

「あー、よく寝たなぁ。」

「ほんと。かなり寝ていたわね。」

「でも、そのせいでもういいよ。」

「シンジ、今更あれだけど、テレビでも見ない?」

「そうだね。」

二人はリビングへ移動した。

「えっと、今やってるのは・・・・」

アスカが新聞を見ながらつぶやく。

「でも、今3時だし、やってるのはたいてい

ワイドショーじゃないかな・・・・・」

「そうね。じゃ、ゲームでもする?」

「そうしようか。」

二人はシンジの部屋からゲーム機を持ってきて、やり始めた。

最初は格闘もの。これはシンジは強い方である。

当然シンジの勝ちである。

次に、カーレースもの。

なぜか、これはアスカの方が強い。

そして、2時間があっという間に過ぎていった。


「ただいま。」

「あ、母さん、お帰り。」

「あらシンジ、もういいの?」

「うん、アスカがちゃんと面倒見てくれたから。」

「で、アスカちゃんは?」

「むこうにいるよ。」

「シンジ、今夜何にしようか?」

「僕は何でもいいよ。アスカに聞いたら?」

「そうね。」

そして、ユイはアスカの所へ行った。

「アスカちゃん。」

「あら、おばさま、お帰りなさい。」

「それより、今夜何が食べたい?」

「何でもいいです。シンジに聞いてください。」

「いや、シンジが”アスカちゃんに聞いて”って言ったから・・・・・」

「そうですか。じゃ、トンカツ!」

「トンカツね。分かったわ。ちょうど豚肉があったのよね。」

ユイは夕食の準備をしに台所へと行った。


「「いただきます!」」

ユニゾンするシンジとアスカ。

ちなみに今日はゲンドウはいない。3人だけの夕食である。

「シンジ、アスカちゃん、どう?おいしい?」

「うん、とっても。」

「ほんとにおいしいです。」

「よかったわ。」

「母さん、父さんは?」

「あの人は今日は帰れないって言っていたわ。」

「ねぇ、母さん、父さんって、どういう仕事してるの?」

「シンジ、知らないの?」

アスカが尋ねる。

「うん、父さんも教えてくれないんだ。」

「シンジ、もう14だったわね。」

「そうだけど?」

「だったらそろそろ教えてもいいわね。」

「えっ?本当?」

「だけど、お父さんがいるところでね。」

「じゃあ、明日ごろ?」

「そう言うことになるわね。シンジ、ほんとにいいのね。」

「えっ?」

「まあいいわ。じゃ、明日ね。」

「・・・・ごちそうさまでした。」

アスカが食べ終わった。

「ごちそうさま。」

シンジも食べ終わった。

「アスカ、僕が持っていくからいいよ。」

「え、いいの?」

「今日はお世話になったからね。」

シンジは自分とアスカの分の食器をもって、台所へと向かった。


シンジの部屋のベッドの上。

「父さんがやってる仕事って何なんだろう?」

「今まで聞いたこともなかったなぁ・・・・・」

「確か、ミサトさん達が前勤めていたのは知ってるけど・・・・・」

「父さんとあの旅館との接点は何だろう?」

「ま、悩んでいても仕方ないか。早く寝よう。」

そして、シンジは深い眠りへとついた。


第8日目 終


つづく
ver.-1.00 1997-04/24公開

ご意見・感想・誤字情報などは syuhei@nerv.toまで。


 Syuheiさんの新(?)連載『シンジ達のとある一週間』第二部 第8日目 公開です!!

 『シンジ達のとある一週間』が謎を残したまま終わったと思っていたら、 始まりました、新連載!!  
 そのタイトルは・・・『シンジ達のとある一週間』第二部・・(^^;;

 直球なのか、魔球なのか、いきなり始まる新連載に驚き桃の木サンゴの木 (©アスカ)です。

 第2部ではシンちゃんは自分からアプローチできるのか?
 やっぱりアスカにリードされっぱなしなのか?(笑)

 さあ、読者の皆さんもメールで、シンジ君を焚き付けて下さい。(^^/


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